俺の幼馴染は転生者らしい   作:平凡

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 わりと、サクサクとダイジェスト形式で進めるのが理想です。


お別れらしい

 俺が入隊したのは十三番隊というところだ、

 正直隊は、戦闘狂脳筋組の十一番隊と何か怖そうな一番隊以外ならどこでもよかったのでさしたる感情は湧かなかった。

 ただ、幼馴染曰く隊長が病弱以外はとても雰囲気のいい隊らしい。幼馴染も当初は十三番隊を希望していたが、席官の空きが五番隊しかなかったことから叶わなかったそうな。

 素直に羨ましがっている幼馴染を見れただけ、十三番隊に入れた価値があるだろう。

 そのことで少しからかったら、修行の量を2倍にされた。

 あのくそアマ許さん。

 

 □

 

 十三番隊初任務の日。

 聞いていた通り雰囲気もよくいい人ばかりだ。隊長が病弱で仕事をしない以外は文句ない。

 そんなこんなで順調に働いていれば、出るものが出る。そう給金だ。

 下位席官ではあるが、少しの間贅沢できるくらいの量をもらえる。これは初給金祝いにいい飯を食べに行くしかない。

 思い立った日が吉日と俺は少し高めな料理屋が並ぶ店街にやってきた……幼馴染と一緒に。

 不覚だった。幼馴染との修行終わりに妙に楽しそうだなと問われ、浮かれた気分のまま今日は贅沢すると口を滑らせてしまった。その後は察しの通り、妙にイヤらしい笑みを浮かべた幼馴染におい私も連れてけと言われてしまった。

 まったく俺の倍以上もらっているくせに卑しい女だ。渋々とはいえ許してしまう俺も俺だが。

 そんなわけで現世で流行っている牛鍋とやらを食べれる店に入った。まあ、味は美味しかったんじゃないか? 牛の肉など初めて食べるのでよく分からなかった。幼馴染は懐かしい味とか、よく分からんことを言っていたが。貴様あのボッチ修行尼時代にいつ牛の肉を食べる余裕があったのだ。

 問い質したが、はぐらかされてしまった。

 まあ、楽しい席で聞くことでもない。人には知られたくない秘密の一つや二つあるものだ。

 そう伝えると、俺に気を使われたのがムカつくと次の日の修行はいつもの3倍に増やされた。

 あのくそアマまじで許さん。

 

 

 □

 

 

 あくる日。最近妙な時間が起こっているようだ。何でも流魂街で原因不明の魂魄の消滅が発生しているとのこと。調査中とのことだが、何か人為的くさいな。

 世間話のようにその話をふると幼馴染はめちゃくちゃ驚愕していた。え? そんなに驚くことか? こんな下位席官に流れてくる情報なんてとっくに知っているものとばかり思っていた。

 まあ、もしかしたら五番隊は調査を担当していないから情報が遅いのかもな。しかし、だからといって怖いもの知らずの彼女がそこまで感情を揺らすのは疑問だ。

 「何か知っているのか?」と俺は幼馴染に聞いた。彼女は明らかに動揺した様子だが、知らないと言った。

 明らかに嘘だった。これは前のように流すわけにはいかない。なぜなら、俺たちが守るべき魂魄が犠牲になっているのだ。それは死神としての責務だ。

 だが、彼女は口をわらなかった。ただ、自分はこの件には関わっていない、知っているだけだと。そう言って幼馴染は逃げるように去って行った。

 そしてこれが幼馴染との最後の会話だった。

 

 虚化事件

 

 後にその概要を聞いた。下手人は十二番隊隊長、浦原喜助他数名。

 そして被害者は五番隊や三番隊など複数の隊長副隊長格、そして唯一の席官に幼馴染の名前が記されていた。

 幼馴染には出動命令は出ていなかったらしいが、独断で向かったらしい。

 

 おそらく幼馴染は何かの偶然で浦原の企みを知ってしまったのだろう。

 彼女は孤独な人間だった。隊士の中にも友達がいると言う話は聞いたことがない、おそらく俺が唯一の会話する死神だ。

 なら、なぜ話してくれなかったのか。簡単だ足手纏いだからだ。俺がいたところで隊長格相手に何もできやしない。だが、聞いてしまえば俺は絶対に幼馴染について行った。

 だからこそ彼女は何も言わなかった。そして1人で浦原に挑みそして死んだ。

 憎かった。浦原がではなく、弱い自分が。あの時隣に立たなかった、隣に立てる実力があれば何か変わったかもしれないのに。

 溢れてくる後悔の念は涙となって頬を伝う。

 

「強く……強くなりたいっっ!」

 

 その叫びは暗い部屋の中を虚しく揺らした。

 

 

 □

 

 

 〈幼馴染side〉

 

 

「あの別れ方はなかったな……」

 

 不意に知らされた魂魄消失事件(原作開始)につい動揺を見せてしまった。ここ数年平穏に暮らしていたせいで気が緩んでいたのかもしれない。そんなだから彼にも気が付かれてしまう。

 案の定問い詰められた。当然だ、彼は死神。護るべき存在のために情報はほしいに決まっている。自分が犯人ではなく、情報を知っていると言ってくれたのは唯一の幸いか。

 いっそのことすべて話してしまおうかとも思った。転生者であること、藍染のことも何もかも。

 でも、できなかった。恐かったのだ。話すことで彼との関係が壊れてしまうことが恐かった。

 

「私は馬鹿だな」

 

 自らを嘲笑する。

 繋がりなどいらないと意地張って生きてきたのに、結局彼との繋がりに囚われてしまう。

 結局言い訳にもなっていない言葉を並べて、逃げるように帰ってきてしまった。

 2回目の人生なのに、心は未熟なままだ。

 もう戻れないかもしれない。そう思うと心に暗雲が立ち込める。でも、彼なら……でも、さすがの彼でも……心の中で女々しい争いをしていると大きな霊圧が複数動くのを感じた。

 

「始まったのね」

 

 原作通りなら、彼らは隊長副隊長たち。そして藍染の策略にあい虚化されてしまう。それを阻止し、藍染を殺すのが彼女の目的だ。動かなくてはならない。

 彼女は心を切り替えて、決戦の地へと急いだ。

 

 □

 

 「ぐっっ……!」

 

 その数十分後、彼女は傷だらけになりながら膝をついていた。

 その眼前には眼鏡の下から冷たい眼を覗かせる藍染が、涼しい顔をして立っている。

 

「おや、私を殺しに来たんだろ? どうして卍解を使わないんだい? 君ほどの才能の持ち主なら、すでに習得しているだろう?」

「うるさい!」

 

 その通り彼女はすでに卍解を習得している。そのコントロールも完璧で死角などないはずだった。

 捕縛された一般隊士が近くにいなければ。

 卍解を使えば確実に巻き添えにしてしまう距離だ。

 考えてみればあり得る話だ。藍染は自分の研究のために死神だろう平気で実験台にする人間だ。そのくらいしていてもおかしくない。

 今回の事件での被害者が隊長達と勝手に決めつけていた彼女のミスだ。

 

「あぐっ!?」

 

 藍染は容赦なく彼女の身体を斬り裂く。

 

「ふふ、ちょうどいい。君にも実験台になってもらうよ。私の研究のためにね」

 

 流れ出る血を感じながら、彼女の意識は遠のいていく。

 

 ごめんね

 

 小さく呟いた言葉は、誰にも届かず空に消えた。

 

 

 




簡単なキャラ紹介
 

十三番隊十席。始解はできるが、卍解はまだ。実力は総合的に見れば4席以上。

彼女
五番隊4席。鬼道も霊圧もすべてがチート。斬魄刀の能力もチートだが、今回それが仇となる。実力だけなら、並の隊長以上。
 
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