とあるterrarianのお話 作:何気あるかもしれない薫製肉
仕事が…ないっ!
酒場の、クエスト掲示板の前で立ち尽くす。
簡単なクエストが、一個も貼られていないのだ。
原因は、確実に魔王軍の幹部が、街の周辺にやってきたからだろう。
そのせいで、弱いモンスターが隠れてしまい、結果的に高難易度なクエスト以外無くなってしまったのだ。
ろくなクエストもないので、ダクネスは実家に帰って筋トレを、アクアはバイトをしている。カズマとめぐみんはどこかへ出かけてしまった。
うーん。どうするべきか。
正直、高難易度クエストも、ソロでクリア出来るだろうが、難易度hard coreな世界で危ない橋は渡りたくない。
だれか、臨時パーティでも組んでくれないだろうか?
…あ、そういえば。
酒場の方を見る。
いつも隅っこで座っている少女。噂では、上級職のアークウィザードらしい。
「ちょっと、いいか。」
む、反応がない。
「そこの、トランプタワー作ってるお前、ちょっといいか?」
「はっ!はいっ!な、なんでしょうか……?」
うおう。目の前の少女が勢いよくこちらを見る。
あぁ、トランプタワーが倒れてしまう。もったいない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「え、私と臨時パーティを組んでほしい、ですか!?」
「あぁ。パーティメンバーが皆、用事があってしばらくクエストに行けなくてな。少し手伝ってほしいクエストがあってな。」
「え、私なんかでいいんですか…?」
「アークウィザード、なんだろ?心強い。それに、うちのアークウィザードと違って、悪い噂は聞かないからな。もしよければ、一週間ほどパーティを組んではくれないか?」
「いいんですかありがとうございますじゃあさっそくいきましょうどんなクエストにしますか」
うおういきなりグイグイ来るな。顔が近い近い。
「あ、あぁ。このクエストを手伝って欲しくてな。近隣の山の中腹にある洞窟内部で起こっている異変の調査だ。」
「いきましょう。今すぐにでも行けますよ。」
「ああ。terrarianという。よろしく頼む。」
「ゆんゆんです。不束者ですが…」
「いや、それは違うと思う。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
クエストを受注し、目的の山へ向かって、歩き始める。
何にも汚染されていない空気*1が体に染みる。
美しい空だ。
「terrarianさんは、地図もないのに、よく道に迷いませんね。」
「まぁ、Terrarianとしての、技能のようなものだな。脳内に地図のようなものを作れて初めて一人前のTerrarianだからな。」
「すごいですね!」
ゆんゆんと、他愛もない話をしながら平原を歩く。
見通しの良い平原では、特にモンスターと出会うこともなく、穏やかな時が流れる。
うーむ。このままだと山に着くのに数日はかかるな…よし。
「ゆんゆん。歩きだと時間があまりにもかかりすぎるから、少し乗り物に乗るぞ」
「え?」
ポケットからアイテムを取り出す。
Witch's Broom*2をすぐさま展開して、ゆんゆんを私の後ろに乗せる。
「じゃあ、発進…!」
「ひゃ、ひゃあああああああ!?」
凄まじい速度で飛行する。風景を置き去りにする。
「ひゃっはああああああ!」
高速飛行は最高だな!機動力こそ至高なり!
「速いって、速すぎますってぇえええええええ!」
ゆんゆんの悲鳴が虚空へと吸い込まれて、消えていった。
森林地帯へと差し掛かる。
あまり手がつけられていないのか、木々は生い茂り、先ほどとは打って変わって、陰鬱な雰囲気を醸し出していた。
「terrarianさん…」
ゆんゆんが怨みがましい目で見つめてくる。
「なんやかんや行って後半はゆんゆんも楽しんでたじゃないか。やっぱ空を飛ぶのはいいだろう、最高だろう?」
「でもですねぇ…」
森の奥へと移動する。ここを抜ければ目的地の山が見えてくるのだが…
暗い、な。
ふと、木の表面が気になり、撫でて見る。
青白い…胞子のようなもの、か?
「terrarianさん、見てください、これ。」
ゆんゆんが、青白く輝くキノコを渡してくる。
…Glowing Mushroom*3じゃねえかこれ!?
よくよく見ると、目的地への方角にある森は、全て青白く輝いているように見える。
一体何が起こっているんだ…?
terrariaのnpcって個性強いのよね…
terrarianの切り札は、1.4時代の装備。
Calamity などのmodはあくまで1.3時代。どこまで抗えるかな?
感想、とても励みになります!ありがとうございます!
ボス戦終わりにそのボスのwiki風解説が
-
欲しい
-
要らない