Reborn in ポケットモンスター 作:カチドキホッパー
冷たい、どこまでも沈めそうな暗闇。
遠くから声が聞こえる。
あぁ、そうだ俺はあの子を探して…
「ツナくん?」
キョウコの声で目が覚めたが目の前にいたのは
「赤鬼ぃ⁈」
頭の両脇にツノの生えた生き物が目の前にいた。
「あ、目が覚めたんだね。
半日も寝てたから流石に心配したよ⁈」
キョウコの慌てぶりからすると本当に心配してくれたらしい。
「あ、この子はフーパ君。
この船に住んでるポケモンなんだって。
この子すごいんだよ、輪っかでいろんな空間を繋げれるんだって!」
「フーパすごいだろ!
ツナ褒めてもいいゾ!」
「えぇぇえ!ポケモンなのっていうか喋るの⁈
というかなんて俺パンツ一丁⁈」
いろんなことで驚きすぎて疑問があふれだすが自分が半裸の状況が一番理解できない綱吉。
「えっとね。
この子は何百年も生きているから言葉覚えたんだって。
それから私がここにいるのは寝ぼけて歩いているときにフーパくんが寝ぼけて繋げた空間がたまたま私の足元だったらしくて、落ちちゃったみたい。
その後輪っかで手を縛られたみたいになってだいぶ大変だったんだよ。
それでツナくんそこの浸水しているところから流れ着いてたから服濡れてて…剥いちゃった…」
てへぺろ!
「いやてへぺろじゃないから、女の子が剥いたとか言っちゃいけません。」
俺お母さんかよと内心突っ込む綱吉…
服は乾いたようで横に畳まれていたので着替えた。
「そういえばここ電気が通っているんだね。
照明のおかげで普通に見えるのってかなりありがたいや。」
「うん、フーパくんがいうには自家発電システムが生きているからつくらしいよ。」
キョウコの説明に納得する綱吉。
「ツナ、フーパと遊べ!」
こいつランボみたいだなと思いつつも慣れているため一緒にあそぶ綱吉。
それを微笑ましげに眺めたキョウコは
「ちょっと奥に水汲めるところがあるから行ってくるね。」
と言って奥へ歩いて行った。
「なぁフーパ、この船にはどのくらいいるんだ?」
「50年くらい住んでる。
この船、動いてる時からいた。
フーパここからでれない、封印されてる。
でもいい、フーパ封印解けたら大事なもの滅ぼしてしまう。
それならこのままでいい。」
フーパの発言に驚く綱吉。
「でもフーパ寂しくない。
友達いる。
キョウコとツナも友達。
離れていても、ずっと。
だからツナにこれあげる。」
差し出されたのは金色の腕輪だった。
「これフーパの力込めたもの。
ツナの強い思いに反応してどこにあるものでもお取り寄せできる。
でもいっかいだけ。」
「ありがとうフーパ。
大事にするよ。
封印が解けたらどうなるの?」
綱吉はもらった腕輪を右腕に嵌めながら聴いたみた。
「本当の姿戻る。
フーパもっと大きい。
でも一緒に封じた邪悪な心蘇る。
封印される前フーパ色んなところで力使った。
大事なもの全部死んだ。
だからこのままでいい。」
無理に笑顔を見せるフーパに心が痛む綱吉。
「なぁフー」
「おや、こんなところでまた会えるとは思いませんでしたよ。
沢田綱吉くん。
もしや一緒にいるのは魔神様ですか。
あの時殺してなかったことを神に感謝したいくらいですねぇ。」
「ワダツミ…!
魔神様ってフーパのことか?」
突然現れたワダツミに警戒心を高める綱吉。
「おや、ご存知ありませんでしたか。
そこにいるのは光輪の魔神フーパ。
かつてその力でいくつかの都市を滅ぼしたとの伝承を残す幻の存在。
そして、我らが悲願を達成するための御神体です。」
「悲願?
フーパに何をさせる気なんだ⁈」
綱吉はフーパを背に庇いながら問う。
「ふふ、伝説のポケモンカイオーガ。
かの神を召喚することこそが我が悲願の第一歩です。」
「カイオーガを捕まえて何をする気だ⁈」
そこでワダツミは微笑むのをやめた。
そして目が蒼く輝き出した。
「勘違いしているようですが、捕まえる気はありません。
ただ眠りを妨げカイオーガの怒りを買い、この世界を海の底に沈め美しい青い星を作り上げる。
それが私たちの目的です。」
「な⁈
そんなみんな死んじゃうじゃないか⁈」
「えぇ、それが何か?
世界は一度リセットされた方がいいんです。
そして美しい紺碧の海の中で死ねるのです、こんな美しい終わり方他にはないでしょう?」
当然のことの様に話すワダツミ、正直イカれている。
「さてフーパ様、こちらにきていただきましょうか。
あなたの封印を解かねば流石に呼べますまい。」
「ふざけんな!
フーパは道具じゃない!
お前らなんかに渡すわけないだろ!」
叫ぶ綱吉だがワダツミの声は冷静に強要してくる。
「図に乗るなよ若造が。
確か君、連れの女の子を探していましたよね。
1人で歩かすのは良くないですね。」
「そんな…まさか」
もう1人のカイリが気絶したキョウコを抱き抱えてやってくる。
「君が私たちに勝てるわけがないんですがね、大人しくフーパ様に儀式に参加していただける様人質を取りました。
さあきていただけますね。」
「ツナ、もういい。
キョウコ助ける。
フーパ最後にツナとキョウコ出会えてよかった。」
そう言ってワダツミたちのところへ行くフーパ。
「待て、フーパ!」
呼び止める綱吉に
「そういえば私、食べ残しはしないタイプなんですよね。」
とワダツミの蹴りが鳩尾に刺さる。
「がはぁ」
綱吉は自分が流れ着いた浸水ポイントギリギリのところまで吹き飛ばされる。
「君がどうやって私の剣から逃げたのか、あの手応えの正体が知りたかったんですが開花ぶりだった様ですね。
あちらで先にゆっくりしてください。」
ワダツミはその場から動かなかったが腰元の刀が青く輝く。
そしてワダツミが抜刀すると、
その軌跡に沿って床が抉れ一瞬のうちに綱吉は浸水している海面へ叩きつけられた。
綱吉がいた場所は衝撃の強さを物語るように崩落していた。
「やれやれ、私としたことから熱くなりすぎましたね。
こんな沈没寸前の船で力技を使うと我々も海の藻屑になりそうだ。
さてあそこまで吹き飛べば、生死の確認はできませんが儀式の邪魔はされないでしょう。
さようなら、沢田綱吉くん。」
そう言い残してワダツミはフーパを掴み船の奥に向かった。
綱吉は沈んでいた。
ワダツミの攻撃で2回とも死なずに済んだのはとっさにリングの炎で斬撃の威力を弱めたからだ。
伊達に修羅場は潜っていないが、綱吉の意識は朦朧としていた。
そして時刻は夜中、海水が綱吉の体温を奪っていく。
『流石にもうダメだ…』
どこに泳げばいいのかもわからない。
そんな時海面の方から一瞬光が漏れ、右腕の腕輪が鈍く輝く。
『ツナの強い思いに反応してどんなものでもお取り寄せできる。
でも一回だけ。』
思い出すフーパの言葉。
『俺はまだ…死ねない。
死ぬ気でやればどうにかできるかもしれない…!
どうかフーパ、力を貸してくれ!』
そう願うと腕輪が輝きだし、綱吉の右手はその場から消えた。
意識が遠くなっていく綱吉がその場に存在しなくなった右手のことに気づかず、手に掴んだものは綱吉の手に馴染んだものだった。
『これって…!』
捨てられ船の奥にある祭壇。
その中心部には縦長の壺があり、それを中心に魔法陣が描かれていた。
「さてフーパ様、今この戒めの壺から解放して差し上げますよ。
おっと妙な気は起こさないでくださいね。
カイオーガを呼び出せばこの娘は返しましょう。」
フーパはキョウコを盾にされ手が出せずにいた。
カイオーガを呼び出しキョウコを連れて逃げることしか考えられなかった。
綱吉のためにもキョウコだ毛でも助けねばという思いがあったからだ。
キョウコはカイリの後ろで寝かされていた。
「ではカイリ、儀式を」
「待て!!」
扉が開き入ってきたのは死んだはずの綱吉だった。
「バカな、なぜお前が生きている⁉︎
それもこんな短時間で水の中からどうやって。」
さすがのワダツミとカイリも動揺が隠せていない。
だから気がつかなかった。
綱吉がさっきまで持っていなかったヘッドホンと27と書かれた手袋を身につけていることに。
綱吉は手に持った錠剤を飲み込む。
そして綱吉の額と拳が燃え上がる。
「な⁈」
カイリから驚きの声が漏れると同時に綱吉の手刀がカイリの延髄に直撃しその場に倒れ込むと同時にキョウコとフーパを遠くへ移動させる。
動揺していたワダツミは綱吉の動きが捉えられなかった。
そして振り向いた綱吉の瞳はオレンジ色に染まっていた。
「ワダツミ、お前を倒さなければ死んでも死にきれねえ!」
見返してみると誤字多いですね。
気づき次第修正していますがご容赦を!