ウマ娘世界ではケイジが自由に動けるために色々歴史展開が歪んで&強化されております。そして基本ウマ娘回のBGMはこち亀。
「ふふふ・・・」
「会長。如何しましたか?」
朝。それも早朝もいい時間生徒会室で書類仕事を終え、一息ついているシンボリルドルフとエアグルーヴ。二人とも自主練を終え、食堂が開く時間直後に来て朝餉を済ませて生徒会の仕事を授業。他の生徒たちが食事を済ませている間にこなしていたのだ。
普通の生徒ならまだまだ寝ていたいだろうし、食後もあって眠いとぼやいたりだるいだのと歓談しながら校舎に向かう子がちらほらいるか。そんな時間であっても二人は眠気も疲れも気だるさも見せずに仕事をこなして紅茶を飲んで優雅なモーニングティーを味わっている。
永遠なる皇帝。それに相対できるほどの数少ない相手であり女帝。その二人の持つ実力はウマ娘としても、そして学生、いや既に学園やウマ娘業界にも影響を持つ二人の実力は社会人としても洗練されているもの。
エアグルーヴ自作の茶葉の香りを楽しみつつ笑みを浮かべているのはシンボリルドルフ。彼女の持つ新聞と机にあるまだ新しい本を見てリギルでも早々見せない程にほほを緩めているのだ。
「いやあ・・・相変わらず自由だなと。そして羨ましく愉快だよ彼女たちは」
「ああ・・・この新聞ですか。なるほど確かに」
新聞の見出しには『ジャスタウェイドバイDF制覇! 最強の一角と世界が評価』『最強にして最遊、最凶世代たる証明を見せたジャスタウェイ。白金の末脚を世界に見せつける』と綴られた新聞の数々・・・とそこの写真に写る胴上げされる鹿毛を肩にかかるくらいまで伸ばし、美しい流星が特徴的。ゴールドシップに近い長身グラマーな美少女ジャスタウェイ。
そのジャスタウェイを胴上げしているメンバーはケイジ、ゴールドシップ、ジェンティルドンナ、オルフェーヴル、ホッコータルマエ、ラニ、ヴィルシーナたちだ。
最強にして最悪世代。日本へ多くの栄冠、次のステージへ押し上げると同時に問題を運ぶクレイジー集団。彼女たちの様なウマ娘であれ。誰もが認めるほどの強さと実績を見せて日本の強さを。あの大震災後の日本を盛り上げに盛り上げ続けたウマ娘。
千代田区のさる御方から直々に勲章をもらい、国民栄誉賞をもらうと同時にそれが取り消されるかもというも話があり得るほどの暴れっぷりを見せた世代が彼女たち。
「しかし・・・何度も言いますが問題行動がないわけではないのですよ会長・・ラニもケイジがいなければあれですしオルフェーヴルもスイッチが入れば怖い・・・まともなのはヴィルシーナくらいです」
「そうは言うがな。見ていてこうも面白い時代を、流れを見せて日本に元気を届けた。新しい時代を作った彼女たちは応援したくなる。縦横無尽にして快刀乱麻の大立ち回り。認めなければ嘘だろう」
「それはそうなのですが・・・クレームの数も同時に歴代最高ですからね」
「ふふふ。だがこの時代はそのクレームすらも笑いに変えるだろう」
糠に釘、暖簾に腕押し。今日のルドルフには何を言ってもこれだろうとエアグルーヴは重い息を少し吐くだけにとどめて紅茶で残りを飲み込んでおかわりを注ぐ。実際そうなのだ。
ケイジ、ゴールドシップを筆頭にダートGⅠ12勝を果たした砂の絶対強者ホッコータルマエ。ティアラ三冠、ドバイSCを手にした最強の女皇ジェンティルドンナ。クラシック三冠ウマ娘。凱旋門賞2戦2位のオルフェーヴル。アメリカにて三冠を手にしたラニ。そして先日にドバイDFを優勝。この時代をもってして世界最強の一角と認めさせたジャスタウェイ。ジェンティルドンナに食らいつき2位を連発。ヴィクトリアマイル連覇のヴィルシーナ。
リギルですら未だ手にできていない世界のレースでの勝利を幾つも手にし、クラシック、ティアラ、アメリカ三冠を同時期に手にし、凱旋門賞に挑んでここにありと示した強者たち。ホッコータルマエに至ってはGⅠ勝利数はルドルフの倍近い数を手にしている。
学園最強はチームリギル。それはすなわち日本最強のウマ娘のチームはリギルと言えるのだが今は違う。スピカ、そしてケイジとジェンティルドンナ率いるシリウスこそ学園最強のチーム。世界有数の怪物たちという声も珍しくない。
「この本も見たがまあ愉快でな。冗談のような事実がいくつもあるわ、本人たちのコメント、彼女らの反応がもう・・・くく・・・」
「な・・・い、良いのですか会長・・・」
「ここまで来てしまったというのもあるし、おおよそ世間の声も受け入れているようでな。私も楽しんでいくとするよ」
「それでケイジ達がつけ上がらないかが私は不安なのです!」
ただまあ、同時に問題児なのは言わずもがな。ゴールドシップの予想もつかない悪戯と暴走の数々に加えて、それに付き合える上に本人も問題行動多数のケイジ。身内には優しいが一度キレると手に負えない、レースとなれば猛獣という表現ですら生ぬるいほどの戦意を見せるオルフェーヴルとラニ。ラニに至ってはアメリカで
名家の出身にして本人の美貌もウマ娘の中でも一つ抜けた美少女。だというのにレースではタックルをするわ身体を強引にウマ娘の間の中にねじ込んでこじ開けるという強引さ、パワフルさを見せ、それを勝負事だと言い切る、そのパワーも規格外のジェンティルドンナ。ロコドルとして苫小牧アピールをどこでも行い一国の大統領でも国王でもPRを欠かさずやりまくった結果「TOMAKOMAI」を世界共通の日本ワードにしてしまうホッコータルマエ。
優等生に見えて芦毛フェチ。レース場で事あるごとに写真を撮り、場合によってはレース前後で口説き始めさえする。ハジケリストコンビの暴走も『あの二人だし』とメロメロで制御をあんまりしない、ただしキレると二人以上に暴れるジャスタウェイ。
一癖二癖どころではない。この中央トレセン学園の問題児全員を集めても張り合えるくらいの濃いメンツ。それがスピカとシリウスに集結し、ゴルシとケイジを中心に問題行動を起こしまくる。エアグルーヴからしてみればどうすればいいのだと思う毎日である。
世界に日本の強さを見せ、日本国内ではそのエネルギーを見せつけて震災後の日本に元気を与え、支えた英雄たち。だがその英雄たちが問題児過ぎてそのエピソードをまとめたそれなりに分厚い本が出る始末。理事長とたづなさんもどんな顔をしたのやら。
「あの大会を制した後のインタビューや諸々の準備でジャスタウェイは遅れますがケイジ、ゴールドシップらは今日から登校。全くいったい何をしでかすのやら・・・」
「ああ、そういえばそうだったか。ふふふ。土産話が楽しみだ。何でもあちらのチョコや銘菓をくれるそうだ」
「朝から小難しい顔をしているなエアグルーヴ。軽食でも食べるか?」
「お、早くから珍しいなブライアン。その包みは?」
帰ってきてから起こす珍騒動と問題行動よりも土産話に微笑むルドルフとは対照的にどんどん疲れた表情を見せるエアグルーヴ。そんな中に珍しく朝から生徒会室に顔を見せるナリタブライアン。片手には何やら小さなものを包んだ紙。そしてウマ娘には少し足りないが一般の男性には満足。女性では少し余るかもなボリューミーな弁当をビニール袋に入れてきていた。
「ああ。この前ジャスタウェイがドバイDF優勝しただろう? その祝いだと言ってケイジさんがくれたんだ。特製ジャスタウェイ飴だと。そしてこれは優勝祝いスペシャル弁当」
どかりとソファーに身を沈め、小さな飴を包んでいる紙を取れば。そこにはデフォルメされたジャスタウェイの顔が描かれた金太郎飴。そして肉マシマシ、白米の部分には見事に彩られたこけしに手を付けて何というかなんとも言えない顔をしたものがキャラ弁よろしく描かれたインパクト抜群の弁当を見せた。
「早弁にはちょうどいいと思って買ったがこれで450円は安い。コンビニの弁当よりずっとあるぞ」
「ほうほう。これは中々・・・私も昼ご飯に買いに行こうか」
「・・・待てブライアン。ケイジが作っていたのか? そこにゴールドシップはいなかったか?」
「ああ。いたぞ? 校門前でメンチ切って楽しそうにしていた」
「・・・ま・た・か・・・ぁああ!!」
「ー・・・ああ。ちょうどいい。一つ頼み事でもするとしよう」
勝手に紅茶を自分のカップに注いで弁当を食べ始めるブライアン。そしてケイジが作った飴にこれと来ればやたらと弁当を売ったり焼きそば、お好み焼きと商売を良くするケイジの相棒にしてライバル、ゴールドシップをすぐ思い浮かべる。
なんやかんや彼女らの作る弁当、料理は好評でエアグルーヴもルドルフも認めていた。そして二人の大親友ジャスタウェイの優勝祝いとやったのだろうが・・・帰って早々学生が学問にいそしむ前に弁当を学校前で売り始めるという珍騒動。しかもゴールドシップ程の美少女かつ高身長、怪力を持つ相手に威圧などされれば怯える人は多いだろう。
いよいよ我慢ならないと、この問題児どもに今度こそお灸を据えようと生徒会室を豪快に開け放っていき、ルドルフも様子が気になるのと弁当を買うために後を追う。
「うーん。この味の良さは中々・・・お。この大根もいけるな。さてと・・・」
弁当に舌鼓を打ちつつ、ブライアンはあの様子を見てどうここまで引きずってくるか生徒会室から眺めるために場所を移して窓から校門前を眺める。
「ゴールドシップぅう! ケーイージーィイ!! 貴様らドバイから帰ってきて早々なにを・・・?」
鬼気迫る表情で校門前に走るエアグルーヴ。そして着いた校門前ではやっぱりというかケイジとゴルシがいたのだが、制服姿で校門前に座り込み、メンチ「カツ」を切り、大変手慣れた手つきで次のメンチを揚げていた。何でかサングラスをつけて変顔とも威圧とも取れる顔をしながら。
「あぁ~ん? おおーエアグルーヴじゃーん! どうよゴルシちゃんたち特製弁当のメンチカツ! 黄金色で稲荷様もよだれを垂らす絶品だぜ~?」
「ジャスタウェイ優勝記念特別弁当黄金屋特別販売~安いよ~美味しいよ~」
そしてケイジは駅弁売りのための道具に弁当を敷き詰め、売上金を入れるための小箱を抱え、チンドン屋を思わせる派手派手なスパンコール大量な、法被を思わせる衣装に身を包み、頭には白鳥の被り物をして自身の頭と白鳥の頭に『ジャスタウェイおめでとう!』と書かれた鉢巻きを締め、背中に『ジャスタウェイドバイ勝利の手柄取ったり!!』と書かれた旗を指している。とどめに白鳥の口にもケイジの口にもキセルが咥えられておりモクモクとオレンジ色の香りの煙をまき散らす。
「あ。ジャスタ先輩勝利記念飴はここっすー5個セットで50円。大玉サイズは6個で100円。弁当とセットだと564円でお茶も付いてきます。あ、どうもどうも。毎度ありー」
ゴルシの横では屋台が出来ておりオルフェーヴルが売り子をしており弁当の盛り付けはホッコータルマエが機械のような速さと正確さで次から次へと作っている。
「なんだこの光景は・・・」
熱でも出たか。そう言いたくなるような光景に思わず眉間に指を寄せてうなだれるエアグルーヴ。風邪をひいたときでもこんな絵面は見ないぞと毒を吐き、しばらくして天を仰いでさんさんと照り付ける太陽の日差しとそれを眩しいと思う自分の感覚が現実だと再確認させられた。
日本国内のウマ娘にとっての最高学府であり最難関校。日本のトップアイドルでありアスリートウマ娘を育てる2000名以上のエリートたちが過ごす学び舎。そこで最強と呼ばれる実績を世界に見せつけたメンバーたちの行動がこれ。
「お。おっちゃんら仕事だろ? そんなら大サービスの550円でサービスだい! なに? 14円しか違わないだと? わははは! 何を言いやがるよ14万円引きの間違えだろ~赤字だぜこの色男ども、憎いね!! お! ほーん。現場の皆の分も買うのかい? そんなら大サービス、500円でお茶と飴もサービスしてやるよ。オルフェ~! お茶の補充あるか~!!」
「問題ないっす~あ。でもそろそろ売り切れなんでお茶サービスはそろそろ切りますよー」
「おーう問題ねえ。売り切れなかった分はアタシが買って食べるからよ。よっしゃ。今日も仕事頑張ってきな色男ども! みんなを振り向かせるような美人な建物と仕事ぶり見せてきてやんな!」
工事現場に向かう男性らと楽しげに談笑し、割引などをしつつ軽快に笑う。そこだけ見れば社交性のある女性だが外見と行動する時間が何もかもずれすぎている。
「おあちゃぁアアアア~~~!! 口と鼻に油があああ!!!」
「あ。ルドルフ会長。えーとスペシャル弁当で。はい。ピッタリすっね。ってゴルシせんぱーい! 水、これ水っす!」
「・・・あらー? 大丈夫ですかエアグルーヴ副会長?」
すぐそばでゴルシが跳ねた油と衣カスのせいでのたうち回り、ルドルフは弁当を買ってホッコータルマエはようやくエアグルーヴに気づいて首をかしげる。ブチン。と何かが切れた音が響いた。
「おールドルフ会長にエア副会長。お二人さんどうだ? 特製弁当! いやーゴルシのやつと一緒に揚げ物修行して免許皆伝もらった甲斐があったぜ」
「なぁーにをしているのだ貴様らぁああああ!!!」
「おぶぐっ!?」
機関車のようにキセルからオレンジの香りの煙を振りまき、煙の輪っかを出しつつ笑顔で歩いてくるケイジに向かってエアグルーヴ渾身の浴びせ蹴り。2メートル越えのケイジの頭に見事にクリーンヒットして吹っ飛ぶ様は後にエルコンドルパサーに『あれはまさしくルチャの神髄デース!』と褒め称えられ別の意味でも尊敬されるきっかけとなったのは別の話。
「学校に登校する生徒を横に弁当売りに勤しむ阿呆が何処にいる! もう許せん!! 貴様先に説教をしてやる!」
「ぐはぁああ!! 優しく! そこは優しくお願いしますぅう!!? 縄が食い込んでケイジの胸があふれる! こぼれちゃうから!」
「うっひょー! ケイジの緊縛だぜ! 撮れ高だああ!!」
浴びせ蹴りからの荒縄を用いての緊縛。器用に縛るせいでケイジの肉体のくびれが露になりなんでか親友のピンチにカメラを向けて舌を出しながらシャッターを切りまくるゴルシ。
「よーし撤収しましょっかホッコー。弁当も飴も売り切れっす」
「じゃあみんなで山分けだね~これで今度一緒にファインちゃんとかファルコちゃんと一緒にラーメン行きたいなあ」
先輩たちの行動などわれ関せず。若しくはそうするように前もって頼まれていたか屋台の片づけをてきぱきとしていくオルフェーヴルとホッコータルマエ。
「さあついてこいケイジ! 今度という今度は逃がさんぞ!!」
「いやぁああ~~~!! ゴルシ、ゴルシいぃぃ~~!!」
「いやだぁあああ!! ケイジ、いかないでケイジ~~!!」
身動きを取れなくされたケイジがズルズルと学園に引きずられ、ゴルシとケイジが互いに涙を流しながら手を伸ばし、ケイジが速攻で手を振り払った。
「ヒロインは私のものよー!! 」
「「「「えええー!!?!?」」」」
「あーんエアグルーヴ!! ケイジ怖かったんだから~!」
(((あれれー!? そっち行っちゃうのー!!?)))
突然のヒロイン宣言と縄を自力で引きちぎってエアグルーヴにダイブしに行くケイジ。
「お前のようなヒロインがいるかぁあーーー!!!!」
「ぐわぁあああああ!!!」
「ケイジ~!! 変な音がしたが大丈夫か!?」
「こんなUMAの回収で驚かないでください会長!!」
「UMAであり
しかしエアグルーヴのタワーブリッジを喰らって沈黙。全身をグルグル巻きにされ、白目をむいたケイジを心配そうにルドルフが見つめるなか今度こそ校舎内に入っていく生徒会コンビと傾奇者ハジケリスト。心なしか白鳥の被り物もぐったりしている。
「ケイジ~! ・・・・・・しょうがない。後で焼きそば奢って慰めるか♪ おーいオルフェー、ホッコー。後でスピカ行って駄弁らねえか?」
「いいっすよ。ケイジ先輩もすぐ戻ってくるでしょうし」
「賛成ー」
一緒に弁当売りをして、涙を流して遠ざかるケイジを見ていたゴルシだがその涙はなんだったのかと言わんばかりにけろりとして明るく振る舞うゴルシの提案に二人して即答。しばらくして校舎内に「やめてー! 誰かーー!! 男の人呼んでーーー!!!」というケイジの無駄にハスキーボイスが大音量で響き渡る。
しかしこんな珍騒動は学園周辺では日常茶飯事。声の主がケイジでありゴルシたちの弁当販売の事もあって今日も平和だ。くらいにしか思われなかったとか。
「あづづ・・・で・・・アタシに説教って何するんだよこんなヒロインを生徒会室に連れ込んで一体何を・・・は・・・もしや・・・」
「お前の考えているような事なぞせんわケイジ!! 全く・・・頭が痛いがお前の力を借りたいらしい・・・生徒会長と理事長からな・・・はぁ・・・」
芋虫のようにロープでぐるぐる巻きにされて生徒会室まで連れてこられたケイジ。しょうがないからと右へゴロゴロ左へゴロゴロしながら話を聞いているとルドルフの頼みだと聞いて視線が真面目なものに変わる。
「うむ。ケイジ。君の人脈を借りたいのだが。少しばかりトレセン学園内のレース場と野外ステージの整備に人手を都合してくれないか?」
「おいおい。何の冗談だよお二人さん。中央トレセン学園のお抱えの園芸会社や建築、リフォーム会社なら一流どころだし人手も問題ないだろ」
思わぬ頼みごとに首をかしげるケイジ。様々なレース場を再現したコースグラウンドがいくつもあり、ダート場、ウッドチップ。そして野外ライブステージも2、3個ある超弩級の敷地を持つこのトレセン学園。国の一大事業であるトゥインクルシリーズ。ウマ娘たちの日本最高峰のレースを行う名選手たちを送り出す学校だけあって資金は潤沢。管理に関わる会社もどれもこれもが日本どころか業界では世界にも名の知れた園芸や建設関連会社が関わる。
そこで人手不足だから一学生。問題児のケイジに力を貸してくれとかの皇帝と理事長が頼むなど何事だと流石にケイジも疑問符が浮かぶ。
「それなんだがな。今やこの学園の門をたたく生徒の数は中等部高等部を問わずに過去最高。前例がないほどに多く来ている。そのテストをするため、あるいは入学できた子たちのレースや練習でレース場の荒れるペースがあまりにも早い」
「それにあらゆる設備、特に野外施設は常に誰かが予約していることもあってなかなか点検整備が出来ずじまいだったのだ。なので、近々大々的に学園内のレースコースの一斉整備を行うこととした」
「だが・・・ちょうど今は春。GⅠレースが多く開かれるうえにクラシック、ティアラ三冠もある。天皇賞も、多くのレースが始まるウマ娘たちのためにも、デビュー戦などもあって関連会社の方もこちらに人が割けずにレース場を1つどうしても頼んだ期限内で整備できないと言われてな。時期を伸ばしてもいいと頼んだがそうすると今度は社員の体力と気力がもたないと言われてしまったのだ」
「あー・・・」
芝の交換と整備の予定が余りにもありすぎて手が回らない。だからトレセン学園お抱え以外の会社でどこか、ケイジが信頼できる場所はないかということだろうか。実際ケイジの人脈は広い。あちこちでいろんなことに関わり、騒ぎ起こしたりしている分そっちの情報も広い。
トレセン学園の拾い切れていない場所から人手が欲しいということなのねとケイジも理解。
「予算というかお礼はしっかり出すの?」
「当然。割り増し手当もある」
「個人も呼ぶからどれくらい出せる?」
「・・・これくらいだな」
メモで書いたルドルフの限度予算額を見て問題ないかなと目算を立てたケイジ。大きく息を入れて身体中の筋肉を躍動。
「フン”ッ!!」
ブヂブヂィ!! と荒縄を力づくで引きちぎって全身の拘束を振りほどき、足首を縛るロープはキセルで大きく息を吸い込んでからミカン色の炎をキセルから出してロープを焼き切って火種を手で握りつぶす。
「そんなら下町に良い園芸会社を知っている。シルバー人材の受け皿だがこの会社のおやっさんがいい人でな。本人も特撮作品の製作や園芸に関わった。規模は小さいが名の知れた腕利きぞろいだ。で・・・この一人親方の数名が現場の経験豊富で重機の取り扱いもできるし、この人は関西で名うての人。ちょっと待ってな。アタシが渡りつけるから」
「相変わらずの剛力だな・・・あと、そのキセルと煙、大丈夫なんだろうな?」
「柑橘系アロマの煙だし身体に無害。お口ケアにはいいぜ。少なくともタキオンの薬よりは体にいいだろうぜ。かかか。お! つながった。おー源さん久しいな。前の茶うまかったぜ。お、ゴルシの焼きそばのソースをばあさんが知りたいって? ははは、今度遊びに来たらアタシがマッサージつけるぞと言ってくれ。で、ちょいと仕事の件でなあ。おうよ、アタシの学校のグラウンドでちょいとな」
すぐさまスマホで連絡を取り、スピーカーにしてルドルフやエアグルーヴ達にも聞かせていくケイジ。しばらくの雑談と依頼料。こっちからも力ある連中を寄越せると伝えてのやり取りを経てしばらく。
「うっし、この会社の方は問題なし。ただしルドルフ会長、今回の件は特例でしょうがなかったとここのお抱え園芸会社に伝えてくれよ。シェアがとられると不安がられちゃやべえ」
「問題ない。あちらからもむしろ申し訳ないと言っていたからな。言質もたづなさんと取っている」
「あいよ。そんじゃ・・・ちょいまち」
その後一人親方らに連絡を取って協力を取り付けたケイジ。ただあちらも力があるメンバーが欲しいという意見をもらい、とりあえずその日はくるということで電話も終了。
「うーん・・・よし、会長。学園直々の短期バイトってことで力出せて小遣いほしいウマ娘ら日雇い、もしくは会社の方から日雇いってことで頼む。タマモとアイネス、何名かに連絡取っておくから」
ぱっぱと予定を済ませ、そして一通り必要な資料と手順を書いてからひらひらと手を振っていくケイジ。
「ほうほう・・・ふふ。これはいいな。よし、早速この形でたづなさんや理事長、会社の方と連絡をしよう」
それを見てルドルフは嬉しそうに笑い
「いつもこのキレを見せてくれればなあ」
頭のキレる変人の落差に渋い顔をするエアグルーヴ。
改めて思う。なんだこのメンツ。あまりに濃すぎませんかね。記録でも記憶でも。しかも大体史実というね。
このメンバーのうちスピカ所属はゴルシとジャスタウェイ。シリウスはケイジ、ジェンティルドンナ、オルフェーヴル、ホッコータルマエ、ラニ、ヴィルシーナ。スピカはみんなが主人公気質ならシリウスは全員がギャグマンガのキャラクター。ここに下手すればライスシャワーがシリウス入り。
ケイジのプロフィール
身長 210センチ
体重 理想的(背丈のせいで重いんだよ)
スリーサイズ B 115 W72 H 120
足のサイズ 両方とも31センチ
CVイメージ 瀬戸麻沙美様&山寺宏一様(はじける時に山ちゃんボイスに)