この世界のチーム評価 リギル、スピカ、シリウス
リギル チームの原型を作った初代リーダーセントライトから続く厳格ながらも和気あいあいとしたチーム。ルドルフやエアグルーヴ、ナリタブライアンがいることもあってますますチームとしての格は揺らがない最高峰。美貌、強さ、ライブ全てをハイレベルで備えた誰もが憧れ、ウマ娘なら一度は入りたい。メンバーに生で会いたいと思うチーム。
スピカ 初代チームリーダークリフジから続く自由さ、おおらかさと実力派の集う色々とリギルとは対照的な部分のあるチーム。ただしリギルに匹敵すると言われるだけあり個性派でありつつ実力者が多数在籍。沖野トレーナーとスぺちゃんの件は後日クリフジ、ヒサトモ、セントライトからクレームが来た「生涯一度デビューのライブをあえてやらないのではなく指導不足で棒立ちとは何事だと」言われ沖野さん肝がマジで冷えた。
シリウス 初代チームリーダーヒサトモから続き、ひ孫のケイジがチームリーダーを務める実力者が多いのだがそれ以上に問題児が勢ぞろいする。ただライブの技術と引き出しはリギルと比べても頭一つ抜きんでていることや海外遠征を積極的にしていくのも相まって話題の尽きないチーム。ケイジのせいでさらにライブでの盛り上げぶりは世界でも有名。
「そこ! もっと動きにキレをつけなさい。でなければ周りとあわない!」
「はいっ!」
「そう! 決してそこも気を抜かない。ウイニングライブはファンへの感謝。レースだけではなくライブもどの順位であれしっかりこなしてこそ一級と言えよう。焦りすぎてはいけないが、かといって気を抜きすぎるな」
ウイニングライブの踊りというのは勝利したウマ娘の持ち歌やレースごとに課題曲、大きな、GⅠなどを代表する重賞レースともなれば衣装も用意されているほどだ。それでいてやることは多い。1着、センター、それ以外の2着、3着用、そして5着までの子たちは大きく分けて一曲につき最低でも3通りのパターンを覚えなければならず、そのために学業の合間にある体育の授業ではおおよそダンスの授業になる。
出るレースごとに分かれ、指導するのだがそこにはすでに覚えているウマ娘が指導に当たることも珍しくはない。エアグルーヴもその一人であり、むしろシンボリルドルフに並び立つ存在であるために、自身の高い自負と目標、プライドとそれに見合った実力がある彼女は進んで指導をこなし、結果ウマ娘たちからは厳しいが優しく、大変頼りになる副会長と慕われているほど。
今もこうして厳しくもダンスで自分たちがより見事で美しいダンスを踊れるように自分の練習時間を割いてくれているのだ。それがどれほどありがたいか。
「ふぅ・・・で、だ・・・テイオー! ケイジ!! お前たちも手伝え! 課題曲も何もかもできているだろう!?」
「「えーめんどい」」
そして、ダンスに関しても一級品。レースにおいても誰もを魅了するケイジとトウカイテイオー。この二人も学年を問わずに誰もに教えられる技術とセンス、経験があるのだが、揃ってどうやって持ち込んでいたかモンハンを協力プレイで二人が躍るのではなく二人のプレイするハンターが剣舞を踊る始末。
「めんどいではない! ではどうしてここにいるのだ!?」
「カイチョーとケイジがいたから? あ、ケイジ。次のクエストこのモンスターにしようよ」
「あ、いいぜ。そんじゃあアタシがボウガンで行くか」
「ほうほう・・・どういうモンスターなのだ?」
「会長! 貴女も見学しないでください!!?」
そこに混ざるのは偶さか見学に来ていたシンボリルドルフ。シリウスリーダー、リギルリーダー、そしてスピカ主力がこの有様。学園内、日本内でも屈指の怪物たちがこの有様。ケイジに至っては無敗のマツクニローテ達成、2400ワールドレコード達成に世界すら注目するというのにこれだ。
更には今回の授業、ひいてはエアグルーヴのいるダンスの練習組はリギルの女帝のみならずテイオーステップでおなじみ踊りもレースも軽やかで美しいテイオーのダンス、あらゆる踊りやアドリブで場を盛り上げるケイジがいるというのもあってきているというのにこれでは意味がない。
美しい顔だがしかめて眉間にしわを寄せればその怖さも相まって練習していた周りのウマ娘に怖がられて思わず後ずさりすると言えばわかりやすいか。
「はぁー・・・しょうがねえ。テイオー、やろうぜ。最初に振り付け通り、その後に・・・あー確か恋愛の歌だし、アタシが男性のダンス、テイオーは女性のやつな?」
「りょーかい。しっかりリードしてよねケーイジー♪」
「了解しましたお嬢様。テイオー姫君のリードはしっかり握って見せましょう。じゃ、ミュージックスタート」
しぶしぶと言った感じで始まる二人のダンスは先ほどまでのおふざけから一転。ダンスのキレ、衣装の趣向、デザインを活かした動きが一層振付を映えさせ、何よりふざける際は七色の男性ボイスを放つが素の声はクールな印象を持つケイジのハスキーボイス。明るくはつらつ、元気印なテイオーの声色が混ざり合い見事なハーモニーを放つそれはルドルフもエアグルーヴも感嘆の息を漏らす。
その次に放つ歌詞を意識した二人の踊りは課題曲をより盛り上げていき、生き生きと、社交ダンスのような部分も組み込んだ美しい舞は長身恵体のケイジと小柄でスレンダーのテイオーの対比もあってこれまたアレンジ前の振り付けに負けないほどに引き寄せるものを見せつけていく。
「っとまあ、こんなもんでしょ。このスカートのひらひら、あえて深くしているからおどる際に腰の回転を意識して広げていけば花が舞うように、花開くように舞うし、そこを使えばより映えるだろ。ブーツに関してもあえてひらひらしているのは振り付けでももっと動いて花弁のように舞い踊る。桜のイメージかもなあ」
「だねー足腰は細かく動かして華やかさを。逆に上着は袖が長くない分しわとか気にしないでいいから伸ばし、止め、はねを意識するよりもポーズの角度で衣装のデザインの見せつけ、あと、ライトの角度でスパンコールの輝きが違うからそこを意識すればより映えるんじゃない?」
「う、む・・・はあ・・・何でアレンジもうまくできるんだ・・・そして、みんな。参考になっただろう?」
そして終われば衣装のデザインから来る狙いも読み切って教えていくケイジとテイオー。ケイジはしっかりと一緒にパートごとに教え、訂正も懇切丁寧に教え、ほめて伸ばす。テイオーはいわゆる塩対応だが角度まで計算された、ステップによる音まで考えたダンステクは誰も非を言えず素直に聞いていくほかない。
これにはルドルフも苦笑い、エアグルーヴはもうやれやれと思いながら言うほかなく、ほかの生徒らもそうですねというほかない。
「そりゃあ、アタシらまず基礎を覚えてからのアレンジに行くからなあ。守破離っていうだろ?」
「そうそう。いくらボクでもしっかり練習していないと駄目だからねー飲み込み早いと思うけど」
「う、うむ。しかしケイジから守破離という言葉が出るとは・・・いや、ヒサトモさんの教育もあってか?」
「ははっははは。基礎はあってこそだよ。出なきゃ次へ行けないしイケても、すぐ止まる。でーもー? 出来ちゃえばこんな風に・・・・・・あ」
面白そうにコロコロ笑うケイジが自分の頭をポンとたたけばその頭はポロリとマネキンのように落ちて地面にごとりと落ちる。
「「「「キャァアアァアアッ!?」」」」
「あーらーやーだー! ケイジちゃんったら頭落としちゃったあ。汚れちゃったし、古いから入れ替わりの季節ねん。はーいそういうわけで新しい顔をはいドーン!」
「な、なななななな・・・・は、あ、ええ!? ケイジ!? い、いったいどうやって・・・」
「何言っているのよぅエアちゃーん。これくらい、お茶の子さいさい。マジの魔法使いであるファンタジスタケイジちゃんにはできちゃうのよーねえテイオー?」
「そうそう・・・ってそんなわけないでしょ!? なんで落とした首の方がしゃべってポンと首が生えているのさケイジ!! ワケワカンナイヨー!!?」
そのせいで学園中に響く悲鳴が轟くがケイジの身体は気にせずに頭のあった場所から首の方へ手を突っ込んでポンと顔を出し、そして転がっている頭から言葉が出ているのでテイオーも訳が分からないよと悲鳴じみた声をあげる。
「ンモーこれくらいマジックと声の技術の応用よん。声は腹話術。首はチョチョイとね? ほーら二つに増えた、三つに増えちゃったー♪ ならそのままお手玉お手玉♪」
その生首の切断面がプラスチックなのを見せて玩具であることを見せたと思えばそのおもちゃの生首を増やし、全員が全員しゃべりながらケイジ本人がお手玉し、最後に一つにまとめてから手の中で押しつぶし、最後に手を広げれば大量の花束に変えてしまう。
「おっとっと。授業終わりのプレゼントに癒しのアロマ漂う花束でございまーす。ああ。ちなみにこの花束、何と全部飴とラムネ細工。ほらほら。みんな食べてってね」
「はぁ・・・心臓に悪いぞケイジ・・・しかし見事な造形。私も一つ・・・会長? どうしたのです? ケイジのプレゼントですしぜひ・・・」
「ん? カイチョー? ・・・・き、気絶している!!? カイチョー!! 起きて、ケイジ無事だから! 大丈夫だから!!」
「け、けい・・・ケイジ・・・は!? あ、ああ。無事なのか・・・・いつ見てもとんでもない手品だな。スイープトウショウやフジキセキが習いに行くのも分かる。それと私も貰うよ。ああ・・・ふふ。青いバラもいいし、赤もいいな」
「両方あげるよー。今日の授業もこれで終わりだし、テイオーいこーぜー」
ショッキングな映像からの魔法のようなマジックを見せて自身の生首マネキンをラムネと飴の造花に変えて出して振る舞うケイジ。しっちゃかめっちゃかな光景からの美しい色とりどりの花に生徒たちは歓喜の声を上げ、エアグルーヴも花好き。その造花の出来の良さと香りにほほを緩める。
しかし目の前のこの衝撃はケイジにゲロ甘なルドルフにはショックが多すぎたらしく立って目を開いたまま気絶。テイオーによって起こされてようやく首があることにいつもの手品と安堵をしてからほかの生徒に混じって花のお菓子をもらう。ケイジの背丈も相まって大人から子供がお菓子に群がるような様子を見せつつ、一通り配り終えるとテイオーにも造花のお菓子を渡しつつほほ笑む。
「ん? りょーかい。今日はカラオケと野外でのダンスの練習の助っ人。よろしくねー。ボクはスぺちゃんとウオッカの指導にかかり切るかもだし―」
「はいよーしかし、スピカのトレーナーは大丈夫なのか? ルドルフ会長やエアグルーヴ副会長レベルの経験者ならまだしもお前さんに頼むって・・・生徒にダンスの指導を頼むなよ。しかも中央トレセンの名門チームの一角の」
「ケイジ。ブーメランブーメラン。ケイジこそいろいろ教えているしアドリブのネタ教えていないでしょ?」
「ん? わはは! ちげえねえや。よっしゃ。まだ時間はあるし、ちょい買い物に付き合ってくれや」
「いいよーじゃ、カイチョー、副会長。まったねー」
二人とも笑顔で手を振って野外ライブ練習場を出ていくのをルドルフとエアグルーヴは手を振って見送り、内心ルドルフは『混ざりたかったなあ。でも、生徒会の仕事もあるし・・・今日は練習もオフ。気をつけなければ』と自制しつつも羨ましがっていたり。
「んっしょ・・・ふぃー・・・大量に買ったねえ。ケイジー」
「ははは。テイオーの好物の蜂蜜レモン? が安く売っている店がアタシの行きたかった店でよかったぜ。ポイントもたまったしなあ」
ダンスの授業も終わってさっさとホームルームも終わらせてのカラオケに行きつつの買い物を済ませている道中。トウカイテイオー・・・俺のおやじがまさかこうなるとはなあ。いや、ウマ娘は覚えていたけど改めてみるとほんと不思議だわあ。
背丈差は実に60センチ。いやまあ、ゴルシとさえも背丈差40センチくらいあるけどさ。
そんでまあ、テイオーはアタシを慕ってくれている。仲もいいし、マツクニローテをクリアしての菊花賞挑戦。無敗の四冠。ルナねえですらこなせなかった偉業に王手をかけて皇帝を超えるかもしれないことを喜び、同じくらいに負けないと豪語する。
一緒に遊ぶし生徒会にたむろしてその場でステーキを焼いたり、TRPG会場にしたり、生徒会への差し入れで届いたジュースをルナねえから分けてもらったのでアニメ鑑賞会をしたりとまあ好きにさせてもらいつつ遊ぶ。で、今回はテイオーのチームスピカのダンス指導。
あのウマ娘の有望株の生足見ればすぐお触りセクハラしていく沖野トレーナー、スペシャルウィークのデビューをチームに入れて一週間でレースに出す。ライブの踊りを教えるのを忘れたという前代未聞の事態を巻き起こしたことでうちのひいばあちゃん。ひいては前田家、メジロ家からも苦言をもらった。オグリキャップですらデビューのライブでは盆踊り披露しているってのに。
アタシから見てもまあ。実力、才能を見込んで早く経験を積ませる意味でデビューさせるのは分かる。ただなあ・・・ウマ娘のレースに燃え上がり、最後にライブで盛り上がって完全燃焼を楽しむためにレース場にお客さんは来ている。盛り上げてなんぼ。燃えて萌えての笑いと興奮あってこそ。アスリートとアイドル二つの側面を持つウマ娘のトレーナーになるというのはその子たちの両側面を育てることを背負うってのに、それを生徒に任せるのはねえ。
こっちはやりたいから自分から引き出し増やすし、みんなで楽しみたいからトークショーとかネタを作るが、せめて最低限は教えなさいや・・・
「ふふ。奢ってくれてありがとね? このロイヤルゼリー味。出たばかりで楽しみだったんだ♪」
「なあに駄賃よ駄賃。それに、アタシも買い物できたし」
「うーん。その買い物はいいけどさケイジ。・・・・・・・何でローション? しかも業務用をかなりの数・・・・」
で、今日はライブのダンス以外に色々マジック、ダンス、トークショー、コント、あれこれやっているシリウスのメンバーから指導をと依頼が来たのでゴルシを動かせるのでアタシとなったわけだ。
まあ、ついでにアタシの用事のためにあれこれ買ったがな♪
「いやな? エルコンドルパサーとタイキシャトルからぬるぬる相撲が日本の国技相撲の一つと言われてぜひアタシらでやろうって話になってなあ? 面白かったからやろうぜということでその用意」
「それ微妙に違うよね!? 日本の国技じゃなくて某クイズ番組の恒例イベントだよね!?」
「安心しろ。しっかりとケイジちゃん特製の激にがセンブリ茶も用意するつもりだ。リアクション芸もできるぞ」
「ますますもって相撲じゃないじゃん! でもセンブリ茶は面白そう。ゴールドシップとかに飲ませてみる? にシシ」
「わかってんじゃん。ゴルシにはあとでこっそ・・・火事か?」
今度リギルと練習の際に一つ面白く盛り上げて、ついでにカレンチャンでも呼んでから一連の流れを動画にあげてもらおうかなーと思っていたら煙と臭い・・・これはやべえなと本能が告げる。
「テイオー急ぐぞ、それと、119番を頼む。アタシのスマホのGPSとマップ連動させて。住所と周辺の目立つ施設がわかる」
「え? あ、わ、分かった!」
スマホの地図とGPSで自分らの現在位置周辺を映し出しつつ急いで煙の元へと走っていく。そこは商業施設と住宅街の境目くらいの場所。そこにいけばまあー見事にそこそこ大きな、ちょい裕福くらいの3階建ての家の1階が燃えていやがった・・・うわぁ・・・これ、漏電ってレベルじゃねえな。放火か、それとも油による事故から本棚にでも火がついたか・・・
ちっ、周りはSNSにあげるかパニくっている、野次馬ばかりじゃねえの・・・
「えーと・・・お、流石ここの自治体だ前に町長が言っていただけあるな。おいどけ! っし・・・ベルを鳴らして・・・! テイオー! この消火栓で水を出すからお前水をかけておいてくれ!」
「ケイジは!?」
「せき込んでいる声と気配を感じる。ちょいと救ってくるぜ! テイオー水くれ!」
荷物を卸してから水を吐き出してくれている消火栓に身を突っ込む。
「あばげぶぐぼぼぼぼぼぼぼ!!? ぶはっ! っしゃ!」
「け、ケイジ!? 危険すぎない!? それに大事なレースがあるのに無理は・・・」
「こういう時にアタシらウマ娘が動かなくてどうするってんだ! 行ってくるぜ。心配すんな。アタシはレンジャー、軍や警察、消防の訓練も受けている」
「っ・・・分かった! 無事に戻ってきてよ!」
持っていた大きめのハンカチをマスクにしてすぐさま火事の中に身を突っ込む。周りもギャーギャー言っている暇があるならご近所から消火器の一つ、庭先のホースでも借りてテイオーの手伝いしろってんだ!!
幸いなのか恐らく火の出どころが台所の近くだったので玄関が入れそうなので蹴り壊してすぐに入り込む。うぐぇっほ・・・! くそ、こういう時に背丈の高さが恨めしい。
炎の中でも聞こえる息遣い・・・逃げようとしたか、それとも誰かをさが・・・お、みっけた。ウマ娘の30代後半の女性。よいしょ・・・・っと・・・頭と肩に打撲。煙を一気に吸ってふらついたところに強かに頭をぶつけた感じだな。度合いから見ても軽度の打撲。早く突っ伏したせいで煙はさほど吸っているような感じはなし。
むしろ、炎の熱での熱射病に近い症状が出そうなのがやべえ・・・・咳の声? 二階か!
「ぬへあっ・・・・!! ぐへ・・・テイオー、ここにこの奥さん置いておくぞ!」
「ま、まだいるの!?」
「声からして子供。二名だな・・・テイオー、今すぐそこでスポドリとお茶、水をしこたま買ってきてくれ、大急ぎだ」
気絶している奥さん? らしき女性の肩をゆすりつつ小銭入れを渡し、再度身体を濡らして準備をする。
「ど、どうして?」
「炎の熱から来る熱射病に近い症状と有害な煙、熱で喉をやられているかもしれん。時間が惜しいから後で話すわ! じゃ!」
そういうわけでもう一丁炎の中にいざ鎌倉。そんで急いで二階に上がればいましたいました子供が・・・どっちもウマ娘かよ!? ま、人だろうがウマ娘だろうが代わりねえや。
「よいしょ・・・そーら・・・もう大丈夫だぞ・・・っとお!」
おんぶとお姫様抱っこで抱えてそこからは窓から飛び降りての着地。ふぃー・・・よし、手当開始だ。
「よし・・・ケイジ! 用意出来ているよ!」
「よしよし。じゃペットボトルを手足、脇に握る、挟ませてから水をぶっかけて熱を取って・・・あーガスと熱で身体がびっくりして気道ふさがってんな。無理やりだがうがいさせてガスの有害成分を洗い出しつつ冷まして呼吸して大丈夫なようにするぞ。テイオー、気道の確保は私がやるから手足に冷えたボトルなり缶を握らせてくれ」
「りょーかい! あ、消火栓はビニール袋とか僕のハンカチで標識とかと固定して水を常に炎にかけられるようにしているから」
「ナイスだ。あ、よいしょ。この子はまだ症状が軽いな。ほれほれ。起きているかー?」
やれやれ。火事では煙、ガスの方が危険だというがほんとだぜ。しっかし・・・音やにおいに敏感なウマ娘でもこうなるとはよほど火の回りが強かったし、心肺機能が高い分思いきりガス吸い込んじゃったんだろうなあ。
「う・・・ぁ・・・・あれ・・・あ、あの子は!!?」
「おおー起きたか奥さん。安心しな。そこの二人だろ? 素人診断だが息はしているしやけどもしていない。消防も呼んでいるからすぐ来るだろうし、ドリンクでうがいしてから飲んでリラックスしてなって。ほれ来た」
センブリ茶とブレンド用のお茶パックを入れている袋をうちわ代わりにぱたぱたして子供らを仰いでいると奥さんが目を覚ましたので額にドリンクを当てながら微笑む。そんで、早めに連絡したとはいえもう来たか。
「よ、よかった・・・ありがとうございます!! 何と礼を言えばいいか・・・」
「礼は貰うがそこのテイオーにも頼むぜ。ドリンクやら消火栓で消火活動をしてくれた勲功者だ」
「ふぇ・・・」
「おお。ハッピーかい? なんてな。生きていてよかった。儲けもんだぜ」
「あ、消防士さん。この人たちガスを吸っていたりで病院に、はい。はい。ケイジが助けてくれて・・・」
ぞろぞろと来てくれた流石はプロ。過酷な場所に身を投じる人らだ。あっという間に状況を理解しながら動いていく。顔色も落ち着いてきた妹かな? の子どもを担架に乗せて、奥さんも救急車に肩を貸して乗せて、一緒に目を覚ましてもふらつく姉らしきウマ娘ら全員に未開封のスポドリを渡しておく。
「奥さんの方が軽度のやけど。そして打撲あり。子供らは火傷はないけどガスを大量に吸い込んだ恐れあり。精密検査と呼吸内科の方も呼んだ方がいいかもしれん。お願いしやす」
「分かりました・・・ありがとうございますケイジさん」
「あ、ありがとう・・・ケイジ、さん」
「おうよ♪ 火事は大変だったが生きていて何よりだぜ! 奥さんも職が必要ならうちに来な。バイトならうちのホテルで幾つかあるから紹介してやんよ」
一通り乗り込ませて用意を済ませていると姉の方が体を起こして頭を下げた。おいおい。ふらつきながらだってのに無理をしなさんな。
「ありがとうございます」
「いやいや。『笑顔』を見せてくれよ♪ それがアタシへのお返しってことで」
「え・・・えへへ」
最後に笑顔をもらってから救急車を見送ってから荷物をまとめて・・・と
「いやーありがとよテイオー。おかげで助かったぜ」
「いいのいいの。人助けもいいものだしーじゃ、カラオケいこっか」
「おー!」
拳を合わせてから消防士に頭を下げてさっさとその場を移動。煙のせいですすだらけになったのでアフロのかつらを用意してドリフ爆発ごっこしたりカラオケやダンス指導していたら警察と消防士がきてアタシとテイオーに事情聴取を頼んだので病院で検査して、警察署で事情聴取されてSNSに流れた映像やあの親子の話、残っていた野次馬の話から感謝状をもらうことに。ありがたいが、今日はダンスの気分だったなあー
ケイジのエピソードはアプリであるとしたらこち亀の人情話とゴルシとボーボボなノリが織り交ぜている感じですねえ。そして生首お手玉はジーニーのあの曲のワンシーンがモデル。
ケイジ 火事から親子三人を救出。後日感謝状をもらった。その後にぬるぬる相撲をしてからの5戦目でゴルシに負けて特製センブリ茶を飲んでリアクション芸を披露。何でかゴルシも間違えて飲んで二人そろって変顔を披露。
トウカイテイオー ケイジの事は大好き。同時にルドルフを追っている自分以上に厳しい目標を目指すケイジを尊敬しつつ、羨ましい、思いつくのがすごいとも思っている。マジックやダンス、ネタの引き出しが多いのでことあるごとに生徒会に一緒に連れ込んでは遊んでいる。
シンボリルドルフ ケイジのマジックに心底度肝を抜かれた。この後生徒会の仕事の傍らケイジからもらった飴細工とラムネ菓子をつまんでは楽しみ、夜のニュースで火事の中に身を突っ込んでいったケイジと消火活動をしているトウカイテイオーのニュースにぶっ倒れそうになる。実はプライベートではケイジに「ルナ」と呼んでほしいと頼み「ルナ姉」と呼ばれるように。
エアグルーヴ 大原部長枠。ある意味問題児二人が頼りになるのも事実なのでなんやかんや課題曲のダンス、練習に関しては呼ぶ。何でかアフロ姿で表彰される、頭を下げた際にカツラがこぼれていつものポニテに戻るケイジの映像を見て吹き出してしまった。
次回は菊花賞。がんばります。