ハジケリスト世代だろ! (完結)   作:零課

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 毎回感想をくれる皆様ありがとうございます。真面目な話日々の活力になっています。誤字報告や高評価も本当にありがたいです。まさかこの作品がランキングで見る日が来るとは思いませなんだ。


 改めて思う。事あるたびにふざけて山ちゃんボイスを出す背丈210センチのウマ娘を欲しがる人いるのかなあって。それとルドルフ会長とゴールドシチーの新衣装。ケイジはノリノリで着こなしていそう。


 この世界だと樫本理事長代理&チームファーストはケイジや強化&やる気増したゴルシやジャスタウェイ、ジェンティルドンナやヴィルシーナ、オルフェーヴルにホッコータルマエ、そしてまだ実力はみせていないけどナギコにキジノヒメミコ相手にもあの賭けレースをすることになるんだなあ。



まーた休みだよぉ

 「わふぅー・・・・くふぅ・・・」

 

 

 「暇そうだなあ。ケイジ」

 

 

 『練習も無く、のんびり検疫というか、まあ風土病持ち込んでいないかの検査でやることねえしなー・・・アニメもみたし、天皇賞(春)はゴルシのやつ後半萎えたのか3位どまりだったしで、見ることは見たわって感じ・・・まあ、この余暇も、暇もまたいいもんよ』

 

 

 ドバイでの戦いも無事終わり。ついでに幼駒セリをちょい見ていた利褌のおやっさんも特にティンと来たのも無かったのでうちに新顔が来ることもなく帰国。

 

 

 しばらく新聞では『2012年クラシック世代古馬になっても大暴れ! ケイジ&ジェンティルドンナ ドバイミーティングをW優勝! 天皇賞(春)をフェノーメノリベンジ成功!』 『日本の女王は世界に駆け抜けた! ケイジ早くも祖父の皇帝に並ぶ大偉業!!』『日本史上初牝馬でのドバイシーマクラシック優勝!!』と、まあこんな感じでスポーツ新聞は疎か普通の新聞ですらしばらくは俺らのニュースが一面を飾っていたとかなんとか。

 

 

 おかげで記者がうるせーのなんの。おやっさんの知り合いの超大手ゼネコン会社の会長ドカちゃんとスーザン伝手で用意した警備員らがいなかったら帰国後すぐにどんだけ質問攻めにあっていたか。

 

 

 「まあ、ケイジの次の出走は夏になるかどうかの季節だしな。しばらくはもうちっとこの若葉を見ながら過ごそうじゃないか」

 

 

 『だなあー・・・今のんびりと。それにまさかのプレゼントが手に入ったし』

 

 

 まあ、なんやかんや俺らドバイでの戦いからの一月後だった天皇賞(春)は間に合わなかったが、それは来年に期待として、良いものを貰った。まずドバイの王族の方からなんと純金と宝石ででできた蹄鉄と、ペルシャ絨毯などを作る専属の職人に用意させた専用の優勝レイ。しかもまあ「2013年ドバイDF優勝 ケイジ」と彫り込まれた一品。秘書さんからもかなりいいクリスタルで俺を再現した小物を送ってくれた。

 

 

 そしてついこの間来た久保さんが俺、女将さん、利褌のおやっさん。トモゾウらへのプレゼントとしてこれまた純金。しかも俺の顔が彫られた金貨を渡してくれた。なんでもドバイに一月滞在する際に純金の自販機でコツコツ買い込み、日本で知り合いの彫金師らに頼んで作ったものを専用のケースに丁寧に収められているのをプレゼント。

 

 

 「ケイジ君のおかげで俺も夢やいろんなものを貰いましたし、その少しでも返せたらというのと。シンザン、ルドルフ系の一族での国際GⅠ優勝記念っす。これ1枚でも金の価値だけで20万にはなるくらいなんでいざという時は質でもどうぞ」って言っていたよ。単価ウン十万の金貨とか東京フレンド〇ークかよって思ったわ。これあの人らに渡せばパジェロできるの? まあしないけど。大事に俺の分もおやっさんらの牧場の金庫にしまってもらった。

 

 

 自分でいうのもあれだけど・・・真面目にあの優勝レイも名のある職人のものだったし、宝石編みこんでいる話だったし、マジでルパン一味現実にいたら目をつけられそうなものが増えたなあウチの牧場。いまだに中小で、精々競走馬三頭所有。現役の俺以外では内デビューは今年。もう一頭は来年以降でせいぜいたまに幼駒をセリに出したり、馬や人の湯治をする馬温泉を最近しているくらいだってのに。

 

 

 「ああ、そうだそうだ。ドバイの皆さんに頼まれてね、ケイジとゴルシの変顔写真集。ケイジとケイジの同期の皆のぬいぐるみをそれぞれ3個くらい予備を含めて送ることにしたよ。いやあーあのハリセンでのツッコミが本当にうれしかったようで」

 

 

 『あれのお返しがぬいぐるみと写真集でいいのか王族。いやまああれにふさわしいお返しってのも思い浮かばんが。来年もまた来てくれって感じじゃないのね』

 

 

 「ぬいぐるみも今は品薄だし、あちらさんの声もあって来年はぜひ天皇賞(春)に挑戦させたいからなあ。あの菊花賞。長距離で可能ならゴールドシップともう一度やるところを俺も見てみたいよケイジ」

 

 

 『任セロリ。しっかり3200メートルも勝って名誉あるレースを勝ちてえしな。あと、春のレースはぜひ。桜まう中で勝利の雄叫びをやってみたいわー』

 

 

 天皇賞。日本でも最も格式高いレースと言ってもいいだろう。同時にメジロが常に狙い続けた大舞台。しかしまあ、改めて3200と2000メートルのレースを両方勝てるって相当なトップスピードとスタミナ、ペースを切り盛りする騎手や馬であってこそだよなあ。更に言えば馬も早熟ではなく晩成向きの方がいいだろうし。3歳で燃え尽きたら天皇賞(秋)はつらたん。

 

 

 ほわぁ・・・春か秋かは分からんが、どちらかは勝ちたいねえ。個人的には春。あいつらとまたバチバチにやり合いたいもんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おお・・・無礼なケツだ♂」

 

 

 『なんだこのおっさん!? 放牧地から出ていけぇ!』

 

 

 今日も今日とてのんびり放牧。していたらやったらガチムチなアメリカンナイスミドルが俺のトモを見て一言。いきなりご挨拶だなあおい。いや、馬のトモを見るのはホースマンならわかるけど評価はどうよこれ。

 

 

 「んーこれはいい。この馬体に毛並み、足の太さもほかの馬の脚が細く見えるほど・・・もう50キロ重くても問題なく支えるレベル。ミスター利褌もいい馬を手にできたなあ。これは初年度産駒はぜひぜひ買うべきそうすべき」

 

 

 『あん? ミスターにこの言い分。つーか要所要所の片言っっつーかその喋りかたはもしかしてビリー牧場長か?』

 

 

 「ビリーさん。いくらケイジが基本人懐っこいとはいえ後ろに立つのはやばいですって! お、お怪我はありませんか?」

 

 

 「おお、トモゾウ君。問題ないよ。ケイジもお客さんと気付いて見るだけに留めている・・・いや、見定めようとしているのかな。賢いねこの子は」

 

 

 ほぉん。俺の意図を読むのか。流石はあの牧場の主さんだなあ。そしてここに来るってことは、ナギコ絡みか?

 

 

 「ええ。本当に人の言葉を理解しているので、下手な言葉を言えば怒るので気を付けてくださいよ」

 

 

 「はははは。そこはサンデーのエピソードからも賢い子はそうするとわかるし、大熊ですら蹴り殺すあれを受けるのは勘弁だ。しかし、そんなに賢い子であの強さ。素質は十分だし、今度来るときはうちの繁殖牝馬のみならずアメリカの知り合いからも募ってみるとしよう」

 

 

 「う、うちの馬房足りるかなあ・・・その際は出来れば早めに伝えてくれれば場所を用意しますので・・・」

 

 

 「了解だ。その時は資金も援助させてもらうよ。さて、私はミスター利褌にあってくる。ありがとうね。トモゾウ君」

 

 

 アメリカではパーソロン系なんて何それレベルだろうしなあ。あちらさんも零細の肌馬つけて血の閉塞を止めつつ、ついでに成熟とみられがちな俺の話を聞いて早いうちに結果を出してシンジケートを狙っているのかしらん。

 

 

 「さわやかな男だったなあ・・・ん? どうしたケイジ。話を聞きに行きたいのか?」

 

 

 「ヒヒン」

 

 

 『んまーな。ナギコの事もだし、まあいろいろ聞ければ幸いだ』

 

 

 なんか話が面白そうだったので連れてってくれということで服を嚙んでぐいぐい引っ張ってトモゾウと一緒に休憩室の窓に移動。ビリーのおっちゃんは気づいていないらしいけどま、いいべ。

 

 

 「いやー本当にジーナ・・・ではなくキジノヒメミコを買ってくれて感謝します。あのイージーゴアの孫娘でありながら後ろ脚が少し曲がって肉付きが薄い黒鹿毛。サンデーを思い出してあれこれ言われる可能性もあれば、まだまだ外貌主義の強いわが国ではあまりいい思いをできなかったでしょうから・・・」

 

 

 「いえいえ。こちらこそ日本のサンデーの血の閉塞を危ぶみつつも走る子が多いゆえに異系は増えない。その中であれ程の素質馬であり、サンデーの血が入っていない子を、しかもシービーの孫を貰えるのは本当にうれしいです。しかもあの値段で」

 

 

 「うちの牧場のサンデーも最初は全く売れずでしたし、ヒメちゃんはもっと大変だったかもしれません。それよりはこちらでのびのび育てて、成長してから子供をアメリカに連れて行って血を薄める役割を担ってくれればと。そしてケイジの種付け料、これでいいのですか? はっきり言って、これの三倍の値段でもアメリカ中の馬主が飛びつきますよあの走りですし今引退しても、です」

 

 

 かなり真面目な話なのと、まあやっぱ根付いた考え。しかも馬主自体がそもそも超特大のギャンブルみたいなもんだ。しかも脚の形の悪さは走りにも影響を与える分、そうなるのはしょうがなし。それと俺の種付け料はやっぱ安いままなのね。まあ高すぎてもなんだかなあだけど。

 

 

 「ケイジはトウカイテイオーやシンボリルドルフとも比べても突然変異もいい所です。そしてパーソロン系、もっと言えばルドルフ、テイオー系は良くも悪くも気性難。足のもろさもありますし、ケイジの良さをすべて引き継ぐかは不明。なのでこの値段。そして、ビリーさんなら、早熟化、スピードを求め続けるアメリカ競馬に一石を投じようとする貴方だからこそ危ない橋を渡る危険度を減らしたい。それにまあ、この値段ですら最初の予定より高いのですよ?」

 

 

 「ふむ。確かに初年度産駒、いえ、3年は見ないとその傾向がわかりませんが、それでも欲しがると思うんですがねえ。まあ・・・良くも悪くもアメリカ競馬は早熟傾向が過ぎます。もう数十年前からあちらの馬は3歳で燃え尽きて種牡馬入りなんて珍しくない。ですがそれでは海外の大レースを挑もうとしても勝てない。この前のドバイDF、シーマクラシックのように4歳以上の出走条件ではこちらではもう衰えている可能性が高い。アメリカ国内ならそれでもいいかもですが、海外への馬産、取引をする上ではマイナス。

 

 

 ドイツ、そして日本の馬のように頑丈で強く、長い目で見れる馬。そのほうが夢を同時に長く見れる。自分の愛した、応援した馬の駆け抜ける道を一年でも長く見たい。そういう意味では4歳になっても成長を続け、1200~3000まで戦い抜ける能力を持つケイジ君の血はぜひアメリカに入れたい。改めて、引退後の初年度シーズン。お願いします」

 

 

 「こちらこそこんな貧乏牧場に嬉しい話をありがとうございます。そしてナギコをお願いします」

 

 

 「もちろんです。我が牧場総出を上げてしっかりと預かりアメリカのスターホースにしましょう。あ、それとケイジ君とゴルシ君の変顔写真集ありがとうございます。カレンダーも」

 

 

 ほうほう。稼ぐ、というよりは競馬界を考えての俺の馬産計画か・・・いい男だねえこいつもまた。まあ、俺も気を抜けばいい女の子には馬っけ出しちゃいそうになるし、うん。まあ大丈夫っしょ。

 

 

 しかし、やはり厳格な規制、制限と検査を抜けて行ってようやく種牡馬になれるドイツの馬はやはり海外から見ても大成功かあ。まあ、日本で見てもビワタケヒデだっけ。とかマンハッタンカフェとかはドイツ系の馬の血が入っているし、エイシンフラッシュもドイツ。欧州の中にあって独自の血統や馬産を続けているのと特徴が頑丈、健康という速度重視ともまた違うからほんとありがたいんだよなあ。

 

 

 日本だと有馬記念、天皇賞(春)ステイヤーズSだっけ? とか2400メートル以上の長距離レースを走るのに必要な元気さをくれるし、海外遠征でも何につけても健康でいられるってのは大切。海外への売り出しの際にも健康で長生きな繁殖牝馬、種牡馬ならあちらも多少色を付けてくれるかもだし。

 

 

 「今日は一度此方で休んで、明日に改めてアメリカにナギコをお願いします」

 

 

 「ありがたいです。いやあー日本酒と刺身というのがすごくいいと聞いていたので温泉を味わって・・・・ワオ!? ケイジ君!? 放馬してしまったのかい!?」

 

 

 「あ、いつもの事ですし、ちゃんと牧場より外は出ることはめったにないので」

 

 

 オッスオッス、ビリーのおっちゃん。いいびっくり表情いただきましたー。ああ、それとやっぱあのサンデーを知ってても俺の行動は驚くのねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『いやぁああああぁあ!! 助けて! 助けてケイジお兄様ぁああ!! わたしここを離れたくないイィイ!!』

 

 

 『いやだしー!! ようやくここに戻れたのにアメリカに行くとかイヤダー!! 絶対温泉ないじゃん! 湯船ないじゃーん!! シャワーだけの日々とか勘弁よ平野ー!!』

 

 

 『どきなさい! ここが私の家!! 小さいですがいい場所ですの! あっこら! 押すな! 別荘! せめて別荘をここにしなさい!! あの温泉と海辺の良さは戻る場所にありませんものー!!!』

 

 

 『お前さんらなあ・・・』

 

 

 なんやかんや翌日、ナギコはアメリカデビューのために空港へ。キジノヒメミコは的矢のおっちゃんと一緒に厩舎へ移動。ジェンティルちゃんは自分の厩舎に戻ることになったんだけど、みんなごねるのなんので大暴れ。俺と利褌のおやっさんで呆れた顔を見せながらぼんやりと眺めている。

 

 

 『おやっさん。うちの、うちに関わった牝馬は出かけるときは騒がなきゃいけない決まりでもあんの?』

 

 

 「いやはは、ここまで暴れるとはなあ。ケイジはすいすい行ったのに」

 

 

 『まあ、俺の場合はねえ。それに今は厩舎にもダチ、戦友がいるんだ。どっちに行くのも楽しいってものよ。冬は暖かい水でシャワーしてくれるし』

 

 

 『『『ヤダー!!!』』』

 

 

 俺の場合は戦いが楽しみだってのと、ぶっちゃけ普通の馬とは違って繊細さが少しないからなあ。がさつってかね。馬の場合は繊細だからこそいい思いした場所を気に入ってホーム認定するんだよね。ウオッカとか府中の番長で、そこの競馬場を離れようとしたら嫌がってしまいには怒ったそうだし。

 

 

 まあそれはそれとして、ほんとこいつらどうしましょ。みんなパワーがあるのと本気で嫌がっているからどこの陣営さんらも苦労してるわ。ヒメミコも俺らの調教メニューを徐々にこなせるようになったから大分肉がついたしなあ。

 

 

 「おっほっほっほ~元気だ(^ω^) でもこれじゃあ余裕を持ってきたけど飛行機に遅れないようにしないとねえ」

 

 

 『お~激しい。だなあ。流石に国内組はまだしもナギコはいかんわ・・・はぁーしゃあーねーなあー』

 

 

 流石にヒメミコを安くうちに渡して、真面目にアメリカの競馬界を考えてくれるナイスミドルと平野調教師、ひげ熊厩務員を待たせるわけにはいかん。どれどれ。まずはナギコの所へ。

 

 

 『ナギコさんや』

 

 

 『何だしケイジ』

 

 

 『お前がアメリカで頑張って、お金稼いで戦えば馬房が豪華になるし、温泉もばっちり。ここに帰った後の楽しみが増えるのと、それにな・・・』

 

 

 『それに・・・・?』

 

 

 『お前、かなりの美人だしそれでアメリカの大レースに勝ち続ければ歴史に名が残るぞ。最近読んでいた史記や偉人伝の馬版にお前の名前が載る。しかも日米両方。もっといけば世界で』

 

 

 『・・・・・・・・・行く! けど平野、定期的にここには返すし!! ほらイクヨひげ熊のおっさん!』

 

 

 よしまずは一頭。まあ、真面目な話尾花栗毛の馬体完璧。日本からやってきた、両親の系譜がアメリカの星系の血とダートの怪物たちの血をひく牝馬が活躍すればあちらもアメリカンドリームな話題&その美貌にみんなほれ込むでしょ。血統に関したって日本ですら被る血統見つけるのが難しいレベルだし、子供がアメリカに行けば皆欲しがるんじゃない? キンカメあたりとの子どもとかよさげ。

 

 

 『さーてヒメミコ』

 

 

 『お兄様! 嫌です! 私はここを離れるのは!』

 

 

 『可愛い子には旅をさせよ。というだろう? それに、言っちゃえばこれは花嫁修業だぞ?』

 

 

 『花嫁修業・・・ケイジお兄様の伴侶としてです?』

 

 

 あーもう・・・妹分&血統現代では被るのが難しいとはいえ・・・実際そうなるかもとはいえ、ヤンデレ気味なのすげえなあ。もう少し俺の器が大きけりゃあこれも慣れるんだろうが、くそう。俺の器の小ささはまだまだだぜ。

 

 

 兎にも角にも落ち着いてくれたんでそのまま続ける。

 

 

 『まあ恐らく。で、これからの戦いでお前さんの才能を見せつければ、俺も頑張る分みんな見たくなるんよ。次世代を。俺やヒメの力や才能をひいた子供が見たいとなるし、みんながすごいと言ってくれる。女磨きの旅だ。実際、エアグルーヴやヒシアマゾンとかダスカとかその戦いぶりでみんなすごいのなんの。この相手とふさわしいかもと言ってくれたりでなあ』

 

 

 『なら行きますわ。ケイジお兄様のふさわしい女として行ってきます・・・的矢さんの騎手としての経験や技術も盗んで、見事大和撫子となって見せましょう』

 

 

 『おう行ってこい。そんで、世界に羽ばたいて最高の女だって見せつけてこいや』

 

 

 『・・・はぁあ・・・ぁ・・・・・も、もういっ・・・』

 

 

 『頑張って来いキジノヒメミコ。お前さんの晴れ姿を期待しているよ』

 

 

 『あふぅ・・・! ケイジお兄様行ってきます! 行きますわ的矢さん!』

 

 

 ほいもう一頭。まあ、こういった手前責任は取るよーそのためにも利褌のおやっさん頼むわ。俺とあの子での組み合わせをね。でないと俺は多分ヒメと鹿に蹴り飛ばされる。

 

 

 『で、ジェンティルちゃんよ』

 

 

 『なんですのよ・・・』

 

 

 『そうカリカリしなさんな。俺も厩舎で寒い日は暖かい湯を浴びて拭いてくれたり、色々応用はある。それに、また海外で戦ってからの検疫とかでここを隔離&休養地に充てられるかもだし、また来れるんだからお嬢様らしく余裕をもっていきなせえ』

 

 

 『分かりましたわ。でも、これなかったら怒りますからね!!』

 

 

 あらあっさり。ジェンティルちゃんもすぐに馬運車に乗ってくれた。周りが俺を見ているけど、まあまあ俺はちょっと嘶いた、鳴いただけですよー。ほれほれ早くしないとみんな気が変わって暴れるぞお?

 

 

 みんなを見送って、俺らもひと段落したということで放牧エリアに。あの三頭、これからどうなることやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ってことがあったのよ。いやー的矢のおっちゃん。ありゃー苦労しそうだぜ』

 

 

 『あははは。いやはや、あの人と再会できた時も話していたが、君の嫁さん候補は相当曲者だねえ。元気なのは素晴らしいことだが』

 

 

 『女ごころってのはまだ若造の俺にゃ分からんぜグラスのじーさん』

 

 

 『私もまだまだ分からないよ。だが感謝と敬意を持つのは忘れちゃいけないよ。私達の血を繋いでくれる。夢も乗せてくれるのだからね。そして決して弱くはない。君たちの時代はむしろその差はほとんどないのではないかい?』

 

 

 放牧地にここしばらく来ているお客さん。栗毛の怪物グラスワンダー爺さんとぼんやり俺のおすすめのポカポカする地面のポイントで日向ぼっこ。俺はもちろんジャンプ持参で。グラスワンダー爺さんはまだまだ種牡馬としても現役だが、あいにくうちにはもうステゴの子を身ごもったおふくろくらいで仕事できたわけじゃない。

 

 

 功労馬にして98世代の最強の一角。その名馬を是非労ってやりたいという牧場の意向でうちの温泉と基本俺はのんびりとそこらへんの草をむしゃむしゃしないのでのびのび育った牧草やらをグラス爺さんが食べて、湯治をして、馬の数が少ない小さな牧場でちょっと早めの夏休みをしてもらうためにやってきた。

 

 

 まあ、後は真面目な話、うちの牧場の馬房、普段から湯治に来た馬たちのために多く開けているし、温泉や馬房の質。元メジロのスタッフもいるので小さいながらにレベルは高い感じだそうで。なのでここで種付けをして、受胎を確認する間種牡馬も牝馬も休んでもらう場所として注目されているそうな。

 

 

 なのでここでグラス爺さんが気に入ってくれれば種牡馬のお仕事もいい感じ。やや身体が弱い牝馬もリラックスしながら休んでくれると一石二鳥。ということでここにきている部分もある。・・・・ってトモゾウが教えてくれた。

 

 

 『いやあ、しかしここのタンポポはうまい。よく育っているし、地面も暖かいしで温泉もいいねえ』

 

 

 『定期的に葉をかじっては再生するのを待っていたからねえ。暖かい分育ちもいいんでしょ。ああ、そうそう。この前の話のお礼に、タンポポが特に群生しているところを教えるよ。こっちだけど』

 

 

 『おお、ありがたい。じゃあ、今度はスぺ君をマークした際の追い込みのやり方を話そうか。あれは今から1万4000年前・・・』

 

 

 『古い古い。そこはせめて20年前・・・も古いなあ。お、ついたついた。じゃあーのんびり聞かせてくれや』

 

 

 こうしてのんびりもそもそタンポポかじりながら話す姿のんびりものな好々爺なんだがなあ。的矢のおっちゃんと話しているとき、レースの話になった際の目のぎらつきようとか、一気に感じた気を味わえばああ、確かにこりゃあ怪物と呼ばれるわと分かる。

 

 

 すぐになでられたり、人参を貰ってほわほわした顔になっていたけどねーレースがない以上相棒との時間はのんびりってかね。俺も俺で追い込みの戦い方やマーク戦法を学べて楽しいのなんの。

 

 

 「あ、ケイジにグラスワンダー。一緒にいたかあ。ケイジ、お前のしばらくのスケジュールが決まったぞ」

 

 

 『おん? マジでー? 教えて教えてー』

 

 

 話を聞いていたら来たのは利褌のおやっさん。おお、俺の今後の予定が決まったのねん。どれどれ、どんなのー? 顔をあげて耳を前に向ける。

 

 

 「まずは人気もファン投票も接戦だが無事1位をいただけたので宝塚記念。その後に招待状が来てな。8月にKGⅥ&QES、10月にはオルフェーヴルと一緒に凱旋門賞に挑むぞ!」

 

 

 『・・・・・・・・・・・・・マジで!? 俺が欧州はおろか世界トップレースのうちの二つを狙えるチャンス来るの? たまらねえぜ!』

 

 

 『おおー・・・凱旋門賞。ブロワイエを思い出すねえ。ふふふ、これは楽しくなってきた。私もぜひ牧場のテレビで見たいねえ。応援しているよ』

 

 

 いやー寝耳に水、青天の霹靂ってレベルじゃねえぜ。宝塚記念はまだしも、また海外。しかもキングジョージ&クイーンエリザベスSと凱旋門賞。はっははは、こいつはいいねえ。どれをとっても最高じゃねえの、燃えてくる!!

 

 

 『いよっしゃ! じゃあ練習・・・のまえに、グラスの爺さん。話の続き聞かせてくれ』

 

 

 『いいよいいよ。それじゃあ、レースの初めから。あータンポポ美味い。水もあとでほしいなあ』

 

 

 「おや、ケイジの事だからすぐに走りに行くと思っていたんだが」

 

 

 だからって縄を用意しているんじゃないよ利褌のおやっさんに後ろにトモゾウ。まあ、これも練習。お勉強よ。栗毛の怪物の視線と技、技術も学んでこそってね。




 次回の戦いは宝塚記念。そしてまた世界に戦いに。


 ケイジ 女心はまだわからない。でもナギコとキジノヒメミコの扱いは少しは分かっているつもり。紅茶の国の女王陛下から招待状を貰ってまた戦いの舞台が決まる。その前に念願のゴルシへのリベンジ。国内のレースをするために宝塚記念へ。グラスワンダーからマークと追い込みのやり方を学んだ。


 ビリー牧場長 アメリカの森の妖精♂的なガチムチナイスミドル。アメリカの外貌主義とイージーゴアの血をひいていながら外見はサンデーよりのキジノヒメミコをアメリカでは如何に大成しても叩かれたりするだろうと憂いていたので前田牧場に安く売る。アメリカ競馬界を考えつつ、利益もしっかり狙う夢追い人。ケイジの行動と種付け料の初年度の値段にビビるわぁ!


 前田牧場長 紅茶の国の女王陛下からのレースへの招待状を貰ってたまげた。実はドバイの王族からの根回しと女王陛下もこの馬おもしれえとなった。とりあえずは宝塚記念で好成績を出せればと思っている。ケイジの種付け料は現時点では300万くらいに予定していたし、予約してくれた皆様には必ずその値段で対応するつもり。産駒が結果を出す。受胎率を見て少しづつあげていく予定。


 ナギコ アメリカ横断ウルトラ長期遠征。いざ競馬史に名を刻めと頑張る。しっかり荷物に本とトングを入れてもらった。この後牧場から本棚一冊分の歴史や文学書が届いてウキウキ。これを見て平野調教師が「馬って何だっけ・・・」とつぶやいた。


 キジノヒメミコ 無事? 的矢調教師の元へ預けられる。花嫁修業ということで勇往邁進。頑張るつもり。本人はマイラーとしての気質とシービー、イージーゴアの血が強いのかステイヤー張りのスタミナ持ち。何気にゴルシやケイジとの組み合わせは日本根幹牝馬やアメリカの大牝系とのクロス、血を強める組み合わせが発生するのでビリー牧場長、社爛からは真面目にケイジかゴルシとキジノヒメミコの子どもは欲しいと考えられている。


 グラスワンダー 2020年まで元気に種牡馬していたスーパーおじいちゃんにして黄金時代の一角。久しぶりに的矢さんにあえてご機嫌&次世代の姿をみれて満足。ケイジが基本放牧エリアを汚さないしタンポポを食べていなかったのでタンポポ食べ放題温泉ツアーを満喫。ケイジが厩舎に戻る前には牧場周辺のタンポポが全滅していた。出来ればまたここで湯治をしたい。


 ジェンティルドンナ 前田牧場実家認定。温泉もあれば砂浜での調教。柴犬も練習に付き合うし、ケイジらもいる。バカンスを満喫していたのだが早めの夏休みが終了したので大荒れ。厩舎に戻ってからもお風呂に入れてと頼んでいた。
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