俺の幼馴染は転生者らしい   作:平凡

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部下が死罪になったらしい

 

 あれから110年ほど経った。

 あれから護廷十三番隊もだいぶ人が入れ替わり立ち替わりしたのだが、我ら十三番隊は相変わらず病弱な隊長と長いまつ毛の副隊長が健在である。

 いい加減隊長隠居しないかなぁと思いつつも、されると俺が副隊長をやらされるのでやっぱり残っていてほしいとも思う。早く副隊長候補出てこい。そうすれば、心置きなく隊長に隠居を勧められる。

 なんて冗談半分本気半分なことを考えながら、仕事部屋で茶を啜っていると血相を変えた隊員がドアを壊さん勢いで入ってきた。

 俺は驚きつつ、息切れ切れの隊員に何があったか問うと。

 

「現世で失踪していた朽木さんが捕縛されました!」

 

 朽木さんとは朽木ルキア。通称海燕のあい……ゲフンゲフン。お気に入りだ。

 まあ、時が経って俺ともだいぶ打ち解けたので、俺にとっても可愛い部下ではあるがな。

 そんな彼女は現世での駐在任務中に突如失踪していたのだが、それが発見されたらしい。

 しかし、捕縛? 保護ではなく捕縛とは?

 

「どういうことだ? なぜ捕縛する必要がある? それではルキアがまるで罪人のようじゃないか」

「その通りです。朽木さんは現世で人間に死神の力を譲渡した罪に問われています」

「……は?」

 

 …………ま?

 

 

 その後、海燕と都に呼ばれすぐに詳細を教えられた。

 何でもルキアは虚との戦いで不覚をとり大怪我を負った。しかし、近くにいた霊力の高い人間に力を譲渡することでその難を逃れたらしい。

 聞いただけでは不可抗力としか思えない。ルキアだって力を渡したくて渡したわけではないのだ。むしろ死神としての務めを立派にこなしたと思う。

 当然海燕も都もルキアの罪人という扱いに納得はしていない。

 だが、俺たち死神の罪を判断するのは四十六室と呼ばれる貴族(豚共)の巣窟だ。

 俺たちの話など聞き入れないだろうし、場合によっては総隊長の言葉すら蔑ろにする奴らだ。ルキアの断罪は免れないのかもしれない。

 しかし、ルキアは養子とはいえ四大貴族の朽木家の人間だ。朽木家が動けば、流石の豚共も聞くだろう。

 そう自分に言い聞かせて、俺は自分を無理やり納得させた。

 

 

 □

 

 

 結論から言うとルキアは死罪となった。

 なぜか、理由は簡単。朽木家がルキアを見捨てたからだ。

 これには十三番隊に戦慄が走り、怒髪天の海燕が刀を持って出て行こうとするなど隊は混乱を極めた。

 俺? 俺も驚きはしたが海燕のあまりのキレように一周回って冷静になった。そして考えた結果下手に騒ぎを起こすと不味いという結論に至り、怒り狂う海燕をぶん殴って気絶させた。

 もちろん頭を冷やさせるためだよ? 力加減間違えたとかじゃないからね?

 とまあ、そんな言い訳につっこんでくれる人はいない。海燕は気絶してるし、隊長は相変わらず寝込んでいるし。

 

 ちなみにその後、都に現場を見られて怖い笑顔で威圧されたのは一生のトラウマです。

 

 

 □

 

 

 少し経って、海燕が目を覚ました。

 

「……起きたか」

 

 俺の顔を見た途端、海燕は目を鋭くして胸ぐらを掴む。

 

「てめぇ、どういうつもりだ!」

「どういうつもりだはこちらのセリフだ馬鹿野郎」

「決まってるだろ! 家の体面を気にして妹を見捨てる奴の目を覚まさせてやんだよ!」

「それをしてどうなる? ルキアの罪が許されるのか? 答えは否だ。むしろお前が騒ぎを起こしたせいでルキアの立場がより悪くなる。そうなれば死罪を免れるどころではない! そこまで考えての行動か!」

 

 俺の怒号に驚いたのか、海燕は目を見開かせている。気がつけば掴んでいた腕の力もすっかり消えていた。

 頭は冷えたようだ。

 

「……すまん」

「気にするな。お前の行動力はたしかに隊員達を引っ張り惹きつける優れたものだ。だが、時にはそれが蛮勇と化す。それを諭すことも三席の役割だ」

 

 俺は襟を整えながら。

 

「それに俺だって今回の件に納得しているわけではない」

「私もです」

「い、都!? いたのか!?」

「はい。あなたが起きた時からいましたよ? ……後で私からも話がありますのでご覚悟ください?」

 

 海燕は絶望した様子だったが、自業自得である。

 ちなみに助ける気はない。俺も勘違いで問い詰められたのだ、少しはお前も味わえ。

 

 そうして3人でルキアを助ける作戦を考えることになった。

 

 

 

 

 

 一方その頃現世では……。

 

「うおおおおおお!?」

 

 オレンジ髪の少年は必死に逃げ惑う。手に持つ人の身体ぐらいある巨大な刀も使わずにただ逃げる。

 なぜ戦わないのか? 理由は簡単だ、闘おうとすれば殺されるからだ。

 そんな少年に一回り小さな身長の女は容赦なく追いかけて刀を振るう。

 

「……逃げてばかりじゃ修行にならない。戦う」

「無茶言うな!?」

 

 剣を交えれば岩場まで吹き飛ばされ、素手では簡単に絞められ、投げられ、蹴られ、もはや修行どころか蹂躙だ。

 しかし、女にとってはこの程度の修行で泣き言を言う少年の意味が分からない。

 女は少年の腹に一撃与えて吹き飛ばした。少年はぐったりとヤムチャのように倒れ込んでいる。

 

「あの〜、一応言っときますけど殺さないでくださいね? 黒崎サンに死なれると困るんすよ」

 

 近くで見てた古臭い探偵のような格好をした男が言う。

 

「問題ない。かなり手加減してる」

 

 昔修行していた幼馴染とはこれの10倍以上力を入れて戦っていた。むしろ女とってはこの程度で修行になるのかすら疑問だった。

  

「そうっすか。……黒崎サン、死なない程度に頑張ってください」

「おい諦めんな!?」 

「元気が出たみたいだし、修行を再開する」

「ふざけんなあぁぁぁ!?」

 

 少年の阿鼻叫喚が響き渡った。

 そんな姿に会ったばかりの幼馴染の姿が重なった。

 

「……もうすぐ会えるんだ」

 

 彼女の呟きは誰にも聞かれずに溶けて消えた。

 

 

 

 





 今のざっくりとした実力


卍解を習得。基本能力は一般の隊長と互角程度に。本人も強くなったと理解しているが、昇進はしたくないと考えている。

幼馴染
修行するために浦原に場所を用意させて修行を続ける。仮面の軍勢に所属しているが、基本は別行動。
 なお、虚化をあっさりコントロールしている。基本能力は藍染様に劣らない。相変わらずチート。
 並の隊長格なら鬼道でワンパン。
 今は始解を会得した一護の修行を担当している。
 幼馴染の彼と会えなくてめっちゃ寂しくなってる。

黒崎一護
現在地獄編に突入中。生還が望まれる。一応原作主人公。

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