俺の幼馴染は転生者らしい   作:平凡

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 普通に忙しかった


最終決戦らしい

 幼馴染に連れられ到着したのは、中央四十六室の本拠地だった。

  四十六室はいわゆる司法機関で、貴族たちで構成されることから本来死神は立ち入ることすら許されない。

 そんな場所に藍染がいるとならば、これは本格的に四十六が裏切ったということなのか。

 しかし、その推理は中に入った瞬間に否定された。

 なぜなら、部屋の中には46人の死体が無惨に広がっていたからだ。

 

「おいおい……これは」

「ええ、藍染がやったの。いつからか分からないけど、相当前から藍染は四十六室に成り代わっていたの」

 

 たしかに四十六室の権限を手に入れればやりたい放題だ。計画を進めるうえで必要とはいえ、これが死神のやることなのか?

 こつりと奥から靴音が響いてくる。目をやると、先日殺されたはずの藍染隊長が何食わぬ顔で歩いてきた。

 

「久しぶりだね、2人とも」

 

 たしかに久しぶりだ。俺は一月前に仕事の都合で会いに行ったきりだし、幼馴染に至っては110年ぶりだ。

 しかし、そんなことはどうでもいい。こちらからすれば、死んだはずの人がまるで日常の中で偶然再会したかのようにそんなことが言える藍染隊長が不気味でならなかった。

 

「よく平然としていられますね。藍染隊長……いや、藍染」

「そう呼ぶということは私の計画も知っているんだろ?」

「ええ、こいつに聞きました」

 

 藍染は驚くこともせず、薄ら笑いを浮かべていた。

 心のどこかで藍染隊長が逆賊なんて嘘なのではないか? という疑念が燻っていた。幼馴染が死んだと言われた時、浮竹隊長の次に気にかけてくれたのが藍染隊長で、その後五番隊への誘いを本気で悩んだこともある。

 しかし、真実なのだ。

 藍染は幼馴染に目をやる。

 

「やはり君か。君は不思議だ。虚化実験の時も私のことを知っていたし、今回も私の潜伏場所まで知っていた。実験素材などにせず殺しておくべきだったよ」

「じゃあ、今殺せば?」

「ふふ、言われなくともそのつもりだ。だが、君の連れに邪魔されると面倒だ……銀、要」

 

 藍染の呼びかけに奥から2つの人影が現れる。

 1人は三番隊隊長市丸銀、もう1人は九番隊隊長東仙要だった。2人はいわゆる隊長格であり、十三番隊の中でもトップクラスの実力者だ。

 2人の裏切りも幼馴染から聞いている。俺からすれば驚くことではないのだが、幼馴染は心底驚いているようだ。

 

「……何で市丸だけじゃなく、東仙まで!?」

「おや? どうして君は自分の目論みが読まれていないと思っていたんだい?」

 

 どうやら藍染は幼馴染が自分を殺しに来ることを予測していたようだ。

 前の計画を知られていた以上、今回も知られている可能性が高い。だから対策する。その危機管理能力が、100年以上この世界を欺いてきた術なのだろう。

 

「私は彼女の相手をする。2人は彼の相手を頼むよ」

「了解です。それにしても2対1かいな。何か弱いものいじめみたいで嫌やなぁ」

 

 まったく嫌そうじゃない声色で市丸は俺に殺気を向けてくる。

 

「油断するな」

 

 東仙も殺気を向けてくる。

 どうやら、やるしかないようだな。

 これくらい覚悟していた。だから、そんな絶望に満ちた表情をするな。

 

「破道の……!」

「やめろ!」

 

 焦って鬼道を使おうとする幼馴染を一括する。

 

「お前の相手は藍染だ。一瞬でも隙を見せれば簡単に刺される。敵を見誤るな」

「でも、いくらあなたでも隊長格2人なんて無茶!」

「大丈夫だ。勝算ならある」

 

 本当だよ? 嘘じゃないよ? たぶん、メイビー。

 幼馴染は葛藤を押し留めたような顔をしながら。

 

「……絶対死なないでね。最悪逃げてもいい」

「あいよ」

 

 まあ、逃げる気なんてさらさらないがな。

 

 

 □

 

 

 said 彼vs東仙 市丸

 

 

 目の前には市丸、東仙、2人の隊長格が俺に殺気を向けてきている。

 はっきりいって状況は絶望的だろう。この2人を相手するなど、幼馴染でも手を焼くかもしれん。

 さて、どうしたものか。

 

「隙だらけやん。射殺せ『神槍』」

 

 小手差しのような刀から、伸びてきた刀身が俺の体を貫いた。

 

「陰陽反転『天邪鬼』」

 

 だが、俺は自身の刀を解放し、その結果を反転させた。

 

「いきなりご挨拶だな、市丸」

「心臓貫いた筈なんやけどなぁ。ほんまその刀反則やわ」

 

 口ぶりから俺の刀の能力はあちら側に筒抜けのようだ。知られていないからこそ真価を発揮するのに、それではなお不利だ。

 俺と市丸の小競り合いの後ろで東仙が隙を伺っている。おちおち油断もできないな。

 

「これは第二プランかな……」

 

 その後の戦いはワンパターンだった。市丸が俺を貫き、それを天邪鬼で反転させる。時々茶々を入れてくる東仙を捌き、結局反転させる。

 そんなやりとりがある程度続いた頃、突如市丸が剣を鞘にしまう。

 何のつもりだと身構えると、市丸はいやらしい笑みを浮かべて。

 

「なあ、君の考えていること当てたろうか? あの子が藍染隊長倒すまで待てばいい。この2人を足止めするのが俺の役目だ……ってことやろ?」

「まあ、バレるか』

 

 こちらからは何もせず、延々と受ける立ち回りているのだ。時間稼ぎと勘づかれても何らおかしくない。

 

「まあ、僕ら的には好都合やけどな」

「どういうことだ?」

「簡単な話や。あの子は藍染隊長には勝てん。あの子には覚悟がない」

「何をいう。あいつに戦う覚悟がないはずがない」

 

 修行を続け、現世に行った後も強くなり続けあいつに覚悟が備わっていないはずがない。

 

「ちゃうわ。僕が言うてるのは、何かを犠牲にしてでも目的を果たす覚悟のことや」

 

 その言葉と同時に、幼馴染たちが戦っていた場所から轟音が鳴り響いた。見ると幼馴染が傷だらけになって、片膝をついていた。

 どういうことだ? あいつの卍解を使えば藍染などひとたまりもないはずだ。なぜ使わない。いや、使わない? 

 たしかに卍解を使えば瀞霊廷内外に被害が及ぶ可能性はあるが、そんなもの必要犠牲で……。

 待て。なぜあいつは怪我をした俺を気づかった。

 

なぜ俺はあいつの理不尽な特訓で一回も大怪我を負わなかった。

 

いつから俺はあいつが必要犠牲を許容する人間だと勘違いしていた。

 

……すべて間違ってたんだな。

 

「……なあ市丸。俺はあいつが藍染と因縁があると思ってた。だから、邪魔が入らないようお前ら2人を引き受けた。だが、それは間違いだったようだ」

 

 俺は刀を鞘に戻す。

 

「俺はあいつの隣に行く」

「へぇ、おもろいやん」

「私たちが黙って通すとでも?」

「思ってないよ。だから、通させてもらうーー卍解 天邪鬼真ノ世界(あまのじゃくまことのせかい)」

 

 

 □

 

  

 彼女は今の状況が理解できなかった。

 自分は傷だらけで片膝をつき、対する藍染は服が汚れた程度で息すら切らせていない。藍染が強いのは理解している。だからこそ、彼女はそれを超えるために修行し続けた。現世でも昼夜問わず修練を重ねた。

 それでも届かない。

 

「君は弱いな」

 

 藍染の言葉が響く。

 

「剣術、鬼道、霊圧、すべてにおいて私に引けをとらない。なのになぜ君は私の足元にも及ばないのか分かるかい?」

 

 わかるはずがない。

 

「それは君が臆病だからだ」

「誰が臆病だ……!」

「では、なぜ君は全力の始解をしない? なぜ、卍解をしない? すれば私を殺すこともできるだろう」

「それは……」

 

 たしかに彼女の斬魄刀の能力は強力だ。しかし、それは諸刃の剣でもある。全力で能力を使えば、この世界ごと飲み込みかねない。そうすれば、大きな被害を生むことは明白だ。

 彼女は純正の死神だが、元々は現代日本人の意識を有している。そんな彼女が世界を傷つけることを許容できようか。いや、できない。

 それに世界を壊しかねない力を持つ自分を、周りの人間はどう思うだろうか。

 だが、ここで藍染を殺さなければ大きな被害が出る。

 不安と葛藤が心の中で渦巻いていく。

 そんな彼女を見て、藍染は壊れたおもちゃと判断し冷たい瞳をむける。

 

「君が欠陥品で助かった。さようなら」

 

 藍染は斬り捨てようと、剣を振り下ろしたが、その刀は横から入った刀に阻まれた。

 

「聞き捨てならねえな。誰が欠陥品だって?」

 

 その刀の正体は彼だった。

 彼の登場に藍染は表情は変えないが、内心では少し驚いていた。

 

「ほう。銀と要はどうしたんだい?」

「倒したよ。死んではいないが、しばらく動けないだろうな」

「君が銀と要を倒せるとは思ってもみなかった。君の卍解に関係しているのかな?」

 

 実は藍染は彼の卍解の情報は得ていなかった。始解に関しては虚との戦いを通じて解析していたが、彼が卍解を使った形跡は一切なかったからだ。

 

「んなことどうでもいい。それよりも藍染、こいつのこと今何て言った?」

 

 怒気を含んだ口調で彼はいう。

 しかし、藍染は飄々とした様子で答える。

 

「卍解どころか始解もできない欠陥品と言ったよ」

「撤回しろ」

「なぜだい? 彼女は自らの心の弱さで自らの力を制限しているんだ、それを欠陥と言わず何と言うんだ」

「人を傷つけることを恐れるのは普通の感情だ。それが欠落してる方が欠陥品だよ。それにそれが戦いにおいて弱点になり得るのなら、俺がその弱点を埋めてやる」

 

 彼は彼女の方を向き、沈んだ顔にデコピンを入れた。

 突然の衝撃に彼女は目をパチクリさせた。

 

「お前もお前だ、アホ女。あんな腹黒眼鏡に言いくるめられてんじゃねえよ。いつも通り理不尽に自分論理でふんぞりかえってろ」

「別にふんぞりかえってなんか……」

「それもう一つ、卍解が使えないなんて大事なこともっと早く言いやがれ。言ってくれりゃ、もっと早く来れたんだ」

「……それはごめん」

「謝んな」

「いだい!?」

 

 理不尽なデコピンが彼女を襲った。

 恨みがましい瞳を向けるが、そんな様子に彼はニヤリと笑い。

 

「ようやくらしい顔になったな」

「何それ……後で覚えていて」

「はいはい。この戦いが終わったらいくらでも相手してやるよ」

「藍染は強い。あなたじゃ勝てない」

「分かってるよ。言っておくがな、俺は別に藍染と戦いに来たわけじゃねえ……」

 

 彼は一つ言葉をおき。

 

「お前の隣に立つために来たのさ」

「それってどういう」

「答えは刀で語るさ。卍解 『天邪鬼真ノ世界』」

 

 彼がそう唱えると、途端空間が一瞬歪んだ。しかし、気がつけば何の違和感もない空間に戻っていた。

 彼女は何が起きたか分からずポカンとしていると。

 

「よう鬼。お前は今傷だらけに見えるが、実は無傷だよな?」

「は? そんなわけ……!?」

 

 彼女は目を丸くした。

 なぜなら、彼の言葉に呼応するように全治2月はかかりそうな傷が一瞬で治ったのだ。

 その事象には藍染も興味深そうに見ている。

 

「なるほど、『事実の反転』それが君の卍解の力か」

「おいおい、一回見せただけでそこまでバレるか」

 

 藍染が言った通り、彼の卍解の能力は事実の反転だ。今は幼馴染が怪我をしたという事実を。市丸、東仙には四肢が動くという事実を反転させ動きを封じた。

 

「君にかかれば命までも手のひらのうえか。一介の死神に許された力とは思えないな」

「そんな万能じゃねえよ。どうせあんたには通じないだろうしな」

 

 たしかに、藍染の言う通り彼の卍解の能力なら、生きているという事実を反転させ相手を殺すことも可能だ。

 しかし、斬魄刀の能力が通じる範囲は使用者の霊圧に依存する。たとえ彼が卍解しようとも、藍染の始解した霊圧には及ばない。よって、藍染には彼の卍解の能力は通用しないのだ。

 

「だが、この世界でこいつの卍解を使えばどうなると思う?」

「……!」

 

 藍染の顔色が変わった。

 

「言ったはずだぜ。こいつの心が戦いにおいて弱点になろうとも、俺がそれを補ってやるってな!」

 

 彼は彼女を見て。

 

「思いっきりやってこい」

「うん。卍解ーー」

 

 

 




 次回エピローグ

2人の斬魄刀

天邪鬼真ノ世界………能力は事実の反転。一見チート能力だが、相手に干渉する時は相手の言葉が必要。例、お前死んでるよな? そんなわけ?
 なので、無視されると使えない。だが、自分の一存でできることはじゆう。例えば周りへの被害を反転など。
 使い勝手はそんなによくない、癖がつよい。対面よりサポートに向いている。

雨叢雲……彼女の始解。流水系最強。水版のりゅうじんじゃっかみたいなもん。全力で能力を行使すれば、せいれいてい全体に大雨が襲う。

天叢雲……彼女の卍解。とりあえず使うと世界が沈むレベルのやべぇ刀。110年前は人気のないところで使えば問題ないレベルだったが、修行しすぎてやばすになる。そのせいで使えなくなるという何とも間抜けな結果に。
 
 説明薄いんで軽く解説。
 彼女の考え→たぶん原作で考えれば市丸がいる。2人を始解だけで相手するのはキツいから、市丸の相手を誰かに任せたい。信用できる幼馴染に。始解(全力だせんが)しか使えないけど、原作の藍染を考えれば十分戦える。
 実際は、藍染が原作よりも強くなり、なんなら東山まで連れてる。マジヤベェ、卍解しか勝てん。

 こんな感じです。

 らすと卍解を書かんかったのは、始解も出してないのに卍解を決めシーンみたいに出されてもポカーンかなっと思ったんで、別に戦いメインは書いてるわけじゃないし

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