たびたび仕事とポケモンのせいで今後速度が落ちるかもしれませんがよろしくお願いします。このためにスイッチ買いましたが、いやはや、ゲームの進化ってすごい。まだまだやれていないですけども。
今回は短めです。
~凱旋門賞・レース前~
神様「いやはや、凄い盛り上がりだねえ。流石は世界有数の国際レース。競馬の本場での三冠の一つになるほどの大舞台だ」
ルドルフ「ここが私が挑むはずだった場所か・・・そこに孫が挑む。感慨深い・・・」
シンザン「私やルドルフの時代ではうそぶくことはあっても目指すことなんてとてもとても。遠い夢のまた夢だったね。ジャパンカップやほかのレースでも海外のレベルを思い知らされるばかりだった」
エアグルーヴ「私の時代になっても・・びる・・・ピル・・・ああ・・・ブロワイエなど、強豪たちにねじ伏せられ、未だ難敵というものでしたからね。しかし、その本場に殴り込み、先のキングジョージでも圧勝」
スズカ「あれがケイジ・・・私と大竹さんで目指した果てを届けられる戦士・・・」
テイオー「そう! 僕の最後の子どもにして最高傑作!! ・・・・・にしても、大きいなあ・・・改めて」
ルドルフ「テイオーの約1,5倍近い重量に背丈も高い。周りの馬たちが小さく見える。流石は私の孫だ。この前も熊を蹴り殺したときなど・・・」
エアグルーヴ「え”・・・熊を蹴り殺した?」
シンザン「ああ、そうかここで合流したものねエアグルーヴちゃんは。そうそう。昨年の夏ごろに夏祭りに牧場を脱走したケイジが知り合いの子どもを守るために熊と戦ってねえ」
スズカ「マスタードで目つぶしをするわその隙をついた友達の犬が熊の噛みついてマスタードでのたうち回って怒ったり、なんかもう・・・やりたい放題だったわね・・・・」
ルドルフ「そのおかげで日本史上初の警察から害獣退治と子供を守ったことでの感謝状を貰ったウマになった。流石だ!」
テイオー「ワイドの紙を咥えたネイチャのポスターは見たことあるけど、まさかの事実に思わず父さんに二度聞きしてしまった。写真写りはいいけど、変顔の割合がなあ」
エアグルーヴ「皇帝の一族は滅茶苦茶なのしかいないのでしょうか・・・失礼かもしれませんがもう・・・おお・・」
シンザン「あの子がぶっ飛んでいるとしか。でも、滅茶苦茶というか、凄いという意味ではエアグルーヴちゃんも凄いよ。お母さんに負けず名牝として評価された。今も子供たちが戦っているんだもの。ケイジは分からないけど、現役も引退も名馬というのは本当にすごい」
スズカ「そうですね。あ、そういえば確かケイジ君と確か子どもが出たレースで・・・ん、くく・・・」
エアグルーヴ「わ、笑うなたわけ! 流石にあれは会う機会があればしっかり怒らねばいけない!! はぁ・・・それはそれとして、是非ともケイジには勝ってほしいな。スペシャルウィークたちの魅せた世界への日本の強さ。それをまた・・・」
神様「僕もここまでやりたい放題していくとは思わなかったしねえ。しっかり録画はしているし、ゆったり見ていこう。ああ、それとエアグルーヴちゃんの知りたかった香水や花の名店、チェックしているから」
テイオー「あ、僕がしていたステップ! ここでしてくれるんだ・・・!!」
ルドルフ「見せつけるのだろうな・・・私たちの血がここまで来たと。しかし大竹かあ・・・私は大竹と聞くと魔術師の方を思い出すな」
スズカ「大竹さんのお父さん・・・でしたっけ? あ、オルフェーヴルにユウジョウ。それにしても、本当にサンデーお父さんの血は強いわねえ・・・」
神様「日本でいえば弥生、皐月、日本ダービー、有馬ないし宝塚記念。
札幌記念を勝っているような怪物でその時代のアメリカの主流血統からははずれに外れた完全異系だしねえ。名馬も名馬だよ。日本にこんな馬が来れたのは歴史の転換点さ」
テイオー「マックイーンとの親友だっけ? 恋人・・・あれ? 同性・・・? どちらにせよ、羨ましいね。あんなに子孫が日本に、海外にたくさんいるんだから。しかもあのオルフェーヴルは互いの孫なんでしょ? すごい話だねえ。あれ? そういえばそのサンデーとマックイーンは?」
ルドルフ「ああ。フランス旅行だし、二人で別席観戦してからそのまま旅行に行くと言っていた。私たちの血、子孫もこれからさ。テイオーが頑張って有馬を勝ったように、最後にケイジを残せたようにな。さて・・・レースが始まるぞ」
~レース後半・フォルスストレート~
シンザン「むー・・・ここはこーなが緩やかな分他が減速する中加速するケイジは少し差をつけるのが難しい・・・おお、ここでも早仕掛けで行くのか!」
ルドルフ「そうだ! それが一番、直線でずっと行けるのなら更に距離を取ってからコーナーが緩い分残せる脚でさらに突き放してしまえばいい! そうすれば体重が重い分一度ついた加速は鈍らない!! 直線でもケイジは負けない!! ・・・・改めてあの黄金の不沈艦は何なんだ!!?」
テイオー「あの二頭を思い出すけど・・・いいぞー!! 思いきりやっちゃえ! 大逃げが弱いとは言わせない! あれでGⅠとったのが僕と同じ時代に、黄金世代を子ども扱いした怪物だって日本にはいるんだー!!」
エアグルーヴ「いけ・・・いけ!! 大竹さん!! ケイジに、日本に世界の栄冠をまた一つ・・・!」
スズカ「あ・・・この感じ・・・大丈夫・・・大丈夫よ! そのまま行ける!! 勝って大竹さん!! ケイジ君!」
神様「ただ凱旋門賞を取るだけじゃない・・・こんなことまでしてくれるのか・・・ふふ。サンデーとマックイーンも応援しているけど、もう決まったね。ケイジ君の勝ちだ」
ルドルフ「勝った・・・ケイジ、いや日本の大勝利・・・!! ああ・・・・!! やってくれた・・・! 日本の旗が、歌がここに来るとは・・・!! 幸せだ・・」
テイオー「すごいよ・・・海外の、逃げが邪道だとかなんだとか言われる中でこの勝利・・・・・うん・・・最高だよ、僕の子どもが、やってくれたんだ・・・」
シンザン「砂浜や山道での調教での柔らかい地面、反発力がない場所での走りの経験。そして・・・私やルドルフ、テイオーの時代の芝はまだ冬枯れもあれば、今よりもやわらかい芝だった。その中で走った血の遺伝も活きたのかな? ・・・・・・おめでとう・・・日本がずっと追いかけていた競馬の本場にも、届いたんだね・・・涙が・・・」
エアグルーヴ「世界一・・・・・これで日本、ドバイ、イギリス。そしてフランスのGⅠを制覇ですか。いやはや感服としか言えません。私の子どもたちも嫁候補になるのでしょうけど、この子なら文句はない。おめでとうケイジ。古来日本競馬の結実の傾奇者・・・素敵な景色を見せてもらった」
スズカ「ああ・・・よかった。本当によかった・・・! あの景色の先を、世界の頂点さえも・・・届いた、届けて、見せてくれた! 大竹さん、頑張って、歩いてきてよかったね・・・! ありがとうケイジ、最高の侍だよ」
神様「そしてオルフェーヴルも二年連続二位で確かに三冠馬の意地を、新進気鋭のユウジョウも三着。これはもう文句なし、いや、言う輩はいるだろうが日本がもう欧州のレベルに届いたのは確かだと言える。
・・・全く、まだ4歳だというのに、これからもまだまだ先が見られる。飽きさせないね。あれ? マックイーンとサンデーも来た。二人で行かないのかな? ま、私達の馬券の儲けも使って今日は飲もう。美味しいお店を知り合いから教わってね」
『ケイジ凱旋門賞を見事制覇!! 日本、アラブ、イギリス、フランス4か国目の勝利GⅠは日本の悲願までもを持ち帰る!!』
『世界有数の名馬へと! 漢ケイジダービートリオで大手柄!』
『見たか世界よ! 日本の皇帝の一族完全復権!!』
「むふふ。これはいいないいな。ええ感じにケイジ君らで日本中がにぎわっておるわ」
『だなあ。ところで藤井の兄ちゃんは記事書かないでいいの?』
「ん? ああ、ボクの方はもう記事を書いて送っているからな。ほれ、移動中に利褌さんに取材したのをさかさカーっと描いてもう送ったから、今はもう牧場観光と湯治にシフトってわけや」
『なーるほどねえ。そういや、予約表に入っていたわ藤井の兄ちゃん。ならゆったりとなー』
無事に帰国を済ませ、ドーピングやらあれこれのいちゃもんも無くまた検疫と隔離のために前田牧場でしばしの休暇となった俺。同時に藤井の兄ちゃんとトモゾウたちがもってきてくれた新聞はどれもこれも俺やオルフェ、ユウジョウの記事ばかりで一面もそれ。
大写真は俺らのゴールだけど小さな写真の際の俺とオルフェは変顔なのは笑いを誘うためかね。連日連夜テレビでも新聞でも大賑わい。日本競馬ブームは俺らの世代で起きていたが、今回の件でさらに前代未聞、空前絶後の大ブームになっているそうな。
頑張った甲斐があったぜー。これでたくさんお金が入って、引退馬たちも穏やかに過ごせる資金が出てほしいなあ。
「まー少し休んでから、もう一つ予約している社爛さんの牧場でブラウトちゃんたちの写真と、軽く取材を組むけどね。いやー・・・あの人、ケイジ君もやけどナギコちゃんにキジノヒメミコ、そしてミレーネちゃんにブラウトちゃんと世界レベルのロマン血筋かつ素質馬集めすぎやって」
『俺の方はクラシック戦線時既に特番幾つかあったけど、今回の件でもう前田牧場特集組まれそうね』
「ほんま、サンデーキンカメの血が入らない上にスピードもそこそこ、ド級スタミナ、パワー血統を用意したし、今後種付けの予約や依頼の取り合いなるで。さて・・・まーだ騒いでやがるのか・・・・ボクもちょい追い返すの手伝わんと」
『いってらっさーい』
でもまあ、オグリ時代とテイオー、マックイーン時代、98時代を全部詰め合わせたようなブームのせいもあって、うちの牧場に押し掛けるマスコミの数。おい俺ら馬の視力でも全部とらえきれないって何事だよ。記者の波が最早ゾンビ映画のワンシーンにしか見えねーぞ。
日本一過激、素行不良、マナーを守らない記者は容赦なく悶絶調教する過激武闘派警備員もいるってのに全くすげえバイタルというかなんというか。何でこの記者さんらは入れているのにとごねる記者がいるけど、そりゃーお前藤井の兄ちゃんをはじめとした入れている記者さんらは凱旋門賞に挑む1か月以上前から予約入れて、俺ら馬の負担考えてフラッシュ厳禁、音も控えめのカスタムカメラに時間厳守の徹底ぶり。
俺らへの土産すらも用意する馬やホースマン、牧場への配慮をしっかりしているからだよ。うちみたいな中小牧場に警備員を見返り無しで配置してくれているドカちゃんとか、真面目に今度は切れてマスコミやテレビに資金提供しなくなるぞ。
藤井の兄ちゃんも記者さんらにプレートまで用意して注意と馬たちへの配慮をしろと言いつつ押し返し、おやっさんとトモゾウらが牧場の外でしっかり記者会見を即席で開いて対処。ほんとお疲れだぜ。
『あー・・・いい湯だったぁ・・・温泉・・・秋でなくても入りたいね』
『おーお疲れオルフェ。でしょー? しばらくはお前さんもここで休むそうだし、ゆっくり過ごしてくれや』
『うん。あ、そういえばテレビでやっていたけど、大竹さんとケイジ君、前田牧場の皆国民栄誉賞もらうのと、大竹さん府中に銅像立つそうだね』
『はっはっは! 銅像たあ豪気だが、あの人ならふさわしい。オルフェこそおめでとう。今回の結果で国際レートも上がったし、引退後は超モテモテのハーレム生活だぞお?』
あ、ちなみにだがオルフェは俺の牧場で温泉に。ユウジョウはブラウトちゃんらと一緒に社爛さんの牧場で過ごし、しばらく検疫と休養。グラスじーさんがまた実家・・? に戻ったので牡馬放牧エリアがまた草も青々と生えているのでオルフェもぽかぽか地面で柔らかい草のクッションでお昼寝。気が向けば俺が頼んで牧場スタッフと温泉と、頑張った分のバカンスを満喫中。
『うん・・・そうだね・・・ねえ、ケイジ君。君は、なんであそこまで強いんだい? 誰かの分を背負えるとフランスでは言っていたけど・・・でも、騎手が変わって、いつもと違うと感じながらもできるの・・・?』
『そうだなあー・・・オルフェはさ、池沼ジョッキーのこと、好きだし、外国の騎手さんがお前さんにスタイルを合わせてもそれでも池沼さんがいいって思っていたろ?』
『まあね・・・ずっと一緒に戦ってくれた人だもん。この舞台でも一緒ならと・・・』
『それはあちらさんも同じなんだ。オルフェが池沼ジョッキーを想うように、あちらもお前さんを想っているし、同時に勝ってくれと願っていたはずだ。俺もそういう想いを背負っている、見守ってくれるというのが感じられる。だから相棒が変わろうともむしろその分やってやると脚に力が籠るんだ。ここまで来るまでに戦って、支え合ってくれたみんなの分な』
そう。嘘みたいな話だが、期待や望まれるのが、そのプレッシャーがやる気になる。ってのは実感するとまあ凄い。言ってしまえばそのプレッシャーが、いや期待や夢が精神を研ぎ澄ませる砥石だし、俺の身体に入る活力だ。
オルフェーヴルは基本臆病なせいで池沼ジョッキーや一部の人の期待を選んで載せていたと思うけど、それ以上に乗せられることが出来ればきっと更にやばくなる。
『みんなの・・・』
『そうそう。それに俺らダービー、三冠馬ともなればその圧は段違い。だけど、それだけ皆を夢中にさせて、笑わせたり熱くさせられるのは楽しいものヨ。オルフェもそれを既にしているし。欧州で俺らよりも先に切り込んで戦ってくれた偉大な戦士さ。オルフェも、きっとそれを感じたうえであの凱旋門賞を挑めば、俺とオルフェの順位は入れ替わっていたぜ』
『そうかなあ? ケイジ君の強さはかなりやばい部類だと思うよ』
『なはは! 既に二度も負けているんだし、ライバルは多いよ俺は。いつ負けるかもうひやひやで。お・・・? あ、池沼ジョッキー』
『ううぅーん。ケイジ君もそんなこと考えるんだねえ・・・誰かの期待を脚に込める・・・か・・・え!? ほんと!? 池沼さん何処!? あ、いた!』
おぉう。ほんと池沼さん好きなんだなあ。俺が見つけるやすぐさま体を起こして放牧エリアからすっ飛んでいったよ。
松ちゃんも早く来ないかねえ。リハビリは済んで、今は練習中とのことだし、もう少しかかるのかしら。ほわぁー・・・さてさて・・・ナギコの本棚から借りた農業生物学や、武器軟膏の本でも読んでみるか。歴史教えたら推理小説のみならず奇書にまで手を出しやがったよあの馬。
ほんほん・・・うーん・・・ええ・・・・・・うん。こりゃあー皮肉の効いた奇書だったということだけ、あ、ボーボボ零巻的なノリの偉大なるパンジャンドラムは笑った。
『・・・ということで、ケイジ号、オルフェーヴル号、ユウジョウ号の放牧後、帰国後の1週間後に授賞式を執り行う予定となりました。その際は・・・・・・・・・そして、その大舞台を手にした大竹騎手のインタビューになります』
『感無量であると同時に、時代を彩り銅像を建てられる名馬たちと少しでも並ぶことが出来たのかなと思うと嬉しく、少し緊張してしまいます。ですが、私の銅像は出来るのならケイジの本来の相棒と、ケイジ。そのコンビの戦いが終わってからにしてほしいというのが正直な気持ちです。
私はケイジに勝たせてもらっただけです。そして、ケイジと戦えるチャンスをくれた的矢さん、岡崎さん、葛城さん、前田さんらケイジ陣営、何より私に思いを託してくれた松風騎手のエールがあってこそです。ですから是非、あの戦国コンビの戦いの果てにできれば僕と松風君で銅像を建ててくれれば・・・と』
一通り騒ぎが収まりそうな・・・いや、収まっているか分かんねえな? な状況で、大竹騎手、そしてあの凱旋門賞で日本馬に乗ったジョッキー全員と、俺たち日本メンバー、陣営全員が国民栄誉賞を賜る話となり、また競馬ブームが大盛り上がり。大火事にガソリンをポリタンク単位で投げ込むような騒ぎだ。
アメリカ版ウオッカかよと言いたいほどの人気と騒ぎ、そしてタケちゃんの言葉がこれまたまあ・・・いうねえ・・・これは是非とも来年俺も凱旋門賞に挑まないとだなあ? 利褌のおやっさんに女将さん。
「ふむ・・・これは、来年のこの季節も行先は決まったかな」
「来年の事を言えば鬼が笑うと言いますが、ケイジちゃんなら鬼ですら蹴り飛ばしそうですし、とりあえず凱旋門賞はもう一度挑みます?」
「ああ。ただ、キングジョージは少し考えよう。やはり遠征ゆえの疲れもあるし、ケイジも古馬に入っていく。衰えや体力の配分、焦らずに、じっくり煮詰めつつやれるようにしていけるよう葛城君とも相談だなあ」
よっしゃ凱旋門来年も挑戦は決定。もう15だか16億円も稼いでいるもんね。昨年の覇者が挑むと聞いてあちらさんも拒めないだろうし、こりゃあーじっくり用意してまた今度は松ちゃんと挑まないとな。
「あ、そうそう。調教師で思い出しましたが、平野さんとナギコちゃんたち。アメリカで2歳限定戦重賞レースで3連勝。GⅠにも挑んでいくそうですよ?」
「おお・・・そうかそうか・・・無敗のままナギコもアメリカで躍進しているか・・・これはいいな。しかし、同時にアメリカのファンの方は良い見方をしているのかねえ」
『あーあっちはなあ。自由の国、サラダボウルな国のはずなのに競馬の世界での馬は階級社会とはこれ如何にだからなあ』
のんびりテレビを見ていると思い出したのはナギコの躍進ぶり。アメリカは基本GⅠ多いしね。下手すれば俺以上の戦績、GⅠ勝利数を3歳で稼ぐのも普通にあり得る話だからなあ。そのためにはルドルフ、マックイーン、オグリレベルのトンデモローテになりかねないけど。
その中で勝ち進んでいるのがナギコ。だけど、アメリカの競馬では階級社会。マイナーの馬はマイナーの馬としか、GⅠレベルの馬はGⅠレベルとというのが通例で、たとえ勝利を重ねようとも見込まれない可能性があったりする。ノーザンダンサーとかサンデーサイレンスとかね。というか、この馬たちを管理したのが師弟関係の調教師で、どちらもレジェンドで、サンデーに関しては種牡馬として活躍やばそうだなあと言われているのにアメリカで欲しがった人がほぼいないってすげえよな。外貌主義とアメリカ馬の階級の壁ここにあり。
まあ、それも正しいんだけどね。実際オグリやセイウンスカイで後継種牡馬、牝系でもどうにか後継者候補が残った? と言われると・・・うーん。だし、良血と良血。ベスト配合をするのもまた王道だし、確率もそちらの方が期待が持てたりする。
「はぁー・・いい湯でしたわ・・・ああ、ナギコちゃんのニュースです? それでしたら、アメリカの記者仲間からもそらぁー好評でしたよ」
「おや、藤井君。牛乳とビール何方をもらう?」
「牛乳で。本場北海道の牛乳は東京ではなかなか味わえない旨さで・・・ぷはー・・・ああ・・・そうそう。それで。ナギコちゃんの追い込みでのまくりと加速、そして尾花栗毛のキレイな馬体とも相まってミス・ゴールドクイーンと言われたり、ジャパニーズ・ワンダーウーマンとえらいもてはやされようで」
「リンゴもどうぞ。そうなのねえー・・流石記者さん。ここら辺の情報が早くて助かるわ」
少し俺も心配していたけど、温泉上がりの藤井の兄ちゃんからの情報を聞いて安堵する。いやーよかったよかった。ナギコの両親は何方も地方の馬の血だし、ダートの本場アメリカの中央戦線で戦う際に気をもんでいたんだよなあ。
そんで、おい、藤井の兄ちゃん馴染んでんなア。前田牧場の俺のTシャツ着けて、カバンには俺のぬいぐるみ。牛乳ひげ作りながら楽しげに談笑して。記者っつーか親戚の兄ちゃんだよこらあ。お盆も過ぎたし年末まだだぞおい。
「いやいや、ホンマ泊めてもらって感謝ですし、ナギコちゃんの活躍は嬉しくなりますから。話は変わりますが、今年の天皇賞(秋)ジェンティルドンナにジャスタウェイを筆頭に多くの怪物がまた集いますなあ。前田さんらはケイジ君の次走はどこに?」
「ふーむ・・・そうですね。此方としてはジャパンカップに出そうと思います。ケイジと松風君との調整の時間も取れそうですし、何より・・・日本馬による凱旋門賞制覇の馬が乗りこんで行われる初の大レース。ケイジが勝っても、ライバルが勝っても大盛り上がりですし、ケイジもきっと日本の皆が恋しいでしょう。そちらにします」
「あはははは!! 海外馬よりも日本馬が注目を集め、しかもそれが凱旋門賞馬!! こらあ面白いですわ。早速文章だけでも会社に送ります。いやーありがとうございます前田さん。そしてケイジ君。また日本のレースでも頑張らないと、ナギコちゃんに追い越されるでー?」
『何だとこの野郎。受けて立つぜ!! 日本冬の大レース。見事に勝って魅せてやるよぉ! あ、アニメみせて! 銀魂! ジャスタウェイの話が出ないか、アニオリが気になるんじゃ―!!』
秋の天皇賞はジェンティルちゃんかジャスタウェイが勝つか、それ以外かはわからん。だが、勝つのなら俺たちの世代だと思う。だからとりあえず今の競馬ブームでジャスタウェイの名前や姿が出る話出てないかが気になる。見せてくれ。アニメの時間なんだよぉー!!
「おお? ケイジ。ああ、アニメの時間か。ほれほれ、お前の馬房にあるだろう? 見に行こう。その間にご飯とお風呂の用意しておくから」
あ、トモゾウ。ありがとナス! アニメの方はなんか銀さんとゴリラ局長が秋のレース情報を見てどれに賭けるか話をしていた。ゴリラ局長は直線勝負と爆発力でジャスタウェイ。銀さんはジェンティルちゃんがやるだろということでみたらし団子もしゃりながら駄弁ってた。
どうなるかなあー天皇賞(秋)楽しみだぜ。
真面目にブームかつ毎年話題を放り込んでくるケイジってこのくらいは騒がれていそう。そして秋は天皇賞とジャパンカップでまたケイジ達が出走。有馬も出る予定ですので多分秋から冬の競馬場はギチギチになっていそうですね。この世代たちの覚醒していくメンツが出るのもまたこのころからですし。