破壊神ゴジラvs鬼神エヴァンゲリオン~最終戦争~   作:井上ああああ

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第8話:最終決戦の狼煙

 人類に残された時間は少ない3日しかない。

 ミサトを含めたネルフの多くの関係者は相次ぐ段取り作業で缶詰になっていた。

 

 

「あら、お疲れ様。」

 

「お疲れ様。」

 

 

 リツコの声だ。

 彼女も少し疲れているようだ。

 目にクマができていた。

 

 

「お互い疲れるわね、本当…。」

 

 

 時間はすっかり、午後10時。

 

 ペンペンとケントもネルフ本部で過ごす日が増えていた。

 

 

 二人疲れをいやすために、ふと休憩室でテレビをみていた。

 

 夜の情報番組か。

 アナウンサーの霧島マナがしゃべった。

 この子、シンジくんと高校が同じだったわね。

 もう、テレビのキャスターなのか。

 

 

 

「現在猛威を振るっている怪獣関係のニュースです。」

 

 

 すると、番組の映像はあるものをうつした。

 そこではうつっていた。

 醜い人々の姿が。

 

 

 市民団体だ。

 虹色の旗を振ると、「怪獣と融和を!」「怪獣こそ守護神!」「怪獣のペットになろう!」という横断幕を張っている人間がいた。

 恐らくはアメリカだろう。

 

 

 アジア系のアナウンサーはデモ参加者の白人に話を聞いた。

 

 

 

「どうして、怪獣が守護者なのですか?」

 

「人類は地球を汚しすぎました。怪獣たちは怒っているのです!人類は彼らの裁きを受けるべきです!」

 

「怪獣のペットとは?」

 

「怪獣は我らの飼い主です。彼らの庇護を受けて…我々は生きるべきです。考えてください。我々は牛や羊を無意味に殺しますか!?」

 

「国連特務機関が進めているゴジラ迎撃作戦についてどう思いますか!」

 

「今すぐやめるべきです!人間の汚いエゴで怪獣たちを巻き込まないで!」

 

 

 

 ミサトは不快感にあふれた。

 手元にあるコーヒーカップを持ち震えていた。

 それはリツコも同じだった。

 彼女たちの心にあるのは憎悪だった。

 

 

「だったら、アンタらだけあいつらに助けを乞いなさい。奴隷にしてくださいっていいなさいよ。」

 

 

 ミサトは思わず言った。

 

 

「豚であることを選ぶ連中に自由を謳歌する資格などないわ。」

 

 

 リツコも言った。

 

 そんな二人を無視したテレビはつづいた。

 

 

「今現在怪獣たちが拠点にしている、上海に多くの市民が駆け付け怪獣を歓迎するような動きもでております。その中には怪獣を神と崇める団体や友人とたたえるものもいます。」

 

 

 画面は壊滅した上海のガレキの山にたたずむゴジラをみて神のように崇めている多くの人々をうつした。

 彼女たちが思っていたより、その姿は多かった。

 

 

「ホント、リツコじゃないけどブタねあいつら。」

 

「家畜になりたいなら勝手になればいいんじゃないの。」

 

 

 

 

 

 やがて、テレビは先ほどのデモ隊の映像に戻った。

 すると市民グループはネルフの旗やエヴァンゲリオンの写真、さらにはシンジやアスカを模した人形を焼いて興奮している映像をみせた。

 

 

「こいつら…。」

 

 

 ミサトは腸が煮えくり返った。

 私たちは世界を守るために戦っている。

 それなのに…。

 これがそれか。

 

 

 

 その時、気が付いた。

 シンジはそれをみていたのだ。

 

 

「シンジ君…。」

 

 

 悲しそうだった。

 

 

 

「あの人達は僕が嫌いなんだね。」

 

「シンジ君。」

 

「ボクはがんばっている、なのに…それなのに…。」

 

 

 ミサトはシンジに駆け寄った。

 そして、黙ってキスをした。

 無理矢理。

 リツコはあまりの早い行動にびっくりしていたようだった。

 

 

「み、ミサトさん…。」

 

「もう一回キスさせて。」

 

 

 リツコは呆れたように笑うと、テレビのチャンネルを変えた。

 するとそこにはバラエティ番組がやっていた。

 

 

「さあ、来週の『フェイムオアシェイム』は!…。」

 

 

 この方がマシか、リツコはテーブルに顎をついた。

 

 

 

 

 ミサトは日向のまとめた情報をもとに、すぐさま提案をした。

 

 まずはカドミウム弾、ゴジラの個体の中には体内に原発のようなものを持っているものがいるらしい。

 これが効くかわからないが、試す価値はあった。

 

 次にアブソリュート・ゼロ。

 いわゆる絶対零度で凍らしその後物理的に破壊するもの。

 再現は不可能であるが、似たものはすでにアメリカにあった。

 絶対零度砲、という日本名のがカッコいいのでそうした。

 

 もう一つ、ディオメンションタイド。

 ブラックホールを発生させるというもの、これが有効かはともかく。

 これも全く似たものがすでにアメリカで開発されていた。

 

 四つ目はファイヤーミラー。

 どうやら日向によるとゴジラの熱線を何万倍にして返すモノだろうだ。

 これは理論上不可能であったが、レーザー・熱などの攻撃を吸収してエネルギーに変えるものはすでにアメリカにあった。

 

 最後に一つ、水中酸素破壊剤ことオキシジェンデストロイヤーだが…これは倫理的問題から製造するべきではないという結論に至った。

 日向に強く言われたミサトはそれを受け、これを選ばなかった。

 

 

 アメリカ政府との交渉は加持とアーノルドが請け負った。

 アーノルドの友人にはかつてアメリカ軍で英雄といわれる将校がいた。

 この男は大統領選挙にすら影響を及ぼすほどの人気がある男で、快く受諾した。

 オーバー・ザ・レインボウの艦長が進言したことが大いに影響した。

 さらに加持はCIAの友人であるソーンバーグとともに、アメリカ政府関係者の恥部をつつき脅し取った。

 

 これらの甲斐がありやがて、これらはネルフに授けられた。

 

 時田・リツコ・フリッツの三者は電撃的な速さでアブソリュート・ゼロをエヴァ用に改造することに成功。

 またアスカはファイヤーミラーを応用化させて、シールドと銃に変換する独自の装備を開発した。

 これはすぐさまエヴァ各機に装備されることとなった。

 

 絶対零度・スナイパーライフル。

 ファイヤーミラー・シールド。

 そして、禁じ手ディオメンションタイド。

 

 

 次にアメリカ政府からエヴァ5号機は渚カヲルの元にたどり着いた。

 自動操縦型ということであるが、渚カヲルにとってはアダムの分身であるエヴァなどパイロットがいなくても操縦は可能であった。

 

 

 

 

 

 そして、初号機には火星でみつけたゴジラの背びれをつけた武器が装備された。

 

 

 

 

 

 

 

 やがて、三日の最期の日が近づいた。

 

 

 

 冬月はある場所へ訪れた。

 そこはゲンドウが眠る墓。

 形だけのユイの墓にゲンドウの灰は眠っていた。

 雨は降りしきっていた。

 

 

「レイは、初号機の中に入った。ユイ君は完全に死んだんだ…。その代わりだろう。」

 

 

 傘を差しながら冬月は言った。

 

 

 

「俺はお前の代わりにシンジ君の父になると誓った。だが、父などいなくてもあの子はすでに成長していたのだ。私の傲慢な思い上がりだったよ。」

 

 

 冬月は皮肉げにいった。

 父替わり、全く思い上がりもいいところだ。

 シンジ君はすでに成長していたのだ。

 私がいなくても…。

 やがて、彼の迎えの機体が到着した。

 

 

「人の敵は人ではなく神だったとはな。」

 

 

 皮肉気に言った。

 機体を観た冬月は静かに言った。

 

 

「また来るぞ碇。」

 

 

 

 やがて、彼は機体の中へと入っていった。

 中には日向がいた。

 

「君には迷惑ばかりだな。」

 

「そうでもないですよ。」

 

「君とこうやって話すのは久々だ。」

 

 

 今回ばかりはこいつが大活躍だった。

 この男のオタク知識がなければ、何もできずに死んだかも。

 冬月は日向を見直した。

 芸は身を助ける。

 知識もまた芸か。

 

 

「自分でもびっくりですよ!」

 

「これが終わったら…久々に京都に寿司でも食いに行くか?」

 

「いいんですか!!?」

 

「ふっ、期待しておけ。」

 

 

 冬月は久々に笑顔になった。

 ユイ君ばかりが人生ではない。

 そろそろ私も自分の幸福を探すときかもな。

 

 

 

 同じころ、アメリカ支部。

 渚カヲルがそこにいた。

 四号機も手に入れた、五号機も手に入れた。

 彼がピアノを弾いていると、そこに艦長がきた。

 

 

「君は使徒らしいな。」

 

 

 

 カヲルはピアノをとめた。

 バレたか。

 殺されるのか。

 

 

「ええ‥。」

 

 

 だが、艦長の反応は想像外だった。

 

 

「君が使徒であろうと、関係ない。君は私たち人間のようなものだ。誰であろうとね。それに…人間も使徒だったらしいからな。」

 

 

 皮肉気に艦長は言った。

 最後の使徒、それはリリン。

 人間だ。

 

 

 それに思っていた。

 人類のために戦うモノがいれば、それは立派な仲間だ。

 

 

「私たちはお互いに殺し合っただけに過ぎない。憎悪や怒りだけではあのゴジラに勝てないだろう。私は君を受け入れるよ。近いうちにすべての人々がね…きっとそうだ。」

 

 

 艦長、あなたは優しい人だ。

 カヲルは胸に誓った。

 今はいない、綾波レイ。

 彼女のためにも、彼女の代わりにリリスの子供たちを守る。

 

 

「ありがとう。」

 

 

「カウボーイの格言であるんだ、クズはクズ同士助け合う。クズらしく助け合おうじゃないか。」

 

「ええ、そうですね。そうしましょう。」

 

「生きて帰ってこい。私の姪っ子を紹介するぞ。」

 

「え!?」

 

「冗談だ。」

 

 

 カヲルは微笑むとピアノをつづけた。

 その窓の脇にはエヴァ四号機・5号機がたたずんでいた。

 

 

 

 ドイツ、ネルフ支部。

 アスカは執務室で眠っていた。

 

 

「アスカ。」

 

 

 加持の声だ。

 

 

「加持さん?」

 

 

「下の名前で言ってくれよ。」

 

 

「じゃあ、リョウちゃん。理由?ミサトがシンジにそういってるから。」

 

 

 アスカは冗談交じりに微笑んだ。

 恐らく最終決戦の時は近い。

 もう俺はこいつに偉そうな顔はできない。

 

 

「なあ、アスカ…結婚式場選ばないか。」

 

「え?」

 

「そろそろ、いいと思うんだ。」

 

「そうね…生きて帰ってきたら…。」

 

「いや、違う。今決めるんだ。」

 

 

 加持はそういった。

 その目は本気だった。

 仕方ない、アスカは笑うと式場のファイルをみた。

 

 

「パパとママも呼ぼう。」

 

「ああ。」

 

「あの人も呼ぶ?ソーンバーグさん。」

 

「いや、あいつは来ないと思う。祝儀金ってドイツでもあるのかな?」

 

 

 そんな日常と同じやり取りをした。

 別れにしても湿っぽいのはもういい加減したくないという二人の想いだった。

 

 マリもまた、覚悟を決めていた。

 恐らくオリジナルのマリはゴジラに殺された。

 その魂は今、ゴジラの中にいる。

 

「マリ!」

 

 ケンスケの声。

 彼の目は真剣だった。

 いつものジョークはない。

 

 

「なあ、マリ…お前ゴジラに挑むのか!」

 

「わからない、ゴジラなのか下僕なのか。でも怪獣を倒すのは間違いないわ。」

 

「ダメだ!!!」

 

 

 ケンスケは声を出した。

 

「なんでお前なんだよ!お前が行かなきゃいけないんだよ!俺と一緒に逃げよう!どこかで田舎で何か…してさ!」

 

 

 心配なんだ。

 ケンスケは私を心配している。

 恐らく自分の元からいなくなるんじゃないかと怖がっているんだろう。

 

「私以外にできるやつはいない。であればやるしかない。」

 

「やだ!!」

 

 ケンスケは泣いていた。

 今までの連中とは何もかもが違う。

 それを彼もわかっているのだ。

 

「死なないでくれ…。」

 

 

 マリはほくそ笑むと、ケンスケの頬をなでた。

 

「死なない、あなたのために。」

 

 

 マリはケンスケの頬をつかむと、キスをした。

 やがて、二人はソファーに倒れ込んだ。

 

 

 

 

 ネルフ本部。

 

 

 育児施設。

 ヒカリは眠っているケントをみていた。

 本当は自分が子供を産みたかった。

 鈴原と結婚して…。

 でも、それは無理。

 ないものねだり。

 

 

 ふとそんな彼女の近くに誰かが来た。

 

 

「洞木さんだね。」

 

 

 この声は聞き覚えがあった。

 

 

「アーノルドさん…?」

 

 

 いつかあった男性だ。

 やっぱりネルフの人だったんだ。

 

「覚えていてくれたか。」

 

 

 アーノルドは膝をまげしゃがんだ。

 そして、赤ん坊をみつめた。

 若き頃の弟に似ている。

 父が面倒をみない代わりに私がみていたのだ。

 

 

「この子供は…。」

 

「ええ、ミサトさん知ってます?」

 

 

 ミサト。

 葛城ミサト、憎い弟の敵。

 まさか…。

 

 

「彼女の子供なんですよ、ミサトさん仕事で忙しいから…。」

 

「そうか。」

 

 

 やはりそうか。

 あやつは人の子。

 であれば、子供を産む。

 当然だ。

 

 私はこんな子供の母を殺そうとしていたのか。

 愚かなマネをした。

 この子供が母を失えばどうなるだろう。

 

 恐ろしいことをした。

 弟がなんというだろう。

 

 

 

「人は愛を紡ぎ、歴史を作るか。」

 

 

 ヒカリはピンときた。

 綾波レイ。

 彼女が言った言葉。

 ヒカリが聞いた話では

 

 

「私の友達も同じことを言っていたわ。」

 

「ある歌の歌詞だとか聞いたぞ。」

 

「私も歴史を作りたかった、でも大好きな人は死んじゃった…。」

 

「人は失うことで得るものもある、君もいずれわかる。いつか愛を教えてくれる人が…またくるだろう。」

 

 

 アーノルドはそういうと、姿を消した。

 大事なことを学んだ。

 復讐は復讐しか生まない。

 彼は復讐をやめることにした。

 

 だが、あいつに言いたいことがある。

 それを最後にいってやろう。

 自分の子供は自分で面倒をみろと。

 

 

 リツコはいつものようにマギシステムのチェックを行っていた。

 ふと近くに時田シロウがきた。

 

 

「あの…。」

 

「整備は終わったの?」

 

「ああ、それは…。」

 

「どうしたの?」

 

「いや、その…。」

 

 時田の手元には書類があった。

 婚約届。

 リツコは顔を赤くした。

 

 

「え!?」

 

「ボクも君もそろそろ歳だろ?最後の最期と言っちゃなんだけど…。」

 

「あら…。」

 

 

 まいったわね、

 このマギには母さんがいる。

 母さんにみられちゃった。

 

 

「それに君と娘と同居して、娘があの人なら母さんでもいいよって‥。」

 

「あら…。」

 

「いいかな?」

 

「そんなのイエスに決まってるじゃない。」

 

 

 リツコは事務的に言った。

 だが内心は嬉しくて声をあげそうだった。

 

「え?!」

 

「OKってこと。」

 

 

 時田は顔を赤くした。

 

 

「あ、そうだ…これが終わったらJAを作らない?」

 

「何!?本当?」

 

「ええ、エヴァだけじゃパイロットたちが可哀想だし。エヴァに依存しない組織作りが必要。そのためにいるのはあなたのJAよ。昔の仲間と連絡とれる?」

 

「どうだろう、やってみるよ。」

 

 

 時田は頭をくしゃくしゃとかくと申し訳なさそうに外に出ていった。

 その様子を一部のスタッフは冷やかした。

 

 

 初号機のケイジにはミサトがいた。

 綾波レイ…。

 彼女は身を挺して初号機とともになった。

 立場は違えど、シンジを愛した女。

 

「レイ、あなたには感謝してもしきれない…。」

 

 思わず言ってしまった。

 シンジには女として愛した。

 アスカには姉としてふるまった。

 でもこのレイに何もできなかった。

 そして、彼女は初号機と一つになった。

 

「葛城一佐。」

 

 

 声がした。

 北川ミドリ。

 

「北川さん?」

 

「頼まれていた報告書、出来ました。」

 

 

 うーん、なんか違う。

 彼女らしくない。

 

 

「敬語つかわなくてもいいわよ、無理して。」

 

「え?マジ?チョー疲れちゃった。」

 

「あのね…。」

 

「ね、マコっちゃんのことどう思ってる?」

 

「え?…ああ‥。」

 

 日向君。

 私の部下。

 忠実な部下。

 

 

「優秀な人よ。」

 

「そうなんだ、葛城さん。あの人のあなたへの想いは気づいていないの。」

 

 あの人。

 そんな言葉を表現できるなんて中々みない。

 それに日向くんが…私が好き?

 

 

「え?」

 

「わかってないんだ、あの人あなたが好きよ。だからこうやって尽くしてる。でもあなたはもう動きそうにもないんだね。」

 

「ごめん…。」

 

「たまに彼に優しくしてあげて、あなたのために尽くす気でいるから。」

 

 

 北上ミドリはそういうと、とぼとぼと歩いた。

 日向くん、そうだったの。

 私が好きだったの。

 ごめんなさい、実は気づいていた。

 内心、利用していたのかもしれない。

 

 

「ごめんね、日向君…。」

 

 誰もいない中、ミサトはつぶやいた。

 

 

 マヤは青葉の病室にいた。

 そこにはシンジもきていた。

 

「マヤさん‥。」

 

「シンジ君、この人いつもあなたのこと言っていたわ。弟ができてうれしいって。子供の名前もシンジがいいって、それはダメだっていったの。」

 

 ボクが弱かったから青葉さんは犠牲になった。

 強ければ負けなかった。

 でも、それをマヤさんにいえばマヤさんは怒るし悲しむ。

 

 

「ボク、ゴジラを倒します。青葉さんが帰ってきた時に自慢したいから。」

 

「そうね、彼もきっと喜ぶわ。」

 

 

 マヤにはわかっていた。

 この子は繊細な子。

 それが今、気を使っている。

 大人になったのね、シンジ君。

 昔の彼だったらきっと感情をぶつけてたと思う。

 

 

「一言だけ言わせて、シンジ君。」

 

「え?」

 

「あなたは弱くない。それだけは間違いない。」

 

 

 違う。

 弱いんだ。

 ボクは弱いし子供のまま。

 自分が世界で一番強いと調子に乗っていた。

 

 だからこの兄代わりを失った。

 

 

「マヤさん‥。」

 

「あのブサイクなトカゲをボコボコにしてきて…あらやだあたし…言葉が下品になっちゃった。この人のせいだわ!」

 

 

 青葉さんの口がうつったのか。

 シンジは微笑んだ。

 

 

「はい。」

 

「彼のためにも生きて帰ってきてね」

 

 

 マヤさんのためにも僕は戦う。

 彼女の中にいる子供のためにも。

 

 

 

 フリッツはほくそ笑んだ。

 

 こやつらにゴジラ討伐・神殺しの栄光はやらぬ。

 私がこんなこともあろうかと、用意した900万のエヴァ。

 エヴァ・インフィニティ。

 今こそ、これを蘇らせる時。

 

 マイナス宇宙の中に眠るエヴァ・インフィニティどもを使い邪魔なゴジラを殺してやる。

 それまで…奴らと手を組んでおこう。

 

 

 

 

 オルガは近くにいる人間たちを集めた。

 そこにいるのは怪獣を神と崇めるものたち。

 地球の守護者と崇めるものたち。

 過激な動物保護団体・自然保護団体が多くいた。

 

 

 

「怪獣様万歳!!!」

 

「怪獣こそ地球の守護者だ!!!」

 

「WE LOVE KAIJU 」

 

「地球を怪獣の物にしよう!」

 

「ゴジラを新しい大統領に!!」

 

 

 オルガはグレーの巨体を揺らしほくそ笑んだ。

 愚かで哀れな小さきものどもめ。

 では、彼らの望むものをくれてやろう。

 

 

『諸君らは賢明な判断をした。明るい未来を与えてやろう。』

 

 

 

 オルガは念力でふと、市民団体のリーダーと思われるアジア系の女性を持ち上げた。

 そして、再び念力を振るうと自身の肉片をちぎりそのリーダーの女性の口に飢えこんだ。

 

 

「おぐっ!?おべっ!!!」

 

 

 リーダーの女は吐きそうになりながらもだえ苦しんだ。

 やがて、心臓発作を起こし地面に倒れ息を引き取った。

 

 

『弱い生命体め。次は誰がいいかな。』

 

 

 市民団体のメンバーは悲鳴をあげ我一目散に逃げようとした。

 だが、オルガは念力でその動きをとめた。

 

 

『ダメだ…。君たちは家畜になるんだ。家畜になるんだったら‥それ相当の覚悟をしてもらわんとな?だって君たちは牛や豚をどう扱っている?』

 

 

 オルガはそういうと、自身の肉片を次々と飢えこんだ。

 彼の肉片はゴジラ細胞をもっている。

 そうすることで、人間を魑魅魍魎に、オルガの忠実な兵士に変えていく。

 これで自分の軍隊はできあがる。

 

 

『お前らは私たちの奴隷だ。今日から…。』

 

 

 ふと、オルガは小太りの日本人中年男性をつかんだ。

 年齢は45ぐらいだ。

 

 

『お前、我らにあだなす愚か者たちに詳しいな。ではお前を攻撃隊長として任命する!』

 

 

「やめてくれ…。」

 

 

 男の命乞いはきかなかった。

 オルガは自身の肉片を無理矢理食わした。

 すると男の体は膨れ上がり肉片から触手が生えていった。

 

 そしてタコのような怪物になるとオルガの前にひれ伏した。

 と同時に、多くの人間が彼のような怪物になっていった。

 それは千、数万を超えていた。

 

 その横にはガイガンもいた。

 改造され強化されたガイガン。

 

 

 

 残酷な高笑いをあげたオルガは邪悪に輝いた。

 

 

 

 

 そのわきで、ゴジラは眠っていた。

 

 夢を見ていた。

 自分がまだ能力がなかったころ。

 彼はただの水棲に進化した名もない恐竜だった。

 

 それがよかった。

 

 海の洞窟の中で大王イカやクジラを食い殺しその肉を食いながら、好きな時に寝て起きてまた食う。

 そんな生活。

 

 それが、続けばどれだけよかったか。

 

 

 

 だが、運命のあの時。

 自分は力を得た。

 人間たちの科学によって出たエネルギー、それを受けた。

 

 

 そして、自分は『怪獣』になった。

 怪獣となった自分は人類たちと長い戦争に包まれた。

 

 

 それだけならよかった。

 

 だが、46億年前のあの時自分たちの生きていた世界は別の世界と統合した。

 その怒りの力が自分を『神』に変えてしまった。

 自分の宿敵たちはひざまずき首を垂れ忠誠を誓った。

 

 

 しかしそれではなにも足りない。

 

 

 欲を言えば、自分の子供を持ち育てたかった。

 それもかなわぬ夢。

 

 

 

『父上。』

 

 

 声がした。

 まがい物の息子。

 

 

『みながあなたを待っております。総攻撃命令を。』

 

 

 こいつとも長い付き合いだ。

 これが終われば息子として向き合おう。

 

 

 

 怪獣の長はそうおもいながら、海に山にいる部下に命令をだした。

 

 

『攻撃せよ!!!』

 

 

 

 何千万といる部下は咆哮を上げて、それぞれの場へと向かっていった。

 

 

 オルガと彼に付き従う複数の魑魅魍魎は日本へ。

 デストロイアとメガギラスと彼女の軍勢はアメリカへ。

 バガンは欧州へ。

 だが、女王メガギラスに抱いた野心と皇帝たるゴジラへの不信感はぬぐい切れなかった。

 

 

 決戦の時は近い。

 

 

 ゴジラには本当の闘いがくることがわかっていった。

 そして、宇宙から迫りきつつある旧敵にも…。

 

 彼もまた、動きを始めた。

 中国の北、北京へと向かい始めたのだった。

 

 

 

 ネルフ本部、そこではサイレンが鳴り響いた。

 

 

「中国にいる怪獣たちに動きがありました!進軍ですっ!!」

 

 

 日向はボタンを押した。

 怪獣たちがそれぞれ、分断して行動している様子がみえた。

 赤い怪獣デストロイアはすさまじいスピードで太平洋に向かっていった。

 それにメガギラスと彼女の軍隊たちもついていった。

 茶色いバガン大西洋に向かっていった。

 

 

 

 そして、灰色の怪獣オルガは日本へ。

 これらが意味することはそれぞれの国に進撃を行い、総攻撃を行うという事…。

 

 ただの獣ではない。

 人間以上の知能を持っている証拠。

 

 

「ここは私たちの生きる世界、怪獣たちには怪獣たちの世界にお引き取りねがいましょう。」

 

 

 ミサトはそういった。

 恐らくここも攻撃される。

 ここから指令をだしていることに、怪獣は気づいている。

 じゃなかったらガイガンを送ってこない。

 

 

 ミサトは別のモニターを起動した。

 EU支部とアメリカ支部にいるパイロットにつないでいる。

 

 

「アスカ、マリ…二人にはバガンを迎え撃ってもらう。あいつはかなりやばいわよ。戦い方はあなたたちに任せるから。」

 

 

 アスカとマリは微笑んだ。

 

「任せておきなさい、私は過去・現在・未来においても最高なのよ!」

 

「がってんでい!」

 

 

 

 次はアメリカ支部。

 

 ネルフの最後の切り札。

 初号機とはまた別の意味での『最強』。

 それが渚カヲル。

 最後の使徒はミサトの指示を待っていた。

 

 

「カヲルくん、あなたにはデストロイアをお願い。四号機と五号機、そしてあなた自身の最強のATフィールドがあれば倒せない相手ではないはずよ!」

 

 

「任せておきなよ。」

 

 

 

 さあ、最後に一人だけ残されている碇シンジ君。

 ミサトはシンジに向き直った。

 

「次はあなたよ、シンジ君。」

 

「待って、日本にも怪獣が来てるんじゃないの?」

 

 シンジは心配そうに尋ねた。

 ミサトはうなづくと、脇から時田がやってきた。

 

「心配する事はない、碇君。私がこんなこともあろうかと零号機を独自に改造していた。オートメーションで動くんだ。マギシステムの搭載した人工知能で動くのさ。マギシステムは心で動く。」

 

「じゃあ、ボクは…。」

 

「ゴジラを叩きのめしてくれ。」

 

「わかった。」

 

 シンジは時田に手を差し出した。

 

「握手だよ。」

 

「そうか、喜んで。」

 

 時田の泥だらけの手は光って見えた。

 この人も先ほどまで作業をしていた。

 みんな頑張っている。

 それぞれのやり方で世界を救おうとしている。

 

「シンジ君。」

 

 ミサトの声だ。

 シンジは振り向いた。

 ミサトは頬に優しくふれると、唇を吸い寄せた。

 シンジはそれに強く反応し、逆に強くやりかえした。

 

「帰ってきてね。」

 

「ああ。」

 

 

 シンジはミサトにそれだけいった。

 日向はそれを見つめていた。

 彼の手はミドリの手を強く握っていた。

 

 

「マコっちゃん…。」

 

「僕もいつまでも葛城さんをみてたらダメだよな。」

 

 

 シンジはそれを少しみた。

 日向は敬礼で返した。

 ミドリもそれにきがつくと大声でいった。

 

「あのバケモノ、ボコボコにしちゃって!」

 

 

 

 シンジは少し苦笑いをすると二人に敬礼を返した。

 彼はケイジへ向かっていった。

 多くの若い兵士は敬礼を返した。

 

 

「碇くん!」

 

 

 声がした。

 ヒカリの声だ。

 

 

「ケント君に挨拶して。」

 

 

 彼女はケントを抱き寄せている。

 ボクとミサトさんの子供。

 想えばほとんど育児放棄をしていた。

 ヒカリに全部任せていた。

 ペンペンも気が付けば近くにいる。

 

「彼にもね。」

 

 ヒカリはペンペンをみて、言った。

 シンジはケントを抱き寄せた。

 肌がまだ柔らかい。

 

「ペンペン、ケント…生きて帰ってくるよ。そしたらまた楽しいことをいっぱいしような。」

 

「それでよし。」

 

「ありがとう、委員長。」

 

「昔と変わらないわね。」

 

「ああ。」

 

 シンジはケントをヒカリに手渡した。

 ペンペンは退屈そうにタブレットとPCを開いていた。

 テキストファイルを開いていた。

 

 

『いきろ』

 

 

 あいつ、PCできるんだな。

 

 シンジは驚いた。

 そして、シンジは突き進んだ。

 ネルフ、それは以前と変わっていた。

 国連軍も戦略自衛隊も完全に味方になった。

 彼らから出張した兵士や技術者たちがシンジに敬礼をしていくのがみえた。

 

 

 シンジもそれに返した。

 

 

 そして、向かっていった初号機ケイジ。

 そこには初号機がいた。

 コアの中にいるのは綾波レイ。

 

 

「綾波、待たせた。」

 

 

 初号機の中にいる綾波にいった。

 これでボクと綾波は永遠にタッグを組む。

 実はミサトさんにもリツコさんにも内緒で彼女のデータを観るためにマギ端末をハッキングした。

 マギにはリツコさんの母親の精神がある。

 彼女は僕にあえて真実をみせてくれたんだろう。

 

 初号機と母さんのシンクロの結果、生み出された母さんとリリスの分身。

 それが綾波。

 

 ボクにとって綾波は妹。

 でも、彼女はボクを兄ではなく異性としてみていた。

 

 彼女への愛に答えられない。

 ミサトさんがいるから。

 

 

 だから、ボクは兄として家族として綾波を愛する。

 生涯にかけて。

 だから初号機に乗る。

 

 シンジはエントリープラグの中に入ると小さく言った。

 

 

「いくぞ、綾波。」

 

 

 

 かすかに声が聞こえた。

 

 

『碇くん、気張らないでね。』

 

 

 綾波も大人になったか。

 

 

「初号機、行きます!!!」

 

 

 

 シンジは出発した。

 

 

 

 

 

 ネルフEU支部。

 弐号機のケイジに入る前にアスカは自身のSNSにある投稿をした。

 数秒の動画だった。

 偏屈な人間たちがネルフに反感を持ち、怪獣を地球の守護者と大きな勘違いをしている。

 彼女はそれが気になった。

 

 彼女のフォロワーは9000万人近くいた。

 自分がいえばかなりの影響力はある。

 彼女はスマホを持つと、語りかけた。

 

 

「私は惣流・アスカ・ラングレーです、みんな知ってるよね。1部の人たちが怪獣は地球の守護者だって言ってる。でもそんなのはうそっぱちよ。本当に守護者ならなぜ何億人も殺したの?いい加減目を覚まして。今は人類みんなでたたかう時なの。それにゴジラは他の怪獣たちを使って私たちの世界を破壊しつくす気でいるの。それをとめるために私たちはみんなのために戦う。だからみんなも他の人のために戦ってあげて。以上、みてくれてありがとう。」

 

 

 それをケンスケはきっちりとカメラで録画していた。

 アスカはスマホで、ケンスケはノートパソコンですぐさま投稿した。

 

 

 

 すぐさま電撃的に拡散された。

 

 

「ケンケン。」

 

 

 アスカがその言葉で自分を呼ぶのは初めてだった。

 

 

「ありがとう、きっと鈴原もいてくれたら協力してくれたのにね。」

 

「ああ、あいつがいたこの世界のためにも俺は出来ることはなんでもするさ。」

 

「ええ、マリは私が守る。あなたの前に連れて帰ってくるように努力する。」

 

「頼むぞ、アスカ。」

 

 

 もう子供じゃなかった。

 二人はいい歳をした大人同士。

 そこには恋愛ではない、強い友情があった。

 

 

 

 彼女の動画を見ているものは多くいた。

 アメリカ西海岸、ロサンゼルス。

 怪獣の察知を知った軍はサイレンを鳴らしていた。

 

 多くの市民は避難したが、残っているものもいた。

 

 そこは昔から二つの犯罪組織がシノギを削って殺し合っていた。

 

 赤いカラーの「ローズ」、青いカラーの「ブルー・シャーク」

 

 ローズのリーダーであるヒスパニック、ホセ・ラミレスは長年対立していた組織のアジトの近くにきた。

 彼は赤色が好きで、アスカのフォロワーでもあった。

 彼女の投稿をみて、ある事を思いついた彼はライバルのアジト前まできた。

 

 ブルー・シャークのリーダーは黒人のランバート。

 

 

「こんなところへ何のようだ。」

 

「おまえと手を組みにきた。」

 

 

 ランバートは目を泳がせた。

 

 

「何ほざいてンだお前‥。」

 

「ここに怪獣が来る。小型の群れだ。そいつらにここは誰の街か教えてやる必要がある。」

 

 ランバートは苦笑した。

 だが、その通りだ。

 俺たちは長い間憎しみあった。

 

 

 だが、今日和解する時だ。

 

 

「いいだろう、だがこれで許したわけじゃねえ。」

 

「かまわねえさ。」

 

 

 ランバートとラミレスは握手をした。

 何百人といる組織は銃をかかげてそれを祝った。

 

 

「ロスは俺たちの街だ!!!」

 

 

 

 その声に便乗するようにギャングたちは銃を抱えた。

 

 

 

 テキサス、とある田舎町。

 そこにもカマキラスの群れがやってくるというアナウンスが流れた。

 ここでは白人至上主義者とメキシコ系ギャングが長い間抗争をしていた。

 南軍旗を掲げた白人至上主義者のリーダー、ジョゼフは6人の子供がいた。

 

 彼は末子のスマホである動画をみせられた。

 アスカの動画。

 

 

 ジョゼフは考えた。

 こいつは俺の長男より年下だ。

 なのに、戦っている。

 

 俺たちのために…。

 

 

 ジョゼフは帰還兵だった。

 彼の妻も。

 そして、5人の息子たちもいた。

 

 

「どうするの?」

 

 

 妻は聞いた。

 

 

「仲間を例の場所に呼べ。俺は先に行く。」

 

 

 

 ジョゼフは大きな銃を構えるとジープに乗って向かっていった。

 今も昔も変わらない。

 ジョゼフは仲間は国のために戦う。

 

 

 そこにメキシコ系たちがいた。

 天をみていた。

 

 

「よう、不法移民。」

 

「白野郎、何に来た。」

 

「なーに、お前らと同じことだ。ここは俺たちの場所だってなあいつらに教えてやるのさ。」

 

 

 メキシコ系のリーダーは笑った。

 目的は同じか。

 

 

「じゃあ今日は同盟を組むか。」

 

「ああそうだな、俺の仲間もくる。」

 

「パーティーだな。」

 

「そうだ、トルティーヤもつけるぜ。」

 

 

 ジョゼフは銃を構えた。

 ここは俺たちの世界、誰にも渡さない。

 

 

 

 アルカトラズ島。

 そこには暗殺者のコズロフ三兄弟がいた。

 

「兄貴、ここに怪獣がくるとよ。小型のやつ。」

 

 セルゲイはそう言った。

 

「ふん、では誰がこの世界の主か。なめた怪獣どもに教えてやるか。」

 

 イワンは自信満々に言った。

 3mある弟のアンドレイも続いた。

 

「あんどれ、つよーい!」

 

 看守チームやほかの受刑者たちも続いた。

 

 

 

 オーバーザーレインボウも同じだった。

 艦長は兵士を並べて演説していた。

 

 

「今日、諸君らに私は『死ね』というだろう。だがそれはなぜか!この世界に重大な危機がきている。使徒ではない。異次元の神々だ!」

 

 

 空気が張り詰めている。

 多くの兵士たちが艦長をみている。

 

 

 

「あるものはヤツを英雄というだろう。あるいは守護者だと。」

 

 

 艦長は大きな声で否定した。

 

 

「だが、俺はそんなものは信じない。私は人の力を!知恵を信じる!ここに怪獣が来る!お前らにできることはなんだ!」

 

 

 ある兵士が叫んだ。

 若い黒人の兵士。

 最近娘が生まれたばかり。

 

 

「戦いだッ!!!!!!」

 

 

「そうだ!戦いだ!諸君らとともに私は戦う!例えこの身がくだけようとも!!!」

 

 

 

 

 兵士たちは歓声を上げた。

 彼らも死ぬ気でたたかう。

 

 

 カヲルはそれをみつめていた。

 

 

「リリンは凄い。」

 

 

『だが、我々も負けない。』

 

 

「そうだ‥四号機。」

 

 

 リリス、綾波レイ。

 君が身を捧げて守ろうとしたこの世界はボクが守る。

 エヴァに破れて散っていったアダムの使徒たちのためにも…。

 

 

 

 

 

 アメリカだけではなかった。

 日本、第二テレビ。

 そこでは、アナウンサーの霧島マナがいた。

 

 

 シンジとは高校の同級生。

 彼女はシンジが好きだった。

 ずっといえなかった・・・。

 気が付けば年上の女と結婚していた。

 

 そして、ネットで先ほどエヴァ関係者の動画が拡散されていた。

 みんな戦っている。

 恐らくシンジ君も。

 

 意を決した。

 生中継中だが、現行を読む気はない。

 

 

「みなさん、大事なことをいいます。私はエヴァ初号機パイロット碇シンジの友人です。彼は世界を守るために苦労をしました。大事な人も失いました。それでも必死に戦っています。なぜ彼を非難し、怪獣を守護者というのですか!」

 

 

 ディレクターがいった。

 

 

「どうしますこれ。」

 

 

 プロデューサーは止めなかった。

 

 

「続けろ。」

 

 

 マナはつづけた。

 

 

「怪獣は別次元からきました。あなた方の友人でも守護者でも英雄でもありません、侵略者であり破壊者です!1部の人がシンジ君を嫌うかもしれません。でも、私は彼を信じます!みんなを守るために彼は戦っているんです!どうか、みんな彼に声援を!」

 

 

 その場にいるすべての人間はマナに拍手を送った。

 彼女は勇気を出した。

 シンジ君、もう私を覚えていないかもしれない。

 でも、忘れないで。

 私はあなたの味方。

 世界を守る、あなたのためになれるなら…。

 

 

 第二新東京。

 教会。

 そこで神父をしていた男がいた。

 リー。

 彼の母国はゴジラにより壊滅させられた。

 もうあの国に愛などない。

 だが…自分はあそこ、香港で生まれ育った。

 

 今、第三新東京に怪獣の群れが迫っていると聞いた。

 そしてここにもくるだろう。

 

 

 

「男になるときだよ、リー。」

 

 

 

 彼は自分を奮い立たせると青龍刀を持った。

 

 

 

 インド、そこにもメガニューラの一団が迫っていた。

 そこには守護者が二体いた。

 

 8m1トンの世界最大のトラはうねった。

 ここに自分のナワバリを侵すものがくる。

 許しはしない。

 

 

 同じ志をした人間がいた。

 かつてインド最強の殺し屋といわれたラー・シン。

 彼も動いた。

 

 サーベルを持ち、深呼吸をした。

 インド最強の虎拳、それをみせる時はきた。

 

 

 

 

 人々は今、怪獣を前に団結しようとしていた。

 それは大きな希望となり、ポジティブな感情を結束させていた。

 

 と同時に、ある生命体も活動を始めた。

 

 

 

 南太平洋。

 ゴジラたちの進撃を感じ、ある生命が繭から動き始めた。

 それは守護者。

 エヴァとは違うものだった。

 ゴジラたちを封じたことのある白の女王、モスラだった。

 破壊神を封じるために、女王が転生をした。

 彼女はただゴジラを倒すためではない、その悲しみと孤独を知っていた。

 それがゴジラの最大の弱点だったのだ。

 

 それをあのリリンたちに教えれるなら、手を貸そう。

 私の中で動く魂たちがそれを望む。

 

 

 

 

 決戦の時は近かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回以降、最終決戦開始。
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