ハジケリスト世代だろ! (完結)   作:零課

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 申し訳ありません。真面目に心労が大きいようです。ほんと動画を見るくらい、小説を読むくらいしかやる気が出ないってやばいです。スマホゲー、ポケモンすら触れる余裕が出ないって初めてです。


 ワンピースの百獣海賊団側スタートの作品が面白すぎて見返すときがしばしば。ウマ娘もそうですが、本当に多くの視点やアイデア。考察が光ってすごいのなんの。

 文才豊かな人ばかりで是非イラストや漫画で見たいなあと思うばかりです。



 今回はちょっとケイジの回りのメイン? 回。になると思います。


ウマ娘エピソード 14 ちょっと次世代とケイジの回り

 「キタちゃん。いい加減決めようっす。キタちゃんの才能なら必ず試験合格するはずっすから」

 

 

 「そうですよ。それに、早くチームに入ろうと考えていたのもキタちゃんですし」

 

 

 

 「う、うーん・・・そうなんだけども・・・でも、でもぉ・・・」

 

 

 中央トレセン学園のとある教室の一角。そこで放課後の時間を利用してゆったりと話している三人のウマ娘。

 

 

 一人は金糸の髪を腰より下まで伸ばし、それを専用の髪紐で毛先近くまでグルグルと巻いてまとめているスタイル良しの長身美女、快活さが前面に出ている元気印のウマ娘メジロライトニング。

 

 

 もう一人は鹿毛の髪を長く伸ばし、額部分にはダイヤを思わせる流星。編み込みが一部ある特徴的な髪型。純情可憐な深窓の令嬢がそのまま形になったようなウマ娘サトノダイヤモンド。

 

 

 そして最後にその二人に挟まれ、うんうん唸って二つのポスターを見比べている黒髪を短くカットしており、黒髪に一部流星のある髪型に、先の二人に負けないほどのスタイルを持つウマ娘キタサンブラック。

 

 

 三人ともこのトレセン学園に入学して早数か月。学園での規則に寮生活も慣れ始め、ようやくチームへの参加も認められたということで入ろうとしていたのだが、キタサンブラックが未だに決めきれずに悩んでいたのだった。

 

 

 「入るのならやっぱりシリウスっすよ。日本では三冠を取り、海外でもドバイ、フランス、イギリス、アメリカで大暴れ。世界でも知らぬ者はいないまさしく最高のチーム。あらゆる距離と場所で戦えるんですし、キタちゃんの才能もここで花開くと思うっすよ」

 

 

 「私はやはりスピカですね。編入してすぐにスペシャルウィークさんの才能を開花させたことや、色々癖はあると聞きますがトレーナーさんも優秀とのこと。あちらは練習もいろいろ相談が聞くそうですし、のびのび学生生活をしながら強くなるにはこちらがいいのでは?」

 

 

 「うぐぐぐぐ・・・・どっちも・・・どっちも捨てがたいぃ・・・どうしよう。スピカか、シリウスか・・・」

 

 

 「もうかれこれ放課後1時間。しかもほぼ毎日っすからねえ。キタちゃん知恵熱で倒れる前に決めようっす。スズカ先輩みたいに途中での移籍もできるし、ゴルシ先輩もケイジさんもシリウスやスピカを行き来して遊んでいるし」

 

 

 「移籍を前提に話されるのは少し駄目だと思いますよライトちゃん。まあ、実際交流も多いチームと聞きますし、本当に悩み過ぎずとも」

 

 

 「でもでも! テイオーさんかケイジさん。どっちかと同じチームの称号を背負って戦うし、同じ練習を過ごせるんだよ!? そうそう決められないよー!!」

 

 

 ライトニング、ダイヤモンドはそれぞれ決めているチームは違うが、主にそれぞれのリーダー格が自由に交流していることも相まって気楽なものだが、ブラックはそこを非常に悩んでいた。

 

 

 というのも、キタサンブラックはトウカイテイオーの華やかさ、可憐さ、勝負でのスマートな強さ、あらゆる面で魅了され、大ファンなのだがこれまたケイジのレースでも日常でも変わらない奔放さ、豪快さ、そして触れ合えばわかるその優しさや人柄に胸打たれ、更には学園に入る前から両親、祖父の影響もあって顔見知り。練習もつけてもらっている過去がある。

 

 

 これから雄飛するスピカを盛り上げ、トウカイテイオーたちと一緒にシリウスやリギル。多くのチームやウマ娘たちと鎬を削るか、あるいはシリウスという歴代最高最強。そこでしごかれて世界中で戦うことを選ぶか。

 

 

 どちらのチームにもあこがれの人がいて、しかもチームに入ればその称号を背負って戦いの舞台に行く。そのプレッシャーと嬉しさ、誇りを想像するどころか手に届く場所にまで近づいたのもあってキタサンブラックの懊悩も強いものになるのは分かるのでライトニングもダイヤも待っている。が、流石に長すぎるのでこうして促しに来ているという訳である。

 

 

 「そこまで悩む必要もないと思うんすけどねえ。シリウスもスピカも自由な気風で合同練習も多い。気楽に気ままに、まずは入ってみようっす。私は当然シリウスっすけど。マイルの絶対王者。ヒメ先輩にタイキ先輩に負けないほどの怪物になって見せるっす! そんでケイジさんやジャスタ先輩にも勝って魅せるんすよ!」

 

 

 バシンと拳を掌に打ち付けて気合を入れるメジロライトニング。彼女はメジロ家の一人なのだが、何分遠戚よりであり、しかも前田家とのかかわりもあって幼いころから前田家、つまりは全員が何らかのGⅠ、直系筋に至ってはほぼ全員がクラシックを一冠以上手にしてきた怪物たちからの手ほどきを受けている。

 

 

 そういうこともあって基本天皇賞などのレースを狙うことを良しとしてきたメジロ家の中では最初から天皇賞は眼中にない。あっても秋の天皇賞くらいであり『やるならマイルで伝説を作る。ステイヤーから見れば短い距離だけど、その中にありったけを詰め込んで燃え切っていくんす!』とメジロアサマに真正面から啖呵を切った変わり種。ケイジもミホシンザンもそれを聞いて爆笑し、ヒメと一緒に鍛えたこともあってますます前田家大好きになったくらいである。

 

 

 「相変わらずマイルと前田家が好きなのですねえ。ふふふ。でも私はスピカです。リギルも素晴らしいですし、シリウスもいいですが、マックイーンさんもいればスペシャルさん、ゴルシさんもいます。ステイヤーとしての実力者ならこちらの方が相が分厚いですし、ここで学んでいけば中長距離なら最高になるはずですから」

 

 

 そしてサトノダイヤモンドはメジロマックイーンにあこがれるウマ娘であり、令嬢同士というのもあってシンパシーを感じている。日本でも格式が高い天皇賞であれ程に才覚を持って戦い、あまりの強さゆえに退屈と言われるほどの強さ。それでいてストイックな立ち振る舞いを見せるマックイーンはまさしくあこがれるヒーロー。

 

 

 彼女のファンであり、目指す舞台となれば当然天皇賞。そこを目指すにあたってマックイーン以外にもステイヤーとして規格外の才能を持つメンバーばかりのスピカ。しかもそこで古株でありリーダー格であるゴールドシップは前代未聞である宝塚記念の連覇。加えてあのシリウスのリーダーにしてルドルフを越えた怪物ケイジに一番勝ちを手にしている。それも有馬記念に宝塚記念と中、長距離でのレースで。だ。

 

 

 最強に立ち向かえるこれまた最強格の怪物。しかもマイルや中距離もジャスタウェイがドバイで暴れてスーパーレコードを出す。あのサイレンススズカも日本、アメリカで大暴れ。キタサンブラックの才能を磨くのならここだ。と何度も熱く押していたくらいには。

 

 

 「うーん・・・・うーん・・・・うう・・・も、もう・・・コイントスで決める! それで決まった場所をいくよ。そういえば、サトちゃん、ライトちゃんはもう決まったの?」

 

 

 「うん? 勿論っすよ。マイル部門で1位取ったのでそのままチームに。ダート部門はラニ。他の子たちは練習で早々に潰れちゃったようで、今は別チームへの移籍をしようとしていたとかなんとか」

 

 

 「私は一応トレーナーさんとスズカさんへ面通しをして、キタちゃんの事は伝えています。可能なら、もう一枠開けていて欲しいと。皆さん待っているとほほ笑んでいました♬」

 

 

 「シリウスの練習の際のハードさと、滅茶苦茶具合はほんと凄いしねー・・・そしてサトちゃん動きが早いよ」

 

 

 財布から硬貨を取り出して手で転がしつつ覚悟を決めようとするブラック。シリウスは現在在籍しているメンバー、海外を多く主戦場にしていることも注目を引くのだが、同時にその性質故に一つのチームに複数人のトレーナーがいるのもまた珍しいもの。

 

 

 それもあって受け入れるメンバーの容量は広く、今の人気も相まってリギルよろしくチーム参加のテストを幾つも開催してそれぞれ得意な距離や芝、ダートを選んで受けられるのもさらに話題を呼んだ。

 

 

 1200、1600、2000、2400 芝、ダートそれぞれで模擬レースをして、1着のものをチームに仮加入。しばらくの練習を経験して本格的にチーム加入となるのだが、ライトニングはすでに突破。チームの一員としてスタートを切っていたのだ。それ以外でも入学式の時から注目されていた問題児、ラニも無事にチーム入り。それ以外はシリウスのハードな練習とあのやたら濃いメンバーの前でやっていけるか自信を無くして別チームへというのがいくつも続いているということらしい。

 

 

 「まあ、キタちゃん確かあそこのトレーナーさんに足を触れられたでしょう? そのこともあって才能ある若手が来るのなら枠を開けておくから是非来てくれって乗り気でしたよ?」

 

 

 「ダイヤちゃん。それしれっとだけど半ば恐喝じみていないっすか?」

 

 

 「?? でも、あちらじゃ日常なのでしょう? なんでもスペシャルさんもされたとかなんとか? ケイジさんも。その後にシリウスに大目玉を喰らったとも聞きましたが」

 

 

 「あ、あはは。かなりの特別優遇は嬉しいけど、また触れられるのは勘弁かな~・・・ま、とりあえず、どこのチームに行くか・・・表ならシリウス、裏ならスピカで・・・」

 

 

 スピカのトレーナーに脚を急に触れられた一件と、親友がよくわからないままこの件を利用していたことに苦笑しつつコインを握って念を込めるブラック。このコイントスの方法もまたケイジから教わったものであり、どの選択も迷うのならこれで決める。その結果で迷うようなら心の奥では別の結果を望んでいるのだからそこを選べばいい。ということで困ったときはコイントスで決めるようにしていた。

 

 ウマ娘の力でコインをはじいて天井にぶつけたり、窓ガラスを割らないように気を付けてはじいたコインは宙を舞い、ブラックの掌に落ち、それをブラックがもう片方の手で覆う。

 

 

 しばしの間を置いて手を外せば、コインは裏。

 

 

 「スピカっすね。なら、私も行くっすよ。今日はシリウスも練習は軽めで、私も休むよう言われているのでスピカの見学ついでに」

 

 

 「ですね。ふふふ。ささ。キタちゃん。一緒にチーム入籍の書類。書いちゃいましょ?」

 

 

 「うん! テイオーさんと一緒のチームかあ・・・ふふ。それなら、ケイジさんとも真っ向から戦って、いつか勝てるように頑張らないとなあ」

 

 

 「夢がでかいっすねーケイジさんに勝つよりも無敗の三冠目指すほうがまだ現実的って言われる怪物相手に。だからこそ、キタちゃんらしいっすし、最高の親友だけど」

 

 

 ようやく決まったチーム移籍に安堵する二人。この後ブラックとダイヤはチーム入籍のための書類を用意し、その間ライトニングはスピカとシリウスの熱が出た時に見る悪夢。というたとえがしっくりくるポスターを眺めては爆笑し、コピーして寮で飾る用と保管用で用意してからスピカへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「げほっ・・ぐぇっほ・・・け、ケイジさんの練習きついっす・・・おぇ・・・み、みず・・のど、いだ・・・」

 

 

 「あ、足が力はいらな・・・あ・・かは・・・こ、これがステイヤーの世界・・・なのです・・・・?」

 

 

 「は、肺が・・・肺がきつい・・・み、水・・・空気・・・あ・・・・」

 

 

 「おーおーみんな死屍累々だな? ケイジとゴルシちゃん、ライスの練習についてこれる分有望株だが、早すぎたなー」

 

 

 「まあ、いい気合いだし、悪くないだろ。まーライトニングは明日の練習は筋肉痛ほぐしだなこりゃ。おーいジャスタ。こいつ頼んだ―」

 

 

 今日はライスはケイジお姉さまと一緒にスピカと合同練習。で来ていたんだけど、ちょうどスピカに入ろうとしていたキタちゃんとダイヤちゃん。後、この前無事に試験を潜り抜けて、ケイジお姉さまの練習についてこれた一人、ライトニングちゃんたちがそのまま参加。ステイヤー専用の心身を苛めて長い戦いへの耐性を付ける練習をしたんだけど、やっぱり結果は三人そろって轟沈。

 

 

 明日は筋肉痛になること確定になるであろう三人を木陰で休ませ、ライトニングちゃんはジャスタさんにケイジさんが放り投げてマッサージのケアを頼んでいた。

 

 

 ライスも、流石にこれをこなすのはきついし、しばらく後は動けなくなるほどに疲れ切る。ヘロヘロながら誰かの支えがあって動けるのなら凄い体力の下地があるし、キタちゃんは必ずすごい選手になると思うなあと感じているくらい。

 

 

 「お疲れ。ライスちゃん。重バ場での2400メートル2往復の2セット。いいタイムだったぜ。しかもダートで、特に乾燥してサラサラの脚を取られる。海辺以上の悪条件で。だ。マッサージするからこれ飲んで休んでいなさい」

 

 

 「あ、ありがとうございます。タクヤお兄様」

 

 

 「いいのいいの。んー張っているけど、疲労も前ほどじゃないねー仕込み甲斐があるぜーってケイジと一緒に頑張った分、強い脚になっている。これなら明日は筋肉痛はないかも」

 

 

 こちらも休もうとしていたら、浅黒く焼けた肌にサングラスが特徴的な筋肉質の男性。シリウスのサブトレーナーの一人で、ライスたちのサポートをしてくれる一人。久保タクヤさん。漫画家とシリウスのサブトレーナー、噂ではこの前サッカーワールドカップを優勝した下北沢代表? と攻撃トレーナーの一人とか言う噂もあるけど・・・とにかく、二足の草鞋を履く凄い人。そして、ライスの絵の師匠でもある。

 

 

 タクヤお兄様からかすかに梅干しやレモンを入れてくれた冷たい水を飲みつつ、マッサージ、アイシング用の氷嚢を太ももにあててもらいながら一息つく。きつかったが、今日も無事に練習を終えることが出来た。トレーナーさんからも許可を得て日本での最終調整も半ばだからこその念入りな追い込み。それにケイジお姉さまも付き合ってくれて、充実した時間だし、何より、この後の楽しみが活力になる。

 

 

 「あー練習かったりぃー~ジャスタにケイジ達じゃないとゴルシちゃんスイッチ入らないのよねん」

 

 

 「贅沢だねえ? 世界最強じゃないとやる気にならないとは。ま、いいさ。今日は特別梅シソおにぎりにツナ、鯛飯おにぎり、たくあん。味噌汁を用意しているから、それで一息ついてあがろーぜ」

 

 

 この言葉に周りの皆、スピカのなかだとスぺちゃんやダスカちゃんが目の色を変える。ケイジお姉さまが合同練習をする。あるいは今回のように心もきついステイヤー専用のトレーニングをした後は晩御飯までのつなぎということでこういう軽食を作ってくれる。それがまた絶品なのだ。

 

 

 ある時はサンドイッチ、ある時はハンバーガー、菓子パン。お菓子などなど、スープもついたそれは本当に軽食であることが惜しいくらいに美味しく、久保お兄様も思わずお腹を鳴らすのが聞こえた。

 

 

 今日の味噌汁は前田ホテルのバイキングでも使われる選りすぐりの味噌に、おにぎりはケイジお姉さま、ゴルシさんらが自作した具材。もうライスやみんなの心は疲労よりもご飯の方に心がいき、この後の後片付けもあっという間に終わった。

 

 

 「んー・・・こいつは美味い! また腕を上げたなケイジ!」

 

 

 「ありがとナス。いやーマグロや鯛の切り落としや余り物を漬けて、焼いてみたがこいつは良いな。濃い味なのと塩分が練習後の身体にしみるぜー♪」

 

 

 「お米がほくほくでほろほろ口の中で崩れて・・・甘いのがまた味を引き立てて・・・くー・・・蘇る心地っスー・・・味噌汁も・・・うん? これ海老出汁っすか?」

 

 

 「ああーそうそう。久保さんがこの前サーフィンついでに捕まえてなー。いやーラーメン以外で使うのは久方ぶりだが、やはり味が強い」

 

 

 「その分梅シソおにぎりやたくあんが口の中をリセットして新しく次の食べたいものを選び直して・・・い、いやいや。ここで食べすぎたらミホのご飯を食べられない・・・!」

 

 

 「愛妻家ぶりは変わらずですねえ。いやほんと羨ましいですし感謝しているっす。俺の分の弁当まで作ってくれて」

 

 

 そして始まる軽食の時間。ライスたちウマ娘はたくさん食べる分、おにぎりは4,5個食べても晩御飯は問題ないけど、それが少なく感じてしまうし、出来れば余らないかなあ・・・と思わずトレーの中を見回してしまう。

 

 

 一方で、久保お兄様と談笑をしながらおにぎりをラップにくるんだまま、家へのお土産にしようとしている中年男性はシリウスのトレーナーにしてケイジお姉さまのお父さん。前田利褌さん。お嫁さんはあのミホシンザンで、前田ホテルグループの経営にもかかわる超大物。今もケイジお姉さまの作ったおにぎりとたくあんをお土産に持って帰ろうとしていて、その分を我慢しようとしているけど、ケイジお姉さま手作りのご飯というのもあって食べたいという想いに苦悩しているみたい。

 

 

 それをケイジお姉さまやみんなは微笑ましく笑い、『また作ってやるから気にせず持って帰っちゃいなよ親父。それと、おふくろもまた晩御飯を作っているし、労うついでにスイーツでも買って帰れば?』とケイジお姉さまに言われ、それもそうかとほほ笑んでおにぎりを保冷剤と一緒にカバンにしまい込む光景がとてもまぶしかった。

 

 

 

 「キタちゃん。食べすぎじゃない? それとライトニングちゃん。たくあんにおにぎりはここで食べないんです?」

 

 

 「だ、だってこんなにおいしいおにぎりに味噌汁初めて・・・はぐ・・・あー・・・幸せ―♪」

 

 

 「せっかくですし、メインディッシュにするっす! 晩御飯を食べて、寮で人心地ついてからの至福の時間にするんすよ!」

 

 

 「あ、ならライトニングちゃん。ライスの部屋にもケイジお姉さまからもらった梅干しあるけど、もらう?」

 

 

 「い、いいんですか!? ライス先輩! ならお願いします! いやーあの果肉の分厚さも最高で」

 

 

 「お、ならライスちゃん。俺も貰っていい? あれを酒に混ぜて飲んで、最後に食べるのがたまらなくいいんだよー~平野さんもまた帰ってくるし、一杯やりたいなー」

 

 

 「ああ、シンザンさんとケイジの梅干しかあ。あれは酒にもご飯にも合うんだよなあー・・・うん。よし、明日のご飯には梅干を置いてもらおう」

 

 

 ふふふ。みんなでワイワイ。愉快でいいなあ。ライスもまたしばらく海外遠征に行っちゃうし、今のうちにこれを満喫しないと。あ。ゴルシ先輩、おにぎりのどに詰まっちゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「わはは、コートポリアールとアクシードメルツ。下北沢代表メンバーで固まった二チームの激闘とはなあ。真面目に世界最高チーム同士のぶつかり合いが実現。いいねいいね。ウマ娘業界以外のスポーツも野球に続いて大盛り上がりだ。ひで選手と石崎選手のディフェンス合戦。平野とその弟子武内のゴールキーパー対決。そしてストライカー対決・・・録画しておくかねえ」

 

 

 練習も終わり、今日はちょいと相部屋のジェンティルちゃんもいない。朝の新聞を再度見直し、ネットニュースを見てのんびりとした夜のひと時を満喫中。

 

 

 俺の知り合いも何名か鎌田スポーツで世界を湧かせているし、にっこにこしていたらノックの音。

 

 

 「あ、すいませーん。うちセールスはお断りで」

 

 

 「そ、そこをお話だ・・・って違うよケイジちゃん?」

 

 

 「知ってるよーん。おっつかれい。真由美ちゃん。松ちゃんとのデートはどこまで行った? A? それともC? Zは・・・まあ、時間からしてしていなさそうだなあー」

 

 

 ドア越しにからかい。いいツッコミが飛んで来たのでドアを開け、茶を入れてもてなすのはシリウスのサブトレーナーの真由美ちゃん。この世界でも相変わらずのスタイルと髪の毛のボリューム。そして内気な部分は変わらずなようで。

 

 

 今日はシリウスがおおよそ休みだったのでシリウスのトレーナーの一人松ちゃんとデートしてきたのだが、まだまだ夜も更けていないこの時間だ。多分晩飯食って社員寮に帰宅。で、こっちに来た感じだろうなあ。飯も・・・匂いからして近所のイタリアンなお店かねえ。

 

 

 「ししし・・・・していないよケイジちゃん! もお、私が一応年上なのに」

 

 

 「はははは。その可愛さがあるからついつい。饅頭あげるから許して。んでー? どうしたの? ライスのデータや調子は久保さんからの報告で知っているだろ?」

 

 

 「う、うん。それでなんだけど、あ。この饅頭お茶と合う・・・♪ で、そろそろ遠征に行くんだけど、ケイジちゃんからも見てどうかなって。ライスちゃん、トレーナーの皆から見てもいい感じだと思うんだけど、海外遠征の経験が一番あるのはケイジちゃんだから」

 

 

 ほわほわと落ち着く。わたわたする姿も可愛いねえと思いつつ。ライスの遠征の話だったので改めて今日の記憶の中をさらう。

 

 

 まあ、行く場所はアタシの縁あっての部分もあるし、見にくる客層を考えれば、まあねえー。真由美ちゃんが心配になるというか、安心するための要素が欲しいのも分かる。まあ、嘘偽りなく言えば

 

 

 「身体も大分柔らかくなっているし、膝の具合もいい。足の肉も程よくついていいクッション、いや、サスペンションか? の役割も果たせるな。ストレスが大分減っているのもあって食欲も凄いし。んーとりあえず、日本のパンの味やご飯も恋しくなるだろうし、肉を落とさないためにも真由美ちゃん、うちの親父は飯の管理に気を付けたほうがいいんじゃないか?」

 

 

 「やっぱりそうだよね。うーん・・・となると・・・お米に炊飯器、えーと小麦粉に、パンを作るやつとかも必要かなあ・・・?」

 

 

 「そうだなあ。後は乾物とかで保存利くやつ持っていって最低でも一日一食は日本の味を感じさせる方がいいだろうな。最初は新しい飯に刺激を受けるが、そうなるほど恋しくなるかもだしな♬ 後は、行きつけのホテルの方にもこっちから連絡しておくし、ライスの事、頼んだぜ真由美ちゃん」

 

 

 ぶっちゃけ、ライスはシリウスに来る前よりずっと肌の地色もよければ肉もついてタフなレースに身を投じることが出来る。回復力も段違いになっていれば、あのブリキのおもちゃの方がまだ柔らかいぞと言えるほどにガチガチの身体も柔らかくなっていた。

 

 

 重バ場への練習もしっかりしているし、コンディションさえ崩さなければ海外でも暴れられるステイヤー。海外でヴィンテージクロップも認める才能だ。背中を支えてやってほしいね。

 

 

 「うん・・・ら、ライスちゃんは必ず勝たせてくるよケイジちゃん。帰ってきたらまた労ってあげてね?」

 

 

 「あたぼうよ。真由美ちゃんも、またイラストにおもしれえ土産話を頼むわ♪ あ、それと締め切り大丈夫?」

 

 

 「最後にそれ言わないでよー! 思わず背筋が冷えちゃった。だ、大丈夫よ。ちゃんと締め切り前に出しているし、データの方もちゃんとバックアップを取っているし」

 

 

 流石コミケの女王。今年の売上いくつになるかなー久保さんも一緒だし、真面目にブースでの列がひでえのなんの。アタシらが売り子に行ったらさらにひどくなったし。

 

 

 兎にも角にも、この後ちょいと茶をしばきつつ今日の練習での愉快な出来事を話して、一緒に思いきり笑ってから解散。この後母ちゃんからメールで「おにぎり美味しかったわ」と連絡も来ていい夜になったぜ。




 シリウス所属メンバー ケイジ(チームリーダー) ジェンティルドンナ(サブリーダー) オルフェーヴル ナギコ ヴィルシーナ キジノヒメミコ ラニ ホッコータルマエ ライスシャワー


 少し前にはここにハーツクライ、ドリジャなどがいた感じです。基本ぶっ飛んだやつしかいない。現在は短、中、長距離。芝、ダート(土、砂)のそれぞれのエキスパートがそろった日本最精鋭の一角。ルドルフ、理事長からも「まんべんなく多くのレース環境、国もまたいで戦える幅広さを持つ最強の候補」という評価をもらっている。


 メジロライトニング ケイジの大ファン。天皇賞? それよりマイルチャンピオンや安田記念だろ! というマイル大好きウマ娘。夢はタイキシャトルやキジノヒメミコを越えるマイルの怪物になってケイジに挑むこと。後日酷い筋肉痛になってずっと爆睡したりアバっていた。


 キタサンブラック ケイジからの教えを受け、テイオーの走りに感銘を受けたこともあって真面目に数日どのチームに入るか迷いまくったがスピカに入ることに。シリウスの合同練習が多いのでライトニングとも一緒で満足。テイオーと挨拶してサインをもらう際に何でかテイオーの目が死んでいた。


 サトノダイヤモンド 日本最強ステイヤー候補のケイジ、マックイーン、ゴルシ、ライスシャワーの練習を一緒にできて満足。でも筋肉痛で動けなくなった。スピカに入って以降ダスカのおてんばぶりに驚いたり、マックイーンの行動に色々イメージが崩れたり変化した。


 久保さん シリウスのサブリーダーにして漫画家。週刊少年ヂャンプにて大人気漫画を連載していた。いまは時折コミケで作品を出したりしつつシリウスでみんなを支えている。ライスの絵の指導者として教えつつ、作品を書く際のアドバイスをしていたりで充実している。趣味はサーフィンとサッカー


 利褌 この世界ではケイジの親父さん。トレーナー業と前田ホテルの経営をしている中川状態。というか中川とも知り合い。嫁さんはミホシンザン。に冴子さんの要素を足した美ウマ娘。愛妻家で有名かつ、夫婦でサブトレーナーたちを助け、支え、育てている人間の鏡。


 真由美 サブトレーナーをしつつ、夏と冬の祭典には参加して作品で大儲けしている。松ちゃんの事はこの世界でも大好き。いつ告白するか実はシリウス内でみんなで晩御飯をかけられている。器量よしすぎてウマ娘と一緒にグラビアモデルの依頼が来た時は大変だった。


 ライスシャワー シリウスで充実の日々。将来の目標のために久保さんに絵の練習も手伝ってもらっている。後日真由美ちゃんや久保さんと一緒にイギリスに遠征。グランドナショナルで優勝してきた。
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