破壊神ゴジラvs鬼神エヴァンゲリオン~最終戦争~ 作:井上ああああ
pixivであげたものをこちらでもアップしました。
マリは目を覚ました。
そうだ、自分はバガンとともにブラックホールの中に8号機とともに消えた。
そのはずなのに。
ふと自分の肌を触った。
暖かい。
生きている。
なぜだろう。
そうか、ここは天国。
自分は死んだんだ。
だから、ここは天国なんだ。
砂の感触を感じる、妙に冷たく柔らかい。
そして、何かもぞもする。
そんな時だった、
彼女の背中に電撃が走った。
「痛い!」
痛い?
砂の中にいる虫が自分を噛んだんだ。
天国にいるならなぜ、痛みを感じるのだ。
ふと彼女は気が付いた。
ここは天国ではない。
「だとしたら…。」
マリはふと周囲をみた。
人がいる。
彼女をいぶかしげにみるものもいた。
ふと、標識をみた。
ドイツ語だ。
そうか、ここはドイツ。
考えられるのはブラックホール砲でバガンとともに消えたあの時、自分は次元をワープして別の場所へ飛ばされたのだろう。
こんな何も知らない場所でどうすればいいのだろう。
マリはふと考えた。
そこにキオスクがあるのがみえた。
何か仕事を探そう。
新聞の求人広告でもみよう。
マリはなぜかプラグスーツの中に入っていた財布の存在を思い出し、小銭を持ち出した。
待て、ここと向こうの世界は違うはず。
だったら通貨も違うはずだ。
プラグスーツの姿をみてキオスクの老人は気持ち悪そうにこっちをみた。
「すみません、これでいいですか。」
「ああ、いけるよ。」
マリは老人の視線を無視した。
貨幣は同じ物が使えるのか。
その時だった。
マリの心の中に何かが蠢くのを感じた。
貨幣が同じ、人間もいる。
だとすれば別の世界に行ったという自分の考えは間違っているのではないか。
「まさか…。」
新聞を開いた時、それは現実になった。
写真に写るのはエヴァンゲリオン二号機。
アスカがインタビューにうつっていた。
『英雄アスカ・ラングレー、自身を語る。』
マリはふと何かを思いついた。
その頃、ベルリンのマンションではケンスケが荷物整理の準備を始めていた。
マリと住んでいた一室。
ココには思い出が多すぎる。
思い出してもつらい事。
もう二度と思い出したくない。
一緒に暮らしていたマリは死んだ。
何をどうしても死んだ人間は帰ってこない。
奇跡は起きない。
テラスに立ったケンスケはメガネを外してヨゴレを拭いた。
ここであいつとよくココアを飲んだな。
もうツライ思い出でしかねえな。
ケンスケは自嘲的に笑うと、窓を見つめた。
電話の着信がなった。
加持さんからだ。
もう彼も僕の上司じゃない。
色々パワハラされたけど、一応お世話になったから最後の挨拶にでもいくかな。
とそんなことを想っていたケンスケは加持の電話に出た。
「もしもし加持さんですか?」
「お前辞めるって本当なのか。」
お前呼ばわりか。
「ここにいてもつらい事しかないですよ。」
「そうか、まあ…日本に帰ったらシンジ君によろしくな。」
「ええ。」
「愛する人を失うのはつらいことだ、お前のやることは逃げなんかじゃない。それだけ伝えたいんだ。」
「そうですか。」
ケンスケはもう力はなかった。
「お世話になりました。」
「ああ、また会おう…次の月曜日にな。」
「何を言ってるんですか?」
そんな時だった。
向かい側のビルに加持が双眼鏡をもって手を振っているのがみえた。
彼は笑顔だった。
窓から顔を出すと大声で叫んだ。
「後ろを観ろ!!!」
ケンスケは加持の言ったこと真に受け振り返った。
そこには立っていた。
誰かが。
眼鏡をしていないのでよくみえない。
彼は改めてメガネをつけると、その相手を確認した。
背が高い。
眼鏡をしている。
青い目。
「マリ?」
ケンスケは目の前にいる彼女を抱きしめた。
マリは微笑み彼を抱き返した。
「ただいま。」
「おかえりなさい。」
二人は抱擁をしあいながら耳元でささやき合った。
マリは気が付いていなかった。
だが、ゴジラとシンジが起こした現実再改変のエネルギーはマリが死んだ世界にも波及がおよんだ。
そして、生きている世界線と死んだあとの世界戦が統合されたことで彼女は甦ることに成功したのだった。
マリはふと天をみつめた。
そこには一つの蝶々が空を舞っていた。
その姿はモスラにもみえた。
蝶々は空高く舞い上がるとそのまま、マリたちの前から去っていったのだった。