ハジケリスト世代だろ! (完結)   作:零課

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 ケイジと一緒に戦ったチームシリウスの現在


 ・ジェンティルドンナ プイプイと一緒に次期財閥総帥候補として経営学、経済学、IT関連とスポーツ科学の勉強するために大学に。ケイジともよく顔を合わせている。


 ・ヴィルシーナ ジェンティルドンナと同じ大学に。父親やの職業と家のこともあって経済学とウマ娘レース、野球の知識を勉強中。


 ・オルフェーヴル アグネスデジタル、ベルノライトと一緒にトレセン学園でトレーナーの勉強中。ダートの育成が得意なようで地方と中央のトレセンを行ったり来たりしながら過ごしている。


 ・ラニ オルフェと同じくトレセン学園でトレーナーの勉強。気性も落ち着いてきたのでゴルシに似ている美貌と実績も相まってそこそこ人気。


 ・ライスシャワー 大学で民俗学、自然、生物学、歴史などを学びつつ絵本作家としてデビュー。ゼンノロブロイと今も同棲して一緒に創作活動に励んでいる。


 ・メジロライトニング 大学に通いつつドリームトロフィーマイル部門で活躍中。スポーツ科学を学んでいていずれはウマ娘レースのシューズの開発に関わりたいと思っている。


 ・マエダノキズナ(ヒサトモ) 現チームシリウスリーダー。アメリカ遠征を考えて調整中。欧州、とくにイギリスだと女王陛下とか星の一族関連のせいで感づかれるかもしれないので行きたくない。


ウマ娘エピソード 外伝プロジェクトl'arc レギュレーション

 「まーそういうわけなんだわ。どうだろう。そっちの庭貸してくれない? おーありがとう中川の兄ちゃん」

 

 

 「は・・・はひふっ! ふっ・・・ふー!!」

 

 

 「んじゃまーサトノのおやっさんのほうにも連絡しておくのと下町の親父共にも伝えておくからよろしく頼むわ」

 

 

 ケイジの練習参加が無事に決まって早速ケイジとダイヤの練習が幕を開けた。日本じゃあ有名なトレーナー扱いされるときもあるが欧州、海外のレース経験、鍛える実戦は多くない。だからケイジに練習を任せつつどういう練習がいいのかと改めて見直すことにした。

 

 

 その結果が河川敷の草生い茂る坂をジグザグダッシュで走る。ダイヤがケイジに追いつかれたらアウト。というケイジのしていた練習をすることになったのだがケイジの方は電話をしながら息もさほど乱さずに走り逆にダイヤはヘロヘロだ。

 

 

 「ダイヤの方もスタミナがないわけじゃないけど・・・そういえば・・・」

 

 

 思い返すのはクラシック期最後の締めくくりにダイヤがキタサンを有馬記念で勝利した時か。逃げ差し、そしてあの中山レース場の心臓破りの坂でも逃げの切れを落とさなかった。ダイヤの末脚がどうにかとらえたが僅差。スズカでも鈍るあの坂を気にせず走り抜けるのはゴルシとケイジ達の世代くらいだが文字通りケイジに鍛えられた後のキタサンは見違えて最後にキレが落ちない。

 

 

 「その秘訣の一つがこれ。か。ふーむ・・・・お」

 

 

 ケイジ達の世代の跡の海外遠征はどうにもうまくいかない子が多い。その理由はなぜか。そのヒントの前にあるモヤが取れそうなあたりでジグザグダッシュの練習が終わったようで大の字で草原に転がるダイヤに水筒の水をぶっかけるケイジとダイヤに冷やしたスポドリを持っていく。

 

 

 「アバババババつめたぁあいですっぁつぶぶふふ!!」

 

 

 「ほーれアイシングに川にぶん投げるぞー」

 

 

 「やめんかケイジ。ダイヤもお疲れ」

 

 

 「お、サンキュ沖ちゃん。んー・・・染みる―♡」

 

 

 「はぁ・・・はぁ・・あ、ありがとうございます・・・んぐ・・・んぎゅ・・・ぷはッ! はー・・・はー・・・」

 

 

 今すぐにでも川にダイヤを投げ飛ばしそうなケイジを抑えつつ二人がスポドリを飲んでいる間クールダウンのためにダイヤ立たせて歩かせつつ汗を軽くふいてまだまだ元気すぎるケイジに視線を向ける。オリンピックで金メダルを取ったとはいえ現役ウマ娘を振り回すスタミナ、何より消耗が少ないのが流石と言える。

 

 

 この違いは何だろうか。どのレースでも全力を出してもけろりと回復する体力に心肺機能。怪我しらず不調しらずの頑丈さ。それはどこから来るのだろう。改めて気になることばかりとしか言えない。

 

 

 「さーてと・・・・・・・・この後は800メートルダッシュ10本するがその前にこの練習の意味を教えておくか。休憩ついでとこの練習のきつさを知ったうえで何でこれを必要とするか。な」

 

 

 「ああ、教えてほしい。坂ダッシュなら山の神社の方での階段ダッシュの方が傾斜もいいし、それじゃなくてなんでこれを選んだか。か」

 

 

 「お願いします!」

 

 

 「じゃーまずなんだが、日本の芝と欧州の芝の違い、もっと言えば、レースの土台の違いを言うか。

 

 

 日本のレースは欧州の名誉あるレースをモデルにしたレースを作りつつも、アメリカのスポーツとエンターテイメントの方を吸収して、土地の問題からもレース場の形状もアメリカをモデルにしている。だから国内のレース場は様々な差異があれどまあ欧州に比べると大人しい形状ばかり。ここまではいいな?」

 

 

 二人ともそろって頷く。そもそもアメリカでダートレースが多いのは土なら手入れもしやすいし少し均せばすぐにレースもできて管理費用も整備時間も短い。だからこそ一つのレース場で短いスパンにレースを詰め込んでも問題ない。

 

 

 逆に欧州だとその形状も凄いのだが、ケイジの挑んだKGⅥ&QESの開催するアスコットレース場などは排水、水はけの悪さで集中豪雨によって大レースが中止になるということも何度かあった。あちらの場合は自然の中に柵を立ててレース場にしたというものが多い故か。

 

 

 「逆に欧州は自然に近しいレース場の芝で着飾ったウマ娘たちのレース、ちょっとした舞踏会や興行をゆっくりと楽しんでいくという文化、考えが今も残っている。レース場の質改善とかでだんだん走りやすくなっているが今も深い芝、柔らかい土。石ころ混じるの当たり前で中山レース場の心臓破りの坂、京都レース場の淀の坂が可愛い丘と言っていい傾斜も普通だ。

 

 

 ヒトミミのスポーツみたいに均一になりつつある日本の芝は固いし短い。そこに欧州のレース場となればたとえダートやウッドチップで慣らしたとしても芝で地面をとらえきれず、あるいは石、雨でむき出した土に砂利で思わぬ減速をしたり、心配して無意識のうちブレーキがかかる」

 

 

 「つまり・・・今の日本のウマ娘レース環境。とことん設備を整えて常に最新技術を取り入れる中央トレセン学園だと」

 

 

 「スピード、距離の幅広さを鍛えるのなら世界有数だろうけど、欧州のレース場への適合、レギュレーションはむしろ遠のいている。同じ競技、距離なのにまるで別物になっていくだろうな。ただ、これはトレセン学園が悪いってわけじゃなくてむしろスポーツ科学、技術を取り入れるのはいいがそこへの理解、鍛える技術も抑えないといけねえのは確かよ」

 

 

 納得がいく。ケイジ達の世代は学園の外で川で泳いで追いかけっこをしたり缶蹴りをしてあらゆる場所で追いかけっこ。山狩りをしたり河川敷で走り回ったりとレース場、練習場所以外を問わずどこでも愉快に走り回っていた。その中での体幹の鍛錬と姿勢のシフトチェンジ、足遣いの変化がKG対決の皐月賞でのワープと大逃げの対決、菊花賞での常識破りの戦いを産んだのだと。

 

 

 「ダイヤちゃん。今からやることは欧州の角度ある坂道を、芝を、柔らかい土を気にせず走れる足を一から作ること。そして欧州の角度あるカーブでも問題なく走れるひねりに強い体づくりと経験の蓄積。最後に凱旋門賞でぶつかるフォルスストレート、最後の長い直線と二度の加速チャンスで切れ味が鈍らないための鍛錬をしていく。

 

 

 沖ちゃんもダイヤちゃんも付いて来いよ?」

 

 

 ギラリと目を光らせるケイジの眼には現役時代に何度も何度もしのぎを削りライバルたちじゃないとおじけづくほどの戦意を宿していた。その目に俺も燃えるものを感じていた。

 

 

 「もちろんです! ケイジさん。私もキタちゃんと同じ舞台で勝たせてください!」

 

 

 「よろしく頼むケイジ。お前さんの技術をとことん教えてくれ!」

 

 

 「おうよ! いいか、欧州の深い芝なんて言っても所詮は草!! 踏み越えて、喰らいつくしてもうアタシらのものにする勢いでやるんだよ! こうやってヤギさんの様に~!! んぐむぐもしゃも!」

 

 

 そういってガッツポーズをしたケイジは、雑草を食べ始めたと思っていたらいつの間にか

 

 

 「どー見ても牛だー!!」

 

 

 「というかケイジさんが牛になった~!!?」

 

 

 見事なホルスタインになっていた。いや、ケイジのスタイルは元からすごかったが。

 

 

 しかもその牛はそこら辺にあった木の実や草を添えて奇麗なサラダのようにして食べ始めた

 

 

 ((そーやって食べるの!!?))

 

 

 「私たちヤギはね。木の実や青草なんて新鮮な野菜を食べる機会がある子は少ないのよ・・・!」

 

 

 「あなた牛さんですよ?」

 

 

 「誰だテメー! ノッキング!!」

 

 

 「だから私ヤギだってー!!」

 

 

 しゃべるヤギ? 牛? になっていたはずのケイジがいつの間にやら現れて牛相手に拳を叩き込んで一撃で気絶。あれ? じゃあこの牛? は一体・・・???

 

 

 「今日の晩飯これにするか。よし。休憩終わり。沖ちゃんこれトレセン学園にもっていって。アタシダイヤちゃんと800メートルダッシュ10本しながら学園に戻ってくるから」

 

 

 「お、おう・・・」

 

 

 何というか・・・俺は考えるのやめていつの間にか手配していた畜産業者さんの軽トラに乗って今晩のご飯は贅沢だといいなあと思うだけにしておくことに。

 

 

 久しぶりのビフテキとテールスープは美味しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ってわけでして。芝への対応と坂道への強さ、コーナリング技術と直線での場所取りと速度の優位性確保の練習を欧州向けに鍛えている感じです」

 

 

 「あー・・・そういえばあたし様も練習を見ていても獣道で追いかけっことか、どこかの忍者漫画みたいに木々の間を飛び回ったり山道歩いたりとか、普通のレース場は愚か練習場以外の場所の練習も凄かった・・・フランスの森で遭難しかけた時は死を覚悟したよ」

 

 

 「私の時よりも整備の技術の進歩が逆に欧州を遠ざけていたとは・・・温故知新。最新を知りつつも昔の良い所を見返すのは必要かもしれませんね。まあ、かといってサバゲ―を始めたり鮫狩りをしても困るのだが」

 

 

 ケイジお手製焼肉弁当を昼食にしながらここ3日間の練習の内容とその意味をメイさん、ルドルフさんと話ながらの少し長めの休憩時間。メイさんにはその節は申し訳ないと頭を下げておくのだが。

 

 

 「そして今日で牛肉も食べ終るのでダイヤはしばらくチームシリウスの部屋で寝泊まりをしてもらい、さらにフランスの食事になれてもらうためにフランス産の野菜に果実に肉、調味料を取り寄せてケイジが食事の用意。

 

 

 練習パートナーにキタサンブラックを。マッサージやケア、勉強会はチームシリウスのメンバーでやってくれるようでして。いやはや頭を下げっぱなしですわ。練習内容の意味と効果は利褌のおやっさんがしてくれるようです」

 

 

 「ふむ。つまりあの世代を、メンバーを鍛え上げたトレーナーリーダーとその愛娘にしてチームのまとめ役が用意した渾身の凱旋門賞専用練習プログラム! いやはやまったくそれはいいなあ! ロマンが届くかもしれない。チャンスを取れるかもという希望が増えるのは大変結構」

 

 

 チームシリウスと何度も練習をしても分からなかったノウハウや経験を文章化、イラストとデータにして分かるというのはみんなも興奮する内容でやっぱりメイさんは膝を叩いて大喜びするほどだ。逆にルドルフさんはその経験やノウハウがあればと過去の苦い海外遠征のことを思っていたかもしれないが・・・

 

 

 とにかく、ここからどうなるのか、どう鍛えていくのかトレーナーとしても大変楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガンガンガンガンガンガンガン!!!!!!

 

 

 「ふあひっ!?」

 

 

 「起きろー!! 朝だぞお前ら―!」

 

 

 「ん~・・・う・・・おはよぉございますケイジ師匠・・・ダイヤちゃん・・・んっー・・・っふ!」

 

 

 お玉とフライパンを叩く豪快で、私たちウマ娘の頭の中まで鳴り響く音で飛び起きてしまう。ケイジさん、キタちゃんでチームシリウスの学園内で所有する筋肉ハウ・・・建物。で寝泊まりが始まってからの数日が立ちますがこの音は驚いてしまいます。

 

 

 キタちゃんはなれているようで眼をこすりながらぺしぺしと頬を叩いて目を覚まして着替えてジャージ姿に。私も着替えていきますが連日のハードな練習は中々疲れが抜けません。

 

 

 「キタちゃん。今日もそこのデカパイお嬢様引きずり回してこい。時間は・・・30分。その後に朝風呂用意しているから浴びてから来いよ。うまいもん食わせてやるから」

 

 

 「はい! さ、ダイヤちゃん朝のウォームアップにジグザグダッシュいくよー!」

 

 

 「あ、待ってキタちゃん! ケイジさんも行ってきまーす!」

 

 

 タイマーをセットして首に下げてキタちゃんが私の手を引いていくので私も急いで着替えてシューズを履いて飛び出す中エプロン姿に何でかパンチパーマのケイジさんが手を振って見送られて私たちはようやく空が白み始める中走っていく。

 

 

 「行ってらっしゃーい! さーて・・・んーおやつはヨーグルトに。なにしよっかな~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はっはっは・・・・ダイヤちゃんあと5回上り下りしたらいい時間になるよ。ファイト!」

 

 

 「ふっ・・・くふっ・・・! ふー・・! ふ! んぐ・・・ふ!」

 

 

 毎朝と昼の練習のスタートの日課になった河川敷ジグザグダッシュ。どうにかこうにか慣れて足が滑りそう、草が絡む感触で鈍るのはなくなってきましたがそれでもきついものはきつい。

 

 

 たいしてキタちゃんは息を少し切らしているけど余裕がある。後ろからいつもの元気でよく通る声で私を励まして背中を押しつつ追いかけてくる。

 

 

 やりこなす。そう頑張って長く感じるラスト5回の深い雑草の坂道の上り下りのダッシュを終えると同時に20分のタイマーがなった。

 

 

 「流石ダイヤちゃん。ぴったりだね! えーと・・・はい。ダイヤちゃんはストレートティーでいい?」

 

 

 「あ、ありがとうキタちゃん。ぷはー・・・い、生き返ります」

 

 

 「ケイジさんが小遣い持たせてくれているんだよね。歩いてクールダウンしながら飲んでおけって。にしても流石ダイヤちゃん。本当に慣れるのが早いよ!」

 

 

 ニコニコ笑って歩くキタちゃんを見て内心その強さがうらやましくも思う。クラシックを越えてキタちゃんと有馬記念で勝負して勝った時お父様たちも大喜びした。ケイジさんの弟子で、凱旋門賞ウマ娘のキタちゃんに勝てた。私はそれくらい強いんだって。

 

 

 本当にうれしかったし、この後も勝った負けたをできると思っていたらそこからのキタちゃんの成長はすごくて、私は喰らいつくのに精いっぱいだった。そして今回の鍛錬。キタちゃんを見て、一緒に鍛えてくれている沖野トレーナーもキタちゃんの経験をもってもケイジさんが必要だといった。

 

 

 私にはまだ足りないものがある。キタちゃんに一度勝っただけで思いあがっていたかもしれない私に突き付けられる練習とヘロヘロな私と元気なキタちゃんを見れば一目瞭然。キレる脚や速度はあってもそれをどこでも使える技術もスタミナも足りていなかった。それを分かると同時に心配もある。凱旋門賞はどこまで大変なのだろうかと。

 

 

 「・・・ねえ。キタちゃん」

 

 

 「ぷぁは・・・はー・・・朝日がまぶしい・・・ん? どうしたのダイヤちゃん」

 

 

 「凱旋門賞。どこまで私行けると思います?」

 

 

 「うーん。正直私からは行けると思うけど、もう少し言うとね?」

 

 

 「言うと?」

 

 

 「ケイジさんが行けるといった練習をこなしてきている。沖野さんも認めている練習をしているダイヤちゃんは必ず届く実力を持てるからきっと大丈夫! 今はダイヤちゃんの才能を磨くためのカッティング、研磨の時間だからさ。辛いときは私が支えるからダイヤちゃんも心配せずにがんばろ!」

 

 

 にっこりと笑うキタちゃんの笑顔に笑い返してそうだと納得していく。凱旋門賞ウマ娘たちが大丈夫と。私を信じてくれているのだから不安は考えないように今は練習に打ち込んでおこう。それに、ジンクス破りを頑張りキタちゃんのライバルなのが私。不安な顔は似合わないですよね。

 

 

 「・・・うん! ありがとう。キタちゃん♪」

 

 

 「どういたしまして♬ ささ、早く戻ろう。お風呂の時間とご飯の時間なくなっちゃうよー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふーとありあえずスッキリしました。えーと。ここですよね?」

 

 

 今日のトレーニングが終わり、ケイジさんからゆっくり風呂につかるのは後にしてシャワーだけにしてからマッサージを受けてもらうとのことできましたが・・・? 頭を置く部分と、その少し下に何かの隙間・・・あー・・・胸を潰さずに乗せる場所ですか。

 

 

 ケイジさん、ナギコさん、ヒメさん。大きいですものね。

 

 

 「はふ・・・はぁー今日も疲れました」

 

 

 「いんやー気持ちよかった」

 

 

 あ、キタちゃんも。二人ともマッサージ台に座ったところで扉が開く。

 

 

 「どうも皆さんご無沙汰しています。悶絶ウマ娘。専属調教師のタクヤと申します」

 

 

 「よーししっかり汗流したな。ならほれ、脱いで。スポブラとバスパンは脱いだらお仕置だからなぁ?」

 

 

 そこには相変わらずのガチムチ肉体のタクヤさんとヒゲクマさんがやってきた。バキバキと指を鳴らして威圧感ある二人に言われるままにスポブラとバスパンになって台でうつぶせになる。

 

 

 「どーれ・・・んー・・・ダイヤちゃんガッチガチだなあ。まったく。知らぬ間にため込んでいたのをドバーっと出してやらにゃ」

 

 

 「あだだだだだぁあああ!!? いっだ! あぁああああ!?」

 

 

 「んーやりがいがあるぜー? キタちゃんは相変わらず定期的に柔軟しているからか、いい感じだ」

 

 

 「ンッ・・・くっ、ふ! でも、やっぱりタクヤさんの整体術は効きます・・! 久しぶりですよぉ・・・あだだっ!」

 

 

 身体を思いきり曲げたり、ツボを押しながら始まる二人の整体術。ツボ押しとか、整体術は身体の不調とか、疲労とかが痛みに出るというけど、これは・・・あばばばっ!!?

 

 

 「おいおいこれは相当だなあ。指二本押し込んだだけでヒイヒイ言うほどってダイヤちゃん。もっと力抜いて~そうそう。いいねえ~」

 

 

 「あ・・・あづづっ! あー・・・アー!? あ、気持ち・・・ほふ・・・ぉ・・ぉおお・・・あー・・・ほぐれ・・・て・・・はにゃぁ・・・」

 

 

 「よーしそれなら、今度は足ツボと行くかあ。蹴るんじゃねえぞダイヤちゃん。ゴリゴリ行くからよー」

 

 

 心地よい感触とマッサージに疲れが溶けていく感触を味わい、天国かと思っていた束の間、今度は足つぼマッサージが始まりまたもや激痛に思わず声が出ないほど。

 

 

 「っっっっ!!!? !!!」

 

 

 「だ、ダイヤちゃんファイト―! またもう少ししたら気持ちよくなっていくからー!」

 

 

 「あ、タクヤさーん。持ってきました」

 

 

 「おーありがとう真由美ちゃん。よーしじゃあケイジもするかあー」

 

 

 「おう。頼むわ」

 

 

 キタちゃんの方はある程度の刺激とツボ押しでいいのか、タクヤさんから軽く肩もみや足ツボを軽く刺激してもらいつつエールをもらっていたら真由美さんも入ってきて大量の針の入った箱を置いて広げる。針灸までしてくれるようでケイジさんを見ると

 

 

 「すでにハリネズミだー!!?」

 

 

 「あー効くわぁ・・・腕を上げたねえタクヤさん。もう、気持ちよくて気持ちよくて溶けちゃいそうだよ~」

 

 

 言っている間にドロドロに溶けて霧になったと思えば復活していくケイジさん。いや、どんなマジックを見せているんですか!? しかもその霧が針を奇麗に抜いてアルコールの入った容器に入っていきますし。

 

 

 「ありがとナス。ということで今度は背中にいくぞー。キタちゃんもやるからもう一度うつぶせで転がって。真由美ちゃん頼むわ。俺とケイジは軽めにあげて料理の仕上げしてくる」

 

 

 「了解です。じゃーキタちゃん、力抜いてねー」

 

 

 「あたしは疲労少ないし、一部をさくっと刺してくれタクヤさん。あと今晩の酒のつまみ何がいいよ?」

 

 

 「あだだだ! あー・・・きもち・・・いだっだだ!!」

 

 

 この後、天国と地獄を交互に味わう時間を実に1時間。その後のお風呂では思わず寝ちゃいそうになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「んふぐ・・・・・トイレトイレ・・・」

 

 

 最高においしい晩御飯を皆さんと一緒にして、整体、針灸後は身体の毒を出すために水をたくさん飲むようにと言われていたので飲んだのですが、どうにも飲み過ぎたようです。夜中にトイレで起きてしまうのは何時振りなんだろうかと思いつつまだ間取りと灯りのスイッチがはっきり覚えていないのでふらつきつつトイレに。

 

 

 「んふー・・・ね・・・ねむぅい」

 

 

 ただ瞼が重い。疲労抜きと美味しいごはん。ケアも十二分で人材もばっちりいる分、眠りもかなり深いのかも。トイレで起きたけど、これなら大丈夫そ・・・

 

 

 「ダイヤちゃーん?」

 

 

 「ピゥッ!!?」

 

 

 目の前に来た黒いウェーブのかかった長髪と黒いぐるぐるの瞳と白い肌の顔が飛び込んできて思わず飛びのきつつ変な悲鳴を上げてしまう。

 

 

 バクバクと心臓がなりながらよく見ると真由美さんが本を片手に私の顔を覗き込んでいました。失礼なんですが、一瞬お化けに見えてしまいます・・・その、普段はあまり気にならないのですが夜だと尚更に風貌がそう見えてしまいまして・・

 

 

 「大丈夫? 眠れないの・・?」

 

 

 「あ、ああいえ。そのトイレで」

 

 

 「ふふふ。水沢山飲んでいるものね。じゃ、おいでー」

 

 

 明かりをつけてくれてそばの椅子に腰かけて本を読んで私を待っていてくれた真由美さん。なんでも、保護者兼チームシリウスの責任者ということでトレーナーたちとケイジさんで計3人もここに寝泊まりして警備と私たちの様子をチェックしてくれているようで。

 

 

 夜中まで真由美さんが起きていたのはついつい本を読みこんでいたけど灯りは自分の部屋のみにしていたそうです。

 

 

 キタちゃんもいて大変ありがたいのですが・・・真面目にチームシリウス。ケイジさん以外も変わった人の多さを改めて感じますよ・・・




 欧州のレース場。調べると水回り悪すぎて大レースが中止とかそういう話も結構あったりして驚きますよねえ。


 ケイジの言う練習は言ってしまえばバイクや車のタイヤのチェンジ、レース形式への対応だと思えばいいと思います。ロード用からオフロード用に変えると思えば。


 ケイジ以外にもヒゲクマ、タクヤ(淫夢) 真由美(ポケモンカロス地方のオカルトマニア)と見た目的にも変な人多いよチームシリウス。でもそいつらを振り回すオルフェやラニ、そしてナギコ。サトノダイヤモンドも不意打ち喰らえば驚くよねえって。


 ヴェニュスパークは次回以降に。

ケイジと一緒に描かれる子は誰がいいですかね

  • キタサンブラック
  • サトノダイヤモンド
  • ヴェニュスパーク
  • ナギコ
  • マエダノキズナ(ヒサトモ)
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