破壊神ゴジラvs鬼神エヴァンゲリオン~最終戦争~   作:井上ああああ

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今回はエヴァ薄目です。
一応二話からは3日ほどたっている予定です。
大量の人間が死ぬ描写がありますのでご注意ください。


第3話:荒ぶる神ゴジラ

 ネルフ本部

 

 北川ミドリは欠伸をしていた。

 

 彼女は2年前に入ったばかりの新人。

 使徒と戦っていた時期は大学生をしていたのでよくわからない。

 仕事に対しても深い情熱はない。

 大学の頃はモデルをしていた。

 安定がほしいから、国連関係者の知り合いのコネで何とかここに入った。

 しかも、あくまで契約社員という体である。

 

 

「なんかつまんなーい。」

 

 

 1年前の新型エヴァとの抗争の時もインフルエンザにかかっていたので休んだ。

 仕事はオペレーター兼広報係である。

 

 

「なんか面白いことないの、葛城さん。」

 

 

 ミサトは苦虫をかみつぶしたような顔でミドリをにらんだ。

 

 

「あのねえ、北川さん。私はあなたより年齢も立場も上、つまりね上司なの?わかる?私はね、あなたの将来が心配だわ真面目な話。それにね、あたし達は一応軍であり研究機関であり…。」

 

 

 ミドリはミサトの話を無視するとスマホの画面に集中していた。

 そして、取り出すといきなり自撮りをはじめた。

 

 

「仕事してるなう。」

 

 

 

 ミサトは怒りで体が震えるのを抑えた。

 

 

 

 くっそーなにが広報じゃ。

 こいつスマホいじって画像投稿してるだけじゃない!!

 何よ、こいつ…。

 

 

 

「あのねぇ・・・上にいる人間の話は最後まで聞かないと…。」

 

 

 すると脇から冬月がやってくるのがみえた。

 

 

 

「葛城くん!いいかげん始末書の書き方ぐらいなんとかならんのかね!また国連からクレームがきとるよ!他人に偉そうなことを言うならまず自分から始めてみてはいかがかね。これだから最近のわかいもんは・・・私の若いころは!葛城くん!」

 

 

 

 ミサトは冷や汗をかくと小さくなった。

 

 

「すいません・・・。」

 

 

 ミドリはそんなミサトをクスクスと笑っていた。

 脇から日向がやってきた。

 

 

「北川さん、敬語は使おうよ。」

 

 

「なに、マコっちゃん。」

 

 

「マコ・・・・ちゃん?」

 

 

「うん、マコトでしょ。だからマコっちゃん。」

 

 

 

 

 日向は頭を抱えた。

 こいつどうしようもねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃

 オペレーターの青葉シゲルはシンジとギターのセッションをしていた。

 シンジは青葉に時々こうやってギターを教えてもらうのが好きだった。

 青葉は同僚のマヤと結婚していた。

 

 

「火星からなんかでかいのがくるんだっけ。」

 

 

「そうですよ、だから技術部は忙しいとか。」

 

 

「火星人とかついてたりして。」

 

 

「タコ型みたいなの?」

 

 

「ワレワレハウチュウジンだとかいって。」

 

 

「何それ?」

 

 

 シンジと青葉は冗談を言い合いながら談笑していた。

 

 彼がカヲルの話を聞いたところには、あと数日以内に火星から荷物が届くそうだ。

 そして、今日は約束の日。

 

 もうすぐで荷物が届くだろう。

 

 

 

 

 

「ああ、そういえばマヤちゃん、最近カリカリしてんだよ。」

 

 

「女の人ってたまにそういうのありますよね。」

 

 

「シンジ君ももう20過ぎか。じゃあ色々わかってるよな。」

 

 

「青葉さんももうおじさんですね。」

 

 

「ははは!」

 

 

 青葉は笑うとスマホがなっていることに気が付いた。

 青葉は手をとめると、電話に出た。

 

 

「マヤちゃんだ。」

 

 

 シンジも手をとめた。

 青葉はそれをみると電話に出た。

 

 

「はい!」

 

 

 シンジは青葉の様子をみていた。

 

 

 

「え!?マジ!?うん、わかった!」

 

 

 シンジは青葉の顔をみた。

 

 

「マヤちゃん、妊娠だって。」

 

 

「え!?本当!?おめでとう!青葉さんもパパじゃん!」

 

 

「ははははは、まいったな。俺も父親かー。」

 

 

 

 青葉とシンジは二人で笑い合った。

 ずっとこんな平穏な時期が続けばいいのに、そうシンジは思った。

 

 

 

 中国、香港。

 そこは世界最大の都市であった。

 10億人以上が住むその街は日本はいうまでもなくアメリカすらも越えようとしていた。

 

 そこには新しく建造された超高層タワーのお披露目の式典が行われていた。

 中国の力を証明すべく作り上げられた「金龍タワー」は地上350階、高さ1500mというブルジュ・ハリファを越える大きさを持っていた。

 

 その300階ではお披露目会・プレスの質疑応答などが行われていた。

 雲がかかっているのが地下からはみえた。

 

 そのお披露目会にハリウッド俳優が多くいた。

 その中にリチャード・パーカーはいた。

 タワーのお披露目をかねて、屋上でマウスマンの上映会を夜に行うためである。

 世界中のマスコミはこの日集結していた。

 

 

「いやーん、リッチーだいてー!!!」

 

「リッチー!!!」

 

 

 リチャードは多くの女性たちの声援に金髪青目の甘いマスクで答えた。

 パーカーは19歳という若さでハリウッドのこれからを狙うとうわさされている若手俳優であった。

 パーカーの横にはヒロイを演じたジーナ・アン・J・リーンがいた。

 ジーナは整形手術とヒアルロン酸の効果で若さをキープしていた。

 

 実は、金龍タワーのオーナーである、中国の不動産王にして、世界最大の電化製品メーカー「グリフォン」の会長であるワンはジーナの恋人であった。

 少なくとも表向きは。

 ジーナの脇には身長150㎝で年齢55歳のワンがいた。

 

 

 ワンは自信満々の顔で言っていた。

 

 

「この金龍タワーは夢のつまったタワーです。これからの皆様、世界のためにも貢献することをここに誓います。そして、今ここで恋人のジーナとともに皆さんを迎えます。」

 

 だが、ジーナは内心このワンを軽蔑していた。

 汚らわしい、私は白人以外の男に抱かれたくはない。

 ましてや横にいる小さく脂ぎった豚などには…。

 

 しかし、もう35過ぎたジーナはもうハリウッドや西側社会にスポンサーなどいない。

 上院議員の総務をしている祖父も縁は切れている。

 これも一種の営業。

 マネジメント会社からの進言を受けただけのこと。

 落ち目のハリウッドスターにはこれしか道はなかったのだ。

 

 

「ダーリン、今からリチャードと大事な会議をしなくちゃいけないの。」

 

 

 ジーナはそう、ワンにいった。

 ワンはジーナの肩をなで、臀部をなでながら耳元でささやいた。

 

 

 

「いっておいで。」

 

 

 そして、頬にキスをした。

 

 

 

 タワー内部に入りエレベーターの中へと入っていった。

 向かう先は最上階テラスハウス。

 王とジーナの住む場所だ。

 ジーナは怒りに肩を震わせた。

 

 

「けっ!」

 

 

 ジジイが・・・私に気安くさわってんじゃねーよ!!!

 何さ、私は確かに落ち目のハリウッド俳優かもしれない。

 40以上でいきおくれのババアかもしれない。

 だが、かつては世界中の大スターだった。

 邪魔する人間は蹴落としてきた。

 私はハリウッドの女王アリ、あんなクソみたいななめた下劣なヤツに触られる資格などない。

 私はなんどもなんどもワンに言い寄られたが、拒絶してきた。

 ふと、エレベーターはたどり着いた。

 

 

 そこにはリチャード・パーカーはいた。

 

 

「遅いよ、ジーナ。」

 

「ごめん、リチャードまってたぁ?」

 

 

 ジーナはリチャードにとびつくとキスをした。

 彼女はリチャードの唇と舌を堪能していた。

 ワンはあくまで世間体のための彼氏、本物のボーイフレンドはこのリチャードしかいないのだ。

 少なくともジーナにとっては。

 金持ちだが、アジア系の彼氏を持っているこれだけでジーナは偉いとハリウッドの連中からは称賛されるのだ。

 そして、テラスハウスにはカメラはない。

 

 

「心配しなくてもいいわよ、ここにカメラはないから。」

 

 

「ああ、そ、そうだね・・・。」

 

 

 こわばった表情でリチャードは顔をしかめていた。

 

 

「フフーん、リッチーたんったらもう緊張してるのねぇー?でもいいのよ、アタシの溢れる愛とロマンスはあなただけのものなの。」

 

 

 リチャードは顔を少し青くした。

 

 この行き遅れババア勘違いしてんじゃねーか。

 てめェの祖父ちゃんが大物政治家だから利用してるだけだっつーの。

 20歳以上離れた女を恋人なんかにするわけねーだろ。

 現実をみろよ、頭イカレてんのか?

 何がリッチーたんだ、気持ち悪い。

 

 

 内心、毒づいた。

 

 

 リッチーとジーナは以前に共演した映画で、鉢合わせた時の仲。

 その時、リチャードは16歳でこの女は39歳だった。

 初共演した時に、その夜に一夜を強要された。

 その際に拒んだ場合は祖父に言ってこの映画業界では食えないようにしてやるとも脅された。

 それ以降、彼女には逆らえなかった。

 

 

 だが、それも終わりだ。

 ジーナにはいっていなかったが、カメラはついている。

 ワンに相談した彼はこれを録画してジーナを脅す気でいる。

 ジーナはカードキーを開けると開いた。

 

 

「んじゃー、シャワー浴びてくるからまっていてね?」

 

 

「ああ、そうするよ…。」

 

 

 

 リチャードは舌打ちをした。

 

 

 

「ジーナ、地獄へ落ちろ。」

 

 

 

 それも知らず、ジーナは呑気に鼻歌を歌いながらシャワーを浴びていた。

 リチャード、私が10代のころから目をかけていただけあっていい男になった。

 

 

「お待たせー!」

 

 

 ジーナはバスローブを着るとドアを開けた。

 リチャードはこわばった顔で彼女を迎え入れようとした。

 

 

 

 そんな世界の勝ち組がワイワイと集まりながら宴会を繰り広げている中、地上ではカップルたちがいた。

 チェンとミンは寂れた香港の場末で生活するさえないカップルだった。

 チェンは10時間勤務の中華料理店の皿洗い係、ミンはメイドであった。

 住む家は汚いマンション、ネズミやゴキブリが彼らの同居人であった。

 ミンは帰ってくるチェンを待ち、料理を作っていた。

 

 

 やがて、壊れたメガネをかけたチェンはせき込みながら帰ってきた。

 恐らく風邪をひいている。

 それを押してでも働くチェンがミンは好きだった。

 

 

「おかえりなさい、また具なしチャーハンよ。」

 

「ミンの作る料理が一番好きだよ。」

 

 

 チェンはチャーハンにスポーンをいれると口に出そうとした。

 その時だった。

 ミンはいった。

 

 

「私、妊娠したの。」

 

 

 チェンは目を輝かせた。

 

 

「本当!?」

 

 

「うん。」

 

 

 二人は抱き合って喜んだ。

 念願の子供が生まれたのだから。

 

 

 香港の街では迷子になった日本人兄弟が人ごみの中で親を探していた。

 弟は、年齢は6歳。

 そんな兄は10歳。

 兄弟仲は悪かった。

 兄は知っていた、父は借金を負っていたことを。

 恐らくは自分たちはこの外国で見捨てられた。

 

 

「泣くなよ!男だろ!」

 

 弟にそう言った。

 だれもいない、だから俺が弟を守るしかない。

 兄は誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 そんな時だった。

 地鳴りが響いた。

 

 

 ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン…。

 

 

 

 ジーナとリチャードは地面にぐらつきそうになった。

 チェンとミンは抱き合ったまま地面に倒れた。

 日本人の兄弟は地面に倒れた。

 

 

 

 

 

 その頃、黄龍タワーにいた多くのセレブやプレスたちも大きく転倒した。

 ワンは微笑みを浮かべながら言い訳をした。

 

 

 

「お気になさらず、このタワーは地震に強いのです。日本の建築士が考えたものですからね。」

 

 

 

 

 そんな時だった。

 ワンの気休めの言葉をかき消すようにサイレンが響いた。

 夕焼けの香港の街。

 その街に大きな何かが近づいているのがみえた。

 海の方から。

 

 青白く光り輝くと、それはやってきた。

 黒かった。

 黒い岩肌がみえた。

 

 

 黒い岩肌をしたそれは、とてつもなく巨大であった。

 それは生きているように動いていた。

 ふとみると、船舶がそれを避けているようにみえた。

 

 その足元には香港国際金融センターがあった。

 高さ410mほどの…それがゴジラの腰にきていたのだ。

 

 

 

 

「なんだあれは。」

 

 

 

 ワンは思わず言った。

 すると、その言葉に反応するかのようにそれはゆっくりと迫ってきていた。

 香港国際金融センターはまるで造作もなく蹴り飛ばされて破壊した。

 そして、それは横にくねりながら、尾を持ち上げた。

 はるか遠くにあった環球貿易広場にまでそれは届いた。

 やがて、尾は激しく動き環球貿易広場を破壊した。

 

 

 

 『それ』には白い目があった。

 

 

 

 その時わかった。

 こいつ、生きている。

 恐竜のようだ。

 

 

 まるで、映画のゴジラのよう。

 否、ゴジラそのものだ。

 

 

 

 

「ゴジラ!?」

 

 

 

 ゴジラだ。

 

 黄龍タワーをみていた。

 次はここだ。

 

 

 黒い巨体は黄龍タワーよりも倍以上の大きさをしていた。

 多くの客が悲鳴を上げた。

 そして、我さきに逃げようとした。

 

 

 

 ワンもその一人だった。

 その時気が付いた。

 

 

 

「階段がない。」

 

 

 

 そう、階段を設置していなかった。

 エレベーターだけ、気が付けばエレベーターホールに人だかりができていた。

 

 

「クソ!!!どけ!!!どけぇ!!!!雑魚どもめ!!!おれ、俺様は世界3番目の金持ちだぞ!!!どけぇ!!!どくのだああああああああああああ!!!!この労働者風情が!!!!」

 

 

 ワンは群衆を押しのけた。

 こけて倒れていた人間を蹴り、踏むのがわかった。

 ワンは涙を浮かべた。

 こんなことなら階段をつければよかった。

 

 

 だが、だが仕方ないじゃん!

 経費がないもん!

 階段しようできてもつらいじゃん!

 

 

 

 

 テラスハウスにいたリチャードとジーナも同じく、その存在に気が付いた。

 

 

 ここは最上階、そして高さ1500mあるビル。

 そのはず…だった。

 黒い肌をしたゴジラはその2倍はあった。

 ジーナはその巨体に震えあがった。

 

 ゴジラはゆっくり、じっくりと距離を近づけていった。

 その足元では100mサイズの高僧ビルが次々と破壊されていくのがみえた。

 

 

 

 

 

「おわ・・・・おわ・・・おわり?せかい・・・・。」

 

 

 そんな馬鹿な。

 セカンドインパクトを生き残った。

 この私がこんなところで死ぬ?

 

 考えられない。

 否、考えたくない。

 だが、どうしようもない。

 ココには階段がないのだ。

 

 

 逃げられない。

 

 

 

「い、いや・・・いや・・・・・いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

 

 ジーナの悲鳴が上がった。

 ゴジラの巨体をみて、一気に髪の毛は恐怖で逆立ち白く染めあがっていった。

 

 

 

「嘘だろ、おい!!おいおいおいいおい!!!!」

 

 

 リチャードは何度何度も何度もボタンを押した。

 エレベーターが動かない。

 どうして?!

 まさか下層のゴミどもが…。

 

 

 そうだ、ここはテラスハウス。

 金ならある。

 奪って何とかしてやろう。

 リチャードはジーナの首めがけてとびかかった。

 そして両手で強く締め上げた。

 

 

「おい、ババア!金はどこだ!てめえのせいで俺はくたばっちまうんだぞ!なんとかしろ!なあ!」

 

 

 ジーナは震えあがった。

 口から泡を吹いていた。

 

 

 ちっ、ババアめ!

 

 

 リチャードは舌打ちをすると、そのままジーナの首を締め上げた。

 

 

 

 

 その時だった。

 外が暗くなっていった。

 違う、手があった。

 黒い手。

 

 

 

「あっ死‥」

 

 

 

 リチャードは何かを言おうとした。

 手遅れだった。

 

 

 ゴジラの右腕はそのまま、黄龍タワーを突き崩した。

 

 

「うわあああああああああああああ!!うわあああああああああああああああああ!!!」

 

 

 ワンは悲鳴をあげながら地面へと真っ逆さまに転落した。

 その際にリチャードとジーナが落ちてくるのもみえた。

 ガレキ、人々・・・それらはたばになり地面に落ちていった。

 

 金を集めても意味なし、死ねば金はただのクズ。

 ワンはようやく気が付いた。

 

 

 

「なんのために俺は金持ちになったんだあああああああああああああ!!!」

 

 

 

 

 ワンは叫びながら地面に消えていった。

 

 

 そして、そこにいたすべての2万人以上の人間はともに犠牲となった。

 ワンの欲望も、リチャードの人生も、ジーナの野心もともにタワーとともに崩れ去っていった。

 

 

 

 その光景をみたすべての人々は悲鳴をあげていた。

 日本人兄弟の弟は目を輝かせていた。

 

 

「兄ちゃん、あれゴジラだよ!」

 

 

 

 ゴジラの白く瞳孔のない目は冷たく輝いていた。

 そして、黄龍タワーの残骸を容赦なく群衆のいる道路近くに投げ込んだ。

 

 

 

「あっ…兄ちゃん何か投げたよ。」

 

 

 弟は無邪気にいった。

 兄は黙って弟を抱きしめた。

 

 

「生まれ変わっても兄弟でいような。」

 

 

 

 80mの残骸は5千人の群衆たちに降り注いだ。

 兄弟たちもその残骸の犠牲になってしまった。

 そして、ミンとチェンも同じ光景を目の当たりにした。

 多くの人々が逃げていた。

 チェンはミンを連れて逃げようとした。

 だが、二人を容赦なく人ごみが呑み込んでいった。

 

 

 ミンは悲鳴をあげ人ごみの中へと消えて言った。

 

 

 

「ミン、どこだ!!!!!」

 

 

 

 チェンは悲痛な悲鳴をあげた。

 だが、1500m以上の身長を持つゴジラは不気味に白く輝く目を持ち人々、街をすべて潰していった。

 港から国連軍から独立した中国軍の空母は必死になってゴジラを攻撃してるのが見えた。

 アメリカ軍や日本の戦自に、海軍力だけなら勝つといわれている。

 そのはずだった。

 

 

 だが、ゴジラの前ではすべてが戯れだったようだ。

 攻撃はきいていなかった。

 

 そんな時だった。

 上空から何か来るのが見えた。

 

 金色のロボット。

 それ、チェン達のすぐそばまで来ていた。

 

 

 

「下にいる、やめろォ・・・・やめろおおおおお!!!」

 

 

 

 チェンは叫んだ。

 だが聞くこともなかった。

 ロボットはそのままチェンを踏みつぶしたのだから。

 

 

 

『金剛』

 

 

 中国軍が誇る最新鋭のロボット兵器は腕を構えた。

 パイロットのトンは鼻で笑った。

 彼は中国軍のエリート軍人。

 かつてベトナムとの間で起きた紛争でも活躍した。

 その際に日本人の女に部隊は壊滅されられた。

 その後でそいつがエヴァ関係の特務機関に所属したともきいた。

 

 

 だが、復讐など馬鹿らしい。

 なぜなら俺はエヴァを越えたのだ。

 

 

 

「最強の使徒を強化させたものですら倒せる俺らにかなうやつなどいない。あんなトカゲはでくの坊だ。爬虫類如きは故郷に帰れ。」

 

 

 

 金剛はゴジラに突進をしていった。

 そして、555mの巨体はゴジラに肩をぶつけた。

 

 トンはかつてラグビーと重量上げでアジア代表に選ばれた男。

 力には自信があった。

 ニュージーランドで鍛えたこの肩と金剛の肩ならあのトカゲを殺すことができる。

 その際に市民やビルが犠牲になったが気にしなかった。

 

 とるにたらん連中の犠牲など知らん。

 

 

 効いたはず。

 金剛の中を振動が襲った。

 

 

 トンはその時気が付いた。

 

 

 

 効いていない。

 

 

 

「バカな!!!」

 

 

 

 ゴジラは攻撃に気が付いていないようだ。

 ならば、二度目だ。

 金剛はその腕をつかい、ゴジラの顎を殴り飛ばした。

 大きな衝撃波が6㎞周囲を包み、街を破壊していくのがみえた。

 何人か市民が犠牲になっていた。

 知ったことか。

 

 

 

「いける。」

 

 

 

 だが、それはトンの勘違いだった。

 ゴジラは微動だにすらしなかった。

 

 

「いや、それならば・・・・。」

 

 

 

 トンは金剛の両腕を使うと、ゴジラの腰にしがみついた。

 そして、全力を込めて止めようとした。

 負ける?

 

 

 

 否!!!

 

 

 何百枚と張り巡らされた強化ゼルエルのATフィールドを素手で破壊できる。

 NS爆雷10000発に耐えられる。

 地形が変わっても生きられる。

 

 この、この・・・・最強ロボット金剛が・・・・。

 

 

 理屈ならエヴァより強い金剛が負けるはずがない!!!

 

 

 

 だが、ゴジラは金剛に目もくれずそのまま直進しつづけた。

 

 

 100万トン以上の力がかかっている・・・そのはずなのに・・・。

 力負けしている!?

 バカな・・・・この金剛が・・・・。

 

 金剛の体は引き摺られた。

 地面に地割れが起きていた。

 引き摺られた後で山々が削られて行くのもみえた。

 

 

 トンはようやくきづいた。

 ゴジラに金剛は引き摺られている。

 負けている。

 力で…。

 金剛の一番得意な腕力で。

 

 

 

「バカな・・・・!」

 

 

 

 ゴジラはようやく目を向けた。

 そして、金色に輝く金剛をみて見下げたような目だった。

 やがて、破壊の神はその両腕を使うと自分の腰にしがみついた金剛の腕をつかんだ。

 そして、まるで子供の手を解くように力づくで金剛の腕を振りほどいた。

 

 

「な、なんて力だ…。」

 

 

 このバケモノ、ありえない。

 何百層にもわたるATフィールドを打ち破ったこの金剛を、この腕を破るだと!?

 信じられない。

 このバケモノ…・。

 

 

 ゴジラは金剛を無表情でみつめると、やがてその両腕を使い逆に持ち上げた。

 金剛の腕はさながら両腕を縛られ吊るされたように吊り下げられていた。

 

 

 

 

「やめろ!!!やめろ!!!!!!」

 

 

 

 そして、怪力を振るうと金剛の両腕を簡単に引き千切った。

 

 

 

「うわあああああ!」

 

 

 

 金剛は神経回路が接続されている、エヴァの技術を応用したものだ。

 両腕が避ける痛みをトンも感じていた。

 

 

「いだいいだいだいだいだいだいだい、お・・・・おかあちゃーーーーーーーーーん!!!」

 

 

 

 ふと、トンはみるとゴジラの大きな腕が金剛の頭部をつかむのがみえた。

 

 

 

「わひぃ!」

 

 

 なにかよくないことがおきる。

 トンの本能が五感が悲鳴をあげた。

 

 

 

「頼むやめてくれ、そんなことされたら死ぬんだよ。なっわかるだろ。俺にも家族がいるんだよ!」

 

 

 トンは泣き叫んだ。

 だが、人間の命乞いなどゴジラに聞こえるわけもなかった。

 

 

 

 

 ゴジラはそのまま怪力で一気に金剛を持ち上げると、上空高く舞い上げた。

 やがて、100万トンある金剛の体は大気圏外に飛ばされて行った。

 

 

 

 

「ひええええええええええ!」

 

 

 

 

 やがて、ゴジラの背びれが青白いチェレンコフ光に輝くのがみえた。

 そして、口から一気に熱線が光輝いた。

 熱線の影響か、衝撃波と熱波が周囲に降り注いだ。

 光線はそのまま、延びていくと金剛の体を押しあてた。

 

 

 

「うわあああああああああああ!!!」

 

 

 金剛に乗っていたトンは最期の悲鳴を上げるとそのまま金剛とともに灰になり消えていった。

『金剛』と書かれた文字プレートが寂しく宇宙空間に浮かんでいた。

 

 

 しかし、熱線は止まらなかった。

 それどころか曲がりくねり光り輝き、土星や木星を貫き破壊していった。

 火星にいた大尉たちも例外ではなかった。

 彼らは地球にいるネルフに見つけた謎の武器を運び終えて休憩していた最中だった。

 彼は家族にメッセージを送った。

 

 

『予定より早く帰れる。』

 

 

 

 そんな時だった。

 火星を青白い光がつつんだ。

 

 

 

「なんだあれは・・・・。」

 

 

 

 それが大尉の最期の言葉だった。

 火星もまた、他の惑星と同じように青白い光線の餌食になると破壊しつくされて行った。

 彼の命も宇宙に散っていったのだった。

 

 

 

 

 香港郊外の山にいたミンはその様子を山の上からみていた。

 やがて、熱波は彼女にも届いていった。

 

 

 彼女はわかった、自分は死ぬのだと。

 

 

 

「私の赤ちゃん、あなたを産みたかった。」

 

 

 

 そう笑顔で言うと、彼女の体は熱波で一気に消し灰になっていった。

 やがて、熱波と衝撃波は中国南東部からミャンマーにかけて巨大なクレーターが生み出していった。

 やがて、一気に地面が削れて行った。

 周囲を灰が包んだ。

 世界中で大きな地震や地鳴りがおきた。

 

 ネルフ、アメリカ支部のあるサンフランシスコ。

 カヲルはピアノを弾いていた。

 その時、激しい揺れを感じるのがわかった。

 カヲルのいる部屋の本棚が激しく揺れていた。

 

 

「これは地震か?」

 

 

 そういえばかつてサンフランシスコで大地震がおきた。

 それか…。

 

 

『いや、違う』

 

 

 四号機の中にいる魂の声が聞こえた。

 

 

「じゃあなんなんだい。」

 

 

『地鳴りだ。』

 

 

「地鳴り?」

 

 

『世界中で起きている。』

 

 

 ふと、執務室にオーバーザレインボウの艦長が入ってくるのがみえた。

 かなり慌てた様子だった。

 

 

「大変だ・・・今すぐきてくれ!」

 

 カヲルはその様子に何か胸がざわつくものを感じた。

 そして、不快な何かを感じた。

 彼はふと窓のを外を見た。

 そこには青白い何かが宇宙から降ってきているのがわかった。

 

 

 

「あれは・・・・魂!?」

 

 

 まさか・・・。

 まさか!!!

 何かがおきている。

 サードインパクト以上の物が。

 世界を滅ぼす破壊の光が・・・。 

 

 カヲルはピアノから離れると艦長とともに、会議室へと走って向かっていった。

 

 

  

 ドイツ、マリは自身の部屋のなかにいた。

 ケンスケはサバイバルで身に着けた料理を今日はみせるといって買い物にでかけたきりだ。

 彼女が缶コーヒーを飲んでいると同時に地鳴りはおきた。

 マリは地面に倒れた、やがて起き上がるとバルコニーに向かった。

 そこには何万という魂が、宇宙中から地球に降り注いでいるのがみえた。

 

 

「あれは!」

 

 

 その時、彼女の体に電撃が走った。

 思い出した。

 あれは見覚えがある。

 それは、オリジナルのマリの記憶。

 

 

「おもいだした…。」

 

 彼女はつぶやいた。

 全身に追憶の電撃が走っていくのを彼女はわかった。

 この光景をまえにみたことがある。

 

 マリは震えた。

 

 世界の終焉が、第一始祖民族を滅ぼしたそれがとうとうやってきたのだ。

 彼女はそれを知っている。

 第一始祖民族の生き残りだったのだから。

 

 

 

 

 

 

 地鳴りは遠く離れた第三新東京市にも響いた。

 青葉とシンジは地面に倒れた。

 

 

「いででで・・・地震か?」

 

 

 青葉は頭を押さえた。

 シンジも同じく頭を押さえていた。

 そんな時だった。

 

 すごい剣幕の顔をしたミサトがシンジたちの元に駆け寄った。

 

 

 

「二人とも、発令所に来て!」

 

 

 あんな怖い顔をするミサトは久しぶり。

 恐らく指揮官としてのミサトだ。

 シンジたちは急いで発令所に向かっていった。

 

 

 

 その日、ユーラシア大陸の半分は消え去っていった。

 全てが消え地形も、何もかもが消滅した、ユーラシア大陸の南、その中心にゴジラはいた。 

 

 

 彼は大口を開けていた。

 自分が放った熱線で死んだ人々の魂、宇宙に向けてはなった熱線で死んだ数多くの生命体の魂。

 行き場を失い、ガフの扉に入ることもなくさまよう魂は我の物。

 それを吸収した。

 それだけではない。

 惑星破壊に生じたエネルギーあるいは、超新星爆発級のそれがゴジラの喉元に入り込んでいくのがみえた。

 衝撃・熱・鉱物の破片、そして放射能…その他もろもろがゴジラの胃の中に運ばれて行った。

 

 

 そして、ゴジラは満腹になった。

 彼の体の中に、先ほどの破壊で行ったすべてのエネルギーは入り込んだ。

 血になり、肉になり…我が体の中で怨念となり生きていく。

 

 

 満足だ。

 では、奴らを呼ぼう。

 

 

 ゴジラは一声あげると、ぞろぞろと彼の部下が近づいてくるのがみえた。

 皇子バガン、剛力と不死身の将軍デストロイア、高い知能を誇る参謀オルガ、天空を舞う野心家の女王メガギラス。

 そして無数の怪獣・魑魅魍魎たち。

 

 バガンはゴジラに首を垂れた。

 オルガがそれに続いた、デストロイアも。

 メガギラスはふてぶてしく、ゆっくりと地上に降りて首を垂れた。

 

 

 

 ゴジラは口先をゆがめ、ほくそ笑んだ。

 この地球は我らのもの。

 破壊はしない。

 

 

 奪うだけだ。

 だが、この星を拠点に多元世界中の全てを奪ってやる。

 

 

 あらゆる魂を我が物に。

 くだらぬ文明を生み出す生命体は全て死を与える。

 それに再生や転生などない。

 ただ、我の胃の中で苦しみもがき憎悪の声を上げ養分になるのみ。

 

 

 

 

 文明社会への攻撃は始まったばかりだ。




次回、ゴジラvs初号機!



登場怪獣はゴジラ・オルガ・ガイガン・バガン・デストロイア・メガギラス・カマキラス。
あとは大物怪獣二体を予定しております。



次の投稿は7/9を予定しております。
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