のび太「始まったねエピソードⅣ」
ピー助「ピィ」
ドラえもん「そうだね、やけに投稿が遅かったけど」
Δデルタ「五月蝿いな!仕方ないじゃん!」
郎夜「何でだよ」
Δデルタ「だって、夏休みなのに七月三一日まで高校で補充があるんだぞ!全員参加の!」
奈々「それは…」
Δデルタ「何でだよ!何で夏休みに学校行って勉強してから午後の部活に臨まなくちゃいけないんだよ‼︎意味分かんねえよ‼︎休ませろよ‼︎」
のび太「五月蝿い!」←ショックブレードガン(ブレード)で切り裂く
Δデルタ「ぐおっ⁉︎」←倒れる
奈々「皆様、大変お見苦しい所をお見せしてしまいすいませんでした。では、ドラえもん のび太の恐竜2006 エピソードⅣを…」
皆「どうぞ!」
ピー助「ピィー!」
Δデルタ「ど、どう…ぞ…」←力尽きる
のび太がピー助を白亜紀に帰した後、明らかに落ち込んでいた。普段ののび太ならしない様な失敗を立て続けにして、周りの人は皆一様に心配していた。
のび太「はぁ〜…」
郎夜「のび太、気持ちは分からんでも無いが…。そろそろ元気出したらどうだ?」
奈々「そうだよ。その…皆心配してるよ?」
郎夜と奈々がのび太を励まそうとするも効果は全く無く、のび太は更に落ち込むばかりである。そこへ郎夜は突然、何かを思い付いた様な顔をする。
郎夜「じゃあよ、のび太。一回ピー助の様子を見ればいいじゃねえか。出来るだろ?」
のび太「えっ…」
奈々「師匠!それは…」
郎夜「ピー助の様子を見て元気にやってる様なら、お前さんも一応安心するだろ?」
のび太「…はい」
のび太は郎夜の案でピー助の様子を見る事にした。勿論、ピー助を見る事によって今まで抑え込んでいた気持ちが再び顔をみせるかもしれない。だが、このまま落ち込んだまま周りを心配させるよりも、ピー助の様子を見て吹っ切った方が自分にとっても周りにとっても良いと思ったのだ。のび太はスペアポケットからタイムテレビを取り出す。そして、白亜紀の映像を映す。しかし、そこに映し出されたのは予想していた物では無かった。
のび太「えっ⁉︎」
奈々「嘘っ‼︎」
郎夜「こりゃあ…」
タイムテレビが映したのは、複数の首長竜に囲まれ威嚇されているピー助の姿だった。その映像にのび太達は驚きを隠せない。
のび太「な、何で…」
郎夜「のび太…こいつら何かピー助と種類が違くないか?」
奈々「そんな⁈」
のび太はピー助の現在地を割り出す。そこは、ピー助の故郷である日本近海では無く北アメリカの辺りだった。それを見てのび太は、ある事に気付く。
のび太「そうか…あの時の攻撃でタイムマシンの目的地が狂ったんだ!」
奈々「なっ…!」
郎夜「おいおい、どうすんだ…」
のび太は静かに立ち上がると、そのまま黙って机の引き出しに向かう。それを見て郎夜が止める。
郎夜「おい!待て!タイムマシンはこの前の攻撃で…」
のび太「ええ、故障してます」
郎夜「だったら…」
のび太「でも…行かない訳には行かないです‼︎」
奈々「あっ、私も行く!」
郎夜「えっ、いや…ああ!もう!」
のび太は郎夜の言葉を無視してタイムマシンに乗り込む。奈々もそれに続き、郎夜も半ばヤケクソ気味に頭をかきながら乗り込む。タイムマシンは前回と違いかなり不安定で常に酷く揺れている状態だった。
奈々「きゃあっ!」
郎夜「くっ、ここまでとは…」
のび太「っ、ピー助…」
暫くすると、タイムマシンは出口に出た。三人は、それと同時に放り出され砂の中に埋まる。
のび太「うう、はぁ…。出れた…、二人共大丈夫〜?」
郎夜「ああ、大丈夫だ〜!」
奈々「ぷはっ!こっちも同じく〜」
どうにか三人は砂から抜け出せた様で砂だらけになりながらも、集まる。そして三人が辺りを見回すと、そこは後ろに林がある青い海が輝く綺麗な砂浜だった。前回来た時は霧が濃くて分からなかったが、こんなに綺麗な場所だったのかとのび太は感動する。奈々と郎夜も同じ様で海に見惚れていた。その時、のび太は少し先にある物を見つける。
のび太「あそこは…!」
奈々「あっ、のび太くん!」
郎夜「どうした!」
のび太が見付けた物はピー助が歩いた跡とのび太達の足跡だった。途中で途切れているピー助の足跡を見ると、のび太は心が痛むがその痛みを抑え込み海の方に向かう。
のび太「ピー助〜〜〜〜〜〜〜!」
しかし、のび太が読んでもピー助は現れない。それから何度も呼ぶかピー助の姿は一向に見えない。のび太はとうとう呼ぶのをやめてしまった。だが、その時…
奈々「あっ!あれ!」
郎夜「ありゃあ…」
のび太「っ!」
のび太は二人の言葉に顔をあげる。すると、向こうの方に小山の様な影が見えた。それは形を変えて長い首の様な物が現れる。それで、のび太は確信した。のび太は更に大きな声で叫ぶ。
のび太「ピー助〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜‼︎」
ピー助「ピィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
のび太「ピー助…ピー助!」
のび太は海の方に向かって走る。ピー助も此方に泳いで来てるのが分かる。のび太はピー助に早く会いたいが為に夢中で走る。しかし、途中で深い所に足をとられ沈んでしまう。
のび太「(不味い…)」
郎夜「のび太!」
奈々「のび太くん!」
のび太は咄嗟の事に反応出来ず泳ぐ事が出来ない。しかし、何者かに引き揚げられた。ピー助はのび太を自身の背中に乗せる。のび太はピー助の姿を間近で確認するとピー助の頭を優しく抱き締める。ピー助も嬉しそうな表情でのび太に擦り寄る。やがて、二人は二人の元へ戻る。
郎夜「おい、のび太。大丈夫だったか⁈」
のび太「はい、ピー助に助けて貰いましたから。ねっ?ピー助」
ピー助「ピィ?ピィー!」
奈々「よかった〜。ピー助久しぶり!私の事覚えてる?」
ピー助「ピィ!ピィ!」
奈々「ありがとうね、ピー助」
ピー助「ピィー」
郎夜「俺は?」
ピー助「ピィ?」
郎夜「あれ?」
ピー助は覚えて無いなとばかりに首を傾げる。その目は本気で誰?と言う目をしていた。それにショックを受けながらも郎夜は改めて自己紹介をしてピー助に分かって貰えた。再会ムードが落ち着いてきた所で三人はこれからの方針を決める事にした。
郎夜「で、どうやってピー助を日本に帰すんだ?」
奈々「それは勿論タイムマ…」
郎夜「無理だな」
奈々「な、何でですか?」
郎夜は後ろを親指で指差す。そこには傷だらけで至る所が壊れているタイムマシンの姿が。それを見て奈々は一つの疑問を抱く。
奈々「じゃ、じゃあ私達このままじゃもしかして…」
郎夜「帰れんな」
奈々「そんな〜〜〜!」
ピー助「ピィ?」
奈々の叫びが辺り一面に木霊する。ピー助はそれに不思議そうな表情をしていた。
のび太「落ち着こうよ」
奈々「落ち着ける訳無いよ!」
郎夜「いや、冷静になれ」
奈々「だから冷静になれないの!」
のび太・郎夜「何で?」
奈々「じゃあ逆に何で落ち着けるの〜!」
奈々は自分の心の不満を目一杯吐き出して疲れたのか息をきれさせる。それにのび太と郎夜は何やってんだろ?と言う目線を向ける。それに奈々はまた憤りを覚えたのかジト目でのび太と郎夜を見る。
奈々「…何ですか」
のび太「いや…お疲れ様?」
郎夜「のび太、それ何か違うぞ。それより奈々。お前は何を怒ってんだ?」
奈々「だ・か・ら!何で帰れないこの状況でそんな冷静になれるんですか⁈何?もうこの時代で生きていく覚悟でも決めたんですか?私は嫌ですよ!こんな所で化石に何かなるのはゴメンですよ‼︎お家に帰りたいですよ‼︎って、何が可笑しいんですか‼︎」
のび太はやっと分かった様な表情になり、郎夜は笑いを堪えていた。奈々はそれが気に入らない様子で怒り心頭で問い詰める。
郎夜「や〜、悪い悪い。そんな事で悩んでたのかと分かってな」
奈々「そんな事って何ですか!私達にとっては死活問題ですよ⁉︎」
郎夜「いや、それは大丈夫だ。な?のび太」
のび太「はい、大丈夫です。壊れたのは空間移動系の機能で時間移動機能の方は問題ありません。だから、帰ること自体は可能です。それでも日本に着かなきゃ話にならないので、やっぱり問題は日本に行く手段ですよね」
奈々「えっ…」
郎夜「そうなるな…。変身して行くのは?俺達、一応全員飛べる訳だしよ」
のび太「僕は一向に構わないですけど…郎夜さん魔力持ちますか?」
郎夜「…これは没だな。となると、歩きか?」
のび太「それだと冗談抜きで化石になりますよ?」
郎夜「だよな〜」
のび太「このタケコプターで行くのもありですけど電池が上がっちゃうんですよね〜」
郎夜「そうか。じゃあ、タケコプターを休ませながら行くのはどうだ?」
のび太「出来ない事も無いと思いますけど、この海の上でどうやって休ませすか?」
郎夜「う〜む」
ピー助「ピィ、ピィ」
ピー助が突然、話に入って来て自分の背中を指す。その意味が分かったのび太が無理だと告げるとショボンと落ち込んでしまう。
のび太「…そうだ!」
郎夜「ん?何かいい案があったのか?」
のび太「ええ。この時代は確か大陸は陸続きで繋がってた筈です。だから…」
郎夜「そうか!それなら休ませながら行ける。それだ!よし、そうと決まれば早速出発だ!」
のび太「はい。って、奈々ちゃん?どうしたの?」
のび太と郎夜が奈々を見ると不満そうな表情で此方を睨んでいた。
奈々「…知らない!」
飛行中
一同はタケコプターで陸に沿って移動していた。しかし…
のび太「ゴメンよ、奈々ちゃん」
郎夜「ああ、だから機嫌直してくれよ」
奈々「…」
奈々の機嫌がすこぶる悪いのだ。どうやら、二人に余計な心配をさせられた事と話に置いて行かれた事を根に持っている様だ。さっきからのび太と郎夜が謝ったりしているが機嫌が直る事は無かった。
のび太「はぁ、どうします?これ」
郎夜「どうするっつったって…どうするよ?」
のび太と郎夜はそう言う訳で困っていたのだ。この二人、戦いに関してはエキスパートだが、こういう事に関してはまるっきり役立たずなのだ。そんな訳で二人には奈々の機嫌を直すことは出来ていなかった。
のび太「ピー助、どうすればいいんだろう」
郎夜「俺達には分かんねぇよ」
ピー助「ピィ?」
のび太と郎夜は、困り過ぎてピー助に助けを求めた。男二人が首長竜に助けを求める様は酷く情けなかった。勿論、首長竜であるピー助が人間関係の問題を理解出来る訳も無く不思議そうに首を傾げるだけであった。それを見た男二人は更に溜息を漏らすばかりであった。
夜
のび太達は途中、夜も遅くなってきたと言う事でキャンプをすることにした。
郎夜「で、キャンプをするは良いが、どうするんだ?」
のび太「確か…あった!キャンピングカプセル!」
のび太は小さな球体に杭の様な物が付いているピンク色の“キャンピングカプセル”を取り出す。そして、それを地面に刺す。すると、キャンピングカプセルは巨大化しする。
郎夜「凄えな…」
奈々「…」
郎夜と奈々はキャンピングカプセルの巨大化に驚きを隠せなかった。のび太は、そんな二人にのび太はキャンピングカプセルを渡し、説明をする。
のび太「じゃあ、今日はこれで野宿と言う事で」
郎夜「分かった。奈々も良いな?」
奈々「…はい」
のび太「奈々ちゃん、まだ怒ってるn…」
奈々「先に行ってるから」
奈々はのび太の言葉を聞かずに先にキャンピングカプセルに入って行ってしまった。残された、のび太と郎夜は如何した物かと頭を悩ませたが結局、この事に関しては役に立たない男二人では何にも思いつかなかったので、キャンピングカプセルに入り身体を休める事にした。
のび太「ああ〜、疲れた〜。最近は戦いでもここまで疲れた事は無かったから辛いな。取り敢えず、寝…zzz」
のび太は最後まで言葉を言い終わらない内に眠りにはいった。恐ろしい程の寝つきの良さは何処へ行っても変わらない様だ。
奈々「はぁ〜、もう師匠とのび太くんったら…」
奈々はキャンピングカプセルの中で溜息を吐いていた。理由は勿論、男二人への不満だ。だが、怒りとは少し違う不貞腐れている様な物だった。自分の不安をあっさりと解決して、自分が入る余地も無くこれからの事を決める事が出来てしまった事に、そして自分とは違い、あの状況で帰るアテがあったとは言えピー助の事を考える余裕があった二人と何か大きな壁の様な物を感じてしまったのだ。奈々は一応、少々特殊ではあるが学校の様な物に通ってはいる。だが、色々と事情があり周囲から浮いてしまっていた。なので、奈々にとって郎夜とのび太は唯一自分の身近に居る人間だった。しかし、今回の事で二人が遠くに居る様に思えてしまい、二人が離れている様に思え怖くなったのだ。だが、それを二人に対して言ってしまったら今度こそ二人と自分の決定的な差を思い知らされてしまうと思った。結果、不貞腐れると言う状況になったのだ。
奈々「(私じゃあ駄目なのかな…。師匠やのび太くんと一緒には居られないのかな…。そしたら、また一人になって…嫌!もう一人は嫌だ!だけど…)」
のび太「奈々ちゃ〜ん!」
奈々が自身の葛藤に悩んでいる所にのび太が外から呼んできた。奈々は一瞬驚きながらも、直ぐに不貞腐れた表情に戻り、窓の外ののび太を見る。
のび太「ちょっと散歩しない?ほら、気分転換にさ〜」
奈々「…分かった。直ぐに行く」
奈々は不貞腐れてはいたが、折角ののび太からの誘いだったので断りはしなかった。それに少し気が楽になってもいた。そりゃあ、自分の想い人からの誘いに喜ばない筈が無いし、のび太の事を遠くに感じているからこそ、のび太の側に居たかった。そうする事で自分の悩みを誤魔化したかった。
のび太「あっ来た来た。じゃあ、早速行こうか」
奈々「…うん」
のび太と奈々はキャンプ地点から少し離れた場所を歩いていた。暫く歩いていると、丁度人が二人位座ることの出来る岩を見付け、二人は腰掛けた。すると、のび太が上を見上げ、空に輝く満点の星に気付き歓声をあげた。奈々もそれに釣られて空を見上げる。
奈々「うわぁ〜、綺麗」
のび太「うん。僕達の時代の夜空とは違うね」
奈々「うん」
のび太「…ゴメンね、奈々ちゃん」
奈々「もう、良いよ。私の方こそゴメンね、迷惑だったでしょ?」
のび太「とんでも無い!そんな事無いよ」
のび太がその言葉を否定すると、奈々は嬉しそうな表情をする。しかし、直ぐに哀しげな表情になる。
奈々「私ね、のび太くん以外の友達が居ないの」
のび太「えっ?」
奈々「色々あってさ、周りと上手くいかないんだ。だから、のび太くんが友達って言ってくれた時ね凄く嬉しかったんだ」
のび太「そう…」
奈々「でもね、私何かが本当に居てもいいのかなって思うんだ」
のび太「…」
奈々「私は師匠やのび太くんとは違ってさ、本当の意味で仮面ライダーにはなれてないんだよね…。強さだって、のび太くん程持ってない、力も心も。だから…」
のび太「奈々ちゃん」
のび太は奈々の頭に手を乗せ、軽く撫でる。奈々は突然ののび太の行動に顔を赤らめる。
奈々「の、のび太くん///⁈」
のび太「僕はね相手が強いから友達になるとか、そんな事は全く考えてないよ」
奈々「のび太くん…」
のび太「ただ純粋に友達になりたい、仲良くなりたいと思うからなるんだ」
奈々「…」
のび太「僕の先輩の一人に居るんだ、そう言う人が」
奈々「先輩?」
のび太「うん、僕に仮面ライダーの意味を教えてくれた尊敬する先輩達でね。その中の一人の先輩は、友情を大切にする人でね。最初は他人同士だった人達を絆で繋いだんだ。その人達は今では大切な仲間同士になっててね。そして、皆との絆の力で自分の守るべき物を守っていったんだ」
奈々「そうなんだ、凄い人なんだね」
のび太「うん、本当に凄かった。だから、思ったんだ。さっき言った先輩達みたいになりたいって。だから、僕は変われたんだ」
奈々「私は…」
のび太「…奈々ちゃん、ちょっと手を貸して」
奈々「えっ…うん」
奈々は言われた通りに手を出す。のび太は、その手を二回握り、拳を握って軽くぶつけ、そして上下にぶつける。奈々はのび太のこの行動の意味が分からず困惑していた。そんな奈々にのび太は、先輩から教わった物を説明する。
のび太「これはね友情の証って言うんだ」
奈々「友情の証?」
のび太「そう、友達同士になった人がする仕草だよ」
奈々「えっ、でも私は…」
のび太「奈々ちゃん。その先輩が言ってたんだ“この宇宙に友達になれない奴なんか居ない”って。僕もそう思ってる。だから、僕は君と本当の意味で友達になりたい。駄目かな?」
のび太は奈々の目を真っ直ぐに見る。それだけ本気で言っているのだ。奈々も最初は目を逸らしていたが、やがてのび太の目を見つめ返す。
奈々「だ、駄目じゃ無いよ。でも、私で良いの?」
のび太「違うよ、奈々ちゃんが良いんだ」
奈々「っ!///…分かった。その宜しく…」
のび太「うん!此方こそ改めて宜しくね、奈々ちゃん」
奈々「う、うん////」
のび太は石から降りると、背伸びをして戻す。そして、奈々の方に振り返る。奈々の顔は何だか赤い様だったが、のび太は気にしない事にした。
のび太「さて、そろそろ戻ろうか?」
奈々「そ、そうだね///。お腹も空いたしね」
のび太「じゃあ、帰るか」
のび太はキャンプ地点に向かい歩き出す。奈々は暫く立ち止まり、それに気付いたのび太が声をかける。
のび太「あれ?奈々ちゃん如何したの?」
奈々「え、えっとね///…」
奈々はのび太にお礼を言うつもりだったが恥ずかしくて中々言えず、モジモジしていた。それを見たのび太は奈々の手をとり歩き出した。
奈々「あっ///…」
のび太「ほら、行こうよ。ね?」
奈々「…うん!のび太くん」
のび太「何?」
奈々「ありがとう!」
その時の奈々の顔は一番の笑顔だったそうだ。
翌朝
キャンピングカプセルの外ではのび太が何時もの様に日課の訓練を行っていた。
奈々「のび太くん、おはよう」
のび太「ああ、おはよう」
奈々とのび太は朝の挨拶をして、奈々はのび太の訓練を見学する事にした。
のび太「はっ、やあっ、たあっ!」
奈々「ほぇ〜、凄いな〜」
のび太「ふぅ、別に凄い事じゃ無いよ。毎日やってたら身に付くよ?」
奈々「そうなんだ」
のび太「奈々ちゃんは何かやってないの?」
奈々「うん、朝は学校の準備とかで忙しいから」
のび太「成る程ね。所で、郎夜さんは?」
のび太の問いに奈々は少し苦笑しながら答えずらそうに答える。
奈々「あ〜、うん…まだ寝てるよ」
のび太「へぇ、意外だな」
奈々「うん、よく言われてるよ。でも師匠って、基本的に時間ギリギリまで寝てる人だから」
のび太は郎夜の意外な所を見て驚いていた。てっきり、早くに起きて訓練なり何なりしてるものだと思っていたのだ。
のび太「所で何か用でもあったの?」
奈々「ううん。外を見たらのび太くんが居たから何やってるのか気になって来たんだ」
のび太「成る程ね、そう言う事か」
のび太はそこまで言うとDフォンを取り出し時間を確認した。
のび太「さて、そろそろ朝ご飯食べて出発するか。僕は郎夜さんを起こしてくるから、奈々ちゃんはピー助と先に朝ご飯食べてて」
奈々「分かった」
のび太は奈々にピー助を任せて、郎夜のキャンピングカプセルに向かった。そして、中に入ると奈々の言葉通り未だ爆睡している郎夜が居た。
のび太「郎夜さん、起きてください」
郎夜「zzz…」
のび太「郎夜さん、出発しますから」
郎夜「zzz…う、うん?何だ飯か?」
のび太「おはようございます。はい。だから、早く起きて下さい」
郎夜「了解…ふぁぁぁぁ…」
郎夜は目を擦り、欠伸しながらベッドから這い出る。それを見たのび太は外に向かう。外では奈々とピー助が朝食をとっていた。
奈々「あっ、のび太くん。師匠は?」
のび太「もうすぐ来ると思うよ。後、ピー助おはよう」
ピー助「ピィ!」
郎夜「おはよう〜」
奈々「あっ、おはようございます」
ピー助「ピィー」
一同は朝食を取り終わるとキャンピングカプセルを仕舞い出発した。そして、タケコプターである程度まで進むと歩いて行く事にする。午後になる頃には火口湖が見えて来た。
のび太「今日のキャンプ地点はここら辺にします?」
郎夜「そうだな」
奈々「ですね。それにしても大きな湖ですね」
ピー助「ピィー!」
のび太達が火口湖の近くでゆっくりしていると大きな足音が聞こえてきた。何事かと見てみると、首の長い巨大な恐竜“アラモサウルス”が現れた。アラモサウルス達は火口湖に集まってくる。
奈々「の、のび太くん。大丈夫なの?」
のび太「大丈夫だよ。こういう恐竜は大体が草食だから、踏まれない様にしていれば害は無いよ」
奈々「良かった〜」
ピー助「ピィー!」
郎夜「おお!こりゃ凄え!」
奈々はのび太の説明を聞き安堵の息を吐き、ピー助はその巨体に驚き、郎夜は子供の様にはしゃぎまくりながらアラモサウルスに触れている。まあ、郎夜に関しては色々とアレだが本物の恐竜を目の前にすれば仕方ない反応だろう。しかし、のび太と奈々はそんな悠長に見ている事は出来なかった。それは、郎夜がアラモサウルスの足をかなりギリギリで避けている為、非常に危なかっしいのだ。そして、のび太がそんな郎夜に少し注意をしようとした時、郎夜にアラモサウルスの足が振り下ろされた。
のび太・奈々「あぁぁーーーーーーーーー!郎夜さーん!(師匠ーー!)」
郎夜「んだ?」
のび太・奈々「わぁぁぁっ⁉︎」
のび太と奈々が郎夜が踏み潰された瞬間を見て叫びながら郎夜の名を呼ぶ。しかし、郎夜はのび太達の後ろの地面の中から現れる。のび太と奈々は、突然の事に驚く。如何やら、踏み潰される直前にドリルウィザードリングを発動して地中に避難した様だ。それをのび太と奈々に説明すると…
のび太・奈々「あんまり心配させんなや!(させないで下さい!)」
郎夜「へぶっ⁉︎」
郎夜はのび太と奈々から同時に攻撃を喰らい吹き飛ぶ。まぁ、人を此処まで心配させたのでのび太と奈々に一切の非は無い筈だ。そして、のび太と奈々はピー助を抱えてアラモサウルス達を見ていた。うつ伏せに倒れている郎夜を放置して。
のび太「大きいな〜!」
ピー助「ピィ!」
奈々「そうだね!…あれ?」
奈々はのび太とアラモサウルスを見ている途中に何かを見つけた。奈々が木々の中を少し進むと、其処には割れた卵の殻と産まれたてと思われるアラモサウルスの子供であった。
奈々「可愛い〜!チビちゃん一人?」
チビ「ピュイ!」
奈々「そっか〜。じゃあ、一緒にお母さん探そうか」
チビ「ピュイ!ピュイ!」
奈々はアラモサウルス達の元へと戻る。その下にはチビがヨタヨタと着いて来ていた。チビはアラモサウルス達を見ると鳴き声をあげる。
チビ「ピュイ!ピュイ!」
奈々「どれが貴方のお母さんかな?」
チビ「ピュイ!」
奈々「…一杯居るね」
奈々がチビの親のアラモサウルスがどれか分からず困惑していた頃、のび太はアラモサウルスの頭に乗って昼寝していた。そんな中、突然巨大な咆哮が辺りに鳴り響いた。それに、昼寝していたのび太と奈々、そして倒れていた郎夜は瞬時に目を鋭くさせ各々警戒態勢をとる。すると、近くの草むらから巨大な何かが吹き飛んで来た。それは巨大な体躯に強靭な顎と牙を持った恐竜“ティラノサウルス”だった。
のび太「!ティラノサウルス!」
郎夜「だが、随分と傷だらけだな。他の恐竜か何かにやられたのか?」
奈々「それにしては傷が不自然です」
シグルド「見つけた。全く手こずらせてくれた」
のび太達がティラノサウルスの様子を見ていると林の奥からシグルドが現れた。それに気付いたのび太と奈々がシグルドを睨む。
のび太「お前は!」
シグルド「また会ったね、のび太くん」
郎夜「おい、知り合いか?」
奈々「例のピー助を狙う奴です。以前、タイムマシンで襲われたのも彼奴です」
郎夜「っ!成る程な、事情は分かった」
郎夜も事情を理解してシグルドに敵意を向ける。三人から睨まれているシグルドは肩を竦めてやれやれとでも言う様に首を振る。
シグルド「そんなに警戒しなくても良いだろう?今回はピー助を狙う訳では無い。私が用があるのは其処のティラノ何だから」
のび太「そう言う事か。この傷はお前がやったんだな」
シグルド「そうだよ、今回のターゲットだからね。でも、中々暴れるものだからちょっとばかしやり過ぎてしまったよ」
奈々「酷い…」
シグルド「酷いと言われても此れが私の仕事なのでね。さぁ、そのティラノを渡してもらおうか」
郎夜「誰が渡すかよ」
シグルド「それなら此方も考えがある」
郎夜「へっ!そっちがその気なら…」
奈々「私達にだって…」
のび太「やり様はある!」
《DECADRIVER》
《ドライバーオン、ナウ》
のび太はディケイドライバーを、奈々はサイガドライバーを装着し、郎夜はワイズドライバーを元の大きさに戻す。そして、のび太はカードを掲げ、奈々はサイガフォンに3、1、5と入力しENTERキーを押し、郎夜はハンドオーサーの向きを変える。
のび太「変身!」
《KAMENRIDE DECADE》
《Standing by》
奈々「変身!」
《Complete》
《シャバドゥビタッチヘンシン、シャバドゥビタッチヘンシン》
郎夜「変身!」
《チェンジ、ナウ》
のび太はカードを装填し、奈々はサイガフォンをサイガドライバーのバックルに突き立て倒し、郎夜はフィンガースナップをしてチェンジウィザードリングを翳す。三人はそれぞれ、ディケイド、サイガ、白い魔法使いに変身した。
シグルド「ふむ、流石に此の戦力差はキツいな」
白い魔法使い「なんだぁ?開始早々降参か?」
シグルド「そんな事はしないよ」
サイガ「でも、今は3vs1。この差は大きいよ?」
シグルド「
ディケイド「(今は、ね…これは何かあるな)」
シグルドはマンゴーロックシードを取り出し解錠する。すると、シグルドの横にクラックが出現し、其処からライオンインベスが現れる。それと同時に森の奥から紫色の体にプテラノドンの様な姿の“プテラノドンヤミー(雄)”と白い身体の“プテラノドンヤミー(雌)が出現する。
ディケイド「こいつらは!」
シグルド「おや?これを知っているのかな?」
ディケイド「まあね」
白い魔法使い「のび太!あのライオンは俺がやる」
サイガ「私はプテラノドンみたいなのを相手する。だから…」
ディケイド「ああ、黒マスクの方は任せて」
そう言うと白い魔法使いはハーメルケインを取り出しライオンインベスへ向かい、サイガはフライグアタッカーで空へ飛び上がりプテラノドンヤミー達もそれを追う様に飛び、ディケイドはライドブッカー(ソード)を構えシグルドと対峙する。
ディケイド「行くぞ!」
シグルド「ふん、来るなら来なさい!」
ディケイドとシグルドはお互いに駆け出し、それぞれの得物を振るいぶつかり合った。
続く
後書きの間
のび太「今回は随分と話が進んだね」
ドラえもん「色々と端折り過ぎじゃない?」
Δデルタ「だって、道中の奴全部書こうと思ったらとんでも無い量になるし、そうなったら書けないよ」
郎夜「まあ、作者には無理な相談か」
奈々「ですね。所で何か今回の終わり中途半端じゃないですか?」
のび太「確かにね」
郎夜「おい、作者ァ」
Δデルタ「いや〜ね、本当はのび太達vsシグルド達の終わりまで書く予定だったけど…文字数が多かったから無理矢理切った」
奈々「何だ、そう言う事か〜」
ドラえもん「別段珍しくも無いな、この無能作者ならね」
のび太「だね!」
郎夜「そうだな」
Δデルタ「ひ、酷い…」
のび太「それにしてもシグルドとインベスは良いとして…」←作者はスルー
ドラえもん「まさかの恐竜系のヤミーだね、だとするとヤミーの親の正体は…」
郎夜「待て!ネタバレだ!」
奈々「あ、あの、そろそろ締めの方をお願いします」
のび太「ん、分かった。シグルド達との戦闘を開始した僕達。シグルドの実力とは、そして僕達は無事に切り抜けられるのか!次回、エピソードⅤもヨロシクな!」
ピー助「ピィ!」
ダークカブト(ライダー)「無事に済むと?」←アバランチスラッシュ発動
《Clock up》
Δデルタ「えっ…あばばばばばばばばっ⁉︎」←連続で切り裂かれる