ハジケリスト世代だろ! (完結)   作:零課

19 / 121
 お気に入りが三倍以上の700人越え、評価人数もやべーことに・・・ランキングまで乗って色々おったまげていました。いや、馬娘の名作はたくさんあるのにここまでこの作品が見られて嬉しいやら、高評価をたくさんもらえてうれしいです。


 今回はちょい雑ですが、急ぎで出しちゃいます。



 ケイジの問題行動メモ ライブを乗っ取りライブの曲、衣装完全無視。裏で打合せしていたレースに参加していた全ウマ娘たちと一緒に『天使〇ラブソングを・・・』のアレンジを加えたメドレーリレーを開始。18人全員にスポット、センターをとれるように采配を振りつつケイジ自身はラップ、男性ボイスや難しいパートを担当。


 「ウイニングライブはファンへの感謝! そんで今日はアタシらウマ娘をこの世に送ってくれた三女神ら多くの神様の感謝も一層に乗せた特別回! いつも以上に盛り上がっていこうぜー!!」


 この言葉を皮切りに会場スタッフも観客もノリノリにさせてのっとりライブ開催。レースごとの曲をガン無視&ライブ時間の変更等など問題が起きたが苦情以上に好評が多すぎたために口出しできず。以降ケイジ、シリウスのアンコールやライブの内容の現場変更、アドリブ、ケイジの仕込みは黙殺されるようになった。


青春の幕開け 弥生賞(GⅡ)

 「ほうほう。そんなことがあったんですねえ。ケイジ君。ホンマ規格外やなあ」

 

 

 「いやはや、まさか今の時代にメジロマックイーン、シンボリルドルフ、オグリキャップレベルの過酷ローテーションをやる。しかも馬からの提案なんて今でも夢かと思いますよ」

 

 

 『うーん。リンゴも旬ではないなあ。人参かミカン、あ、ゴーヤーとかほうれん草もいいなあ。今度食べてえ』

 

 

 『んー・・・わたくしとしてはもう少し噛み応えと蜜の出る感じが・・・ああ、それとケイジ。あの走りの技術を教えなさい』

 

 

 『はいよ。もうひとっ走り行きますか』

 

 

 いよいよ迫るトライアルレース弥生賞。……の前に最終調整に来たジェンティルちゃんに俺のコーナリング技術を教えつつ俺は俺でジェンティルちゃんの末脚の技術を盗んでいる最中。

 

 

 藤井の兄ちゃんが来て取材。俺らにもプレゼントとしてリンゴとにんじんをくれたけど、やっぱリンゴの旬は秋頃くらいだね。うーん。そんで塩味も欲しくなる今日この頃。ジャガイモ、ピーマン。大根、ああー・・・おでんが恋しい。ハフハフしつつからしをつけて食べたい。

 

 

 「ま、こっちはちゃんとそちらの声を汲んで記事書きます。で、なんですがやはりケイジ君は大逃げで行くんで?」

 

 

 「そうですね。本人・・・ではなくケイジが好むしあっているのもありますが、あの馬体ですから馬群に飲まれた際に出るのに苦労します。出来る限り前目につけてのスタミナ勝負。これで行きます」

 

 

 「いやはや、まさかの大逃げこそが最適の武器とは、この時代にこの個性派が出てくるのはこっちも筆が乗りますわ。で、ジェンティルちゃんは熱発から回復したとはいえ、疲労は残っているでしょうに大丈夫です?」

 

 

 藤井の兄ちゃんが取材で聞いている通り、ジェンティルドンナ。まあジェンティルちゃんつい先日まで熱発していやがった。シンザン記念は文句なしの快勝だけど、まだ賞金が足りないからチューリップ賞に出るらしいのだがこの調子。俺も今日はペースをごまかしているがそれでも食らいつくのが遅いのだから不調は言わずもがな。

 

 

 「ケイジ君が併せてくれるのでちゃんと程よくできていますし、ぎりぎりまでしっかりと仕上げていきますよ。この子は必ず化けてくれます」

 

 

 「実際あの力強い走り。傍から見ても分かるコーナーと直線での足運びの変化。それがティアラ戦線の中で磨かれて肉体と共にどれほど光るかこっちも記者目線抜きで気になりますからね」

 

 

 そういう訳なのでこっちも調整は軽めにして、馬の習性を活かしての技術を磨くことに。というのも馬というのは群れを形成して、その中で走りを学んで速くなっていく習性をもつ動物。併走をするのも闘争心を養う、馬同士のレースへの慣れもあるが、やはり優れた技術を学んで強くなるための狙いも大きい。

 

 

 熱発が引いたけど不調のジェンティルちゃんに負担少なく次のレースに挑むための武器を搭載しつつ過ごすにはどうすればいいか。そんなこんなで文字通り馬が合っているとみられている上にコーナリング技術に定評があり、息の入れ方を知っている俺ならジェンティルちゃんがカッカしづらい。技も教えてもらえるのでベストな練習相手と白羽の矢が立ちました。

 

 

 俺もいいけどね。あの末脚や勝負根性。学ぶところは多い。今も話を聞きながらパカラパカラ走って戻ってきたでござる。

 

 

 『いいか? こんな感じで重心を低くしつつ、細かく足を刻んで走るのがコーナーを奇麗に、最短距離で走ったり、速度を上げていけるコツ。どう?』

 

 

 『・・・・んー・・・ある程度は分かりましたわ。なるほどこれは持っておくに越したことがない武器ですわ』

 

 

 『そいつは何より。出来る限り疲労を抑えて、しっかり休みつつやるんだぞ』

 

 

 ジェンティルちゃんもなんやかんや天才たちが集う中央競馬のなかでも更なる大天才の一頭だけあってあっという間に俺の技術にピコんと来ているようだ。じっくり俺の後ろから走りを見て、最初は後ろ、次は外側に回って全体を見るようにしただけなのに・・・・・これがディープインパクト産駒最強牝馬候補のトップか。

 

 

 『貴方はお父様の走ったレース。あー・・・弥生賞? に行くのでしたよね?』

 

 

 『そ、ここからもしばらく俺らは男の子、女の子限定のレースを走っていくし、一緒にやるとしたら年末くらいかなあ』

 

 

 『年末ですかあ・・・ま、いいですわ。そこに行くまでに必ずわたくしは最強になる。その際にまたやりましょう、ケイジ』

 

 

 『あいあい。そっちこそ気を付けてなー』

 

 

 練習を終えてすぐに手綱をひかれていやいやしつつも戻っていくジェンティルちゃん。病み上がりが暴れんなよ・・・暴れんなよ。

 

 

 「おっつーケイジ君。調子はどう? 松風騎手も。この前は災難だったようで」

 

 

 おっすおっす藤井の兄ちゃん。指かみ千切ったり、蹴り飛ばすよりはいいだろ? アメリカには人を食おうとした馬もいたんだぜ? 原因は人だけど。

 

 

 とりあえずヘドバンして、舌をペロンと横に出して絶好調アピール。最近の春は冷えるが、俺基礎体温高めだからむしろそれくらいがいいわ。

 

 

 「むにゅあふ」

 

 

 「いやーまさか馬に縛られるとは思いませんでした。ええ、問題ないですよ。藤井さんも連日通ってくれてありがとうございます」

 

 

 「ぶふ! あーシャッター切ればよかった。それは何より。いやーボクは歴史好きからの競馬好きになったもんですから、終わった血統と言われているパーソロン系、しかも皇帝の直系となればもう推さずにはいられませんわ。ディープの血もいいですが、ボクはケイジを応援しますよ」

 

 

 「こちらもですよ。ケイジは最高の馬です。それを譲るつもりはない。それに、ある意味ここからがケイジの本領でしょうしね」

 

 

 ようやく中距離だもんな。2歳限定の重賞も多いけどやっぱ大体2000メートル前後だし。

 

 

 で、まあ俺の2000メートルの戦績は新馬戦とはいえ大差勝ち。松風も俺が短距離だとエンジンかかるのが遅めなのもあってこっちだと言ってくれるんだろうなあ。

 

 

 「そいつは力強く言いますな。そしてそれが嬉しい。クラシックを征するには2000メートル以上走る力が必要ですし。んじゃ、記念に一枚とって、今度あげますわ」

 

 

 よし、変顔チャンスだな! はい、マーガリン。

 

 

 この後、俺の変顔ときりっとした松風のミスマッチな一枚の写真が送られて、うちの陣営爆笑していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『いよいよ始まります生涯一度のレース! そのレースへの資格を手にするトライアルレース弥生賞! 皐月賞を目指し本番と同じく中山の芝2000メートルに集った16頭の優駿たち。分厚い雲が空を覆い寒さがぶり返す中、ここだけは違うぞと熱狂しています』

 

 

 調整を無事に済ませ、寒さがぶり返したけど俺にとっては問題なかったでござるということで三月半ば、来ました弥生賞。皐月賞の優先出走権をかけたトライアルレースの中でもひときわ大きなもので、いってしまえばスーパーGⅡレースといったところか。

 

 

 『それもそのはず。ここにきているのは皇帝の一族最後の希望、ケイジ。今日は勝負のために精神統一でしょうか? フライヴェールで顔を隠されていますね』

 

 

 そんなスーパーGⅡでこれをしやがるかテキのおやっさん!! くそが! マジでなんも見えない!

 

 

 運営がうるさいからってこれをするかこのやろー! みんなに笑顔と笑いを与えていただけだろうがこのやろおお! ぬがー! 身体が熱くなるからスイッチ入りやすいがそれはそれでなんかイヤダー!

 

 

 「これでもダメか・・・ぐはぁっあ! やめろケイジ! 鼻で小突くんじゃない!」

 

 

 「ヒヒン! びふひ!」

 

 

 『ウルへーこのやろ! 馬の嗅覚と耳をなめるな! おやっさんの加齢臭から場所探ってみぞおちどつくこともできるんだぞ!』

 

 

 『と思っていたら、調教師にボディーブローを連打していますケイジ。そして何やらテキの回りをグルグルしようとしたら押さえ込まれています』

 

 

 「ああ・・・ケイジ君が目隠しされて、手綱をつけさせられて本番の場所に歩いていく・・・うへへ・・・スケッチと写真を・・・」

 

 

 おいごら真由美ちゃん! ナニ考えてやがるというか想像してやがる!? どこぞの久保さん・・・じゃねえ! 悶絶調教師を思い出しちゃったじゃねーか! 休暇なのに関係者の場所にいると思えばスケッチのポジション取りのためかよ! 汗のにおいと心音で変な興奮しているのまるわかりだからな!

 

 

 あーもー緊張も興奮も別ベクトルでまいっちゃうよ。何だって俺らのメンツは変人ぞろいなんだ。

 

 

 ん・・・歩いていくと芝についたなあ。それに・・・あー・・・馬になって毎日走りまくって、馬の場合基本立ちっぱがあんまり負担にならないから半自動、ぼーっとしても歩けるし、目の前真っ暗でゆらゆら揺れて・・・・・あー・・・熱の入った体が程よく冷やされるのが心地よくて・・・・

 

 

 すー・・・・・すー・・・・

 

 

 

 『さあ、この名馬もまた黄金の血筋を継ぐもの。フェノーメノ今日も仕上がりは良さそ・・・おや? ケイジ、何やら立ち止まっています』

 

 

 「起きろー! ケイジ寝るなー!」

 

 

 「ヒヒン!?」

 

 

 ・・・・・はっ! やべえやべえ、寝てたわ。あー朝飯の牧草食べなきゃ・・・

 

 

 「待て待て! レース場の芝を食べようとするな! 昔のレース場で花を食べようとした馬じゃあるまいに。ええい、とるぞ!」

 

 

 お? 真っ暗だった視界が明るく。ああ・・・光があふれて・・・晴天じゃなかったね。今日・・・

 

 

 そうだそうだ。俺弥生賞に来ていたんだった。目隠しされていた中ゆらゆら歩いていたんだったなあ。よし、じゃあ軽く顔芸しつつ歩きますか。

 

 

 『ようやく再起動したようですケイジ。今回は実に3か月ぶりのレース。その間に実力と経験を磨いてきたライバルたちにその逃げは通用するのでしょうか。1番人気の期待、そしてあのデビューで見せた走りを見せられるのか』

 

 

 耳の運動~顔の運動~首の運動~はぁーん。いい感じ。

 

 

 移動していたら松風が乗って、より気持ちが戦闘用に切り替わり始める。

 

 

 「ケイジ、もしかして寝ていました?」

 

 

 「・・・うたたねって感じです。今はもう大丈夫でしょうが・・・緊張ってものがこいつといると薄れるよ」

 

 

 「ケイジは胃薬いらずかもですね。毎日ご飯もりもり。今日も大丈夫そうでしたし」

 

 

 馬はストレスやらで大体皆胃薬と友達だものねえ。レースのプレッシャーやストレスで大変な子もいるし、ほんと、繊細な生き物だよ馬は。

 

 

 そんな繊細な生き物になったケイジちゃんなので、今日は疲れを残しすぎないように最初から飛ばすか。

 

 

 「ケイジちゃぁーん! ファイトー!」

 

 

 「アタシたちがここでもテレビの向こうでも応援しているわー!! トライアル勝って、一族連続のクラシック勝利を手にしちゃってぇん!!」

 

 

 「ヒヒーん」

 

 

 ムランルージュのオカマさんも、あ、この前よりは少ないけど、お店の時間でいないのね。今日もちゃんと勝ってお客さんとうまい酒飲めるよう頑張らないと。

 

 

 本場馬入場して、ゲート前になるとちょっとグルグル回りつつ待つ。今回の俺の番号は3番8枠。やや・・・・外寄りの真ん中? 逃げを打つにしては微妙な場所。内か外かの寄っていたほうがやりやすいんだがなあ。

 

 

 「・・・馬場はそれなり。冷えも問題なさそうだし・・・うーん。飲み込まれる前に逃げて、途中息を入れて脚を溜めようか」

 

 

 『了解。一番俺らが嫌なのは馬群に飲まれることだもんな』

 

 

 最初は飛ばして第二コーナーで一度息を入れて、第三コーナー半ばからのギアを最大まで仕掛ける感じかあ。首をポンポンと叩きつつ気合を伝えてくれる松風にコクコクと頷き、オッズを見る。

 

 

 んー・・・3か月ぶりということもあってかオッズは2,9倍の1番人気。とはいえほかのメンバーとあんまり差がないし、良い感じかな?

 

 

 『さあ、ケイジ今回は普通にゲートに入ります』

 

 

 んふぅー・・・・さあ・・・・思いきりやるための気持ちを落ち着ける・・・・ゲートが入る音を聞くたびに気持ちを沈めて沈めて・・・

 

 

 『ただいま全頭ゲートイン完了・・・・スタートしました!』

 

 

 開いた音を聞いたときに爆発させる!! 居合スタートダッシュでイクゾー!!

 

 

 『おおっとケイジ! ゲートが開くとほぼ同時にスーパースタートダッシュを見せる! あっという間にハナを切って先頭に出たぞ!』

 

 

 ここで躓くわけにはいかねえ! おやっさんらが俺の我儘汲んでくれたんだ。手柄の一つ、優勝一つ持ってこなけりゃ男が廃る!! スプリント戦でスピード勝負は覚えたんだ、ついてこられるかー!!?

 

 

 『ケイジ速い! 速い! 先頭はケイジ! 二番手に食らいつくフェノーメノもいますがその差は5馬身! 最後尾まで20馬身にまで伸ばす!!』

 

 

 む。思った以上に食いつくな・・・松風、どうする?

 

 

 「・・・一息入れる。俺が合図を入れるから少し呼吸を整えていこう」

 

 

 『あっという間に1000メートルを通過。タイムは58秒1これは早い! 3歳なりたてのタイムではないぞ!』

 

 

 んーもう少し息を入れなければもっと早かったかもな。でも、おかげでいい感じに余力を残せての第三コーナー。おいおいいいのかいホイホイ俺に経済コースをくれちゃって。

 

 

 俺は息を入れながらでも足を鈍らせずに加速を入れちまう牡なんだぜ?

 

 

 『松風!』

 

 

 「行くぞケイジ!」

 

 

 俺が鼻息を荒くすると同時に松風も読んでくれていたようだ。ぱちんと鞭を軽くたたいて仕掛けろという。

 

 

 こちらも最終コーナーを越えての直線。そこに向けての足の使い方を変えての直線用にシフトチェンジ。もっと早くいくぞ。全然息が切れていねえんだ。万が一も許さん!

 

 

 『ケイジ影すら踏ませない! 最後の直線に入ってまだ伸びる! 逃げて差す! 後続誰も食らいつけない! 漢単騎駆けで目指すは一番槍、一番手柄! まるで足色落ちることがない! 2歳チャンピオンの強さは3か月の時を越えて更に強くなっていた』

 

 

 もらうぞ優先出走権! 賞金! 俺が戦いたいライバルたちが先で待っている舞台への切符は譲らん!! 未来の盾の覇者だろうが今は俺が強い! 悪いがこのまま勝ち逃げじゃぁーい!!

 

 

 『もはや独走! 一人旅のままケイジゴール! 二着に10馬身差をつける大圧勝劇! 最高の形で皐月賞への切符を手にしましたケイジ! こいつの傾奇は、強さは止まるところを知らないのかぁーッ!!』

 

 

 止まるんじゃねえぞ・・・あかん死ぬぅ! ってシャレにならんわ! 一人ツッコミしつつ、息を整えて、あー疲れも抑えきれたな。経済コース走れたし、鍛えた肉体に柔軟性上乗せしたかいがあった。

 

 

  『大逃げで勝ち切りタイムは1分55秒2!! 2000メートルレコードを、ケイジ新馬戦で見せたスーパーレコードをさらに更新! 天馬、大王、天才、黄金の子どもたちの時代の中にかつての日本を席巻した絶対を持つ皇帝の血筋が名乗りを上げました!

 

 

 今年のクラシックに一頭の傾奇者が、若武者が無敗のまま乗り込んできます!! 復権を、そして父の果たせなかった悲願を手にするために更なる戦いに身を投じるケイジ!! 今後が楽しみな一頭です!!』

 

 

 おうおう!! ディープ、キンカメ、タキオン、ステゴの血筋にも負けねえぞ俺は! チャレンジして、どんどん次へと進んで大笑いしてやるんじゃい!!

 

 

 そして皆さんお待たせしました! どうぞお手を拝借したく存じますは

 

 

 「いい走りだったぞケイジ。そして、うん。思いきり叫べ。クラシックに行く名乗りを」

 

 

 『ケイジ、スタンド中央に移動していきます! この馬にはこれがつきもの! 会場の皆さんも右手を構えています』

 

 

 右にぴょーん

 

 

 「「「オウ!!」」」

 

 

 左にぴょーん

 

 

 「「「オウ!!!」」」

 

 

 

 息を吸ってー・・・・・・ハイ!

 

 

 「ビヒヒヒヒィィイッッ~~~~!!!(ィいっよっしゃぁああああああああ!!!!)」

 

 

 「「「っ・・・うぉおぉぉおおおおおおおお!!!! ケイジ! ケイジ!! ケイジ!!」」」

 

 

 『傾奇者の勝鬨が! 中山競馬場の観客一同を動かしてのケイジコールを巻き起こす!! 曇り空、寒ささえも吹き飛ばす熱を出す!! これがケイジだ! 最強と皇帝の血をひく戦士だ!!』

 

 

 さあ、あいつらが待つ大舞台への花道は開けた!! ここからもって面白くなるぜ! お前さんらお財布の用意と、予算の相談をしっかりして来てくれよ! じゃ、バイビ~☆ 緑が燃える季節、そして山が赤々とする季節の時にまた会おう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『時代を超えたTM対決再び』

 

 

 かつて、国営放送も取り上げるほどに競馬を盛り上げ、その戦いに、ドラマに、強さに日本を沸かせた二頭がいた。無敗の二冠。怪我に泣かされ、ライバルたちとしのぎを削りつつも決してくじけずに戦い奇跡の復活、不屈ぶりを見せた皇帝シンボリルドルフの子どもトウカイテイオー。

 

 

 日本初の獲得賞金10億越えホース。最強ステイヤーでありメジロ最高傑作。中距離も強くまさに退屈を生み出しかねない強さであり、誰もが見惚れたターフの名優メジロマックイーン。その二頭がぶつかり合ったレースはたった一度しかなく、当時の日本最強の二頭のライバル対決は意地悪な運命によって一度だけで終わってしまった。

 

 

 親の悲願は子に託すのがブラッドスポーツである競馬。子ども同士のライバル対決の決着をだれもが望んだだろう。しかし二頭の後継馬はなかなか現れず、時代から消えてしまうと思われていた。が、違った。黄金の旅路を歩んだ名馬ステイゴールドの、黄金の血脈によって名優の血は名を変えて現代に蘇った。夢の旅路ドリームジャーニーをはじめとして現在三冠馬であり黄金の暴君オルフェーヴル。そしてメジロマックイーンを彷彿とさせる芦毛の大型馬。名優の、そして黄金の血を運び戦う不沈艦ゴールドシップ。名優の血は孫の世代になり2000年代に入ってなお競馬界を沸かせている。

 

 

 一方トウカイテイオーの子どもたちもGⅠ馬が出たが、多くは気性難ゆえに騙馬となり、走っても牝馬ということもあって次世代の直系種牡馬となれる子が恵まれなかった。このまま彼の後継者は消えてしまうのか。そんな中生まれた最後の子ども。いま日本競馬界のみならずお茶の間も湧かせる人気者となって覇道を目指す傾奇者ケイジ。

 

 

 帝王の子どもが、名優の孫が、今同じ時代、同じ舞台、同じレースでぶつかろうとしている。その最初のレースは皐月賞。最も早い馬が勝つと言われているこのレース。既に2000メートルでレコードをたたき出しているケイジが勝つか、その速度さえもすりつぶして自分のペースにするゴールドシップが勝つか。彼らケイジの頭文字からK ゴールドシップの頭文字からG を取ってKG対決が行われるであろうが、往年の競馬ファンにはそれだけではない。

 

 

 KG対決のもう一つのなかにはTM対決がクラシックで行われた『もしも』があり、そしてそれが始まろうとしている。今年のクラシックは有力馬、才能が殊更多く集っているがこの二頭の勝敗が注目を集めるだろう。競馬界がより盛り上がる未来に◎をつけたい

 

 

 

                                     記者 藤井

 

 

 




 次回は何も挟まなければあのゴルシのレース回。そして久しぶりの再会。


 ハジケリストになったゴルシと、相変わらずのケイジや如何に?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。