Reborn in ポケットモンスター   作:カチドキホッパー

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第17話

「な、なんでセンリさんがボンゴレのことを知っているんですか⁈」

 

ジム戦の後、試練の報酬を渡すと言われジムの奥へ連れて行かれた綱吉…

しかしそこでセンリから語られた言葉は本来この世界では誰も知らなはずの事実、綱吉がボンゴレ十代目であることだった。

 

「そうだな、どこから語ろうか。

 まずは渡すものを渡してからだな。

 この木箱を君に。」

 

センリから渡されたのは奥に安置されていた真ん中が焼け焦げた木箱だった。

綱吉がそれを開けると中には

 

「…なんで

 なんでなんでなんで⁈

 どうしてオリジナルボンゴレリングがここにあるんだ⁈」

 

そこには大空を除くすべての属性のボンゴレリングが収められていた…

 

「正確にはボンゴレリングではないんだ。

 それはメガボンゴレリングと言って、私のメガバングルと同じようにメガ進化に使うことができる。

 それと同時にこの世界に調和をもたらす至宝でもある。

 そしてその至宝は君の指にもはまっている。」

 

思わず自分のリングを見つめる綱吉。

 

「実はね、君がこちらの世界にやってきたと予想される時間にね、突然その大空のリングが燃え出してどこかへ飛び去っていったんだ。

 そのリングの存在は私しか知らないから最初は焦ったけどね、数日後に君がリングを持って現れたからとても驚いたよ。

 オダマキから炎を灯したと聞いてまさか本物の継承者が現れて、リングをその見つけていたのだからね。」

 

そしてセンリは語り出す。

 

「君の疑問に応えよう。

 まず私はボンゴレファミリーのものではない、がボンゴレに関わってはいる。

 私たちの一族はこの指輪を表れた継承者に渡す役目をあるものから預かっているのでボンゴレのことも知っている。」

 

「センリさん、そのあるものって誰ですか?」

 

綱吉は思わずと言った様子で訊ねた。

 

「その者の名前はジョット。

 またの名をボンゴレ一世。

 彼もまた、この世界へ招かれた者だ。」

 

綱吉は混乱する。

家庭教師のリボーンから指導の過程でボンゴレ一世の歴史については教えられてきたが異世界へ渡ったなんて話は聞いたことがない。

しかし、目の前の7つのリングがそれを事実だと裏付けている。

 

「私も聞いていた伝承を語っているに過ぎないのでね。

 ここからは奴に話してもらうとしよう。

 おい、そこにいるんだろ。

 出てきて話せよ、ジョーカー‼︎」

 

その声に反応して奥の闇から1人の女が歩いてきた。

見た目黒づくめのスーツを着た、なんとなく30手前くらいまで成長したユニに似た黒髪ポニーテールの女性だ。

 

「よく気づいたねセンリ。

 初めましてボンゴレの継承者、君は何代目になるのかな❔」

 

「俺は沢田綱吉、一応十代目になります…」

 

いや、一応だから

俺はボスになんてならないから‼︎

 

「ふぅん

 ジョットに瓜二つで引くわ〜」

 

そう言いながら急に笑い出す女性

え、なにそれ怖い

 

「私はジョーカー、そうね、この世界の歴史の管理者って言っても分かりづらいか…

 君の知っている川崎のおじさんとかユニの先祖のセピラの同族とでも言えばわかるかしら?」

 

川崎、セピラ

この2人は遥かな昔、人類誕生以前に地球に生きていた純粋な地球人のことだ…

川崎はまだ生きていてトゥリニセッテを管理している。

 

「話を続けるわ。

 その昔、今から三百年くらい前だったかしら。

 ジョットもこの世界そのものに呼び出されてあなたと同じように世界を救ったの。

 その時も別の地方の伝説のポケモンの暴走を鎮めたのよ。

 だけど今回はその時とレベルの違う脅威が迫っている。

 だから発展途上のあなたや海の適合者、確か白蘭だったわね、2人にこの世界にきてもらったのよ。」

 

「ま、待ってください。

 一世が立ち向かった脅威より凄いものに俺が立ち向かえるわけが…」

 

びびる綱吉にジョーカーはただ淡々と語る…

 

「ごめんなさい、でもどうしようもないの…

 それに貴方は災厄を一つ既に払い除けているのよ。

 ワダツミの暴走、あれは本来正しい歴史には存在しない事件なの。

 本来のこの地方での災い、グラードンとカイオーガの復活はセンリの息子とその妻が払い退けていたはずなの。

 だけど…」

 

そして言葉を継ぐようにセンリが語り出す。

 

「俺たちにその記憶はないんだ。

 そしてその後やってくる天空からの脅威、巨大隕石を打ち破った記憶もないんだ。」

 

「ありがとうセンリ。

 そう、なぜか歴史が書き換えられているの。

 だから貴方たちにお願いしたいのは、その指輪を用いて、再び繰り返されようとする災いを跳ね除けてほしい。

 可能ならば歴史が消されている原因も突き止めてほしいの。

 それに、ホウエン地方を超えた先にあるシンオウ地方の災厄は白蘭では止められない。

 そこに迫る災厄、時の王ディアルガを止めることができるのは同じく時を司るボンゴレリングの継承者として時の王の眷属になっている貴方だけだから。」

 

そこで綱吉は思わず尋ねる

 

「え、この地方以外でも脅威が?

 それならジム戦なんかしている場合じゃ…」

 

「いえ、貴方にはこの地方でジム戦をすべて攻略してその頂点であるホウエンポケモンリーグで四天王を倒し殿堂入りをしてもらいます。

 地方で殿堂入りっていう経歴があれば他の地方でも動きやすくなるからね。

 ちなみに今白蘭もイッシュ地方で各地を回ってもらっているよ。

 彼が打ち倒すべき災厄は…彼自身と引き合っているようだし。

 そして君も、この災厄を払う鍵と引き合っている。

 陸と海、それらと対になるのは空。

 天空の龍神レックウザ、かの龍神を君の仲間にすることが大空の力を持つ君にしかできない仕事だ。」

 

「それは俺にできるんでしょうか…

 俺はダメツナで、今までもファミリーのみんながいたからなんとかなったって言うか…

 今この地方では俺1人だし、正直自信がないです…」

 

そう言って自嘲する綱吉に、ジョーカーはため息を吐く…

 

「やっぱりね…

 そういうと思って、君の家庭教師くんからメッセージを預かっているよ…

 『おいダメツナ、前にも言っただろ…

  てめーはヒーローや英雄にはなれねーんだ。

  京子を守る時、初めて炎を灯したときに何を思ったんだ。

  今そばに守りてー奴は居ねーのか?

  オメーは何度も不可能を超えてきたんだぞ。

  俺たちだって救ってくれたじゃねーか。

  だから、死ぬ気で世界救ってこい』

 だってさ。

  私からも聞くね、今貴方が守りたものはこの世界にないの?」

 

そんなの…

アル、ヴェル、手持ちのポケモンたち、ルビー師匠、サファイア師匠、オダマキ博士それに…

 

『ツナくん‼︎』

『ツナくんの旅のパートナーは私なんだからね』

 

「キョウコ…

 俺が守りたいものなんて決まってる…

 みんなを、守りたいんだ‼︎」

 

覚悟にリングが応え、大空の炎を灯し…

さらに虹色の炎が大空に混じる。

 

「その炎は…⁈

 君の大空の炎と、メガ進化のエネルギーが混じりあっているのか…

 私からの餞別だ、この立ち枯れと下火、引き潮の石を渡そうかね。

 君とキョウコくんのポケモンたちをメガ進化させるための石だ。

 私も力になるが、どうかこの地方を救っておくれ。

 ボンゴレ10代目」

 

ジョーカーから託されたメガストーンを手にした綱吉。

やることは決まった、誰かを傷つける災厄なんて俺がぶっ壊しやる。


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