ハジケリスト世代だろ! (完結)   作:零課

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ゴルシのどんなネタを振っても大概は噛み合っちゃうキャラ性の広さは何なんでしょうかね


ウマ娘エピソード 1 トリックスターと傾奇者

 ウイニングライブ。ウマ娘とファンのレースにおける終着点。レースに参加したウマ娘が応援してくれたファンへの感謝の気持ちを示すライブであり、レースの上位入賞者が入るもの、レースの規模によっては1位の子が行うライブだ。

 

 

 レースももちろん熱いものだし、勝負服に身を包んだウマ娘たちの全身全霊、命を懸けていると言っても過言ではないレースに燃える観客はもちろんだが、やはり応援が熱をあげるのはその後のウイニングライブあってこそ。

 

 

 燃え滾るレースを味わい、推しのウマ娘たちの歌い、踊る姿を見る。これに誰もが熱狂するもので、トゥインクルシリーズの大舞台となればファンの数もライブの規模の大きさもとんでもないもので人気の大きさと動くお金のでかさを物語る。

 

 

 国の一大事業であり、その頂点で戦うウマ娘たちは国でもトップのアスリートであり、アイドル。だからこそシンボリルドルフ会長は『ウイニングライブを疎かにする者は学園の恥』と言い切ってみせる。

 

 

 中央トレセン学園にいる2000名の学生ウマ娘、そこに入れなかったウマ娘たちに、夢破れて学園を去っていったウマ娘たち。彼女らを退け、勝利したものが手にできる夢の舞台。

 

 

 だからこそ大きな怪我や疲労がない限りはライブもしっかりとやらないといけないし、悪評一つ飛ぶだけで場合によってはちょっとのことで億単位の金が飛ぶ。それを知っているからこそ皆ライブの練習とレースの練習どちらも手を抜かず全力で行い、見目麗しいだけではなく美声を誇るウマ娘たちはそれにかまけず日々鍛錬を積む。

 

 

 しかしまあ、そんなウイニングライブにも癖の強い子が多いウマ娘たちの中には良くも悪くもぶっ壊す者がいるもので。今回のライブはまさにそんな感じだった!

 

 

 「「アンコールはコントで決定!! さあいくぞお前らー!!」」

 

 

 華やかなアイドル衣装に袖を通さずスーツに身を包み、サングラスをかけてライブの予定をその場でぶち壊してマイクを握るのは、葦毛で流れるような銀髪をした、一見見目麗しい美人、しかし中身は奇人変人なウマ娘、その名をゴールドシップ!

 

 

 「燃えて萌えての時間はここまでよ! 今度はアタシらで笑ってけー! ウイニングライブこそ何でもあり!! 一世一代ウマ娘の花舞台!!」

 

 

 「おうよ歌と踊りだけじゃつまんねえよなあ!?」

 

 

 そしてその隣で派手な男物の着物に身を包み、2メートル越えの肉体。ドォン! とステージが揺れそうなほどの足踏みをしてマイクを握ってパフォーマンスを見せる、同じくサングラスをかけて鹿毛の長い髪をポニーテールでまとめた美ウマ娘。ケイジ。

 

 

 「ゴ・ル・シ! ゴ・ル・シ!」

 

 

 「ケ・イ・ジ! ケ・イ・ジ!」

 

 

 二人の行うライブ。華やかな美少女の歌でもなく、バリバリのロックでもないまさかのコントという異色なもの。ただ、この二人の行うライブの滅茶苦茶加減はいつものこともあって観客は大盛り上がり。あちこちで二人を呼ぶコールが響き、歓声で会場が割れんばかり。

 

 

 「コントチーム、パーフェクト『ウーマ』ンズ!!」

 

 

 「みんなー! 映像に合わせてコールしろー!! さあ行くぜ! 3!! 2!! 1!!」

 

 

 ダンスがさらに過熱していくタイミングに合わせて後ろの大画面スクリーンの映像が変化してカウントダウンに変更。そしてそこに合わせてケイジが観客に声を出せと言う。美少女アイドルというよりは別のライブになっているのだがそれがいいと興奮は盛り上がる。

 

 

 「キャァアー!!! ゴルシちゃ~ん!! ケイジちゃーん!! 素敵よぉお!!!」

 

 

 「な、なんなんですのこのウイニングライブ・・・」

 

 

 「くぅぁあああ!! かっけええ!!」

 

 

 このライブに二人の親友は興奮した黄色い声をあげて千切れんばかりに手を振り、同じチームのマックイーンは茫然。ウオッカは二人のウイニングライブの常識外れとしか言えない二人のライブに感動して目を輝かせる。

 

 

 平成きっての名馬であり迷馬ゴールドシップ。競走馬きっての皇帝の一族である傾奇名馬ケイジ。二人はウマ娘になってもやりたい放題を行い、それであって尚多くの人を惹きつけ今夜のライブも大盛況となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あ、あのバカどもはまたこんなライブを・・・というか、アンコールとはいえ一緒にいた3位以下のウマ娘たちはどうしたんだ!?」

 

 

 「逃げたかもしれないな。最前列でそれらしい子たちがいるぞ?」

 

 

 場所は変わってトレセン学園の学生寮。そこでトレセン学園生徒会長、『皇帝』シンボリルドルフと副会長『女帝』エアグルーヴ。二人はライブ配信でやりたい放題。もはや二人のステージになってしまったアンコールライブの大暴れっぷりを見ていたがエアグルーヴが耐えきれずに怒声を出し、一方でシンボリルドルフは苦笑していた。

 

 

 「良いのですか会長!? ライブのアンコールでウマ娘たちが逃げ出すなどあってはならないはずです!」

 

 

 「しかしなあ・・・・・まあ、それも事実なのだがこのライブの在り方でウイニングライブも幅を持たせられるようになったのも確かだし、レベルが高いのも確か。ちゃんと他の子たちが歌い終わってのアンコールでこの二人になったからこそこの騒ぎともいえる」

 

 

 基本生真面目であり自他ともに厳しいエアグルーヴからすれば歌や踊りも課題曲以外を平然とする。曲は変えずともブレイクダンスをしたりアクロバティックすぎるオリジナルの振り付けであまりにも注目を奪いすぎたりと悪目立ちもする二人にはほとほと困り果てていた。月に何回かの割合で呼び出して説教をすることも珍しくない二人の奇行を止めようとしていた。

 

 

 だが止まらない。地頭もよくレースの実力もあれば踊りを覚えるのも早い。模範的行動をとってくれれば自分たちの後釜に据えてもいいと自分も内心思っているし、シンボリルドルフも生徒会、リギルの中では度々そう零す。

 

 

 「う・・・確かにそうですが」

 

 

 「マジック、トークショー、特技を活かしたパフォーマンスを使用して踊りを覚えるのが出来なかった、歌やダンスが苦手な子たちの活路を開いているのも事実。やりすぎなら、レベルが低いのなら戒めるが、客も盛り上がっているし、この入り用なら恐らくURAファイナル、WDTのライブに負けないほど入っているんじゃないか?」

 

 

 動画のコメントを見れば優に20万オーバーの観客が入り全員がエンジョイし、そして今はコント芸を始めたことで笑いの声が混じり始めていく。

 

 

 『ゴルちゃんいつものやったげて!!』

 

 

 『おう聞きたいかアタシの武勇伝!』

 

 

 『その凄い武勇伝言ったげて!!』

 

 

 『それならお前も追加!! アタシらの伝説ベスト10!!』

 

 

 『レッツゴー!!』

 

 

 『レースでむしゃくしゃ舌を出してのごぼう抜き!!』

 

 

 『なんとぉ! タブーを踏み抜き大勝利!!』

 

 

 『武勇伝武勇伝!! 武勇伝デンデデンデン!!』

 

 

 コントのキレの良さもあって客の合いの手の入れ方も様になっており、どんどん武勇伝。というよりはネタ、奇行、もしくは変な事故がノリノリで語られ続ける映像と横で流れるコメントもアイドルのライブがコントライブショーに変わったのに対して『まあゴルシだし』『まあケイジだし』『あの二人だしなあ』というコメントと笑いの声で埋め尽くされている状況。

 

 

 さり気なくこの二人がレースに出ると、他のウマ娘たちはいかにしてアンコールの際に逃げるかを相談しているという書き込みがあり、エアグルーヴが後日今回のレースに参加した子たちに問い質すのだがそれは別の話。

 

 

 ちなみに背後のスクリーンもその武勇伝の際の映像が映されることもあって尚更ネタが光る。

 

 

 『怪我とは無縁のウマ娘!!』

 

 

 『ワオ! 周囲に舐めプと言われだす!!』

 

 

 『武勇伝武勇伝! 武勇伝デンデデンデン!』

 

 

 『記者から雄たけびリクエスト!!』

 

 

 『スゴイ! 記者の鼓膜とマイクがパーン!!』

 

 

 『武勇伝武勇伝! 武勇伝デンデデンデン!!』

 

 

 とうとう声量が大きいことで有名なケイジにネタにしようと記者がマイクでケイジに雄たけびを頼んだ結果その大音量で観客は全員耳を押さえ、ケイジを囲んでいた記者たちは軒並み鼓膜破裂と気絶。録音機やマイクを壊したものさえも使いだす。ちなみにケイジとゴルシも気絶。見事なまでの自爆と巻き添え。

 

 

 「はぁー・・・」

 

 

 「ふふふ。あの事件は未だに耳から離れないからなあ。しかし用意のいいことだ」

 

 

 「その手回しの熱意を普段の生活にできれば私もいいのですが」

 

 

 目の前でコントが終わり退場の際は映画ラッシュ〇ワー3のラストあたりのシーンを真似して陽気に退場していく二人。終始彼女たちが注目を集めて暴れに暴れたライブは割れんばかりの歓声があふれ、野太い応援の声や客層の広さから見ても幅広い人気がわかる。

 

 

 「さて、明日は労いの言葉を用意しないとな」

 

 

 「それと注意もですがね・・・ライブ参加権利を得たウマ娘が最悪ライブ前に逃げ出すようなネタの暴走など言語道断ですから!」

 

 

 「う、うむ・・・そこの注意は頼むよ」

 

 

 恐らく強く注意を言うことがないであろうシンボリルドルフの様子に頭を抱えるエアグルーヴ。実際に実力はある上にそのレース運びも人によってはマジック、エンターテイメントと言われてレース素人にも受けがいい。そして本人らの性格もあってシンボリルドルフ、オグリキャップ、スペシャルウィークとは別のベクトルだが老若男女を問わずの大スターの一角なのは確か。トゥインクルシリーズの大立者。

 

 

 それを差し引いても目の前の皇帝はケイジに甘い。シンボリルドルフにべったりのトウカイテイオーに負けない、あるいはルドルフ自身から動いて声をかけたりするところを見れば一番甘やかしているのだ。

 

 

 代わりに自分が怒ることで示しをつけるかと内心考えている時点でエアグルーヴも優しいともいえるのだが。

 

 

 「しかし・・・ふふ・・・WOMANではなくUMANか・・・これは一本取られた」




 ケイジ 普段もふざける時があるがゴルシと一緒にレースに出れば一緒に、さらにふざけ倒しつつもクオリティーの高いアドリブとネタを披露するので周りのウマ娘たちは大体脱出術披露して逃げる。アンコールになるとそそくさと逃げられる。馬時代やっていたことをウマ娘になってもやっていたことが恒例になって記者に頼まれてやった結果大惨事を引き起こし、ネットでは素材になる。


 ゴルシ 言わずと知れたネタ満載の宝船であり浮沈艦。一番楽しかったアンコールからのライブはケイジがアグネスタキオンの飲めば身体が七色に光り輝く薬を飲んでからスパンコールマシマシの衣装を着けて頭にミラーボールつけて踊るケイジをバックにブレイクダンスたりデュエットかましたとき。おふざけアンコールのためにケイジと一緒のレースになれば本気出す。


 シンボリルドルフ 馬時代のケイジが血筋的に孫なのもあって甘々。ウマ娘になってのケイジの実績とネタの暴走。つまらない性格と言われる自分とは真逆の振る舞いで時代をけん引するのもあってますますゲロ甘。コンビを組んではしゃぐゴルシも一緒に優しく接する。ただしバイト禁止は解かない。


 エアグルーヴ 何かと普段変な行動をするケイジ達を怒る一方で実力とケイジ、ゴルシのある一面を知っているゆえになんやかんや手のかかる後輩として対処する。それはそれとしてタイキシャトルとエルコンドルパサーに変なことを吹き込まないでほしい
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