ハジケリスト世代だろ! (完結)   作:零課

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 ゴルシ世代の作品を書いてみたくてトライ。考えてみるとボーボボな馬にジャンプ愛の詰まった馬に、タックルをよくしていたお嬢様な馬がいたり、三冠馬同士の激突があったりするわ2015年にはダートにもゴルシそっくりな奴が出てくるわしかもその馬アメリカでゴジラのあだ名をもらってクソコラ作られたり。


 次世代ではキタサンブラックにサトノダイヤモンドと超大物歌手やあのゲーム会社に関わる馬が出ていたりと本当に濃いメンバーだらけですよねえ。実績も込みで。


王道な手段ですねわかります

 「馬ってさ・・・いいよね」

 

 

 「いいよな・・・で、あんた誰」

 

 

 日本の神様は八百万。そんで観音様も馬だけじゃなくて畜生の守護仏がいる。なんだったら世界中の神様が訪れるコンビニがある国だ。緩い。とにかく緩いぜ。でもさー神社で健康祈願した後に絵馬眺めていたらまさか急に出会うとは。神様のような方に。

 

 

 「私? あーうん、日本の馬の神様」

 

 

 「ほんほん・・・じゃあお布施に・・・」

 

 

 訳の分からない空間に自分を連れて、性別もどうにも読み切れない柔和な感じ。人の姿だけど人を外れたような雰囲気を纏っているのは確か。お供え物と、趣味で読んでいたSCP-Jの対処法ということで持っていた野菜チップスを渡す。

 

 

 「え? いいの? お菓子もいいけどこういうヘルシーなもの貰えるなんてマジ感激。でさーちょっち君に頼みたいことあるのねん」

 

 

 「はぇ? んっ、おかのした。で、なんです?」

 

 

 なんか軽い神様に頭下げつつ耳を聞いているとまさかのお願い。神様からの依頼とかDQとかファンタジーの世界の・・・いや、転生系のテンプレのシチュの中ですし最近は多いか。

 

 

 「私ね。日本の馬の血筋でもっと活躍してほしいの。今の時代を築いたお馬さんたちの努力と素質は素直に称えるけど、ロマンを欲しいのね」

 

 

 「ほうほう」

 

 

 「だから君は浪漫を追いかけてほしい。というわけで馬になるよ。ハイよーいスタート」

 

 

 「はえ?」

 

 

 「ちゃんと面白いことになると思うよ。あ、あと、お布施の分良いものあげちゃう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけで、うん。馬になっちゃった☆ いやーあっははは! これはどうしたらいいのだ? とりあえずすっごくヌメヌメするのと生暖かい息と舌の感触がすごくてなにこれエロゲ? いや、馬って全裸だしますます・・・滾るわけないかあ。

 

 

 周りじゃあ立て立つんだよお! やれるやれるやればできる! と炎の妖精っぽいことまで言うし。しゃーねーなー・・・立つか。よいしょ。おお、ふらつく・・・、

 

 

 「え? 早くね?」

 

 

 「まだ10分くらいですよ?」

 

 

 ええー・・・立ったらドン引きされたでござる。多分今生まれたてなんだろうけどさ、立った赤ちゃんの俺に言うのそれ? 祝福どころかドン引きで始まるってあのリアルあしたのジョーしていたサンデー大先輩くらいじゃねえーの?

 

 

 何でか馬になった人生ならぬ馬生スタート。少しくらい応援受けていいじゃん? 一応神様に頼まれての再スタートだぞ? サイコロの旅だってここまで滅茶苦茶なイベントと目を用意せんわ。

 

 

 んはぁー・・・腹減ったあぁあ・・・俺を生んでくれたお母さん。ミルク頂戴~

 

 

 「あ。そっぽ向かれましたね」

 

 

 「しょぼくれちゃっていますよ・・・」

 

 

 生まれたての俺は牧場関係者にドン引きされ、母親に育児放棄されたでござる・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『たーのーしー!!』

 

 

 あの後なんやかんや親に育児放棄された悲しみはあったけど牧場の皆が支えてくれたのと人メンタルで持ち直した俺は元気に牧場を走り回っていた。

 

 

 馬になってから知能下がっているのと、羞恥心というか色々削ぎ落とされた気がするけどまあいいや。走れるのがすげえ楽しい。馬の本能なのかなあ。あ、ちなみに性別は牡。ナウい息子♂も搭載済みよ。

 

 

 「おー今日も元気に跳ねているなあ」

 

 

 柵の中をずっと走り回っている俺を見ているのは厩務員の兄ちゃんで名前をトモゾウ。目の前にミルクを見せて飯だと教えてくれたので急いで俺も走っていく。なんやかんや馬になる前は20代の阿呆野郎だけど身体がミルクを求めるんだすぐさま柵についてミルクを飲む。

 

 

 うまい! これは俺の好きなミルクだ!

 

 

 「よしよし。もう少ししたら休もうな」

 

 

 馬鹿言ってんじゃないよ馬だけに! アニメ見させろ! 休憩所で見られるんだからよぉー! 飲み終わったところで哺乳瓶を吐き出してから助走をつけて大きくジャンプ!

 

 

 「ぬおっ!? ま、待てクロス!」

 

 

 フハハハハハ! 俺の幼名で呼ぼうと知るか! 昼の再放送アニメを見るんだよぉお! この身じゃ娯楽が少ないんじゃ―! そしてこの程度の柵で止められんぞおー!!

 

 

 あ。あと俺の幼名は流星が十字架を思わせるくらい整ったものだからそうなった。

 

 

 「あらぁー来たのクロスちゃん。今からアニメ始まるわよー」

 

 

 「ヒィン」

 

 

 「お、女将さんすいません。あの柵も低くはないはずなんですが・・・」

 

 

 休憩所のテレビが見える窓の方から顔をにゅっと出せばここの女将(おかみ)さんと呼ばれるおばちゃんも馬好きで、よくお邪魔してることと俺を気に入ってくれているから俺用の座布団を出してくれて、人参を4等分したスティックをくれる。座布団に顎を乗せ、座りながらポリポリと人参を齧るのが日課。

 

 

 やっぱゴリラ局長かっこいいわあー。にんじん美味いわぁん。ミルク離れしつつ貰えた食事だけど馬に人参ぶら下げれば走るってあながち嘘じゃないのね。

 

 

 「この子のお父さんもこういうことをよくしたようだし、血筋なのかもね。それにまあ、可愛いじゃない。人参齧りながらアニメを見る馬なんて。アニメを見たがる犬とかもいるみたいだし今更今更」

 

 

 「そうなんですがね・・・仔馬の時点で人を怖がらずに済むのはありがたいですが、こうも人間臭いと馬と思えなくなりますよ。しかも好きなのが〇魂とか、こ〇亀とか、ボー〇ボとかで・・・」

 

 

 面白いのは事実なんだししょうがない。んふぅー・・・唇を使って二本目のカット人参をポリポリ。水も持って来れればいいけどそういうのないしなあ。

 

 

 「トモゾウ君たちが見ていたケーブルでの再放送を見てそれ以来ずっとだものね」

 

 

 「俺としては小さい甥っ子にジャンプ勧めた気分ですわ。ほれ。終わったし行くぞ」

 

 

 あ、ちょっと待って! 次のアニメの放送スケジュールとか見させて・・・! くそっ! コノヤロー、トモゾウ許さん! テレビの電源消しやがって! 藤波張りの頭突きを喰らえ!

 

 

 「うおっ! ぐはっ! た、たいむ! タイムだクロス! うぬあ!」

 

 

 そんで自分で自分の場所に帰るわ! 悔しかったら追いかけみろやーい!

 

 

 「そんで自分で戻るのかよ! しかもまた柵越え・・・! あいつ、障害物競走とか馬術に出したほうがいいんじゃないですか?」

 

 

 「ふふふ。もしかしたらそうなるかもねえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日も今日とて元気に放牧されて元気に驀進中。走るのが一番楽しいし、しばらく経って肉体が出来てくると飯をたくさん食べられるようになって、その分走りたい。走るだけ走ってから疲れたら水飲みつつアニメを見させてもらうのが日課でござる。

 

 

 ・・・あれ? 何だったらアニメと走るという娯楽もしつつこれだし前世よりエンジョイしていないかこれ? そうなると俺の人生って・・・い、いや歴史とか調べるのはほんと楽しかったし負けていないはず・・・だ。

 

 

 「おおー今日も元気だなあ。クロス。ほれ、りんご食べるか?」

 

 

 「あ、おやっさん!」

 

 

 そんな俺を観察しつつ寝床の藁を敷いてくれていたトモゾウに頭を下げていたら渋いイケおじが登場。インチキおじさんじゃないぞ。このおっさんがこの牧場のオーナーさん。名を利褌(としみつ)さんというらしい。俺がしょっぱな今生のお母さんにミルク貰おうとしたのを無視されてしょぼくれていたらヌメヌメして気持ち悪いはずの生まれたての俺を慰めてくれたナイスガイだ。

 

 

 俺の好物もよくわかっているので会うたびにリンゴを渡そうとしてくれるので大好きだ。イヤッホォー! リンゴだぁー!! うまい・・これはうまい! ただ、丸いから人参みたいに咥えてポリポリといけないのが欠点だね。これも4等分カットされていたらなあ。

 

 

 「相変わらずお前はイケメンだねえ。本当親に似たよ。柔らかさも含めて」

 

 

 「体格だけは規格外ですがね。イケメンというかナイスガイ?」

 

 

 「カリカリ・・・ヒィン?」

 

 

 首を傾げてみると二人とも面白そうに笑いつつ撫でてくれる。あーそこそこ・・・痒かったのよ。

 

 

 そういえばちょこちょこ話される俺の家系だけど、父親があのトウカイテイオー。母親はミホミサトという名前で地方でちょっと勝てたくらいの馬で乗馬用だったのだけど、その父親、つまり俺の母父はミホシンザン。シンザンの直系の家系なんだよね。テイオーのお父さんはルドルフだし、すげえ血統。更に言うとテイオーの母方のご先祖様には昭和12年に日本初のダービー牝馬になったヒサトモの血も入っている。

 

 

 だから俺の血筋は古の日本産競馬の血筋を引き継いでいるのと、あの最強の戦士の血を母方からとはいえ持っている。

 

 牧場主のおやっさんとトモゾウの会話を聞いていると今の時代だと競馬界はSS、ブライアンズタイム、タマーキ・・・じゃなくてトニービンたちの子どもたち、一族だらけの中で純潔の日本馬だから血を薄めたりとかするために生まれたのが俺みたいだわ。

 

 

 ブラッドスポーツと言われる競馬だからこそ濃すぎる血はやばいという訳よ。人間でも中世の貴族での血筋濃くし過ぎた結果がAGO☆な一族が生まれたりしたようにね。血もカルピスも黒酢も程よく濃すぎず。中道を行くとはこのことだなあ。

 

 

 小さな牧場で生まれた俺だけど血筋ゆえに今の時代の肌馬を選ばず相手しやすいし、中央のレースには出すけど結果がどうであれ引退した後はキングヘイローよろしくお安い種付け料で稼ぐのと、血筋はいいけど未勝利で終わった牝馬たちと掛け合わせて次代を狙うとかそんなプランらしい。

 

 

 まさかのお手軽プランだけど日本のロマンを詰め込んだ血。無事是名馬が俺の目標だけど、馬相手にオッキしちゃ~うか分からんぞ? 後、イケメンかは知らんが馬基準だと俺の顔面偏差値低いかもわからんし。

 

 

 「ブフ・・・(お礼。乗ってく?)」

 

 

 「お。それじゃあ頼むよ」

 

 

 「いつの間に!? もう乗せてしまうんだもんなあ・・・お前、人懐っこいのか悪戯好きかわからんよ」

 

 

 で、まあ柵のカギを開けてからリンゴくれたオーナーのそばで寝転がってからオーナーを待つ。んで、オーナーも俺の上に乗ってくれたのでよいしょと体を起こしてぽっこぽっこと休憩所を目指す。

 

 

 この馬体。まだ生まれて数ヶ月だけどなんでもすんごいデカい。しかも丈夫らしい。一応もう少ししたら馬具とかつけて練習する歳だけどそれを差っ引いても早いとかなんとか。

 

 

 シンザンとか、テイオーは平均からやや小柄な部類だし、これが神様の言ういいものあげちゃうっていうやつかしら。そしてトモゾウ。バカやろう、美味いおやつくれた俺にとってもおやっさんみたいな人には礼を尽くすのが男だろうが!

 

 

 GⅠ馬ですら行方不明になるような世界の中で種牡馬ほぼ確定。ネイチャ大先輩のおかげでそれを引退しても安心できるような状況にしてくれた恩人にゃ報いるんだよぉ!

 

 

 「よーしよし。下ろしていいぞ」

 

 

 そんで無事に休憩所に着いたのでオーナーを下ろして、そのまま窓側に移動してアニメを見るために位置取り完了。

 

 

 「お。お父さんにクロス。来たのね。はい、人参」

 

 

 おお。ありがとうございやす。そんじゃ人参は・・・食べすぎもいけないらしいし、今日は半分でいいかな。お腹は空くけど、飼料と牧草あるし。

 

 

 で、今日のテレビ・・・の前にニュースか。ほんほん。今の年は2009年か。ってことはあの伝説ディープインパクトは3年前の有馬記念で引退して種牡馬入り。あ、馬のニュースもある。ドリームジャーニー今年の最優秀古馬候補筆頭かあ。

 

 

 オルフェーヴルとの兄弟対決も見たかったなあ。ナリタブライアンとビワハヤヒデの再現みたいな感じだったし・・・あ・・・? 2009年生まれの俺で中央競馬には行くみたい。最近聞いた話だとおやっさんたち含めた一口馬主さん達も集まったそうだし・・・あれかあ・・・あーあれかあ・・・。

 

 

 つまり俺の同期ってあのゴールドシップ、ジャスタウェイ、ジェンティルドンナ、フェノーメノにストレイトガールにディープブリランテとかがいるし、芝路線だとマジで当たるよな。同世代以外にもエイシンフラッシュやトーセンジョーダンやオルフェーヴルも来るのか・・・え? これ勝てる? 人によっちゃ98世代よりも強い、濃いと言われるし、息も長い名馬だらけの中よ? 

 

 

 でも、すっげえ!あの面白メンバーと戦えるのは良いな!

 

 

 「ブフゥー!」

 

 

 「あらあら。クロスが興奮しているわ」

 

 

 「馬のニュース見て興奮しているな。レースに出たいのかね?」

 

 

 「美人な牝馬とか誘導馬に発情したんじゃないんですか?」

 

 

 トモゾウ、後で頭突きの刑な!




 はい。まさかの三作目のウマ娘作品です。最初の作品もしっかり完走させてせていきますので皆様どうかよろしくお願いします。


 よければ感想、評価をよろしくお願いします。作者のモチベーションにつながります。
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