俺の幼馴染は転生者らしい   作:平凡

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 シリアルって美味しいよね


どうやら黒幕がいるらしい

 目を覚ますと一面岩肌の地にポツンと放置されていた。

 頭は?だらけだ。たしか俺は幼馴染と再開した後意識を失ったはずだ。つまりここは瀞霊廷内なのだが……どこだここは? 幼馴染は?

 まさか今までのことはすべて幻だったのか? あの旅禍たちの手のひらで転がされていた? 

 

「あ、起きた?」

「うおっ!?」

 

 後ろからの声に身をはねる。

 ドキドキする心臓をおさえながらふりむくと、そこには幼馴染がポカンとした表情で立っていた。

 手に布を持っている。どうやら、介抱してもらっていたようだ。

 

「介抱してくれていたのか、ありがとう」

「気にしないで、元々私のせいだから」

「弱いからケガするんだ。俺が悪い」

「そんなこと……」

 

 ばつが悪そうにしている。

 昔なら『そうね。弱いそっちが悪いよね。責任とってご飯奢り』くらい言ってくるのだが、随分としおらしい反応だった。

 調子が狂うな。

 

「ところで、ここはどこなんだ?」

「ここは浦原さんが作った遊び場。霊圧を外に漏らさないから、侵入中の寝床に使ってるの」

「そうか」

「う、うん。そうなの」

 

 ……何というか気まずい。

 昔の幼馴染はどんな時でも俺に噛み付いてくるし、捻くれるし、理不尽なのだが、今の彼女にはその要素は欠片もない。ただのか弱い少女のようだ。

 

「どうした? 久々の再会なのに随分と元気がないではないか」

「ひ、久々だから緊張してるの!」

「は? 緊張? お前が?」

「そう緊張! 何か悪い!?」

「いや、別に悪くはないが……」

 

 幼馴染は総隊長に怒鳴られた時でさえ真顔で聞いていた肝っ玉だ。そんな奴が俺と会う程度のことで緊張するなど誰が考えつこうか。少なくとも俺には無理だ。

 幼馴染は大きく深呼吸する。息を吐くといつもの鋭い目つきに戻っていた。

  

「落ち着いたか?」

「うん。落ち着いた」

「そうか……」

 

 その後、虚化事件からのことを聞いた。

 幼馴染は虚化実験によって正気を失ってしまった。そしてその後、実験台になった隊長たちを再起不能と判断し処分した。ここまでが報告で聞いた話だ。

 しかし、真実は違うようだ。

 虚化実験で正気を失ったまでは本当だが、実験台になった者達はとある人たちに助けられ現世に逃亡したのだ。そして何やかんやで虚化をコントロールし、今は現世に潜伏しているらしい。

 そして助けてくれた人が、浦原喜助であり。

 実験を実行したのが、現五番隊隊長藍染惣右介である。

 驚きの連続だった。ずっと敵だと思っていた浦原が幼馴染の命を助けた恩人であり、誰にでも好かれる人望厚い藍染隊長が逆賊だったと言われたのだから。

 信じられない話かもしれんが、幼馴染がこうして生きている以上真実なのだろう。

 

「その話が本当だとして、お前はこれからどうするんだ? 藍染隊長が逆賊であるという証拠もないし、襲ってしまえばそれこそお前が大罪人になってしまうぞ?」

「それは問題ない。藍染はもうすぐ死ぬから」

「……は? 死ぬ?」

「……言い方が悪かった。正確には死んだように偽装して身を隠すの。ルキアの処刑に備えてね」

「???」

 

 わけが分からない。なぜそんなことをする必要があるのかも、ルキアを殺す必要があるのかも。

 「一から説明するね」と幼馴染はさらに話し始める。

 何でもルキアの魂魄の中には崩玉というものが埋まっており、藍染はそれを欲しがっているらしい。そのためにルキアを処刑させようとしているのだ。

 そして、その話通りなら四十六室は藍染の手に落ちているということだ。

 厄介この上ない。

 

「だから私は藍染が身を隠したところを襲撃してやつを殺す。そのために修行してきた」

「……そうか。だが、今度は俺もついて行くぞ」

「分かってる。そもそも連れて行く気がないなら、こんなに詳しく話さない」

 

 そう言って幼馴染はふわりと笑った。

 

 その日は俺は自室に帰った。幼馴染は残念そうにしていたが、この非常事態に三席が行方不明になったら変に騒ぎになってしまうから仕方なかった。

 数日後に幼馴染が言った通り、藍染隊長が死亡したと報告を受けた。

 ルキアを早く殺したいかのごとく、処刑の日数は早まっていく。

 すべて幼馴染が言った通りだった。

 そして藍染を襲撃する日の当日、俺は幼馴染に指定された場所にやってきた。

 殺風景な広場は闇夜のせいでより怪しく見える。俺たちが散々修行をした思い出の地だ。昔はよく土がめくれていたが、今はすっかり綺麗になっている。時の流れを感じる。

 そして広場の中央に幼馴染の姿を捉えた。

 

「すまん。遅くなったな」

「ううん、大丈夫。じゃあ、行こっか」

 

 幼馴染はさっそく行こうとする。

 だが、俺はここ数日ずっと喉から出かかっていた言葉があった。

 

「なあ、行く前に一つ聞かせてくれ。お前何で全部知っていたんだ?」

 

 だっておかしい。ルキアの処刑が必要だがらといって藍染がわざわざ死ぬ必要はない。他にも何通りにでもパターンを作れるはずだ。

 だが、幼馴染はキッパリ死んだふりをして身を隠すと断言した。()()()()()()()()()()()()()()()()()

 それ以外にも色々と疑問点はある。

 それがどうしようもなく気持ち悪かった。

 

「うん。聞かれるのは分かってたよ」

 

 幼馴染は覚悟を決めたような、諦めたようなそんな顔をしていた。

 

「全部終わったら話すよ。だから、今は胸にしまっておいてくれないかな?」

 

 ーー今あなたに拒絶されたら、私はきっと立ち直れなくなる。

 

「……そうか。悪かったな、決戦前にこんなこと聞いて」

 

 疑う余地はない。こいつが話すと言うのなら話すのだろう。それがどんな現実であろうとも俺は……。

 

 

 

 




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