ハジケリスト世代だろ! (完結)   作:零課

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 Q:何でこの作品はオカマが多いの?

 A:実際の競馬でも騙馬がいるしレースでも会う機会が多いじゃろ?


 ここからがようやく本番になっていく2012年クラシック世代。早速史上初が


人気者で行こうぜ! 有馬記念(GⅠ)

 『さあ、年末の中山競馬場。有馬記念、本場馬入場となります。今年はとにかく怪物たちがクラシックにひしめき、そしてその代表の一頭ジェンティルドンナが先の三冠馬オルフェーヴル、凱旋門賞馬ソイミレニアムらを下しジャパンカップを制覇。史上初の三冠牝馬による牡馬混合GⅠを制覇。今年生まれた三冠馬の実力をさっそく見せつけました』

 

 

 やってきたぜ年末の大レース有馬記念。芝2500メートルの大一番であり多くのドラマ、激闘を生み出してきた由緒正しい。名レースだ。

 

 

 『今年のクラシック世代は違う。そう見せつけるレースの後にやってくるのは今年の牡馬三冠を征した怪物が二頭やってきます! 22年ぶりオグリキャップ以来の葦毛の有馬記念制覇となるかゴールドシップ! 親子三代有馬記念制覇となるかケイジ!』

 

 

 いやーしかし、まーた貴婦人タックルかましてからの競り合いしての勝負とかほんとあの子の勝負根性と負けん気の強さは相変わらずだわ。そういえば、近いうちに併せをするかもって聞いているけどいいのかね。あの強さを強くするのは俺はいいけども。

 

 『さあ17番ケイジが入ってきました。体重は前回と増減なしの653キロ。この前の菊花賞のような追い込みを見せるのかそれとももう一つの大逃げを見せるか。松風騎手の采配が試されます』

 

 

 どうも皆さんおはこんばんちは。ケイジでぇございます。みんなちゃんと元気でいたかーい?

 

 

 『いやーここではダービー馬エイシンフラッシュもいますし、どうなることか。ゴールドシップとも前回の菊花賞は同着。ファンの皆さんは何方に賭けるべきかで割れているようですねえ。オッズがそれを物語っていますよ』

 

 

 「ああー実際どうなるか分からないからな・・・ダービーと比較しても100メートルの距離がある。仕上がってきたゴールドシップが今回はどうなるか」

 

 

 『だなあ。真面目にアイツの仕上がりもまたやばいし、今回は放牧をした分元気もりもりだろ。俺は大外だけど・・・うーん?』

 

 

 多分古馬になってどうなるかっていうのがあるんだろうなあ。オッズ3,1倍かあ。ゴルシと俺のダービーを考慮してかゴルシが3,3倍の二番人気なのがやっぱお客さんらも分かっているんだな。俺とゴルシの今の実力の差があんまりないの。

 

 

 今回は外枠気味だし、最初はコーナーでハナ奪ってからのって感じで行くか。あ、お久しぶりゴルシ。

 

 

 『今日もルンルンと楽しそうに首を揺らしきょろきょろしながらゴルシへと移動。今日も変顔を見せるのか?』

 

 

 『お久しぶりケイジー元気してたぁ?』

 

 

 『とってもお元気。今日は変顔の代わりにあれをみろ』

 

 

 ゴルシもちょい肉をつけて元気そうだったのでまずは笑顔でご挨拶。からの顔を振って観客席に向けさせる。

 

 

 「ケイジちゃーん!! ゴルシちゃーん! ファイトォーー!!」

 

 

 「最強なのは古馬を含めても貴方たちが候補よぉ!!」

 

 

 「「ケ・イ・ジ!! ケ・イ・ジ!! ゴ・ル・シ!! ゴ・ル・シ!!」」

 

 

 そこにはどこで仕入れたか知らんが学ランとセーラー服をつけたムランルージュのオカマたちが俺とゴルシを応援してド紫色の声援を飛ばす。いやほんとこの人らの声いい声しているなあ。ぶふぅ! そして吹く。

 

 

 『ぶわははははははは!! あははは!!? なんだあれ!? あれお前の応援団かよ!? ぶふぅ!!』

 

 

 『おおっとゴールドシップ。本場馬入場前に何やら観客席を見て笑っております。何があったのでしょうか』

 

 

 『うけるだろー? いい人だし、茄子のおっちゃんよりはお前も気に入ると思うぜー』

 

 

 『おおーならぜひ今度来てもらうわ。お前に勝ってからな?』

 

 

 『ははは。もう毎度のやり取りだが、ああ。勝つのは俺だよ。そんじゃ、ゲートはいりますかぁー』

 

 

 ファンファーレを聞きつつのんびりとゲート入り。俺の方は15番枠だなあ。あの追い込みを考慮されてなのか、初めての古馬混合GⅠレースと長い休養もあってなお馬体重の増加がないゆえに不調とみられているのか。まあ外枠内枠どちらでも使えるカードはあるけど。

 

 

 「ケイジ。個人的にだが、僕は今回のレースは大逃げで行ってへばらせる作戦をしたい。この世代の子たちはケイジレベルの大逃げの経験がないし、騎手は対処できても馬が対処できるかは難しい」

 

 

 『ほうほう』

 

 

 「それにこの競馬場は最後の直線が短いからエイシンフラッシュとかルーラーシップもそうだがお前の仕掛けを潰したうえで直線での仕掛けをみなやるだろう。それよりは大逃げで行きたいんだ」

 

 

 『あー9歳とか2年連続で有馬に挑んでいるやつとか普通にいるしなあ。それに俺と同じダービー馬エイシンフラッシュ。あれが面倒だし、引きずり回してゴルシの壁を用意しつつ行くプランで行くかあ』

 

 

 だなあ。良くも悪くも俺の今までの経験は言ってしまえば全員が初体験同士のメンバー同士での殴り合い。馬の方も得意なレース場ならと俺の動きを騎手が封じて、馬の方が好走をして俺らの経験ではない手段を持ってくるのが怖いし、むしろそれらの作戦を練るボードごとひっくり返しますか。

 

 

 『さあ全頭がゲートに入りまして・・・スタートしました! ああっと!!? ルーラーシップ大きく立ち上がって大出遅れ! 一方で17番ケイジ今日は大逃げか! 9番ルーラーシップも遅れを取り戻そうとして走り、その前に13番ゴールドシップが後ろから先団を伺います』

 

 

 「むひふっ!? ぶふ・・ふぅー・・・・・ヒン!」

 

 

 『ぶふはっ!? あーもー生で見ると笑えるぞ!? 女帝の子どもがこれをするってほんとコメディアンだなおい!!』

 

 

 「だ、大丈夫かケイジ!?」

 

 

 問題ねえ! これくらいで俺の加速が鈍るってわけねえぜ! よっし先頭取れたし、コーナーに入ってから内に入りーの最内狙うぞ。菊花賞の調教の後と、うちの陣営も今回は大逃げように仕込んでくれたんだ。3200メートル走る分の体力を2500にぶち込んでやるから覚悟しとけよ先輩方にゴルシ。

 

 

 『相変わらずの大逃げ! 射程圏内は1200~2400まで実証済み! 途中何やら笑っていましたが問題なく先頭3馬身。その後ろにハーネストが先行集団の先頭を形成。3番手は14番ピートプラン、外から16番ルージュデンゴン三頭が集団の先頭を走りケイジを追う形に。そのまま第4コーナーをカーブしてホームストレッチに入ります。

 

 

 先頭はケイジ、5馬身までリードを広げつつ最内を取って驀進しております』

 

 

 よーしよし。コーナリングは相変わらず好調。いい感じに先手を取りつつリードを取れたし、このセーフティーを使いつつ少し息いれっか。

 

 

 『さあケイジは先頭。二番手のハーネストは馬群の先を依然譲らず三番手のピートプラン。その横で最内を走りますは1番ローズパラダイス。続いてルージュデンゴン。エイシンフラッシュはやや後ろ目につけ、馬群の後ろに15番ナカヤマサムライ。後ろから追い上げて馬群の後ろに食らいつきますは9番ルーラーシップ。その前に13番ゴールドシップが付ける形です。

 

 

 ケイジ先に1000メートルを通過タイムは58秒2 そのまま第1コーナーに入り第2コーナーへと入ります』

 

 

 うーん。ある程度の速度で入っているとはいえ騎手の方はぐらつかんな。で、馬の方は・・・ある程度俺に合わせた練習もしていたか? 大逃げにビビらんなあ。ま、それはそれとしても消耗は感じられるし作戦は6割がた成功だろ。コーナーで息を入れても加速、勢いが鈍らんように鍛えたコーナリングはこういうところで生きるぜー。

 

 

 で、ほいさと第2コーナー抜けたからここからちょいと脚を使ってー

 

 

 『ケイジさらに大逃げの馬身差を広げて7馬身! 一人旅をしながら気持ちよさそうに走っております。さあここで食らいつこうと先団も加速。4番ハーネスト、16番ルージュデンゴンが叩き合い。その横をすり抜けようとピートプランがうかがいます。最内は変わらず1番ローズパラダイス。ダイワサンサン、スカイルート、エイシンフラッシュ。その後ろにクロカゲ。その後ろの集団にルーラーシップ。更に後ろにオウカンスリー、最後尾にゴールドシップです』

 

 

 ああー大逃げもやっぱいいわぁ。そんでそろそろ第三コーナーに入るか。

 

 

 ふーむ・・・足は問題ないし、松ちゃんが息いれるのを理解して邪魔しなかったおかげで予想以上に元気。うん、やるしかねえな。

 

 

 俺が仕掛けるのを感じてか松ちゃんもすぐさま鞭を入れてのスパート態勢に。よっしゃ! 有馬もいただいて二年連続無敗記録をもらうぞ!! うぉおぉおー!!

 

 

 『さあ17番ケイジここでエンジンをかける! これが傾奇者の大逃げ! 一番槍は、一番乗りは俺のもの! この場所は俺のスペースだ、庭だと言わんばかりの加速を見せて第3コーナーに入ります! おおっと!? いつの間に仕掛けていた13番ゴールドシップ! 最後尾からあっという間に先頭集団に接近! 大外からまくっていく!』

 

 

 まじかー!! こんの、いっつもいっつも手品みたいな追い込み魅せやがってこの大天才が!! 気持ち悪いぐらいにスッと大外につけてのまくりとかやばすぎぃ!!? 負けるかよ! もっと脚を使えるんだ! まだまだ行くぞおらぁ!!

 

 

 『ケイジさらに加速して一人第4コーナーを抜けてホームストレッチは目前! しかしゴールドシップが先団を抜けて猛追! 不沈艦が錨を上げた! エンジン全開! 馬群という名の荒波を抜けて目標を捉える!』

 

 

 こんの・・・! 最後のコーナーで加速と最内は捉えた! リードはゴルシと5馬身ある・・・がこいつはほんとめっちゃくちゃするからな! 松ちゃん! 振り落とされるんじゃねえぞ!!

 

 

 『さあ黄金の不沈艦が迫ってくる! 羅針盤の指す場所はゴール板!! 主砲を向ける先はターフの傾奇者ケイジ! その快速船ぶりで緑の海を渡り、傾奇者の持つセーフティーリードという鎧を主砲で砕いていく! 主砲の射程圏内に捉えられた傾奇者ケイジは逃げ切れるかどうか!!』

 

 

 残り200・・・180・・・! こなくそ!! 二枚腰をもっとぉおおお!!

 

 

 足を速めるがゴルシの野郎、溜めに溜めていた足を爆発させるのと、馬群に飲まれるの読んで前もってよけやがった・・・! 一番の加速を使える直線もここは短いからこその大逃げだが・・・それを追い込みでこうもつぶしてくるかよ!?

 

 

 『ケイジもさらに伸びるがゴールドシップの加速はさらに上をいく! エイシンフラッシュにスカイルートも猛追するが既に4馬身つけられている!! これはもう決まった!』

 

 

 ぐぉおお!! 並んだ!? 並んだだとぉ! やっべ残りもう距離がねえ!! まだまだ、もっと伸びろ俺の脚! もう少し・・・!!

 

 

 『ケイジ粘るもゴールドシップ差し返しての一着ゴーォオォオオール!!! 1着はゴールドシップ!! 最後はこの二頭! 見事に皐月賞、日本ダービーでの借りを返して年末の大舞台の勝利を飾りましたゴールドシップ!! 2着はケイジ! 3着にエイシンフラッシュです!!』

 

 

 くはぁああー!! 負けちまったぁあああ!! ぐぉおおくやじぃい。あともうちょいだったのにぃ。

 

 

 『しかし勝利の差はハナ差。異次元の大逃げとまたもやワープしたような追い込みの勝負。そして見事にオグリキャップ以来の葦毛による有馬記念優勝を果たしましたゴールドシップ!!先のジャパンカップではジェンティルドンナが史上初の牝馬三冠馬による牡馬混合GⅠを勝利! しかも相手は凱旋門賞馬と昨年の三冠馬という歴史的快挙を成し、そして自身はあの葦毛の怪物を思わせるような強さと結果を見せました!!』

 

 

 ああーでも、やべえ、めっちゃこの舞台にいることが嬉しい。歴史的勝利の瞬間に超間近で立ち会えているのがもう感動もんだぜ。あのオグリと並ぶと言われるかあ・・・そいつがライバル。最高だ! 負けた悔しさはあるがそれ以上に楽しいし嬉しい!

 

 

 『クラシックを終えて尚古馬に揉まれるどころか圧倒していく今年のクラシック世代。ターフの傾奇者ケイジもまた敗れはしましたが9勝1敗。無敗の四冠と怪物! これはかつての98世代を超える黄金時代の誕生と言ってもいいでしょう!!』

 

 

 なんのまだまだ、負けたがこれからももっと強くなって伝説を作るんだよ! ま、それはそれとしてゴルシの方にポコポコ。耳ピーンってなっているし、いやほんと喜んでいるなあ。後あんまばてていないのマジ? 俺もちょい疲れているんだけど。

 

 

 『やられたぜゴルシ。今日は完敗だ』

 

 

 『おおぉー♪ おいらの勝ちだもんね。にへへ。ケイジからの勝利で今日は大宴会でゴルシよ』

 

 

 『ああ。おめでとう! 流石俺のライバル。滅茶苦茶燃えたし、悔しかったがそれ以上にお前の勝利もまた嬉しい! またやろうぜ!!』

 

 

 『おう! ケイジとのレースは楽しいからまた次やろう!』

 

 

 今日は俺じゃなくてゴルシが主役だった。そして勝者をたたえてこそのスポーツ。勝負よ。首にポンポンとほおずりをして、にっこりスマイル。

 

 

 「完敗です横峯さん。あの追い上げは目を疑いましたよ」

 

 

 「いやあ、今日はゴルシも最高にテンション乗ってくれたし、観客の皆さんの応援もあると思う。君もあのコーナリングと、すぐに仕掛けて僕らの追い込みをかわそうとしたときは肝が冷えたし、凄かった。また次の時も負けないよ」

 

 

 「こちらこそです。そして、改めて有馬記念優勝おめでとうございます」

 

 

 『何という光景でしょう!! ケイジとゴルシが首でのハグを、松風騎手と横峯騎手が握手を交わして健闘をたたえております。互いにクラシックからやり合った好敵手。だからこそ互いの勝利が嬉しくたたえ合うという。まさしくこれが競馬! 激闘だったからこそ勝者には賞賛を送るスポーツマンシップあふれる行動に中山競馬場は拍手の嵐です!!』

 

 

 うんうん。ゴルシの勝利も見れたし、ジェンティルちゃんも優勝。いい年だったぜ。あ。ちなみにだけど、ゴルシ今回はウイニングランガン拒否してそれがまた笑いを誘ったとさ。




 このレース史実も見どころ多めで愉快なのがまた。後調べ直して9歳馬出ているの!? だとか2年連続3着とかのナイスネイチャ枠がいたりしてほんとなんやかんや面白いメンバーだなあと思いました。


 ケイジ 初敗北。でもゴルシは好きなのでゴルシの勝利を見届け、生で見れたのは改めて感激。しっかりとエールを送った後にウイニングランを拒否する、走るふりからの疾走一本背負いしようとしたゴルシを見て爆笑していた。


 松風 ケイジの初敗北に内心すこしへこんでいる。ただ勝者を称えるのと、ケイジに余計な心配をかけさせないと終始笑顔だった


 ゴルシ 見事勝利をして葦毛の怪物襲名。ただしその後はケイジダンスをやる気分じゃなかったのかそれとウイニングランを拒否。茄子調教師が来たら目が死んだりで百面相ぶりに会場を拍手と歓声の嵐から笑いへと変えていく。


 オカマバーの皆様 ケイジが負けたのはショックだけどライバルのゴルシが勝ってくれたので素直に称えました。この後みんなでお客さんらとどの距離ならケイジとゴルシが上なのかで楽しく語らい、また二日酔いのスタッフが増えた。
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