郎夜「何かテンション高えな、あいつ」
のび太「最近、鎧武の極やらバトライド・ウォーⅡの発売間近と言う事で気分が高まってんだよ」
ドラえもん「そして、テストに対する現実逃避と言う面も」
セワシ「駄目人間じゃねえか」
奈々「取り敢えず、始めましょうよ」
のび太「そうだね。大変間があいてしまいすいませんでした。では、後編を…」
皆「どうぞ‼︎」
廃工場
キリンオルフェノク(飛)のΔデルタと、オートバジンver.2に乗ったドラレンジャーは目的地に到着した。キリンオルフェノク(飛)はΔデルタの姿に戻る。
Δデルタ「よし、ここなら遠慮無くやれるな」
ドラレンジャー「そうだな。じゃ、早速やろうぜ」
そう言うと、ドラレンジャーは腰にイプシロンドライバーを装着し、イプシロンフォンを取り出す。そして、イプシロンフォンを開き1、2、4、6と入力し、ENTERキーを押す。
《Standing by》
その電子音声を聞きながら閉じたイプシロンフォンを右手で構える。そして、右手と左手を交差する。
Δデルタ「よっしゃ、僕も行くぞ!」
Δデルタも、腰にデルタドライバーを装着して、デルタフォンを取り出す。そして、デルタフォンを顔の横辺りに持ってくる。ドラレンジャーとΔデルタは、同時に同じ言葉を発した。
ドラレンジャー・Δデルタ「変身!」
《Standing by》
その後、ドラレンジャーは右手を右側に伸ばしイプシロンフォンをイプシロンドライバーにセットし、倒す。Δデルタは、デルタフォンをデルタムーバーに接続する。
《Complate》
すると、二人の身体に変化が表れる。ドラレンジャーの方は、イプシロンドライバーからフォトンストリームver1.5が全身を巡り、緑の光に包まれる。Δデルタも、同じ様に全身をブライトストリームが駆け、白の光に包まれる。緑と白の輝きが工場内を満たす。そして光が晴れた時、二人の姿は変わっていた。ドラレンジャーは仮面ライダーイプシロンに、Δデルタは仮面ライダーデルタへと変身していた。イプシロンは拳を構え、デルタはデルタムーバー(ブラスターモード)を抜き放ち構える。お互いが攻める機会を伺う。
イプシロン「はあ!」
デルタ「Fire」
《Burst Mode》
先にイプシロンが仕掛け、デルタに向かい走り出す。デルタはデルタムーバー(ブラスターモード)を起動し、一発放つ。だが、イプシロンは首を逸らすことで回避し、そのまま接近する。
デルタ「くっ!うっ!うあ!」
イプシロン「ふっ!はっ!」
デルタは、更にデルタムーバー(ブラスターモード)を発射しようとしたが、イプシロンが接近して来た事で断念し、攻撃の回避に移る。イプシロンが振るってきた右拳を外側に弾き、デルタムーバー(ブラスターモード)を向ける。が、イプシロンはそれを手ごと上に弾き、ミドルキックを放つ。更に、そこから足を戻さずハイキックを繰り出す。デルタは、それを諸に貰い少しよろける。イプシロンは、その隙を逃さず顎にアッパーカットを放つ。
デルタ「うぅっ!らぁぁぁ‼︎」
イプシロン「うお⁉︎がぁ!」
しかし、デルタはアッパーカットを喰らいながらもイプシロンの手を掴む。イプシロンは逃れようとするがギアの出力に差があり逃れる事が出来ない。デルタは、そのままイプシロンを空中に放り投げ、そこに蹴りを放ち蹴り飛ばす。イプシロンは吹き飛んで積んであった廃材にぶつかり、廃材ごと奥に倒れ込む。デルタは、その隙に攻撃しようとデルタムーバー(ブラスターモード)を構えるが、先程の顎への攻撃の所為で脳震盪を起こし上手く狙いが定まらない。イプシロンも、すぐさま立ち上がろうとするが、デルタに喰らった蹴りが鳩尾に中った事で、肺の中の酸素が一気に吐き出された為立ち上がれない。デルタは、無理矢理にでも狙いをつけて、デルタムーバー(ブラスターモード)を発射するが全く的外れの場所に中る。その間に、イプシロンは立ち上がり、イプシロンフォンを手に持つ。そして、イプシロンフォンに1、0、3と入力する。
《Single Mode》
イプシロンフォンを横に曲げ、フォンブラスターにする。イプシロンは、それを構え連射する。
デルタ「ぐあぁぁ!」
その光弾がデルタに命中し、火花を散らしながら後ろに倒れる。その隙に、イプシロンは一気に突っ込む。デルタは何とか立ち上がり、それを迎え撃つ。
イプシロン「ふっ!やっ!はあっ!おりゃあ!」
デルタ「くっ、うお⁉︎ええい!ぐっ!くぅ…はあ!」
イプシロンは右拳を振るう。それをデルタは、拳をはたき落とす事によって無効化する。イプシロンは其処から左拳をデルタの顔面に放つが、それをデルタは一歩下がることにより何とか避ける。更に、前蹴りをデルタに放ち、デルタは其れを腕をクロスにして防ぐ。イプシロンは足を戻し飛び回し蹴りを放つ。デルタも回し蹴りを放ち、飛び回し蹴りにぶつける。そして、そのままイプシロンを弾き飛ばす。デルタはデルタムーバー(ブラスターモード)を構え、イプシロンに向かう。
デルタ「うおぉぉ!」
イプシロン「何⁉︎ぐぁっ!」
立ち上がったイプシロンに、デルタはデルタムーバー(ブラスターモード)を零距離で突き付ける。そして、そのまま光弾を連射する。零距離で光弾を喰らったイプシロンは大きく吹き飛ばされる。デルタは倒れたイプシロンに近寄り、更に拳を振るうが、イプシロンは倒れた体勢のまま蹴りに放つ。それによって、デルタは後ろに後退する。イプシロンは起き上がり、オートバジンver.2に駆け寄る。
《Ready》
イプシロンは、オートバジンver.2の左ハンドルにミッションメモリーを挿入し、イプシロンエッジを引き抜く。そして、イプシロンエッジを構えながら、デルタに向かって行く。
デルタ「くっ!」
イプシロン「はあー!」
デルタは、近づけさせまいとデルタムーバー(ブラスターモード)を放ち牽制するも、一発目は首を逸らして避け、二発目もイプシロンエッジで弾かれる。
デルタ「…何かデジャヴ…」
デルタがそんな事を呟いている内に、イプシロンはデルタに接近しイプシロンエッジを振るう。デルタは、それを半身になり躱す。イプシロンは更にイプシロンエッジで斬り上げ、デルタはそれを喰らい火花を散らし後退する。イプシロンはそこにイプシロンエッジで袈裟懸けに斬るが、デルタはそれをデルタムーバー(ブラスターモード)で受け止める。イプシロンエッジを受け止めながら、デルタはベルトの後ろにセットされている剣“デルタストランザー(短剣モード)”を引き抜き、イプシロンに向けて振るう。
イプシロン「うわぁぁ⁉︎」
それを喰らったイプシロンは、火花を散らしながら後ろに吹き飛ばされ、地面を転がる。デルタがデルタストランザー(短剣モード)にミッションメモリーを差し込むと、刀身が伸びてデルタストランザー(長剣モード)になる。デルタは、デルタムーバー(ブラスターモード)とデルタストランザー(長剣モード)を構えて、イプシロンに向かう。
デルタ「Charge」
《Charge》
デルタストランザー(長剣モード)を振るうが、イプシロンはイプシロンエッジで受け流す。デルタはそれを気にせず更に右薙ぎに切り裂く。だが、これをイプシロンは受け止める。
デルタ「Fire」
《Burst Mode》
デルタはデルタストランザー(長剣モード)を受け止められながらも、デルタムーバー(ブラスターモード)を発射する。光弾を至近距離で喰らったイプシロンは後ろに吹き飛ぶ。
イプシロン「やるな、Δデルタ」
デルタ「はあ、はあ、いや、やっぱり貴方は強いな。ここまで戦って息一つ上がってないなんて」
そう、イプシロンはここまでの戦闘では全く息を切らしていないのである。それに比べ、デルタはかなり息が上がっており、どちらが優勢かは一目瞭然であった。
デルタ「でも、僕は勝利を諦める気は更々ないですよ。確かに僕は弱い。戦闘の才能も無いし、頭の回転も早い訳じゃ無い。でも、例え不利な勝負でも粘って粘って勝ちを取りに行く。それが、こんな僕に出来る唯一のやり方だから」
イプシロン「そうか…。なら、かかって来い。お前のそのやり方、貫いてみろ!」
デルタ「言われなくとも、貫いてみせますよ!」
デルタとイプシロンが其々の得物をその手に握り、二人の仮面の戦士は再びぶつかり合う。
ブレインガード社 研究室
薄暗い研究室の中に二人の人影があった。一人は茶髪で首にピエロの顔を模したネックレスをつけ顔に幼さを残した高校生位の少年。もう一人は、白衣を纏い細い眼鏡をかけた猫背の老人。
?「ふむ、これで良いか。調子はどうじゃ?ビショップ」
ビショップ「うん、バッチリだよ。流石Dr.ネル。感謝するよ」
Dr.ネル「いやいや、気にするな。何たってお主達はわしの自慢の息子なのじゃから」
ビショップ「うん」
Dr.ネルは笑顔でそう言うと、途端に表情を曇らせて呟いた。
Dr.ネル「しかし、Δデルタもやるようになったな。お主をそこまで傷つけるまでに至るとはの」
ビショップ「?Dr.ネル、今回は映像で僕達の作戦を見てなかったの?」
Dr.ネル「ん?ああ、ちょっとスフィアの調子が悪くてね。今回は見ていないんだよ」
ビショップ「ふ〜ん。そんなんだ」
Dr.ネル「何かあったのか?」
ビショップ「いやね、僕が戦ったのΔデルタじゃ無いんだよ」
Dr.ネル「何じゃと…、それはどう言うことじゃ」
Dr.ネルは目を細め訝しげな表情でビショップに問いかける。
ビショップ「うん、それがさ妙なやつでさ。確か…仮面ライダーイプシロンとか言ってたよ」
Dr.ネル「な、何⁉︎そ、それは本当か⁉︎確かにそ奴は言うたのか?仮面ライダーと‼︎」
ビショップ「う、うん。自分から名乗ってたし間違いないと思うけど…って、Dr.ネル?」
Dr.ネルは動揺を隠そうともせずにビショップに問いかける。そしてビショップが、それを肯定した途端、顔を俯かせると身体をプルプルと震わせ始めた。それを不審に思ったビショップが尋ねる様に声を上げる。
Dr.ネル「…フ、フフ…フハハハハハハハハ、ハハハハ‼︎」
ビショップ「…」
Dr.ネルは顔を上げたかと思うと、急に笑い始めた。目は極限まで見開かれており、瞳孔は開き、口を大きく開け、その老体からは考えられない程の声量で狂った様に笑う。ビショップは、そんな自らの創造主の姿に呆然とする。
ビショップ「ど、Dr.ネル?」
ビショップは、何とか先程の驚愕から抜け出してDr.ネルに声をかける。
Dr.ネル「ビショップ、少し頼まれてくれないかね?」
ビショップ「えっ!うん、分かった。それで何を…?」
Dr.ネル「ああ、その仮面ライダーを始末して欲しいんだ」
ビショップ「えっ⁉︎」
Dr.ネルの指示にビショップは酷く驚いた。別に仮面ライダーを一人で始末しろとの命令を無理と判断した訳では無い。寧ろ、自分一人で十分だと思っている。しかし、Dr.ネルの性格からして例の仮面ライダーの事を聞けば、すぐさまデータを収集するよう頼まれると思ったのだ。だが、実際どうだろうか。自分が創造主から頼まれたのはデータ収集では無く抹殺。それがどうにも腑に落ちないのだ。だがどうやら、それが顔に出ていたらしくDr.ネルから
Dr.ネル「お前が感情を表情に出すとは珍しいな。まあ、当然かの。こんな指示を出すとは流石のお前も予想出来なかったんじゃろう。だが、仮面ライダーを野放しにしておく事は出来ん。その名を持つ者は儂等の計画に障害として立ち塞がるだろうからな。じゃから、頼んだぞ」
ビショップ「うん。事情は分かんないけど仮面ライダーを始末すれば良いんだね。簡単、簡単♪」
いつも通りの調子に戻ったビショップが余裕そうにその仕事を承諾した。が、Dr.ネルはそんなビショップを諌めた。
Dr.ネル「これ!奴らを侮るでは無い。確かにお主なら今のその仮面ライダーを始末することは容易だろう。じゃが、奴らはその程度で屈する者たちでは無い。どのような苦境、逆境にも諦めず、自らの手でその運命を切り拓いて行く者達じゃ。奴らに儂等の常識は通用しない。この事を肝に銘じておけ」
ビショップ「わ、分かったよ。あのさ、Dr.ネル?」
Dr.ネル「何じゃ?」
ビショップ「何でそんなに仮面ライダーの事をしっ…」
?「何だ騒々しいぞ。誰だ騒いでいるのは」
ビショップが、さっきから気になっていた事をDr.ネルに尋ねようとしたが、廊下から聞こえてきた声によって遮られた。そして、その声の主が研究室に入ってきた。それは、肩位まである黒髪、目は吊り目で鋭い眼光が宿っており、右手には甲の部分に交差した二本の腕に剣を下向きに交わらせた模様のメダルが付いた指抜きグローブが嵌められている20台前半の男であった。
Dr.ネル「どうした?ナイト」
ナイト「むっ、ドクター。いや実は、先程この部屋から妙な笑い声が聞こえてきたもので」
ビショップ「あ、それDr.ネルだよ」
ナイト「何?ふんっ!嘘をつけ。大方、お前がまた何かやらかして、それをドクターになすりつけようとしているのだろう」
ビショップ「違うよ!今回は本当にDr.ネルだよ!」
ナイト「ふん、どうだかな」
Dr.ネル「いや、ビショップの言ってる事は正しい。さっきの声なら儂のものじゃ」
ナイト「なっ!そ、それは誠なのですか?」
ナイトは、ビショップの嘘かと思っていた事が真実であるため、それに驚きながらも確認する。Dr.ネルは首を縦に振ることで肯定の意を示す。
ナイト「失礼した、Dr.ネル。貴殿のものとは知らず無礼なもの言いであった。どうか許して欲しい」
Dr.ネル「いやいや、気にしないでくれ。騒がしかったのは事実なのだから、儂の方が悪い。すまなかった」
ナイト「いえ、貴殿こそ気にしないでいただきたい」
ビショップ「ちょっと!僕に対する謝罪は⁈」
ナイト「はっ!そんなものあるはずがなかろう」
ビショップ「何で!僕を真っ先に疑った癖に!」
ナイト「そんなの、お前が普段から疑われる様な事をしているからだろう。自業自得だ」
ビショップ「何だよ、その言い方!」
ナイト「何だ文句でも…」
Dr.ネル「ほらほら、それ位にせんか、お主ら」
そろそろヒートアップしてきた言い合いを止める為にDr.ネルが二人を諌める。それにより二人は言い合いをやめると
Dr.ネルの方を向く。
ナイト「みっともない姿を見せてしまい申し訳ありませんでした」
Dr.ネル「いや、構わんよ。そうだ、君に頼まれて欲しい事があるんじゃが」
ナイト「はっ、何なりと」
Dr.ネル「ありがとう、感謝するよ。それで内容だが、ビショップと一緒に仮面ライダーを始末して欲しいんだ」
ナイト「仮面…ライダー?それは…」
ナイトは聞き覚えの無い単語に首を傾げる。それにDr.ネルは説明をする。
Dr.ネル「まあ、簡単に言うと儂等の計画の障害になり得る者じゃ」
ナイト「何と!まだ、その様な奴らがいようとは…。しかし、それならビショップだけでも良いのでは?」
ビショップ「うんうん」
ナイトの言葉にビショップが首を縦に振る。しかし、Dr.ネルはその言葉を否定する。
Dr.ネル「いや、恐らくビショップ一人では荷が重くなるであろう。Δデルタも一緒にいるじゃろうからな」
ナイト「成る程、わかりました。そうゆう事なら。お前もそれでいいな?」
ビショップ「うん、Dr.ネルの指示って言うなら別に構わないよ」
Dr.ネルの言葉に納得したナイトは、ビショップに確認をとる。それに対し、ビショップも了解する。
Dr.ネル「ありがとう」
ナイト「いえ、貴殿の為に働く事こそ我らの指名。お気になさらず。では、行って参ります」
Dr.ネル「ああ、ちょっと待ってくれ」
ナイト「?どうかしたのですか?」
Dr.ネル「これを持って行きなさい」
出発しようとしたナイト達をDr.ネルは引き止める。二人は頭に?マークを浮かべる。そんな二人にDr.ネルはある物を渡す。
ビショップ「ねえ、Dr.ネル」
ナイト「これは?」
Dr.ネル「何、御守りみたいな物だよ。気を付けて行ってきなさい」
二人は渡された物を不思議そうに眺めながらも研究室を出て行く。二人が出て行った後、Dr.ネルは引き出しから一枚の古ぼけた写真を取り出した。そこには、二人の青年が肩を組みながら笑顔でピースしながら写っていた。
Dr.ネル「まさか、お主と同じ名を持つ者が現れ、更には儂の前に立ちはだかるとはの。じゃが、不思議と納得してしまう。それは儂が心の何処かで、いずれそうなると分かっておったからかもしれんな。そうじゃろうな、今儂がしようとしている事は正しい事とは言えん。寧ろ、間違ってさえおるだろう。お主が今この場に居れば、問答無用で殴っておる事だろう。そのお主と同じ名を持つ者じゃ、立ちはだかるのは必然なのだろうな」
Dr.ネルは写真を見ながらそう呟いた。
Drネル「じゃが、それでも止める事は出来ぬ。儂はどうしてもお主の様に人間を守ろうと思えんのじゃ。それどころか、酷く憎んでおるんじゃ。理解してくれとは言わぬ。嫌わないで欲しいとも言わぬ。あの世で会ったらどれだけ罵られ様とも構わぬ。じゃから…」
そう呟くDr.ネルの表情は
Dr.ネル「もう少し見ておってくれ、
何処か哀しそうだった。
廃工場
デルタ「うわっ!」
イプシロン「はあ!」
デルタが吹き飛ばされ、冷たい地面を勢いよく転がる。そこへ、イプシロンが追撃を仕掛ける。
デルタ「ちっ、うおりゃ!」
イプシロン「ぐあっ!」
デルタは、すぐさま起き上がりイプシロンの拳を避け、逆にカウンターでパンチを喰らわせる。それを喰らったイプシロンは後ろへ後退する。
デルタ「はあはあっ」
イプシロン「はあはあっ」
お互いに息を切らしながら向かい合う。この数時間でお互いの体力は限界に近かった。そこで、デルタはイプシロンに一つの提案をすることにした。
デルタ「なあ」
イプシロン「何だ、どうした」
デルタ「いや、お互いもう限界に近いんだ。そろそろ、ここら決めないか?」
イプシロン「わかった、それでいいぜ」
そう言うと、二人はこの勝負に決着をつける為動き出す。デルタは、デルタムーバー(ブラスターモード)にミッションメモリーを装填し、デルタムーバー(ポインターモード)にする。イプシロンも腰の“イプシロンポインター”を外し、ミッションメモリーを装填する。
《Ready》
デルタは、デルタムーバー(ポインターモード)に音声入力し、イプシロンは、イプシロンポインターを左脚のエナジーホルスターにセット、更にイプシロンフォンを開き、ENTERキーを押す。
《Exceed Charge》
すると、デルタは右手のブライトストリームを伝いデルタムーバー(ポインターモード)にフォトンブラッドが集約する。イプシロンの方も、フォトンストリームver1.5を伝いイプシロンポインターにフォトンブラッドが集約する。
デルタ「はっ!」
イプシロン「ふっ!」
デルタがデルタムーバー(ポインターモード)から光弾を発射するのと、イプシロンが左脚のイプシロンポインターから光弾を発射するのは同時であった。そして、二つの光弾が空中でぶつかり合うと其々展開する。デルタの光弾は三角錐状に、イプシロンの光弾は六角形の中に円がある平面の光になる。
デルタ「はあぁぁぁ‼︎」
イプシロン「おりゃぁぁぁ‼︎」
二人は走りながら跳び上がり、デルタはルシファーズハンマーを、イプシロンは回し蹴りを放つ“エンジェルストライク”を放つ。ルシファーズハンマーとエンジェルストライクが二つの光と共に空中で激突する。
デルタ「せやぁぁぁ‼︎」
イプシロン「うっ!負けるかぁぁぁ‼︎」
ルシファーズハンマーとエンジェルストライクは暫くは均衡状態を維持するが、やがてイプシロンが推し始める。
イプシロン「くぅぅっ!はあっ‼︎」
デルタ「!ぐわぁぁぁ‼︎」
そして、イプシロンのエンジェルストライクがデルタのルシファーズハンマーを破り、それと同時に三角錐状の光が消滅する。そのままイプシロンはエンジェルストライクをデルタに喰らわせる。すると、エンジェルストライクがデルタに命中すると、イプシロンの姿が消えデルタの後ろの地面に着地する。空中のデルタにはギリシャ文字のYが浮かび上がり、やがて爆発する。その後、その爆発地点から一人の男が落ちて来た。
イプシロン「お、おい…大丈夫か?」
Δデルタ「大丈夫だ、問題ない」
イプシロン「いや、悪かった。まさか、爆発するとは思わなかったんだ…」
イプシロンは少しビビっていた。まあ、それも当然だろう。敵なら兎も角、味方の、しかも模擬戦の様な物で相手が爆発したのだ。ビビらない訳が無かった。
Δデルタ「いや、本当に気にすんな」
イプシロン「ああ、サンキュー」
Δデルタ「さて、そろそろ帰るとする…!」
イプシロン「どうしたん…成る程な」
突然、不自然に言葉を切ったΔデルタに疑問を抱くも、イプシロンもそれに気付き納得する。
Δデルタ「はあ〜、コッチはさっきまで戦ってたからさ、さっさと帰って寝たいんだがなあ?」
そう言うと、Δデルタとイプシロンは入口に目を向ける。そこには、ピースオルフェノク(ビ)とピースオルフェノク(ナ)が立っていた。
ピースオルフェノク(ビ)「悪いけどそうゆう訳にはいかないよ。寧ろ、それなら僕達にとってはチャンスだからね。ね、ナイト?」
ピースオルフェノク(ナ)「ああ、本来ならばあまりそうゆうやり方は好かんのだが、ドクターの指示ならば仕方が無い。作戦の成功を優先しなければならないからな」
イプシロン「あいつ、特異体か」
Δデルタ「そうらしい」
ピースオルフェノク(ナ)が喋った所を見て、Δデルタとイプシロンはその正体に気付く。そんな二人に、ピースオルフェノク(ビ)は喋りかけてくる。
ピースオルフェノク(ビ)「さてと、無駄話はこれぐらいにして、取り敢えず倒されてくれないかな?ねえ、仮面ライダー?」
イプシロン「何?」
ピースオルフェノク(ナ)「どうやら、今回の対象は貴様の様だからな。恨みは無いが…此処で死んで貰おう」
ピースオルフェノク(ビ)とピースオルフェノク(ナ)は、大鎌とロングソードを構える。と、そこで
ピースオルフェノク(ビ)「ねえ、ナイト」
ピースオルフェノク(ナ)「何だ?」
ピースオルフェノク(ビ)「あの時、Dr.ネルから貰った物だけど」
ピースオルフェノク(ナ)「あれが、どうかしたのか?」
ピースオルフェノク(ビ)「あれさ、使ってみない?」
ピースオルフェノク(ナ)「何だと?」
ピースオルフェノク(ビ)の提案にピースオルフェノク(ナ)は、怪訝な声をあげる。
ピースオルフェノク(ビ)「僕にはアレが唯の御守りだとは思えないんだよね」
ピースオルフェノク(ナ)「確かにな。それにドクターは無意味な事や迷信に基づいた行動はしない人だからな。恐らく、これにも何が意味があるのだろう」
そう言って、二人はある物を取り出す。それは右側に小刀の様なパーツが付いた黒い物体だった。
Δデルタ「!そ、それは⁉︎」
イプシロン「何でそれを‼︎」
それを見たΔデルタとイプシロンは動揺を隠し切れない。それもその筈。何せそれは、本来ならばこの世界に、ましてやあの二人が持っている筈の無い物だったからだ。
ピースオルフェノク(ビ)「ん?その様子だとコレの事を知ってるみたいだね」
ピースオルフェノク(ナ)「その様だな。やはり、唯の御守りなどでは無かったか」
ピースオルフェノク(ビ)「でも、どうやって使うんだろ?」
そう言いながら、ピースオルフェノク(ビ)は何気無くそれを腰の辺りに持っていく。すると、その物体の両端から銀色の帯が腰に巻かれ固定される。そして、左側のプレートには蝙蝠の様な頭部を持つ横顔が浮かぶ。
ピースオルフェノク(ナ)「むっ」
ピースオルフェノク(ビ)「おっ!成る程ね、こうするのか」
ピースオルフェノク(ナ)「だが、それ以外は何も起こらんぞ」
ピースオルフェノク(ビ)「う〜ん?あ、そうだ。もしかして、これかな?」
そう言うと、ピースオルフェノク(ビ)はフェイスプレートと同じ様な顔が描かれた錠前を取り出す。そして、それを適当に弄る。
《ダークキバ》
ピースオルフェノク(ビ)「なっ!何だこれ⁈…もしかして」
ピースオルフェノク(ビ)の頭上にファスナーの様な裂け目“クラック”が円を描いて出現し、そこからフェイスプレートと錠前に描かれていた物と同じ顔の様な物が現れる。ピースオルフェノク(ビ)は、腰の物体“戦国ドライバー”に錠前“ダークキバロックシード”をセットする。そして、錠前を閉じ、ロックする。
《ロックオン》
戦国ドライバーからファンファーレの様な音声が流れる。ピースオルフェノク(ビ)は、右側に付いている小刀の様なパーツ“カッティングブレード”でダークキバロックシードを斬る様に倒す。すると、ダークキバロックシードが開く。
《カモンッ、ダークキバアームズ!Dark of Vampire!》
ピースオルフェノク(ビ)の頭上の顔の様な物が落ちて来る。そして、ピースオルフェノク(ビ)の頭に覆い被さる。すると、ピースオルフェノク(ビ)の身体にアンダースーツ“ライドウェア”が装着される。その後、覆い被さっている顔が展開し、鎧になる。蝙蝠の様な頭部、緑色の複眼、胸には蝙蝠の羽の様な装飾があり、緑色の宝玉が埋め込まれていて、背中には黒いマントが付いている。その姿は、腰の戦国ドライバー以外は仮面ライダーダークキバに酷似、否ダークキバそのものだった。
ピースオルフェノク(ナ)「ほう、そうゆう使い方か。よし、私も」
ピースオルフェノク(ナ)も戦国ドライバーを腰に巻く。フェイスプレートには額に龍の紋章がある黒い騎士の様な顔が描かれたロックシード“リュウガロックシード”を取り出し、解錠する。
《リュウガ》
頭上にクラックが出現し、そこからリュウガロックシードに描かれている顔と同じ顔が落ちて来る。ピースオルフェノク(ナ)は、錠前をロックする。
《ロックオン》
すると、戦国ドライバーからホラ貝の様な音声が流れる。そして、カッティングブレードでリュウガロックシードを斬る様に倒す。そして、リュウガロックシードが下に展開する。
《ソイヤッ、リュウガアームズ!もう鏡の中の幻じゃ無い!》
ピースオルフェノク(ナ)に頭上の顔が落ちて来て、頭に覆い被さる。すると、身体に黒いライドウェアが装着され、頭の顔が展開する。黒い身体、兜を被った騎士の様な顔に額の龍の紋章、上半身の黒い鎧に淵の金色の線、左腕には龍の頭部を模したガントレット“龍召機甲ブラックドラグバイザー”を装備している。その姿は、ダークキバ同様、戦国ドライバー以外は仮面ライダーリュウガだった。
Δデルタ「何だ…と…」
イプシロン「その姿は…」
Δデルタ達は、その姿を見て酷く動揺する。そんな二人を他所に変身した二人は自分の姿を確認する。
ピースオルフェノク(ビ)?「凄〜い!凄くカッコイイ!それに力が湧き上がってくる!」
ピースオルフェノク(ナ)?「確かに。オルフェノクの時とは比べ物に成らん力だ。それにしても、この姿。あのイプシロンとか言う奴の姿と何処か似た様な物を感じるな」
ピースオルフェノク(ビ)?「そうだね…。そうだ!じゃあさ、この姿の名前さ、仮面ライ…」
ピースオルフェノク(ナ)?「却下だ」
ピースオルフェノク(ビ)?の提案をピースオルフェノク(ナ)?は即座に否定する。
ピースオルフェノク(ビ)?「ええ〜!何でだよ」
ピースオルフェノク(ナ)?「今から戦う敵と同じ名を名乗るなど御免だ」
ピースオルフェノク(ビ)?「んも〜、じゃあそうだな。じゃあ、アーマードライダーってのは?」
ピースオルフェノク(ナ)?「はあ〜、まあ良いだろう。本当はそれも御免なのだが、これ以上文句をつけるとお前が煩そうだからな」
ピースオルフェノク(ビ)?「へへ〜、じゃあ決まり!」
すると、ピースオルフェノク(ビ)?とピースオルフェノク(ナ)?はΔデルタとイプシロンの方を向き、向かい合う。それに、Δデルタとイプシロンは警戒する。そんな二人にピースオルフェノク(ビ)?は腕を左右に広げ
ダークキバ「僕は、アーマードライダーダークキバ。それで…」
リュウガ「アーマードライダーリュウガ…」
そう名乗ると二人は、Δデルタとイプシロンに向かって構える。それに対し、Δデルタ達も急いで構えをとる。
《ストライクベント》
突然、くぐもった低い声が聞こえたと思うと、リュウガの右手にはドラゴンの頭部を模した黒い手甲“ドラグクロー”を装備していた。リュウガが、ドラグクローを後ろに引くと、ドラグクローの口内に黒い炎が溜まる。そして、炎が完全に溜まった所でドラグクローを前へ突き出し、黒い火球を放つ。
Δデルタ「やばい!」
Δデルタはキリンオルフェノクに変身し、エレキボールを放つ。黒炎とエレキボールが衝突し、爆発を起こす。そして爆発によって、辺りが爆煙に包まれる。
《ソードベント》
爆煙の中から、黒い青龍刀“ドラグセイバー”を構えたリュウガがキリンオルフェノクに向かって斬りかかる。それに対しキリンオルフェノクは、天叢雲剣を出現させ受け止める。
リュウガ「はっ!」
キリンオルフェノク「うあっ!」
鍔迫り合いの中、リュウガはキリンオルフェノクを蹴り飛ばす。それによって、キリンオルフェノクは壁を突き破って外に吹き飛ぶ。リュウガはキリンオルフェノクを追い、その穴から外に出る。
イプシロン「まてっ!」
ダークキバ「それはコッチの台詞だよ」
イプシロンはリュウガを追おうとするが、ダークキバに阻まれる。ダークキバはイプシロンを狙いパンチを放ち、それをイプシロンは腕でガードしながら蹴りを放つ。ダークキバはそれを後ろへ飛び退く事で回避する。お互いに睨み合う状況になる。
ダークキバ「君の相手は僕だよ、仮面ライダーさん?」
イプシロン「ちっ!(不味いな…)」
イプシロンは焦っていた。自分達は先程まで全力で戦っていたのでかなり疲労している。それに対し、彼方は前回以上の力を身につけて来ている。勿論、全快の状態。その差は大きかった。Δデルタと二人ならば何とかなったのかも知れないが、残念ながら引き離されてしまった。つまり、この場は自分一人で乗り切らなければならないと言うことだ。
イプシロン「(何とかこの場を乗り切って、Δデルタと合流する。それしか方法は無い、が…)」
ダークキバ「合流させると思う?」
イプシロン「っ!」
ダークキバ「驚いてるね〜、丸分かりだよ。今の君の状況なら次に何をすべきかなんて直ぐに分かるよ。だって、今の君達では合流して戦うしか勝ち目は無いもん」
イプシロン「…(完全に読まれてる)」
ダークキバ「ふふっ、図星の様だね。さてと、立話も程々にして、そろそろ始めようか」
イプシロン「くそっ!」
ダークキバがイプシロンに向かって行った。
廃工場 外
キリンオルフェノク「うおっ!」
廃工場の壁を突き破ったキリンオルフェノクが勢い良く地面を転がる。そこへ、キリンオルフェノクが突き破った穴からリュウガが出て来る。キリンオルフェノクは天叢雲剣を支えに立ち上がる。
キリンオルフェノク「っつつ、これまた勢い良く吹き飛ばしてくれたものだな」
リュウガ「ふん、自分から勝手に吹き飛んでおいて何を言う」
キリンオルフェノク「…気付いてたか」
そう、キリンオルフェノクは蹴り飛ばされる瞬間、後ろへ跳ぶ事によってダメージを軽減したのだ。だからこそ、疲労している状態でリュウガの蹴りを喰いながらも、軽口を叩ける訳なのだが。
リュウガ「とは言え、やはり消耗しているようだな。呼吸が乱れているぞ?」
キリンオルフェノク「くっ、余計なお世話だ」
リュウガ「威勢だけは良いようだが、そんな状態で何が出来ると言うのだ?」
キリンオルフェノク「そんなの、お前を倒す。それだけだ」
リュウガ「出来ると思っているのか?」
キリンオルフェノク「出来る、出来ないじゃない!やるんだよ!変身‼︎」
《Staneing by》
《Complete》
キリンオルフェノクは、仮面ライダーデルタへ変身する。それを見たリュウガは驚きを隠せない。
リュウガ「何だと⁉︎貴様も仮面ライダーか⁉︎」
デルタ「そう言う事だ。仮面ライダーデルタだ!さあ、ここがお前の終焉だ!」
リュウガ「ふん、やれるものならやってみろ‼︎」
デルタは、拳を構えながらそう言うとリュウガに向かって駆け出す。リュウガもドラグセイバーを握り締め迎え討つ。リュウガがドラグセイバーを振るい、デルタはそれを半身になり躱す。そこからデルタは、右脚でミドルキックを放つ。リュウガは両腕でガードするが、そこへデルタは更に左脚でローキックを放ち相手の体勢を崩す。そこへ、渾身の右ストレートを顔面に喰らわせる。それにより、リュウガは大きく吹き飛ぶ。
リュウガ「ぐおわっ!くっ、成る程。確かに、これは中々の強敵か…。くくっ」
デルタ「何だ?何が可笑しい?」
リュウガ「ふっ、そうでは無い。私は単純に嬉しいのだよ」
デルタ「嬉しい、だと?」
リュウガ「そうだ。まだ、この世界には貴様らの様な強者が存在するのだと分かった。これを悦ばずにいられるものか。くくくっ、くっはははは!」
デルタ「…(こいつ、
リュウガの意外な本性に、デルタは心の中で絶叫する。そんなデルタを尻目にリュウガは笑い続ける。
リュウガ「さあ、行くぞ!仮面ライダー‼︎」
デルタ「くそっ!Charge!」
《Charge》
リュウガは、ドラグセイバーを横に振るう。それをデルタは上半身を僅かに逸らして躱すが、更に袈裟懸けに振り下ろし斬り裂く。デルタは咄嗟にデルタムーバーで受け止める。
リュウガ「愉しい、愉しいぞ!ここまで心躍る戦いは久し振りだぞ!」
デルタ「コッチは全然だがな」
リュウガ「さあ、もっとだ!もっと愉しもうぞ!仮面ライダー‼︎」
デルタ「話を聞け!」
デルタは力任せにドラグセイバーを弾くと、リュウガの腹に蹴りを喰らわせる。それによりリュウガは大きく後退するも、また直ぐに立ち直って向かってくる。
デルタ「Fire!」
《Burst Mode》
デルタはリュウガに向かってデルタムーバー(ブラスターモード)を連射する。が、リュウガは走りながらドラグセイバーで全て弾く。それを見たデルタは
デルタ「だろうと思ったよ‼︎」
と、言いなが走ってくるリュウガに向かって行く。お互いの距離が縮まった処で勢いに乗ってデルタが蹴りを放つが、あっさり受け流され背後に回られドラグセイバーで連続で斬り裂かれる。
デルタ「がはっ!ええい!」
デルタは振り向き様に回し蹴りを放つが、リュウガに後ろへ跳ぶ事によって回避される。回し蹴りを回避したリュウガはドラグセイバーを投擲する。デルタはそれを躱せず切り裂かれた部位が火花を散らす。すると、リュウガはデルタに向かって駆け出す。デルタは何とか立ち上がり迎え討とうとする。が、ここで先程投擲したドラグセイバーがブーメランの様に戻って来て、それをリュウガが左手で逆手持ちで掴む。
デルタ「何っ⁉︎」
リュウガ「はあぁぁ!」
驚いているデルタをリュウガはドラグセイバーで連続で斬りつける。更に、蹴りを喰らわせ距離を取る。
《ストライクベント》
リュウガは再びドラグクローを装備し、黒炎をその口内に溜める。その光景にデルタは焦りを見せる。そうしている間に黒炎のチャージが完了し、一気にそれを放出する。狙いは勿論デルタに。
デルタ「あっぶ、ねぇぇぇ‼︎」
デルタはその黒炎を咄嗟に右に飛び退く事で何とか回避する。しかし、それはリュウガの思惑通りだった。リュウガは戦国ドライバーのカッティングブレードを一回倒す。
《リュウガスカッシュ!》
デルタ「しまった⁉︎」
すると、リュウガの右手のドラグクローを黒炎が包み込む。そして、デルタに向かって駆け出す。デルタは反射的に腕を前で十字に交差させ、防御の姿勢をとる。が、その行動は正しい行動では無かった。リュウガは黒炎に包まれたドラグクローでパンチを喰らわせる“ドラグクローブレイク”を放つ。
リュウガ「はあっ‼︎」
デルタ「ぐあぁぁぁぁぁ‼︎」
ドラグクローブレイクを喰らったデルタはかなり後ろへ吹き飛ばされる。立ち上がろうとするも、先程まで喰らったダメージがそれを許さない。更に、ドラグクローブレイクの所為で身体の一部が石化していた。そうしている間に、リュウガはトドメをさす為にゆっくりとデルタに近づく。デルタは後ずさるも、あっという間にリュウガに追い詰められる。リュウガはドラグクローをデルタに向け、黒炎を溜め始める。
リュウガ「終わりだ、仮面ライダー」
デルタ「くっ!どう、すれば」
追い詰められたデルタにはそう言うしか無かった。
廃工場内
一方、イプシロンとダークキバの戦いも熾烈を極めていた。
ダークキバ「はあぁぁっ!」
イプシロン「おらぁぁっ!」
ダークキバの拳を避け、イプシロンはカウンターで蹴りを放つ。だが、それはダークキバの左腕によって掴まれる。
ダークキバ「ふふっ、残念でした」
イプシロン「ぐわぁぁ‼︎」
ダークキバはその状態でイプシロンに拳の連打を放ち、投げ飛ばす。イプシロンはされるがままに殴られ、吹き飛ぶ。地面に倒れ込むイプシロンにダークキバは追撃を仕掛ける。
ダークキバ「ふっ、やぁっ!」
イプシロン「ぐっ、うあっ!」
立ち上がったイプシロンにダークキバがミドルキックを放つ。それをイプシロンは何とか腕でガードするも、続けて放たれた左ストレートを諸に喰らいよろけ、その隙に右ストレート、前蹴り、後ろ回し蹴りと連続で繰り出す。怒涛の連撃を続け様に喰らい吹き飛ばされる。
イプシロン「ぐぁっ!くそっ!」
《Complete》
ダークキバ「おっ」
イプシロンはアクセルフォームになり超高速で動く。そして、ダークキバの死角から攻撃を仕掛けようとするも…
イプシロン(アクセル)「うあぁぁっ!な、何⁉︎」
ダークキバ「ざ〜んねん。惜しかったね」
イプシロン(アクセル)の足元にはダークキバの顔の様な模様“波動結界”があり、イプシロン(アクセル)の動きを封じていた。その波動結界に苦しめられながらも、イプシロン(アクセル)は何とか抜け出そうともがく。
ダークキバ「無駄無駄、抜け出せないよ」
《ダークキバスカッシュ!》
ダークキバはカッティングブレードを一回倒す。すると、周囲を赤い霧が包み込み、その霧が晴れると辺りは夜となり空には赤い満月が浮かんでいた。その中をダークキバは空高く跳び上がり、上空からストレートパンチを繰り出す“ダークネスヘルクラッシュ”を発動する。
イプシロン(アクセル)「うわぁぁっ‼︎」
ダークネスヘルクラッシュを受けたイプシロン(アクセル)は爆発を起こしながら吹き飛ぶ。その際、変身が解除されてしまった。
ドラレンジャー「くっ、くそ!強い…」
ダークキバ「ははっ、呆気なかったね。さて、それじゃあさよならだ。仮面ライダー」
ダークキバは倒れたドラレンジャーに向かって拳を振り上げる。ドラレンジャーは身動ぎをするが逃れる事は出来ない。そして、その拳は無情にも振り下ろされた。
廃工場 外
リュウガ「とても愉しい時間だったぞ、仮面ライダー。そして、さらばだ」
リュウガはドラグクローに溜まった黒炎を放とうとする。が、そこへ
リュウガ「ぐぁっ!」
デルタ「⁉︎」
突然、数多の銃弾がリュウガに命中し、リュウガは火花を散らしながら後ずさる。デルタは困惑しながらも銃弾の飛んできた方向に振り向く。
?「ふぅ〜、危ない所じゃったの。大丈夫かの?」
そこにいたのは、青いロボットだった。腰にはバックル“インジケータ”があり、背中には“バッテリーパック”を装備し、三本の角に複眼はオレンジで胸部や顔の前面は白く、手には先ほどの銃弾を放ったであろうサブマシンガン“GM-01改 スコーピオン”が握られていた。それは仮面ライダーG3-MILDだった。
デルタ「あ、あの〜、貴方は?」
G3-MILD「ん?儂かの?何、唯のしがない老人じゃよ」
いや、この場に居るんだから唯の爺な訳無いだろ‼︎とデルタは心の中で叫ぶ。そんなデルタを無視して、G3-MILDは続ける。
G3-MILD「いやぁの、何か騒がしいなと思うて様子を見に来たら、何とライダー同士が戦っておるでは無いか。目ん玉飛び出るかと思うたわい。それで何やら君がそこの黒いのに殺られそうじゃったから助けに入ったのじゃよ」
聞いても無いのにベラベラと喋るG3-MILDにデルタは問う。
デルタ「何で僕の方は助けた?この状況じゃあ、誰が敵か味方なんて分からないだろう?」
G3-MILD「む?それはの…」
リュウガ「おい、爺」
と、そこでリュウガは先程のダメージから立ち直り殺気の篭った視線をG3-MILDに向けながら喋る。
リュウガ「貴様は自分が何をしたのか分かっているのか…」
G3-MILD「ん?君達の戦いに割って入ったのじゃが、それが何か?」
G3-MILDがあっけらかんとした返したことにより殺気が更に膨れ上がる。
リュウガ「貴様…生きて帰れると思うな‼︎」
デルタ「あ、危ない!」
G3-MILD「全く、最近の若者はせっかちじゃの」
背後から襲ってくるリュウガを見て、デルタはG3-MILDに警告を送るも、G3-MILDは全く聞いていない、否…
リュウガ「何⁉︎」
G3-MILD「ほれほれ、動揺し過ぎじゃ」
聞く必要が無かった。G3-MILDは自身の背後から襲って来たリュウガの拳を見ずに、腕だけ動かしてそれを受け止めた。これにはリュウガも驚くしか無い。が、直ぐ様立ち直り、連続でパンチを繰り出す。
リュウガ「はあぁぁぁぁぁ‼︎」
G3-MILD「ほ、ほい、あ、それ」
しかし、G3-MILDはそれすらも正面を向いたまま右腕だけを動かして全て受け止める。
リュウガ「なっ⁉︎くっ、これならどうだ‼︎」
G3-MILD「ほぅ」
自身の攻撃を全て受け止められたリュウガは全身全霊の一発を打ち込む。だが、それもG3-MILDは体を屈んで避ける。更に、そのままリュウガの右腕を掴む。
G3-MILD「今のはなかなか良い攻撃じゃったぞ」
リュウガ「な、なん、だと…」
自分の渾身の一撃を避けられたリュウガは一瞬固まり、その隙にG3-MILDはリュウガを背負い投げの要領で投げ飛ばす。
G3-MILD「ほっほっほっ、まだまだ青いのう」
デルタ「…」
このG3-MILDの予想外の強さに驚きのあまり声が出ない様子のデルタ。そんなデルタにG3-MILDは声をかける。
G3-MILD「あ、そうじゃった。先程の質問の答えじゃが、儂がそれなりに経験を積んでいるつもりじゃからかの、どちらが儂の助けるべき相手かなんて最初に見た時から決まっておったわい」
デルタにはこの時、G3-MILDの姿がとても大きく見えた。そんな事は知らず、G3-MILDはデルタにあることを問いかける。
G3-MILD「所で、君はこれからどうするつもりじゃ?」
デルタ「えっ?」
G3-MILD「そこの黒いのにやられっぱなしのままで良いのかと聞いておるのじゃ」
デルタ「そんなの…」
その問いかけにデルタは立ち上がりながら答える。
デルタ「良いわけ無いに決まってるだろ‼︎」
G3-MILD「ほっほっほっ、その意気じゃ。やはり、若さとは良い物じゃの〜。じゃが、勝算はあるのか?今の君ではあの黒いのに敵わんぞ」
デルタ「分かってる。悔しいがその通りだ。だけど…」
デルタは左腕に黒い直方体の箱が付いたブレスレット“ルシファーギア”を装備し、上の窪みについていたルシファーメモリーを外す。。そして、デルタフォンをデルタムーバーから切り離し、ルシファーギアの横に取り付ける。更に、ミッションメモリーをルシファーギアの上の窪みに差し込む。
《Ready》
デルタは、ルシファーメモリーをデルタドライバーにセットする。
《Complete》
すると、デルタが輝きだし、その身体に変化が訪れる。複眼はオレンジのままだが、スーツの色が白く、ブライトストリームは黒の“ブラックアウトストリーム”に変化した“ルシファーフォーム”だった。
G3-MILD「ほほぅ」
リュウガ「何だと…」
デルタ(ルシファー)の姿に各々の反応をするG3-MILDとリュウガ。そんな中、デルタ(ルシファー)は構えを取るとリュウガに言い放つ。
デルタ(ルシファー)「さあ、ここからは第二ラウンドだ。かかって来い!」
リュウガ「はっはっはっ、ああ、やはりお前は面白い!良いだろう…行くぞ!」
リュウガはいつの間にかΔデルタに対しての一人称が貴様からお前になっているのに気付かない。それほどまでに興奮していたのだ。それと同時に、リュウガはΔデルタの力を無意識ながらも認めていた。そして、二人は同時に走り出す。そして、距離が縮まった所で同時に拳を突き出す。
デルタ(ルシファー)「っらぁ‼︎」
リュウガ「はあっ‼︎」
激しい激突音を立てながら二つの拳がぶつかり合う。そして、その拳はお互いの力が拮抗している為、その場から動かない。
リュウガ「まさか、こんな隠し球を持っていたとはな…これでまた、愉しめるというもの!」
デルタ(ルシファー)「ふっ、お前が愉しむ前に倒してやるよ!」
デルタ(ルシファー)は拳を戻し、蹴りを放つ。リュウガはそれを防ぎ、パンチを繰り出す。が、デルタ(ルシファー)は、それを上半身を後ろに逸らして躱し、その状態から飛び回し蹴りをリュウガに放つ。そして、後ろ回し蹴り、前蹴り、左フック、膝蹴り、右ストレートと連続で放つ。
リュウガ「がぁぁぁ‼︎」
それを全て喰らったリュウガは後ろに吹き飛ぶ。更に、追撃を仕掛けようとデルタ(ルシファー)は突っ込む。
リュウガ「舐めるな‼︎」
デルタ(ルシファー)「うがっ⁉︎」
リュウガはハンドスプリングの要領で起き上がり、その勢いで蹴りを放つ。更に、それを喰らってよろけたデルタ(ルシファー)に、パンチ、肘打ち、蹴りと喰らわせる。それを喰らったデルタ(ルシファー)は倒れはしなかったが、地面を足で削りながら強制的に後ろに下げられる。
デルタ(ルシファー)「くぅぅ!だらぁっ‼︎」
リュウガ「はぁぁぁぁっ‼︎」
二人は接近すると、再び拳を同時に突き出す。さっきよりも激しい激突音が辺りに響き渡る。
デルタ(ルシファー)「オラオラオラオラオラオラオラオラ」
リュウガ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」
二人は連続で拳を放ち続ける。かなり高速で打ち合っている為、腕が何本もある様に見え、衝撃波が僅かに辺りに飛ぶ。
デルタ(ルシファー)「オラオラオラオラオラオラオラオラ」
リュウガ「しまっ!くがっ‼︎がぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
ラッシュの打ち合いにはデルタ(ルシファー)が勝利し、そのままラッシュを放ち続ける。リュウガは何も出来ず、されるがままにラッシュを受け続ける。
デルタ(ルシファー)「オラァっ!」
リュウガ「ぐはっ⁉︎」
デルタ(ルシファー)は締めの一撃をリュウガに放ち、それを喰らってリュウガは吹き飛ばされた。デルタ(ルシファー)は倒れたリュウガに近づき、無理矢理立ち上がらせて蹴りを放つ。
リュウガ「ぐおぉぉっ!」
すると、デルタ(ルシファー)の足裏から一発の光弾が発射され、それがリュウガに着弾すると光弾は三角錐状の光に展開して、リュウガを拘束する。リュウガはその衝撃で後ろに下げられる。
デルタ(ルシファー)「はあぁぁぁぁぁ‼︎」
リュウガ「がぁぁぁぁぁ!」
デルタ(ルシファー)は高く跳び上がってリュウガにルシファーズハンマーを放つ。それを喰らったリュウガは爆発を起こす。
デルタ(ルシファー)「ふぅー、やったか…。あっ!そうだ!あの人は…」
デルタ(ルシファー)は辺りを見回すが、G3-MILDの姿は何処にも無かった。
デルタ(ルシファー)「居ない…、何処へ、ってそれよりもドラレンジャーさんの助けに行かないと!」
デルタ(ルシファー)は、そう言うと急いで廃工場の中に戻って行った。
廃工場内
ダークキバ「じゃあね、仮面ライダー」
ダークキバはドラレンジャーに向けて拳を振り下ろす。が、その時…
?「まあ、待てよ」
ダークキバ「っ!がっ!」
ドラレンジャー「⁉︎」
ダークキバの拳を誰かが止めた。更に、そのままダークキバを蹴り飛ばした。白い身体に白いローブを纏い、荒削りのオレンジ色の宝石の様な顔で両手にはそれぞれ違う指輪が嵌まっており、腰に手形のついたベルト“ワイズドライバー”があった。それは白魔 郎夜こと白い魔法使いだった。
ダークキバ「お前も仮面ライダーか⁈」
白い魔法使い「まあ、そんな処だ。さあ、宴の時間だ」
《コネクト、ナウ》
白い魔法使いは剣と笛が一体化した様な剣“ハーメルケイン”を取り出しながら、そう言った。
ダークキバ「まあ、どんな奴が来たって今の僕には叶わないよ」
白い魔法使い「余裕ぶっこいてると足下掬われるぜ?」
ダークキバは柄は黒、刀身は銀で剣先は金色の剣“魔皇剣ザンバットソード”を取り出し構えると白い魔法使いに向かって行く。白い魔法使いもハーメルケインを構えダークキバに向かって行く。
ダークキバ「はあっ!やあっ!ええいっ!」
白い魔法使い「ふっ!はっ!でりゃっ!」
白い魔法使いはダークキバが振り下ろしたザンバットソードをハーメルケインで受け止め、左薙の斬撃も受け流し、突きの攻撃も剣先を上へ弾く事によって無力化する。
ダークキバ「くっ、このぉぉぉ‼︎」
白い魔法使い「ふんっ!だぁぁぁっ!」
ダークキバの袈裟斬りを受け流すと、そのまま回転してその勢いで後ろ回し蹴りを放つ。それをまともに喰らったダークキバは吹き飛んで地面を転がる。
ダークキバ「ぐぁ、くっ、うぅぅ」
白い魔法使い「さて、そろそろ幕引k…ん?なんでだ?…ああ、分かったよ」
不自然に言葉を切った白い魔法使いは、突然何か呟き出した。暫くすると、ドラレンジャーの方に向き直る。
白い魔法使い「悪いな、俺が出来るのはここまでだ」
ドラレンジャー「はっ?」
白い魔法使いの言葉に間の抜けた声をあげるドラレンジャー。それを無視して白い魔法使いは続ける。
白い魔法使い「悪いな。だが、その代わりこいつを渡しておくからよ。じゃあ、頑張れよ」
《テレポート、ナウ》
白い魔法使いはドラレンジャーにそれを渡すと、テレポートで消えてしまった。呆然となるドラレンジャー。
ダークキバ「はあはあ、随分と舐めた真似をしてくれたものだね。散々甚振っておきながら、あっさり帰るなんてね」
ドラレンジャー「!」
ダークキバは起き上がると、忌々しそうに吐き捨てるとドラレンジャーを睨み付ける。それを見たドラレンジャーは直ぐ様イプシロンフォンに1、2、4、6と入力し、ENTEREキーを押す。
《Standing by》
ドラレンジャー「変身!」
《Complete》
ドラレンジャーは再びイプシロンに変身する。そして、さっき白い魔法使いから渡されたものを見る。それは銀と白の色の直方体の物体“ハイパーギア”だった。イプシロンはハイパーギアをイプシロンアクセルの後部に取り付ける。
《Ready》
そして、アクセルメモリーをイプシロンフォンに装填する。
《Complete》
その電子音声が流れるとイプシロンの装甲が展開し、スーツの色がメタルシルバーになり、複眼は紫でエネルギー流動経路は水色のネオフォトンストリームに変化し、身体の周りには銀色の粒子が舞っていた。これがイプシロンの新たな形態“ハイパーアクセルフォーム”だ。
イプシロン(ハイパーアクセル)「これは…」
ダークキバ「何だか知らないけど、姿が変わった位で良い気にならないでね!」
ダークキバはザンバットソードで斬りかかる。それを見たイプシロン(ハイパーアクセルフォーム)はハイパーイプシロンアクセルのスイッチを押す。
《Start Up》
すると、ハイパーイプシロンアクセルの画面に20と表示され、カウントが始まった。
ダークキバ「はっ!なっ⁉︎ど、何処に⁈があっ!」
イプシロン(ハイパーアクセル)「凄い…アクセルとは性能が段違いだ…」
ダークキバがザンバットソードを振り下ろした時、もうそこにはイプシロン(ハイパーアクセル)は居なかった。と、同時に背中に強烈な衝撃を受けて倒れる。ダークキバの背後にはイプシロン(ハイパーアクセル)が立っていて、そのスピードに驚いていた。それもそうであろう。ハイパーアクセルフォームは通常のアクセルフォームの100倍の速度で動けて、更にネオフォトンブラッドを使用している為、出力も今までとは比べ物にならない位になっている。そして、その負荷もハイパーギアによって軽減されている為、活動限界も20秒と通常のアクセルフォームよりも長くなっているのだ。
ダークキバ「こんのぉぉぉ」
イプシロン(ハイパーアクセル)「ふっ!はっ、でりゃぁ!」
ダークキバは再び斬りかかるも、イプシロン(ハイパーアクセル)はもうそこには居なく、代わりにダークキバの身体に幾つもの衝撃が走った。
ダークキバ「わぁぁぁぁぁっ!」
イプシロン(ハイパーアクセル)「当たるか!」
ダークキバはビショップ本来の能力である高速移動を使うも、イプシロン(ハイパーアクセル)を捉えることは出来ずされるがままにイプシロン(ハイパーアクセル)の攻撃を連続で喰らう。
ダークキバ「ぐあぁぁ、あっ、はあはあ…」
イプシロン(ハイパーアクセル)「そろそろ止めだ‼︎」
《Exceed Charge》
イプシロン(ハイパーアクセル)は、ミッションメモリーを装填したイプシロンポインターを左脚のエナジーホルスターにセットし、イプシロンフォンのENTEREキーを押す。すると、ネオフォトンストリームを伝い左脚を経由してイプシロンポインターに集約する。
《Three》
イプシロン(ハイパーアクセル)「はあっ!」
ダークキバ「うあっ⁉︎」
イプシロン(ハイパーアクセル)が跳び上がると、ダークキバの周りに一瞬にして幾つもの緑と水色の六角形の中に円のある平面の二重の光が現れる。
《Two》
イプシロン(ハイパーアクセル)は、ダークキバの周りの光から超高速で回し蹴りを放つ“ハイパーアクセルエンジェルストライク”を喰らわせる。
《One》
そして、全て蹴り終わると地面に着地し、ダークキバは爆発に包まれる。
《Time Out》
《Refomation》
ハイパーイプシロンアクセルの表示が0になった時、装甲部分が元に同時に戻り、スーツの色なども元に戻る。
イプシロン「ふぅ〜、苦労したな」
デルタ(ルシファー)「ドラレンジャーさん、大丈夫か?」
イプシロンが安堵している時、後ろから声をかけられる。イプシロンが振り向くと、此方に向かって来るデルタ(ルシファー)を見つけた。
イプシロン「おう、そっちはどうだ」
デルタ(ルシファー)「ああ、どうにか切り抜けた」
イプシロン「そうか」
ビショップ「はあはあ、ぐあっ!ぐ…」
イプシロンとデルタ(ルシファー)が話していると、爆発の中から全身傷だらけのビショップが出て来た。
イプシロン「あいつ…!」
デルタ(ルシファー)「まだやられてない…って事は、あいつも多分生きてるのか」
ビショップはその傷だらけの身体を引きずって逃げようとする。が、勿論イプシロンとデルタ(ルシファー)がそんな事を許す筈が無かった。
イプシロン「まてっ!」
デルタ(ルシファー)「そんな身体で逃げられるわけ無い、諦めろ」
ビショップ「諦める?そんな事する筈が無いよ。それにこうすればどうかな?」
ビショップがそう言うと辺りが突然大きく揺れ出す。その揺れは段々大きくなっていくのが分かった。
イプシロン「これは…」
デルタ(ルシファー)「何をした!」
ビショップ「ふふふ、もうすぐ分かるよ」
その瞬間、廃工場の壁が壊され砂埃が充満し視界が遮られる。
デルタ(ルシファー)「くっ!何なんだ!」
イプシロン「これは…」
やがて、視界が晴れると廃工場の壁を突き破り、壊した者の正体が分かる。
デルタ(ルシファー)「な…何だこれ…」
イプシロン「で、でかい…」
驚く二人の目の前にいたのは、身体が灰色の巨大な恐竜の様な生物だった。その姿は太古の昔に地球に生息していたティラノサウルスの姿の様な姿をしていた。
デルタ(ルシファー)「…って、ビショップは⁈」
イプシロン「しまった!何処だ」
ビショップ「どう?驚いた?凄いでしょ、これがブレインガードが開発した最新型の人造オルフェノク“T-REXオルフェノク”その試作品さ」
デルタ(ルシファー)とイプシロンがビショップの姿を探していると、何処からともなくビショップの声が聞こえ、目の前のT-REXオルフェノクの正体を明かした。それを聞いた二人は驚きながらも目の前のT-REXオルフェノクを見つめた。
イプシロン「これが…オルフェノク、だと」
ビショップ「じゃあ、僕はこれで」
デルタ(ルシファー)「待てっ!」
ビショップ「T-REXご飯の時間だよ」
T-REXオルフェノク「ガァァァァァァァァァ‼︎」
ビショップがそう言うと、T-REXオルフェノクの灰色の瞳が一瞬、輝きを放つと大地が振動しそうな程の咆哮を上げなからデルタ(ルシファー)とイプシロンに、その巨大な顎を開け突っ込んで来た。
イプシロン「うおっ!」
デルタ(ルシファー)「やばっ!」
二人は突っ込んで来たT-REXオルフェノクに驚きながらも何とか左右に跳ぶ事で回避に成功する。T-REXオルフェノクはそのまま突き進み、その先にあった二階の通路に喰いつき、噛みちぎり粉々に粉砕する。
デルタ(ルシファー)「…化け物かよ…」
イプシロン「本当にその通りだな…」
それを見たデルタ(ルシファー)達は、その脅威的な力に戦慄する。T-REXオルフェノクはそんな二人に今度は後ろを向いたまま巨大な尻尾を振り回し攻撃して来た。
イプシロン「ちっ!」
《Burst Mode》
その攻撃を躱しながらイプシロンはイプシロンフォンをフォンブラスターにするとT-REXオルフェノクに向けて光弾を3連射する。しかし、その光弾はT-REXオルフェノクには効果が無く、此方を向いて口から青い火球を吐いて来た。それをイプシロンは避けながら、フォンブラスターを撃ち続ける。一方デルタ(ルシファー)は…
デルタ(ルシファー)「うおぉぉぉぉ!やべぇぇぇぇ!」
必死こいて逃げ回っていた。それも仕方ない。ルシファーフォームはその性質上、他のツールが使用出来なくなるのだ。なので飛び道具の武器も使用出来ないデルタ(ルシファー)は逃げ続けるしか無いのだ。が、その姿は何とも情けなく、子供達の憧れである仮面ライダーの姿とは似ても似つかない様相だった。
デルタ(ルシファー)「なっ⁉︎恐竜が火吐いてんじゃねぇぇぇぇ‼︎」
だが、今のデルタ(ルシファー)にはそんな事を気にする余裕は無く、只々その攻撃が中らない様に必死だった。しかし、T-REXオルフェノクはデルタ(ルシファー)を追いかけ始める。
デルタ(ルシファー)「何でコッチ来るんだよぉぉぉぉ!」
イプシロン「Δデルタ‼︎」
デルタ(ルシファー)は全速力で走るが次第に追いつかれていく。イプシロンがフォンブラスターを撃つがやはり効かなかった。そうこうしているうちに、デルタ(ルシファー)とT-REXオルフェノクの距離が縮んでしまう
デルタ(ルシファー)「ええい!こうなったらヤケクソだ‼︎」
イプシロン「待て、無茶は止せ!」
デルタ(ルシファー)は突然、T-REXオルフェノクに向き直ると跳び上がって足を向ける。すると、足裏から光弾が放たれT-REXオルフェノクに命中すると展開して三角錐状の光になる。その光はT-REXオルフェノクを拘束する。そのままデルタ(ルシファー)はルシファーズハンマーを放つ。
T-REXオルフェノク「グワァァァァァ‼︎」
デルタ(ルシファー)「何っ⁉︎」
イプシロン「Δデルタ‼︎」
しかし、T-REXオルフェノクは拘束を無理矢理破壊する。そして、空中で固まっているデルタ(ルシファー)に向けて火球を放つ。それを喰らい落下するデルタ(ルシファー)に、更に尻尾を中て遠くへ吹き飛ばす。デルタ(ルシファー)の元へ行こうとしたイプシロンだったがT-REXオルフェノクの攻撃によって阻まれる。
イプシロン「くそぉぉ、どうすれば⁉︎」
T-REXオルフェノク「ガァァァァァァァァァ‼︎」
一方、吹き飛ばされたデルタ(ルシファー)は…
Δデルタ「あぁ、イっテテ。何てパワーだよ。凄いだろうとは予想してたけど、まさかここまでとは…」
廃材に埋まりながらも生きていた。と言うか、何か結構ピンピンしてた。
Δデルタ「それにしても、僕がスペリオルじゃ無かったら危なかった処じゃ済まなかったな」
そう、Δデルタはオルフェノクである。しかも、オリジナル以上の力を持つスペリオルである。その為、オリジナルよりも頑丈な身体を持っている。そのお陰で、こうしてピンピンしていることが出来るのだ。
Δデルタ「だが、どうするか。今、あの化け物に向かって行っても勝てる可能性は万の一つも無いだろう。弱ったな、うん?」
何とか勝つ方法が無いかと模索しているΔデルタは側に落ちているアタッシユケースを見つけた。
Δデルタ「これは、まさか…そうだ!これだ、これがあればあいつを倒せる。よし」
そのアタッシュケースの中身を確認した、Δデルタは不敵な笑みを浮かべた。
T-REXオルフェノク「グワァァァァァ‼︎」
イプシロン「くそっ!駄目だ、幾ら攻撃しても効かない。これじゃあ、キリが無い」
イプシロンの方では、戦況は芳しく無かった。それもその筈、今のイプシロンにはこの状況を切り抜けられる程、高威力の武装は無く、出力の高くないイプシロンは苦戦を強いられていた。
T-REXオルフェノク「ゴアァァァァァァ⁉︎」
イプシロン「これは…Δデルタ⁈」
T-REXオルフェノクに雷球が命中した。イプシロンがその方を見ると右腕を此方に伸ばしたΔデルタがいた。どうやら、人間体のまま放った雷球の様だ。しかし、人間体のままの攻撃など、幾らスペリオルでもT-REXオルフェノクの前には無力だ。
Δデルタ「よし、コッチを向いたな」
だが、Δデルタにとってはこれで良かったのだ。あいつの気を此方に向ける事が目的だったのだ。T-REXオルフェノクはΔデルタの方を向き、威嚇する様に咆哮を上げる。
Δデルタはトランクケースの様な物体を取り出す。
Δデルタ「変身!」
《Standing by》
Δデルタはその物体に音声入力すると、その物体“デルタバスター”の下の部分を180度上へ展開させ銃の様な形“キャノンモード”にする。更に、デルタフォンを銃身の横に取り付ける。
《Awakening》
すると、Δデルタの身体に黒のブラックアウトストリームが駆け巡り、オレンジ色の光を放つ。やがて、その光が晴れるとそこに居たのは、オレンジ色の身体に黒のブラックアウトストリーム、複眼は黒の仮面ライダーデルタ バスターフォームだ。
イプシロン「あの姿は…」
T-REXオルフェノク「ガァァァァァァァァァ‼︎」
T-REXオルフェノクはデルタ(バスター)に咆哮を上げながら突進して来る。
デルタ(バスター)「Float」
《Delta Buster Take Off》
すると、背中のΔ型のブースター“フォトン・フィールド・フローター”を起動すると、空へ飛び上がる。それでT-REXオルフェノクの突進を避ける。T-REXオルフェノクは壁に向かって思いっきり突っ込んだ。
デルタ(バスター)「喰らえっ!」
デルタ(バスター)は後ろ向きのT-REXオルフェノクに向けて
ハンドグリップの様な部分を前後に往復させトリガーを引き、フォトンブラッド光弾を発射する。しかし、それは今までの物とは違い、拡散弾の様な光弾だった。
T-REXオルフェノク「グギャァァァァァァァ‼︎」
それを至近距離で喰らったT-REXオルフェノクは、ここへ来て初めて苦しむ様な声を上げた。が、その後怒ったような咆哮を上げると、火球を吐いて来た。
デルタ(バスター)「Cannon」
《Delta Buster Discharge》
フォトン・フィールド・フローターが変形して両肩に背負う様に展開された“ブラッディ・キャノン”になる。そして、それを発射し、火球を相殺する。T-REXオルフェノクは、更に叫び尻尾を振り回したり、火球を吐いたりするがデルタ(バスター)はそれらを避けて、拡散光弾やブラッディ・キャノンを浴びせる。それによって、次第にダメージが溜まっていき、ふらつくT-REXオルフェノク。しかし、それでも暴れるのをやめない。
デルタ(バスター)「くそっ、あいつがめちゃくちゃに暴れる所為で隙が出来ない!」
イプシロン「Δデルタ!」
デルタ(バスター)「ドラレンジャーさん?」
イプシロン「俺が隙を作る。お前はその後に」
デルタ(バスター)「わかった」
デルタ(バスター)の返事を聞いて、イプシロンは腰のイプシロンフォンを外し、7、7、7と入力しENTEREキーを押す。
《Standing by》
そして、再びイプシロンドライバーにセットする。
《Complete》
すると、イプシロンの装甲が弾け飛びその姿が変わる。仮面ライダーイプシロン・オリジナルだった。イプシロン(オリジナル)はイプシロンフォンを開き、ENTEREキーを押す。
《Exceed Charge》
イプシロン(オリジナル)の左脚に光が集約し、T-REXオルフェノクの後脚の一本に向ける。すると、左脚から一発の光弾が放たれ、それが後脚に着弾すると展開して六角形の中に円がある平面の光になる。そして、跳び上がってそこへエンジェルストライクを放つ。
T-REXオルフェノク「グオァァァァァァァァァ‼︎」
エンジェルストライクを喰らった後脚は破壊され、T-REXオルフェノクは苦しそうな咆哮を上げながら崩れ落ちる。そして、そこへ付け入らない隙は無かった。
デルタ(バスター)「Check」
《Exceed Charge》
すると、デルタバスター(キャノン)の銃身が少し伸び、銃口に青紫色の光が集まっていく。そして、T-REXオルフェノクに向けて光弾を発射し、それが着弾すると三角錐状の光に展開する。デルタ(バスター)は、デルタフォンを取り外し腰のデルタムーバーに取り付ける。そして、三角錐状の光に向かい前蹴りを放つ技“強化ルシファーズハンマー”を喰らわせる。
デルタ(バスター)「はあぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎」
T-REXオルフェノク「グギャァァァァァァァ‼︎」
超強化ルシファーズハンマーが命中すると、白いフォトンブラッドが渦巻く。それは、工場を突き破り更に広がる。そして、デルタ(バスター)がT-REXオルフェノクを貫通すると、T-REXオルフェノクの動きが止まる。そして、青紫のΔの文字が浮かび上がり、赤い炎を上げながら灰化する。
それを見て、デルタ(バスター)とイプシロン(オリジナル)は変身を解く。
Δデルタ「はあ、やっと終わったか…」
ドラレンジャー「やったな、Δデルタ!」
Δデルタ「ああ、最後はヤバかったけどこれのお陰で何とかなったな」
Δデルタはその手に持っているデルタバスターを見ながらそう言う。
ドラレンジャー「そうだな。さて、俺は帰るとするか」
Δデルタ「ん、そうか。色々、助かった。ありがとう、ドラレンジャーさん」
ドラレンジャー「何、気にすんな。ライダーは助け合い、だろ?」
Δデルタ「そうか、ありがとう。そうだ、礼と言っちゃあ何だが、これを受け取ってくれ」
Δデルタは懐から無色透明の輝く液体が入った試験管を取り出し、ドラレンジャーに渡す。
ドラレンジャー「これは?」
Δデルタ「ネオフォトンブラッドだ」
ドラレンジャー「えっ⁉︎」
Δデルタ「いや、他に渡せそうな物が無くて…。悪いな、そんな物しか渡せなくて」
ドラレンジャー「あ、ああ、気にすんな。それより、これどうやって手に入れたんだ?」
Δデルタ「うん?簡単だ、ちょっと針が頑丈な注射器で僕の体内から抜いたんだが。それがどうかしたか?」
ドラレンジャー「…いや、何でも無い。これはありがたく受け取っておく。サンキューな」
Δデルタ「こっちも受け取って貰えて助かる。貴方達ならそれを調べて、ネオフォトンブラッドを作り出す事が出来ると思う」
ドラレンジャー「分かった。じゃあな、Δデルタ。また、会おう」
そう言うと、ドラレンジャーはオートバジンver.2に跨がり走り去って行った。それを見届けたΔデルタも動き出す。
Δデルタ「コッチも帰るとするか。ああ〜、疲れた。取り敢えず、帰ったら寝るか」
Δデルタは先程迄のの戦闘でボロボロになった廃工場を出ると、自宅へと足を進めた。
廃工場 屋根
廃工場の屋根の上から、そんな二人を見下ろす二つの影があった。それは、白い魔法使いとG3-MILDだった。
G3-MILD「ほっほっほ、何とか終わった様じゃな」
白い魔法使い「みたいだな。全く、急に呼び出されたから何事かと思ったら唯の宅配係かよ」
G3-MILD「済まなかったな、白坊」
白い魔法使い「…まあ、あんたは俺の恩人だから別に良いけどよ。その白坊ってのは止めてくれねぇかな」
G3-MILD「ほっほっ、何を言う。儂にとってはいつ迄も白坊じゃよ」
白い魔法使い「はあ〜、もう良いわ。それより、俺はもう帰るぜ」
G3-MILD「ん?何か、急ぎの用でも?」
白い魔法使い「ああ、今から弟子の特訓だ」
G3-MILD「ほう!弟子とな。それはそれは、あの生意気な小僧がいつの間にか立派になりおったの」
白い魔法使い「ふっ、まあな。じゃあな、リョウさん」
《ディメンション、ナウ》
白い魔法使いは次元の壁を出現させ、それを通り帰って行った。
G3-MILD「儂も帰るとするかの。それにしても、中々光るものを感じさせたの、あの二人」
G3-MILDは空を仰ぎ見ながら呟く様に言った。
G3-MILD「ネルよ、儂等の後輩達はとても優秀な者じゃったぞ。…のう、儂はまたお前さんと一緒に酒を飲み明かして、馬鹿騒ぎしたいぞ。一体何処にいるのじゃ、ネル…」
その声は透き通る様な青空に消えていった。
ブレインガード社 研究室
Dr.ネル「ふむ、戦国ドライバーを使用したビショップとナイトを倒す処か、T-REX000まで倒すとは予想以上じゃの…」
薄暗い研究室でDr.ネルは今回の映像を見て、戦闘データを収集していた。
Dr.ネル「姿を変えて能力を上昇させるとは、儂等の時代とは変わったのう」
ルシファーフォームやバスターフォームに変わるデルタとハイパーアクセルフォームやイプシロン・オリジナルに変わるイプシロンを見ながらそう呟き、更に映像を変えてG3-MILDと白い魔法使いを見る。
Dr.ネル「この白いのは兎も角、これはG3-MILD…。まさか…いや、そんな筈は無い。了は確かにあの時。では、これは…要調査じゃな」
Dr.ネルはそう結論づけると映像が終わり、停止する。その時、パソコンの画面が切り替わり黒い人影が写る。
Dr.ネル「これはこれは、社長。どうかなされましたか?」
社長「Dr.ネルよ、今回の作戦は失敗したそうじゃ無いか?この責任はどうするつもりだ」
社長のその言葉にDr.ネルはとぼけた様な声で…
Dr.ネル「失敗?まさか、今回の作戦は成功ですぞ?」
社長「ほぅ、開発中の試作型の戦国ドライバーを持ち出しておいてか?」
Dr.ネル「社長、今回の作戦を何か勘違いなされておりませぬか?」
社長「何?」
Dr.ネル「今回の真の目的は仮面ライダーの戦闘データと戦国ドライバーの運用データの収集ですぞ。それを思えば今回の作戦は成功では?」
社長「そうか、分かった。そう言うことなら処罰の件は不問としよう。処で、その運用データは取れたのか」
Dr.ネル「ええ、それは勿論。これなら更なる進展が期待出来るでしょう」
社長「そうか、頼んだぞ」
社長がそう言うと映像は途切れた。
Dr.ネル「さてと、これだけのデータが集まったのだ。早速、取り掛かるとしよう」
すると、Dr.ネルは画面を切り替える。そこに写っていたのは、真ん中に黒い窪みがあり果物ジューサーの様な赤いバックルと赤い吊り目の白い蝙蝠の様なメカの設計図だった。Dr.ネルはそれらを狂気の笑みで見つめながら作業に取り掛かるのだった。
Δデルタ「…」←正座
郎夜「おい、駄作者。なんだこれは?」
Δデルタ「何とは、何の事でしょう…」
郎夜「何だじゃねえ‼︎どう言うとこだよこの字数‼︎えぇ?」
Δデルタ「そ、それは…」
のび太「2万字とか何だよ⁉︎お前の文才でそんな文字数あっても、読み辛いだけだろ‼︎」
Δデルタ「はい、その通りです…」
ドラえもん「もう、何でこんな事になったんだよ!」
Δデルタ「書きたい物がいっぱいあって気が付いたら」
セワシ「馬鹿だな、お前」
Δデルタ「…」
奈々「と、取り敢えず、ここら辺にしませんか?後書きもそろそろ締めないと」
ドラえもん「そうだね。次回からは、本編の方に入っていくつもりだから皆様、待っていて下さい。それでは、次回もヨロシクな!」