Reborn in ポケットモンスター   作:カチドキホッパー

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深海篇4

「キョーコ、いたら返事して!」

 

暗い船内に綱吉の声が響く。

綱吉の光源はペンライトしかないがそれでも十分に明るいと思えるほど船内には陽の光が入らなかった。

万が一転落の可能性を考慮しキョーコのズーちゃんと自身のネロに船外を捜索させているが、ハギからの依頼もあるためどのみち船内の詮索はしなくてはならないのだ。

 

『こっちに来る前にやってたのが豪華客船のゾンビ退治ゲームなんだよな..

 まじ怖すぎだろこの船|

 ヒィィ、ほんとは行きたくない』

 

大事なことなので言っておきますがこの男、世界最大規模のマフィアのボスになる予定です。

そして各客室を探すが何一つ手がかりは得られなかった。

思い切って一つ下のフロアの客室を開けてみると

 

「え、何これ?」

 

何かが暴れたような爪痕が残っていた。

所々ボロボロになっており床まで穴が空いている有り様だ。

しかしかろうじて残っている机の上にあったのは

 

「あ、これが例の地図かな?

 とりあえず持って帰ろう。」

 

綱吉はポーチの内側に地図をしまうと、急に客室の扉が開いた。

 

「え」

 

「これは驚きましたねぇ。

 この捨てられ船に人がいるとは。

 何か探し物ですか?」

 

突然現れたのは黒地に青のラインが所々に入ったコートを纏った2人組だった。

綱吉に話しかけてきたのは180センチくらいの紺色の髪のイケメンだった。

もう1人も170センチくらいの男だとは思うが目深くフードをかぶっているためその素顔はわからなかった。

 

「えぇ、旅の仲間と探検にきたんですが逸れちゃいまして。

 俺と同じ歳くらいの女の子ってみてないですか?

 あ、俺は沢田綱吉と言います。」

 

「これは丁寧にどうも。

 僕はワダツミ、横にいる彼はカイリでこの船を研究対象にしているものです。

 先ほど船に着いたばかりなのですがあなた以外に人は見ていませんね。」

 

「そうですか…

 親切にどうもありがとうございます。」

 

「もし良ければ我々も探すのを手伝いましょうか?

 1人で探すよりも断然効率がいいと思いますので。」

 

そう言って捜索に助力を申し出て右手をさしだすワダツミ。

その手を握ろうとした綱吉だが直後に超直感が警報を鳴らす。

 

『なんだこの人の感じ…

 嫌な、そう初めて骸と出会った時のような違和感がする。

 うまく言えないけど、この人は危険だ。』

 

「ありがとうございます。

 でもお仕事の邪魔しちゃ悪いし、もう少し頑張って探してみますね。」

 

そう言って2人の横をすり抜けようとした瞬間、超直感が最大レベルの警報を鳴らし横に飛ばないと死ぬことを直感したため迷わず飛んだ。

そして、入ってきた扉の綱吉の首くらいの位置が切れた。

 

「な⁈」

 

「ほう、今のを避けますか。

 人は見かけにはよりませんね。」

 

そう言ってさっきと変わらない微笑みを浮かべるワダツミの左手には日本刀が握られていた。

 

「君はもしかしてこちら側の人間ですか?

 ならばちゃんとした自己紹介をしなくてはなりませんかね?

 元アクア団特殊暗殺部隊マーレ・プロフォンド隊長のワダツミといえばお分かりになりますかね?

 おや、その表情では何も知らないようですね。」

 

綱吉は混乱していた。

先ほどまでの好青年ぶりはなりを潜め冷たい殺気だけを出す殺し屋がそこにいたからだ。

 

「元?

 アオギリの命令で俺を襲っている訳じゃないのか?」

 

「ほう、アオギリさんと因縁があるのですか。

 私と彼は元同志、それだけの関係です。

 さて、正体を明かしてしまった以上死んでもらうしかありませんね。」

 

一度は避けれたものの真正面から二度目の攻撃を避ける自信はない。

目の前の刀は相当にキレる刀だというのがかろうじて分かった綱吉は対抗策を頭の中で考える。

 

『ヴェルのリーフブレードなら受け止められるか…

 運が良ければ相手の刀を弾けるかもしれない…』

 

モンスターボールに手をかける綱吉だが

 

「ボールが起動しない⁈なんで⁈」

 

モンスタボールはスイッチを押しても小さいままだ。

 

「あぁ、手持ちに頼ろうとしても無駄ですよ。

 横にいるカイリにボールが使えない結界を張らせていますので。

 じゃあ、これでさよならですね」

 

 

そういうとワダツミは予備動作などなく刀を横凪に振るった。

そして綱吉は

 

「ぐぅぁぁl!」

 

吹き飛ばされ床の穴へと落ちていき水飛沫の音が遠くで聞こえた。

 

「さすがです隊長、相変わらず剣の切れはすさまじいですね。」

 

後ろに控えていたカイリが賞賛を送る。

 

「いえ、どうにも…

 しかし彼は身を守る道具はなかったはずなのにあの手応えはなんなのですかね?」

 

そう言いながら綱吉の落ちた穴を覗き込むワダツミ。

 

「とはいえ彼が落ちた先は暗すぎて見えませんが助からないでしょう。

 この船は半分浸水していますから水面に叩きつけられたようですが、もう助かりませんね。

 さて、不確定要素の排除は終わりましたので魔神様を探すとしましょう。

 あぁ、まもなくですよ…!

 この星は、真に美しい水の星へと変わるのです!」

 

そう言って歓喜に震えるワダツミの瞳は深い蒼に輝いていた。




おきにい入り登録してくださった方々ありがとうございます。
ワダツミたちのコートはイメージ的に10年後ヴァリアーのものです。
ワダツミのヴィジュアルは山本とザンザスを足して二で割ったような感じです。
こういう時イラストが描けないのが残念でなりません。
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