俺の幼馴染は転生者らしい   作:平凡

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 原作ありの二次創作をオリキャラ中心にしたらどうなるの? そんな実験のつもりで書きました。
 嘘の嘘です。


始まりらしい

 

「うわぁぁぁぁぁ!?」

 

 助けてください。刀を持った鬼に襲われています。

 そう心の中で叫んでも助けてくれる人はいない。必死に逃げまどい転げ回る。情けないと思う。それでも避けれなければ斬られ、殴られ、血反吐を吐く。逃げるしかない。でも逃げてても終わらない。地獄か。

 一時間ほどこの地獄が続き、鬼は汗どころか息一つ切らさずに吐き捨てる。

 

「逃げてばかりじゃない。少しは戦う意思を見せたらどう?」

「無茶言うな!? こちとらお前の刀避けるだけで全神経使ってるんだが!?」

「知らない。あなたが弱すぎるだけ」

「お前が強すぎるんだよ」

 

 なんで霊術院にも入ってないやつが斬鬼走拳完璧なうえ始解までできるんだよ。

 

「修行の成果」

「心を読むな心を!」

「あなたが読みやすい。さあ、休憩はこのくらいで、修行を再開する」

「もうか!? まだ5分しか休んでないぞ!?」

「十分。それにあなたの申し出を受ける時に言った。私の指導は厳しいって。あと、私の言うことに絶対服従って」

「前者は聞いたが後者は初耳!?」

「今伝えたから、無問題」

「問題しかない!」

「ごちゃごちゃうるさい。行く」

「うわぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 そうして冒頭に戻る。

 なぜこうなったのか。俺はただ死神を夢見るただの人間だった。

 だから、同じく死神を目指して修行している少女の噂を聞いて、会いに行ったら気がつくと師弟関係になっていた。

 何を言ってるか分からなねぇ。一つ分かるのは、強くならなきゃいつか死ぬということだ。

 

 

 □

 

 

 時は流れ、俺たちは真王霊術院に入学した。

 真王霊術院とは簡単に言うと死神になるための養成所のような場所で、ここで死神になるための様々なことを学ぶ。

 俺の配属されたクラスは1組。いわゆる特進組と言われる、入学試験で優秀な成績を残した生徒が配属されるところらしい。よかった、あんな狂ったような修行をやらされたのに実を結んでいなかったら、自分の才能のなさに絶望するところだった。

 まあ、俺の師匠もとい幼馴染に報告したところ「(私が指導したんだから)当然」というありがたいお言葉を頂きました。

 キレそうになったが、俺は大人なので自重した。

 べ、別に反撃なんて怖くねえし。あいつの剣技だってだいぶ受けれるようになったし。戦っても怖くなんてないんだからね(大事なことなので二回言った)。

 そんな幼馴染は、テストはすべて満点で試験官をボッコボコにして余裕のトップ合格。神童扱いされて、すでに卒業後の進路を期待されている。やっぱりあいつ頭おかしいわ。

 

 

 □

 

 なんやかんやあって霊術院を卒業した。

 晴れて正式な死神になることができた。本来6年必要なところを3年で卒業したのだ、俺にしてはそこそこ優秀と言っていいだろう。

 そう幼馴染にいうと「(3年は)遅い」とのことだ。

 大人な俺はいつものことと、もはや悟りを開いていた。

 そんな幼馴染は半年で霊術院を卒業し、すでに五番隊の四席らしい。相変わらず壊れスペックだなこいつ。

 ドン引きしていると、幼馴染から自分がいない間弱くなったんじゃないかと言われた。

 何を言う。俺はこいつが卒業してからも2年半1人で修行を続けてきた。配属される隊では下位ではあるが席官の地位を与えられるらしいし、たぶん対抗できるくらいの力はついた筈だ。

 そう自惚れて「修行の成果を見せてやるよ」と勝負を挑んだものの、3分でのされた。

 嘘やろ。前指導に来てくれたどっかの隊の五席の人とは互角だったのに、手も足も出なかった。一席の差とはそんなに大きいのか? 四席でこれとか三席以上の強さどうなってるの? 虚さん涙目だよ?

 落ち込んでいると幼馴染から「(弱いけど)気にしないで、私が強いだけ」と慰めをいただいた。

 鬼からも同情されるとは俺はどれだけ才能ないのか。

 修行するしかないか……と心で唱えたつもりが声に出ていたらしい。

 幼馴染は気持ち悪いほどいい笑顔で「そうね。また修行。扱いてあげる』と言った。

 もちろん喜んで受けた。ホントウダヨ、ボクウソツカナイ。

 

 

 

 

 〈幼馴染side〉

 

 彼女は孤独だった。

 いつも1人村の外れの山で修行に明け暮れる異端児だ。

 周りの大人はそんな彼女に何を言うこともなかった。怖かったのだ。類稀な霊力を宿す彼女のことが。

 しかし、彼女もそれを望んでいた。

 なぜなら彼女はとある世界で生きていた記憶を持ついわゆる転生者なのだ。その世界ではこの世界は物語の中で存在していた。その物語の名前は『BLEACH』。死神と虚の戦いを描いたバトルファンタジーだ。

 彼女もこの物語を愛読しており、転生した時は嬉しさで小躍りしたものだ。

 しかし、次第に自分がかなりの霊力を有しているいわゆるチートのような才能を持っていることを自覚した。

 力を持つと人は欲望を大きくするものである。彼女もその例外に漏れずある日こんなことを考えるようになった。

 『藍染の企みを事前に防げば傷つく人が減るのではないか?』と。

 そうなれば一分一秒も無駄にはできない。霊術院に入れる時まで修行する。そう決めた。

 

 そうして修行狂の異端な少女が完成したのだ。

 

 そんな彼女の話は村の中だけでなく外にも広まり、変わった女がずっと修行している、しかも可愛いという噂を聞きつけた男が赴くようになった。

 男たちは求婚、手合わせ、弟子入りと形は変われどようは下心による行動であることは透けて見えた。そんな男たちを彼女は文字通り力で捩じ伏せた。

 日々やってくる男どもにうんざりしていたある日、同年代の少年が現れた。

 

「お前が死神目指して修行しまくってる女か? よかったら一緒に修行しないか?」

 

 はいはいいつものねと彼女は構える。

 

「私の指導は厳しいわよ」

「エ?」

 

 その後この世の終わりくらいボコボコにした。

 もう来ないだろう。そう思い次の日も修行をしに山に入ると、

 

「待っていたぞ、この鬼!」

「あなたは昨日の……なんでいるの?」

「お前がまた明日修行するっていったんだろ!? まさか忘れてたのか!?」

「もう来ないと思ってた。あんなボコボコにしたのにまた来るって……もしかしてマゾ?」

 

 少し引いた。

 

「違うわ! 俺だって男だ、負けっぱなしで帰れるかよ! ……というか、あの扱きはやっぱりわざとか! どうりできついと思ったわ!」

「うるさい……」

 

 正直面倒だった。自分には目標があるから寄り道はしていられない。こんなやつの相手をしている暇はなかった。

 今日こそいなくなってもらおうと、昨日より強く剣をふった。

 しかし彼は次の日もやってきた。その次の日も、その次の日も、そしてそんな奇妙な関係は真王霊術院に入学するまで続いた。

 

 

 □

 

 そして霊術院の入学試験。彼女は当然のトップ通過。知識も経験も桁違いなのだから、当然と言えば当然だ。

 件の彼も合格した。自分と同じ1組らしい。

 

「どうだ鬼。俺もお前と同じ1組に配属されたぞ」

 

 彼は得意げに言う。

 

「当然」

 

 彼女は返す。曲がりなりにも自分との殺し合いを数年間耐えてきたのだ、その辺の有象無象より弱いはずがないと考えていたからだ。

 しかし、少年は不満なのか少し不貞腐れたように。

 

「そうかよ。相変わらず可愛くない」

「そう。あと帰ったら修行ね」

「あいよ。今日は何やるんだ?」

「鬼道の練習」

「……黒棺は使うなよ?」

「分かってる」

 

 一度騒ぎを起こし死神を出動させたのはご愛嬌だ。

 この数年で彼への認識はかなり変わった。最初の塵から、人として認識するくらいには評価が上がった。今ではいい修行相手だ。コミュニケーションをとるのもやぶさかではない。

 とはいえ、そんな関係も長くは続かないだろう。

 そう確信していた。

 

 

 □

 

 

 彼女の考え通り、彼とも修行関係は半年でなくなった。

 なぜかというと彼女が霊術院を卒業したからだ。卒業すれば護邸十三番隊所属の死神となり、任務や書類仕事をこなさなくてはならない。学園まで通って修行するような時間はない。

 

 少し物足りなさも感じたが、すぐに本来の目的を思い出す。

 自分の目的は藍染の野望を阻止すること。具体的には『仮面軍団』の人たちが虚化される前に藍染を抹殺したかった。

 ネックだったのは時間だ。すでに隊長の虚化時間が起きた後ならば、かなり、やりにくくなる。藍染は隊長になり、他の仲間も隊長になる。そうなれば抹殺するタイミングが難しくなる。最悪自分が反逆者として処される可能性すら出てきてしまう。

 だからこそ権力を持っていない副隊長の時に殺しておきたかった。

 

 幸いにも虚化時間はまだ起きていなかった。平子が隊長であり、藍染は副隊長。市丸銀もまだいなかった。

 これには一安心し、それから彼女は仕事を続けながら、力を蓄え続けた。

 

 時間はすぐに過ぎ去り、件の彼が卒業すると手紙を受け取った。いいタイミングだし、久々に会うかと彼女は有給をとり卒業の日に学園に赴いた。

 彼は相変わらず得意げにしながら。

 

「どうだ鬼。3年で卒業してやったぞ」

 

 と言った。

 

「遅い」

 

 素直におめでとうと言うつもりだったのだが、なぜか少しイラつき捻くれたことを言ってしまった。おそらく彼の得意顔が気に障ったのだろうと理解した。

 

「ふん。相変わらずだな」

 

 その言葉に彼女は違和感があった。

 そして気が付いた。彼の憎まれ口に以前のようなメラメラとした敵愾心がなかったのだ。

 まるで牙の抜かれた獣のような彼に、彼女は少し落胆した。

 

「ちゃんと修行はしてた? もしかして弱くなった?」

「はっ、舐めるなよ。お前がいずとも鍛錬を重ねていたさ。なんなら、その証拠を見せてやろうか?」

 

 そう言って刀を抜いてきた。

 そうなればこちらも刀を抜かない理由はない。刀を合わせた。

 当然ながら彼女が勝利したのだが、何度も危ない場面があった。おそらく剣術だけならば三席相応の実力はあるだろう。彼の成長ぶりに素直に驚いた。

 

「また勝てなかったか……。これで四席か、遠いな」

「気にしないで、私が強いだけ」

 

 実際そうだ。彼女の実力は斬魄刀の力を抜いても、隊長に匹敵するレベル。普通の四席相当の人間なら、彼は問題なく勝利できるだろう。

 彼の落ち込みように少し焦る。2年半修行し続けても追いつかない存在に心を折ってしまうのではないか? 自分ならそうなってもおかしくない。

 

「……また修行か」

 

 しかし、ぽつりと呟いた彼の言葉にそんな考えは杞憂であると気付かされる。

 

「そうね。また修行。扱いてあげる」

 

 なぜか分からないが笑顔が溢れた。 

 

「あ、ああ、頼むよ」

 

 彼は引き攣った笑みを浮かべていた。なぜかイラついたので、さっそくボコボコにした。

 

 

 




 
 適当に書いてるんで、適当に読まんでください。
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