歴戦のレシピ 作:ミッター
食文化を調べないと後の問題に繋がる
突然ですが、戦場よりこんにちは。私、コールサイン「ミッター」です。
敵対勢力の襲撃受けてるなう。
お仕事で某半島にいます。
弊社は某国の依頼により、某の半島の分離派と政府軍の狭間に…つまり紛争地ど真ん中に「出張」、地元住民の支援や警備をしています。да!мы ЧВК!つまりPMC。
Автомат Калашникова Модернизированный、ミリオタ諸兄が好きであろうAKMなんてのを抱えて、おはようからおそようまで殺り合っているわけだ。
AKMってもう二線級に下がったんじゃ…?
ええ。そうですね。「正規軍」ではそうでしょう。
弊社では会社として仕事用の機材を従業員に貸与しているのですが、AKMは現地調達しやすいので今も主たる機材として多くの従業員が使っています。
現地調達しやすいので…ってス●ークかっ!手ぶらで潜入するの…そんな部署、弊社あったな…
さてそんな事情はさておき。人は何かすれば腹が減ります。寝てるだけでも腹が減ります。
で、私の出番。一応、担いできたAKM、7.62x39mが210発。銃剣と調理用具一揃い。
調理用具一揃い
これが僕の主たる装備。背負っているバックパックは外面のカバーこそいわゆる「デジタルフローラ」だけど、中身は放出品で見付けた米軍の「アリスパック」だったりする。
格好も大体ロシア系の軍装品が多いけど、実用性を考えると放出品を購入する事も多い。その場合は自費で個人装備にしている。
服装規定はそんなに厳しくないからね。軍隊じゃないし。ただ、身元や人種、個人が特定されやすい状態は禁止されている。
例えばサングラスやバラクラバ、キャップかニット帽の
着用が必須だ。場所によっては外国人はお金になるしね!
そんなかんだで現在、絶賛敵襲なう。街道沿いに進んで住宅街の制圧、及び拠点の確保なんて業務だったけどま、遭遇戦あるよね。
街道右翼からの襲撃。とりあえず安全そうな所を探す。アリスパックを下ろした。こいつは我が小隊の生命線。この装備を失えば次の全体会議までレーションのみ。なんて地獄!
「ミッター?早くしてくれ。挟撃するぞ。」
ウロウロしてたらインカムから怖い声。イヤリク分隊長にどやされた。さすが元特殊部隊。
「分隊長、ミッターのパックは我々の命であります!」
いつもつるんでたガースキーがフォローを入れてくれたと同時にクスクス笑う奴等が出てくる。
「早く片付けて飯にしましょう!」
イワコフ君いいまとめだ!
なんて内に第三分隊が敵正面の廃車の影から牽制射をかける。
装甲車一台と移動用なのか乗用車が五台。歩兵が…ざっと40人。AKとロケット弾なんか持ってやがる。しかも74じゃん!
資材部に苦情入れてやる…AKMなんか寄越しやがって…
なんてデタラメな攻撃なんだろう。バラバラ銃撃。装甲車の銃座は無人か?
意気軒昂はいいけど民兵とお見受けした。
結構アッサリ配置に着いた。街道の脇道から来た敵さんは装甲車を戦闘に進んできた。民家の影から第一、第二分隊で挟撃。正面の第三がエサ役という訳だ。この街道、結構激戦区で被害も大きい。国営さんは戦死者を公表しなければならず、あまり多いと国民が黙っていない。故に弊社が呼ばれた訳だ。
「各隊これより3カウントで一斉射、擲弾兵は装甲車を狙え。歩兵の排除を目的とする。」
小隊長、第三分隊と行動しつつ指示を飛ばす。さすがに余裕。なにもブレない。士官学校出てるだけあるわ~…とかなんとか言いつつAKMを構える。
3…2…1…
グレネードランチャーの間の抜けた発射音の後、結構な爆発。装甲車が少し浮いた。多分、装甲車はもう反撃してこない。撃破ではなく行動不能でいい。そして、アサルトライフルの射撃音。三点バーストなんて高級な機能は無いので指切りを活用。
タタタッ…タタタッ…
三連射くらいで切る。当たったのかサイト越しに見ていた敵兵は、操り人形の糸が切れるように崩れた。
当たり所が良くなかった。即死だな。
その近くにいた小柄な奴にサイトをあわせる。
タタタッ…
動かなくなった。
襲撃からかれこれ20分。半分くらいの敵兵が逃げ、同じ数くらいの敵兵だったモノが転がっている。
「飯にしよう。哨戒センサー設置。急がないとレーションだぞ!」
小隊長の掛け声で皆赤外線センサーを設置にいく。
そして俺はアリスパックから装備を広げて簡易キッチンを用意する。
さ、ファッキンクック!
この話は特殊な企業で働く料理人のお話です。
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