ケイジの一口メモ 特撮のゲスト出演は割とある。以前仮面ライダーで出演した際は主演の主人公も高身長イケメンなのにケイジとの身長差と破天荒なアドリブが採用されたりで放送後主演の俳優くんへ可愛いという声が増えてベビーフェイス向きの役の仕事が増えることに。
「うーん・・・・テイオーよりはルドルフよりかねえ。いやあ、本当にでかい」
「ヒン」
『またレジェンドが来たぞお。岡崎元ジョッキーじゃぁーん』
俺が厩舎に戻って早々にきたおっちゃんことトウカイテイオーやシンボリルドルフの主戦騎手。皇帝と帝王の相棒岡崎元ジョッキー。俺をじろじろ見てはすごくうれしそうに、だけど悲しそうな眼をして俺を見ている。
松ちゃんと大竹騎手ここに来れば無敗の三冠達成した騎手が三名そろうのになあ。うーん見てみたい。
「神様に君が生まれてくれたことを感謝すると同時に、できれば7年早く・・・いや、5年、3年でも早く生まれていたら私は少ししか乗れなくても君の屋根を取りに行った・・・土下座してでも乗りに来ただろうね。贅沢なのは、神様に我儘を言っているのは分かっているけど」
『流石にこの頼みは俺も言えねえなあ。たとえまた会える機会があっても。岡崎元ジョッキーには悪いがこの時代の皆とやりあえないのはなあ』
「ははは。ケイジ君、言わなくてもわかるよ。私がここまで惹かれて、思わせるのもゴールドシップやジャスタウェイとの激闘。私から見てもあの二頭を思い出す、いや・・・海外の戦いも含めればそれを超えるかもしれない世代の中であの結果を出せたからこそなんだ。あの菊花賞・・・涙が出た」
ちなみになんだが、テキのおやっさんや久保さん、真由美ちゃんは空気を読んで外で何かあればすぐ来られるようにしつつも水入らずにしている。
そっかあー・・・あの菊花賞は言ってしまえばミスターシービーと何度もやり合った、あのTM対決以外でもマックイーンの強さを何度も味合わされた岡崎騎手からすれば実況も相まって本当に走る姿が見えたのかもなあ。
「全く。そこから海外でルドルフに並ぶGⅠ勝利数を獲得。テイオーの、ミホシンザンの無念を晴らしたと思えば次はルドルフが出来なかった世界への飛翔も果たした・・・ありがとう、ケイジ君。テイオーの子どもでここまで夢を、いや私の思い描きつつもついぞ見れないと思っていた景色を見れたことが本当にうれしすぎてたまらない・・・・・・ごめんね。年を取るとどうしても涙もろく」
『気にすんねえ。涙は心にたまった宝石がこぼれただけよ。そこまで想ってくれるんなら俺も俺のおやじや爺ちゃんも喜んでいるぜ』
「天皇賞(春)のゴールドシップはやる気を少し欠いていた。だがそれでも掲示板入りする走りを見せた。ケイジ君、凱旋帰国からのレースだが勝てとは言わない。気負い過ぎずに、自分のレースでぶつかってくれ。怪我をしなければ私はそれが一番だ。いや、本当にテイオーとルドルフの子孫でここまで頑丈な子が生まれるとはなあ・・・」
『そこは神様に言ってくれい。まあ、どちらもケガやローテに泣かされたりで華やか、熱い戦いを見せる一方苦しい場面や苦労がまたすさまじいものねえ』
この後、ひと段落したということでみんなと一緒にワイワイ過ごし、岡崎元ジョッキーからもらった人参をかじり、ぼんやりしていた。
『いよいよ始まります今年の上半期における最強決定戦宝塚記念! もう夏に差し掛かったここ阪神競馬場は満員御礼。レースが待ちきれないと、優駿たちの走る姿を早く見たいという声が聞こえます!』
さてさてやってきましたは阪神レース場で行われる宝塚記念。このレースは獲得賞金ではなく馬たちの人気によって出走資格が手に入る。いかに強かろうと不人気であれば出られない。ある意味では『最も愛される馬が勝つ』レース、なのかなあ?
そしてここ最近ずっと見ているけども競馬場は今日も満員御礼。いやー嬉しいね。そして皆さんおっひさー
『今年のレースに参加したメンバーはモノが違う! レベルが違う! さあまずやってきたのは先の天皇賞(春)でゴールドシップを下し黄金世代はまだここにもいるぞと見せつけたフェノーメノ! 今日も見事な仕上がり。さあここでも勝っていけるでしょうか注目されます』
『続いて負けはしましたがそれで落ちる実力や人気ではありません。10番ゴールドシップ。あいも変わらずの舌ペロをしながらフェノーメノをにらんでおります。挑発なのでしょうか? 今日はウキウキで進んでおります』
相変わらずだなあアイツ。同時に元気そうなのが嬉しいけど、さてさて俺らの出番だー
『そして皆さまお待たせしました! このコンビの入場です! 今年の3月に行われましたドバイミーティングでドバイDF、シーマクラシックそれぞれを手にするという快挙を達成! 更にはワールドレコード、日本競馬史初も持ってきたまさしく最強世代の筆頭! 11番ジェンティルドンナ! 鹿毛の馬体が悠然とターフを歩みます!
更には12番ケイジ! ターフの傾奇者もここに帰ってきました! ドバイでも相変わらずの奔放ぶりと大逃げをもって見事GⅠを7勝! 4歳にしてすでに祖父の皇帝シンボリルドルフに並ぶ怪物はここ宝塚記念も持って帰りゴールドシップへのリベンジなるか! それともフェノーメノが、ジェンティルドンナが阻むかと熱い戦いが予想されます!』
『やー思ったより早く再会できたなあジェンティルちゃん。そんでゴルシもフェノもおっひさー』
『ええ、そうね。元気そうで何よりよケイジ。そして・・・あいつは相変わらず・・・』
『来たなケイジ。ゴルシにはリベンジできた。今度はケイジにも勝ってやるからな!』
『へいへーい。お? ケイジお久しぶりでゴルシー・・・なんで天皇賞いなかったんだよお! 正直萎えたんだぞお前いないし!』
おう、やっぱやる気スイッチ電源ごと落としていやがったかこいつ。それで3位ってやっぱこいつステイヤーとしてはほんと日本競馬史でも最強格だわあ。ジェンティルちゃんらの得意とする距離だけど、その中でもこいつスタミナに任せたハイペースなレースと末脚残すから怖いんだよねえ。だからこそ楽しいし燃えるけど。
『萎えたからっていう結果じゃねえだろ。つーかフェノーメノに喧嘩売ったって聞いたけど?』
『途中で飽きちゃった~でも、今日は面白くやれるぞ~ジェンティルちゃんとケイジがいるからすげえわくわくすっぞ』
『よし、今日も勝って分からせてやる』
『貴方がジェンティルちゃんいうな! そして負けませんわよ! わたくしは世界のレースで勝ったんですもの! ここでも勝って魅せますわ!』
『おっと。ケイジ世代らのメンバーが集まって何やら嘶きつつケイジとゴルシの変顔を見せあい、耳をしきりに動かしております。ここお笑いの本場関西、阪神で見せるその顔芸百面相のお披露目にレースでも変顔でもライバルをしておりますゴールドシップの様子に競馬場は熱気の種類を変えて笑い声に溢れます』
いやー調教中も表情筋動かしたりして表情豊かに行きたかったからなあ。頑張ったぜー? 代わりに真由美ちゃん笑いすぎて後日腹筋筋肉痛になったけど。
しかしー・・・上半期の日本競馬古馬最強決定戦。有馬より短い距離のレースだってのに、12頭とは少ないなあ。回避とか、不調な子が多いのかねえ。
『えーいいジャンよジェンティルちゃん。綺麗だし、強いってケイジから聞いて楽しみにしていたんだぜ~?』
『にやにやするな白饅頭! ほかの馬にもちょっかいかけつつよくもまあ器用にできますわね!?』
『こいつは・・・おぉ。もう』
「いやはや、ほんとカオスで愉快だなあこの子ら。ケイジ、今日の作戦はどうする?」
『松ちゃんも付き合ってくれてありがと。うーん・・・・追い込みで。確か新聞では俺以外にも逃げをする馬がいたはずだし、ペースメーカーと引きずり回してもらうのはそっちに任せるわ』
同期のわちゃわちゃしたやり取りを見つつ松ちゃんの声を聴いて頭を6回くらいヘドバンする。おいゴルシ。真似しても疲れない? めっちゃすごいシェイクしているんだけど? コーラでも振る動画でも見た?
で、この俺のヘドバンは松ちゃんにどのレース運びをするかって合図。1~2回なら大逃げ。5~6回以上なら追い込み。一緒に勉強して考えたサインだけど、松ちゃんも俺になじんでいるし、すんなり共通のサインになったわ。
「了解。大逃げ二頭だとあの爆逃げコンビを思い出したけど、それは次だね」
『ヘリオスとパーマーのお笑いレースね。どちらも凄い強いんだけどコンビ組んだらああなるからほんと面白いわ』
改めて、大逃げコンビに泣かされていたテイオーの子どもの俺が大逃げを武器に引きずり回したり、追い込みで戦うとか岡崎元ジョッキー最初俺を見たときどんな顔したのやら。さーてファンファーレもなっていよいよゲート前―いやーこいつらのやり取り見ているだけで俺は変顔しながら楽しく眺められていいですわ。
『さあいよいよゲート入りです! 今回の宝塚記念出走は12頭。ですがそのメンバーの豪華さは間違いなく歴史に残るもの! 同期にして牝馬、牡馬それぞれの三冠馬にそれを打ち破った不沈艦にそれを倒した黒い刺客! このレースに雨は似合わないと先ほどまで降っていた雨は上がり青空が顔をのぞかせています。馬場は良。怪物たちの戦場にふさわしいものでしょう。
次々とゲートに各馬が入りまして出走準備が整っていきます』
なにやら大竹ジョッキーの熱い視線を感じつつもゲート入り。上半期最強決定戦の王座をかけていざ・・・勝負。
『係員が離れまして・・・・スタートしました! おおっと5番シルビート一気に前に出る11番ジェンティルドンナそれを追うように前に。ケイジは・・・今回はゆったり後ろを走ります。今回は追い込みで仕掛けるようです』
出走馬の数が今回は少ないし、俺以外で大逃げいる分楽に前に出られるもんねーたまにはゆったりと脚を溜めてダイナマンもいいもんよ。ってことで・・・・あれぇ?
『さあ、二番手を狙いますジェンティルドンナ・・・なんと10番ゴールドシップ4番手! 今日は前目につけて先攻集団についていますその横を3番フェノーメノが食いつく形になります』
『ジェンティルちゅわんいいケツしてんねえ。まってー』
『よらないで馬鹿が移る!!』
『お前ら馬じゃろがい・・・ええー・・・』
まさかの先行策。いやまあ、ステイヤーのフェノーメノのエンジンかかる前に早めに仕掛ける。いい場所とるのはナイス。と言いたいけど絶対これジェンティルちゃんに突っかかってるだけじゃん。騎手の兄ちゃん少し動揺しているんだけど。先行で仕掛けたのって俺とやり合った日本ダービーくらいだもんな。俺が後ろなのにそれしちゃうんだ? って感じの反応してんぞ。
『レースは既に第2コーナーを曲がり先頭はシルビート大逃げを持って既に7馬身、8馬身・・・10馬身とリードを広げます。二番手にぽつんと4番ダンスバラムーン。少し離れまして11番ジェンティルドンナ。それをマークします10番ゴールドシップ。その次に6番トーセンキッシュ。3番フェノーメノに8番ナカヤマノブシが続き、最後尾には12番ケイジ。シルビート1000メートルを通過タイムは57秒8とハイペースな試合になります』
うーん。もう1000メートル通過かあ。やっぱ追い込みだと足のためをしやすいから疲れんなあ。そして大逃げを擦る馬たちを後ろから見るとこんな感じって改めてよくわかる。経験を積んだ古馬。そしてこの宝塚記念で勝利を狙うために磨かれた手綱さばき、体裁きを持つ騎手たちの技量もあっていい勉強だわー
『シルビート一足先に第3コーナーへ。このレースの四天王の位置取りを改めて、11番ジェンティルドンナ3番手で馬群の先頭を走りそれについていきます10番ゴールドシップ。3番フェノーメノは4番ダンスバラムーンのやや後ろを走り、12番ケイジは最後尾ポツンと走っております。
先頭から最後尾までおおよそ25馬身の差がついたままシルビートさらに逃げて先頭集団と15馬身差をつけて第三コーナー中間を走ります。ケイジさらに遅く30馬身まで差が広がります』
さてー・・・そろそろ仕掛けていくかあ? 松ちゃんいくぜ。
「・・・そろそろシルビートも疲れが出てくる。行くぞケイジ! 外からまくっていけ!」
『気が合うねえ! おうよ! さあこっから勝負だ!』
『シルビート第4コーナーをカーブするも既にリードが詰められている! しかしその中でもどうにか7馬身残して最後の直線へ! おっと!? ケイジ仕掛けた! 第3コーナー半ばからすっ飛んできてあっという間に先頭馬群に猛追していく!』
淀の坂も、不慣れな芝でもねえ分ジェベルハッタよりもずっとやりやすいわ! そして数が少ないのも相まって余裕よ余裕!
『しかし先頭馬群、四天王のうち三強は並んで直線に・・・おおっと!? ジェンティルドンナ、ゴールドシップに体当たりだ!』
『どきなさいこのデカブツ!!』
『なんなんだぁ今のはぁ?』
『ひゃんっ!?』
『ぶわはははははっははははははは!!! あーっははははははは!! や、やべえ力がぬけ・・・ブフス!』
クッソwwwww そういえば宝塚記念でこいつらこれしていたな! やべえ忘れていたわ! わ、笑うついでに息が抜ける。くそう。貴婦人タックルも黄金の不沈艦には効かないってか。いやージェンティルちゃんもすげーパワーしているのにこいつも大概だなあ。流石だぁ!
『フラれちゃったからもう行くでゴルシー』
『はぁ!? 何よそのかそ・・・・』
『おおっと!? ケイジ爆笑しながら失速・・・いや、再加速して猛追! ジェンティルドンナは失速したが追い込みをかけるゴールドシップにケイジが並ぶ! シルビート、ダンスバラムーンを撫で切って有馬記念の再来のようなたたき合い! いや、ジェンティルドンナも持ち直して追いかけてくる! フェノーメノも食らいついていく!』
『待ちやがれぇいゴルシぃ! 俺との対決はまだだろうが! もうちょい付き合え!』
『待っていたぞお? でも勝つのはオイラだよーフラれちゃったのを伊馬波さんに慰めてもらう予定だし』
『勝手に来ただけでしょうに!!? こんの・・・待ちなさい白饅頭にケイジ!!』
『ふざけんじゃねーよこの野郎ども! 勝つのは俺だぁああ!!』
『わたくしは女でしてよフェノーメノ!!』
くっそちぎったつもりなのにもう差を詰めてきた! ほんとあの末脚の爆発や天皇賞を取ったスタミナでの粘り腰が怖いなこいつら! でも勝つのは俺だあ! このやろー笑わせてくれた分の礼は俺の勝利で返してやる! 松ちゃんの闘魂鞭も来ているんだ! こなくそぉお!!
『四天王激しいデッドヒートに会場が大盛り上がり! 人馬一体の走りをもってのたたき合い! しかしそこから一頭抜け出したゴールドシップ!! 猛追するケイジも抜け出そうとするが届かない! あとわずか! もう少しが遠いケイジ!』
『負けないぞお! 天皇賞萎えた分のお返しだケイジ!』
『なら俺は笑いをくれた分のお礼をくれてやらあ! ぐぉお・・・! 何だこの加速・・・!』
くそぉ。溜めた足を全部出し切ったうえでさらにいい場所つけているってのにこいつの脚が鈍らん・・・! さらに加速だとぅ!? くっそおぉ・・・届かねえのかぁ・・・!
『ゴールドシップ二枚腰の加速をもってケイジに一番槍を譲らずにゴールイン! 新たな金メダルを獲得! 二着にケイジ!! 三着にジェンティルドンナ。四着にフェノーメノ! 同世代で宝塚記念の順位を独占! タイムは2分12秒3! これはとんでもないタイムだ!
そしてやりましたゴールドシップ! ドバイミーティングの覇者にして三冠馬二頭! 天皇賞馬フェノーメノをまとめて千切り捨て、リベンジを見事達成! 流石は黄金の不沈艦! 簡単には沈むことなき力強い走りで見事上半期最強の称号ももぎ取っての勝利です!!』
くっそー・・・負けたかあ・・・いやあ、強い・・・世界での経験をもってしてもこいつには届かなんだか。だが、同時に誇らしいし・・・かっこいいぜぇー・・・・ぶふ、すまん。それ以上に今は笑いの方が強いけど。
『ぬあぁあああああ!!! 何であんなのに負けたんだぁああ!!!』
『わたくしのタックルでも沈まないなんて・・・! オルフェーヴルはあれで怯みましたのに・・・!!』
『ゴルシだからさ・・・(某赤い彗星風に)ま、それはそれとして、おめでとうゴルシ。いやージェンティルちゃんの体当たりを受けたうえでのあの走り。見事だったぜ』
『ありがとうさん。いやーケイジの姿が今日は見えなかったからあれ? ってなったけど、最後の勝負面白かったよぉ。これで伊馬波さんにも褒めてもらえるもんね。茄子はしばくかもだけど』
『勝利した時くらいやめてやんな。いやあーみんな強かったし、楽しかったぜ! ありがとよ! やっぱみんな最高だ!!』
これで二連敗。笑いのミスがあったとしてもゴルシもタックル喰らっていたしで条件はおんなじ。やっぱり今日もゴルシが強かった。食らいついてきた。追い込みがメインのゴルシまさかの先行での戦いと大逃げのシルビートに振り回されつつもここまでやりあえたジェンティルちゃんにフェノーメノ。みんなみんな見事だった。
凱旋勝利とはいかなかったがしょうがなし。今は健闘と勝利を讃えてターフを出るぜ。
『ケイジ出走した全頭に頭を下げた後に大きく嘶いて悠然とターフを去ります。帰国後の華を飾ることをできませんでしたが、それでも勝者を称える姿は見事! 松風騎手も頭を下げてともに移動します。そして勝利したゴールドシップやはり強い! 三冠馬にも劣らない輝きはまさしく黄金! いや芦毛なのも相まってプラチナの輝きを見せつけるようにウイニングランを拒みます! 勝利の歓声から笑いがまたもや入り混じる! ケイジに向かって変顔と舌ペロをした後に頭を下げてライバルを見送ります』
おいこらゴルシ。
『うーん・・・・・まあ、あんな珍事はないと・・・は思えないが、今のゴルシとやり合うにはもう少し力が必要だなあ。どうしたもんかなあー? 先行とか差しだと俺の馬体で馬群に飲まれると抜け出すのキッツいし』
「うぅーん。ケイジ君はほんと極端な戦い方の方がいいしねえ・・・あーでも馬群に呑み込まれないまま相手をすりつぶすのなら、ダイワスカーレットの戦い方とかいいかも? えーと動画動画・・・テレビにつないで・・・と」
宝塚記念が終わり1週間。わちゃわちゃ馬房内で動いて柔軟をした後に真由美ちゃんと今後の作戦、手札を用意するにはどうしたらいいんじゃろなあと相談中。大逃げと追い込み、大外ぶん回し。これ以外で何かないかなあと一緒に名レース、名馬たちの動画を見ていたんだが、真由美ちゃん思いついたらしくダスカの動画を見ることに。
コントロール型の逃げかあ。みんなを焦れさせて磨り潰した後に残った脚を使う。俺の場合は逃げて差す。か差して逃げる。のどちらかだし、そういうのも悪くはないのかな・・・? 松ちゃん来たら真由美ちゃんに話してもらってから練習できるかテキのおやっさんとも相談だなあ。
まあ、使うのはもう少し後になるかもだけど。今からKGⅥ&QESの用意もあるし、急ごしらえの武器では欧州の、本場の競馬では駄目だろうし。確か今回は女王陛下とドバイの王族の手配でまたいい場所に入れるんだっけか。有難いねえ。
「け、ケイジに真由美ちゃん・・・た、大変なことになった・・・・!」
どたどたと走り込んできて汗だくだくですげえ顔しているテキのおやっさん。どうしたんだろう。まさか登録忘れたとか・・・はないだろうし。すげえ不安そうな顔しているぞ・・・?
「て、テキ・・・どうしたんですか・・・? み、水をどうぞ・・・」
「あ、ああ・・・すまない・・・落ち着いて聞いてほしいのだが・・・松風君が今日のレースで落馬して、命に別状はないが大けがをした・・・全治2か月の大けがで、完治するのは最低でもKGⅥ&QES、凱旋門賞が終わるころ。その間はケイジの屋根が変わることになった・・・・!」
「え・・・・・?」
『な、なんだってー!!!?』
リベンジ失敗。でもまあ楽しかったし面白かったしでいいかって感じ。次に勝ってやるとやる気満々。
ケイジ 宝塚記念のゴルシタックルVSジェンティルタックルは来年だったっけとほとんど忘れていて大逃げいるから今回は追い込みでいいやと思っていたらあの光景を見てしまい爆笑。どうにか2位につけて面目躍如。まさかの海外遠征前のトラブルに心底たまげる。
ゴルシ 相変わらずの不沈艦。ケイジに二連勝してうっきうき。でもまた海外に行くと知って不機嫌になりつつ茄子調教師に頭突きをかまして伊馬波さんのシャツを破く。ジェンティルドンナにフラれちゃったけどまあいいや。
フェノーメノ 色々あれな戦いをしたうえで勝ったゴルシに負けて悔しい。ただ今回の宝塚記念で4着に入っているし天皇賞も取れるステイヤーなので種牡馬としての期待も人気もうなぎのぼり中。
ジェンティルドンナ 自身のタックルがまさかの跳ね返される事態にびっくり。パワートレーニングと坂路にいそしむ。
岡崎 かつてのルドルフとテイオーの主戦騎手。宝塚記念でも今のゴルシは厳しいと思っていたがケイジは爆笑するわゴルシとジェンティルのタックル合戦が見られるわで長い騎手人生でも早々見られない光景に思わず笑ってしまった。松風騎手の怪我を聞いて急いで手を打つように的矢調教師と連携を図る。
松風 ケイジと負けてはしまったが2着。そして追い込みの強さも二度目の使用で実感したのでこれからだと思っていたのだがケイジの主戦騎手になる前からの付き合いの陣営の馬のレース(条件戦)に参戦。レースは勝利したがその後馬に振り落とされて大けが。命には別条なし。完治後も騎手として問題なく行けるのだが欧州二冠挑戦が消えてしまいケイジと相性のいい騎手は誰がいいかと急いで葛城大吾調教師と連絡を取り合い怪我の事を謝った。