ハジケリスト世代だろ! (完結)   作:零課

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 思えばケイジと縁のある馬たちって大体人間好きな子たち多いですねえ。オルフェにグラスにディープにスぺちゃん。レースのれの字もないような場所で馬も犬もいて温泉満喫しながら甘いものを食べられる。人間不信の気を見せていたスぺちゃんとディープもここでは幼駒のころにもどっちゃいます。


最近ポケモン手描き実況者の梨子(なしこ)さん の「色ガルドちゃんと行く初心者対戦記」にはまっております。可愛い、かっこいい、美人な擬人化ポケモンと可愛いマスターをすごくきれいなイラストで描いて邁進していくのがすごくいいです。


 皆様もよければ見てみるといいと思います。凄くいい作品だと私は思います。あわよくば応援してくださるとうれしいです。


 ~前田牧場~


 ケイジ『あーようやく帰ってこれたわ。おやっさんまた牝馬を買ってきてーまあ、予算より安かったからいいか』


 幸太郎『ケイジ! ケイジ! おやっさん呼んできて!!』


 ケイジ『どうした? すぐ呼んでくるから、お前さんも無理するなよ。おやっさーん』
 (柵越えして利褌を呼んでくる)


 利褌「おお、どうしたケイジ。お前、もう一年復帰して障害に出したほうが良さそうなくらいの元気さだなあ。む? 幸太郎が吠えている? 来てくれだと? わかったわかった。袖を引っ張らないでくれ」


 ケイジ『連れてきたがどったのー幸太郎。熊でも来ているのか?』


 幸太郎『いや、子猫がいるんだけど、弱っていて・・・お医者さん呼べないかなあ』


 ケイジ『あちゃー・・・真っ白と真っ黒な子猫・・・女の子か。ご飯を取れないのもあるだろうけど、そうだなあ。おやっさん。呼べない?』


 利褌「む・・・子猫・・・うーん。病気かな。よし。獣医に診てもらう。何かの縁だし、幸太郎が助けてくれと言っていたんだろう?」


 幸太郎『そうだよ。それに、牧場に猫っていいんでしょう?』


 ケイジ『気性難の緩和とか、ネズミ退治に助かるよー。ナイスだ幸太郎。助かるぞきっと』


 利褌「よし。じゃあ病院に連れていこう。ケイジと幸太郎は放牧エリアで休んでいなさい。しっかり助けに行くぞ」


 ケイジ、幸太郎『『ほーい』』


 


引退後よん 2

 ~某所・スタジオ~

 

 

 「ジャ〇ク・スポーツ~!! 騎手特~集!!」

 

 

 「さあ、皆様始まりましたジャ〇ク・スポーツ。騎手特集。競馬ブームをけん引している若き才能から伝説まで集まっての豪華二時間スペシャルとなっておりまーす」

 

 

 いやあ・・・数年前の自分に聞かせても理解できないだろうなあ。僕が伝説たちと一緒にテレビに出て、あまつさえ競馬ブームの立役者になっていると言っても。

 

 

 「今回集まりましたお歴々には、今回競馬のいろんな話。名馬のことを皆さんに知ってもらうためにぜひぜひ話を聞きたいところです!」

 

 

 「ホンマ、ここまで競馬ブームが再度来るとは思わんかったなあ。オグリ以上やで!? もう連日新聞見ても馬の顔が一面だらけで、わしら馬面になってしもたんかな思うくらいや! 馬面のあの人が偉業を成しましたー! みたいな」

 

 

 観客がわいて。笑い声が響く。本当にあの大物芸人ミッドナイトタウンの浜野さんのスポーツバラエティー番組に二度目の出演とは。

 

 

 しかも大竹さん、和倉さん、池沼さん、安西さん、横峰さん、福島さんという誰もが時代を彩った怪物だらけの中に僕。う、うーん・・・何度目かの経験だけど吐きそうだ・・・レースなら相棒がいるからある程度安心できるんだけどなあ。

 

 

 「いやーしかし、今回揃ったこのメンツ! いったいどれほど稼いだんでしょうかねぇーそして、改めて競馬ブームが起きているこの昨今だからこそ、時代を作ってきた名ジョッキーたちに馬のあれこれを聞いていきたいと思います」

 

 

 「あ、あのー浜野さん」

 

 

 「はいなんでしょう松風君」

 

 

 「そ、その僕はまだまだ多くの馬たちと出会えていないのでどこまで話せるか・・・」

 

 

 「大丈夫大丈夫。君の一番の相棒まだネタあるだろうし、真面目に吉本の社長直々にスカウトするか言うくらい逸材だから」

 

 

 僕も苦笑しつつ、会場も笑ってくれたのでよかった。ありがとうケイジ。今回のギャラ、何割かお土産にもってくからね。

 

 

 「さてさて。早速行きますが、今競馬ブームになると同時に気になるのが名馬たちの性格。皆様の相棒、戦友たちの性格ってどんな感じだったのでしょうか?」

 

 

 「実際、僕らみたいな素人でも名馬は気性が強い、闘争心が強い馬が強いとは聞くけどねえ。ほらーあのオグリ? とかスペシャルウィークは人懐っこいというやん? そういう馬は勝つなーってのはあるのん?」

 

 

 その発言を聞いてみんな同時に考え込む。というのも、主に90年代を期に名馬のイメージというのも徐々に変わってきたのもある。ただ、個人的な意見を考えれば・・・

 

 

 「そうですね。一つ前まではいわゆる気性難。賢い故に人の言うことを聞きづらい。だけど気の荒い。闘争心を持つ名馬が強いと言われていました。シンボリルドルフや僕の中だとエアシャカールとか、イナリワンとかがそうです。で、もう一つは対極に人懐っこい、穏やかな子です」

 

 

 あ、流石大竹さん。僕が言うよりも説得力があるので助かる。

 

 

 「ほーん? 穏やか。え? でもあのレースでそれがなんで役立つの?」

 

 

 「人懐っこい、穏やかな子は言ってしまえば人の言うことを聞く。だから調教を聞いてくれるし、その分鍛えていける。それに馬は賢いですからね。レースでの勝利が人が喜ぶとわかればその分応えようとするんです」

 

 

 「大竹さんの所ですと、スペシャルウィークとかスーパークリークもそうでしたね。心を開いた相手には本当に応えてくれて」

 

 

 「和倉さんとテイエムオペラオーもそうでしたよ。いやースぺは途中で賢い分逆にさぼるのも覚えちゃって大変でした」

 

 

 「今話題のキジノヒメミコの調教師をしている的矢さん。彼の相棒だったライスシャワーとグラスワンダーも人懐っこくてのんびり、心優しい子でしたからね。それがあのメジロマックイーン、スペシャルウィークという当時の最強格を倒す。馬も人に応えようとして頑張る力があるんです」

 

 

 その言葉に皆頷く。本当にそうだ。馬たちの賢さは侮ってはいけない。しっかりと一人の相棒として、仲間として、友として扱うべき相手。名馬たちとの関わりを聞くと本当に思うし、仕事をして尚更な感じさせられる。

 

 

 「はぁー・・・まさしく相棒ってわけで。じゃあ、つまりは気性難なレベルで闘争心があるか、穏やかな子が強いって感じ?」

 

 

 「そのうえで才能が高いのも必要ですがね? 後は、そうですね。三つ目ですと・・・安西さんの相棒、いや彼女がわかりやすいのでは?」

 

 

 「ダイワスカーレットですか。ですねえ。彼女はやりたいことをやって、それをできるだけの才能でねじ伏せてきた。まさしく才能を用いてねじ伏せる超天才型。これも含めれば大きく名馬でありがちな性格、タイプはこの三つが主に上に来る。と思います。もっといろいろあるんですがね」

 

 

 「サイレンススズカもそうでしたね。彼の場合はちゃんとやるために息を入れることを覚えたので大逃げで覚醒しましたし。ディープインパクトも本当に抑えるのが大変でした」

 

 

 「スイープトウショウもそうでしたねえ・・・乗れば強いんですが、ほんと乗らせるのが大変で・・・」

 

 

 「これ以外でも多くの名馬が意外と人懐っこいという声がありまして。女帝エアグルーヴ、女傑ヒシアマゾン、幻の三冠馬フジキセキ、覇王のライバルメイショウドトウなどはとにかく人懐っこいという話が出ますね。

 

 

 時代が変わるたびに名馬にもこういう子が増えていると思いますが、その中でもここ最近の世代では気性が大人しい子が多いです。名馬のイメージも変わりつつあると思いますが、この馬はすごいというエピソードはありますか?」

 

 

 名馬のエピソードかぁ。

 

 

 「僕はウオッカですかね。基本器用だから色んな戦い方が出来ますし、しかも強い、自分で勝つために抜け道を探したりで本当にあの子はレースへの理解もあると思います」

 

 

 「世間だと女番長って言われるんですけど、カメラ大好きで大和撫子な子なんですよね。いやーウオッカとダイワスカーレットの調教師は仲がいいので色々聞かせて合わせてもらったんですがほんといい子でしたよ」

 

 

 「ほー世間ではダイワスカーレットは女王で、ウオッカが番長言われていたけど、実はダスカちゃんの方がじゃじゃ馬なん?」

 

 

 「僕はそう思いますよ? ダイワスカーレットはあれですね。言っちゃえば少し抜けたところがある脳筋やきもち焼きのお嬢様です」

 

 

 「いや少し前の漫画のヒロインか!!」

 

 

 さすが安西さん。見事に場を盛り上げてくれる。それに、名牝の活躍も最近は多いし、思い返す人も多いだろうし。

 

 

 「いや、ほんとそうなんですよ。好きな厩務員さんとかにはなついているんですが、別の馬を世話しているとご機嫌斜めになったり離れようとすると袖を噛んでいかないでとごねたり、担当が変わって以降ダスカ以外の子を担当しているのを来てほしそうに見つめていたりとか。寂しがり屋でもありましたし、ダスカは本当にそんな感じです」

 

 

 「寂しがり屋という意味ではオルフェーヴルもそうでしたね。強かったんですが、欧州に遠征する際は帯同馬が常に必要で」

 

 

 「あ、そんなオルフェーヴルで私がすごかったと思ったところは脚の動きの変化ですね。他と比べても器用に変化させて戦うんですよ。引退レースの有馬記念は痺れました」

 

 

 「この映像ですね」

 

 

 そういって映し出されるのは有馬記念でケイジと戦ったこのレース。うん。改めてケイジも足の回転を速くして仕掛けているんだけど、本当にエンジンが違うと言わんばかりにグイグイ来ていたなあ。あれは強かった・・・そういえば、前田さんからさらに成長していたと話していたけど、下手するとこれ以上になっているんだよね。年齢的にはもう8歳を迎えそうな時期なのに。

 

 

 「ホンマやなあ。足の動きが違う。喰らい付いているのケイジくらいや。そんで、その後勿論振り落とされたんでしょう?」

 

 

 「いやいやいや。流石に耐えましたよ?」

 

 

 「落とされそうだったのは本当なんかい!!」

 

 

 「あの子、甘えたくて振り落とせば池沼さんが落ちてくるとわかっているみたいですしね。レースが終わった後に興奮の勢いと甘えたくてそうしているらしくて」

 

 

 「甘え下手にもほどがあるで。しっかしまー馬も馬でみんな濃い性格しているなあー。誰か翻訳機作ってくれへんかな。真面目に対談させたらおもろいで絶対」

 

 

 是非それは思う。ゴルシとジャスタはそのうち筆談できそうというか、ジェスチャーでどうにかできそうな気もするけど。

 

 

 「じゃーそんな中ではい! 凱旋門賞を手にしたお二人さん。ディープインパクトとケイジの性格を教えてもらえないでしょうか」

 

 

 「え? ディープインパクトですか? そうですね。凄く人大好きな甘えん坊。かまってちゃんです。レースの際は闘争心が強すぎて大変でしたが」

 

 

 「はぁー。あれだけ強いのにかなり人懐っこいとは。そういえば以前再会した時は乗っていく? という感じで甘えていたねえ。やっぱり相棒との絆は強いんやなあ。じゃ、一番いじり甲斐のある戦国コンビの松風君! ケイジはどういう感じだったのかな?」

 

 

 うぐ。やっぱり来た。いや、そうだよなあ。馬の性格となればなあー周りの皆さんもいじり倒す気満々の目になっているよ! くそう。ケイジの性格かあ。

 

 

 「えーと・・・そうですね。派手な騒ぎが大好きで、情の深い顔役でしょうか」

 

 

 「昭和の親父か番長か何かなん!? どんだけ濃いねん! 英雄と傾奇者で下町のおぼっちゃまと顔役でドラマいけるで!」

 

 

 「いや、でも実際そんな感じなんですよ。基本気性難相手でも仲良くできるし仲裁するし、人には悪戯はするんですが葛城さんにも僕にも優しかったんですよ。怒ったりしたときなんて数えるくらいしかないです」

 

 

 「あーたしか、あれでしたよね。記者が松風君を馬鹿にした時と、マツクニローテに出せとごねた時。あと大竹さんがサイレンススズカやディープインパクトを重ねすぎた時でしたっけ」

 

 

 「そうです。でも、一緒に戦うと決めてからはむしろサイレンススズカやディープインパクトの戦い方であの二冠を取らせてくれて・・・うん。最後の有馬でも、夢の続きを見せてくれましたよ・・・」

 

 

 「そんなお二人の栄冠への戦いを共に歩んだケイジですが、記者さんへ怒った時の行動が偶然厩舎の監視カメラに映っており、その映像を残していたとのことで、特別に譲ってもらいました。此方です」

 

 

 『いやーやっぱり松風騎手よりも大竹さんが日本初の凱旋門賞に挑む傾奇者とのコンビはふさわしいですよ。怪我も相まってコンビは変わったほうが』

 

 

 『何を言いますか! 松風君こそがケイジの相棒です! 大竹さんを悪く言うわけではないですがケイジの相棒は彼です! そこは譲れないです』

 

 

 『ちょっ。〇〇社さん! 流石に失礼でっせ! ケイジと松風君の絆と強さは並じゃない。そこを馬鹿にするのは競馬記者として許せません!』

 

 

 『いやーとは言いますがね』

 

 

 『ビヒィイイ!!!!』

 

 

 ドガシャアァアアアアンン!!!

 

 

 『『は!?』』

 

 

 『ギュオッ!! グフゥウ・・・!! ビヒギィイイ!!』

 

 

 『なっ!? は! いや! 何だケイジ号が!?』

 

 

 『ぉおおい待って待ってケイジ君! 襲ったらあかん! 襲ったらやばいで! タイムタイム! 僕と葛城さんで怒っておくから! 大丈夫だから!』

 

 

 『ブフゥー・・・ブルルル・・・!! グフゥ・・・』

 

 

 「えーと・・・馬房の扉を一発で蹴り壊しているけど、ここまで脆いもんなの?」

 

 

 「いえ、葛城厩舎の馬房はまだ新しい方ですし、扉もケイジのというのがあってしっかりメンテしているので頑丈ですよ。普通に大型馬が蹴っても壊れないはずのそれを一発で壊しています」

 

 

 うん。ケイジが僕のことを思ってくれたのは嬉しい。なあ。ただ、蹄も足もあれで大丈夫だったのかな? いや、大丈夫だからこそあの戦いをしていたんだしなあ。

 

 

 「ちなみに熊退治の映像もここに」

 

 

 「いや、これ嘘じゃないよね? ほんまこのパワーもやけど、馬って臆病じゃないん?」

 

 

 「ケイジの場合はそれ以上に仲間意識と守る、戦うという気持ちが強いみたいなんですよね。さっきの動画でもですが、ちゃんと向かいの馬房の馬にはごめんねと謝っていますし」

 

 

 「ちなみにこの後にケイジ君。差し入れの人参を向かいの馬房の馬にも自ら分けに行ったそうです」

 

 

 ケイジの場合はなあーほんと基本レース中でもゴルシたち以外ではちょっかいもめったにかけないしなあ。遊ぶ相手以外にはしっかり無理はしないんだよね。むしろ紳士的というか。

 

 

 「なんや、馬というより。馬の皮被った猛獣と何かを足したような奴に思えてくるなあ。ホンマ人好きなのはわかるけど。馬とそれ以外にも優しいの?」

 

 

 「そんな浜野さんのために。今引退後の余生を過ごしているケイジ号。そしてアメリカトリプルクラウンを手にして無敗のまま引退したナギコ号がいる前田牧場に取材に行ってくれた人がいます。その映像をご覧になってもらいましょう」

 

 

 なんかそのままケイジの特集になっちゃったけどいいのかな? まあ、それはそれとしてケイジの様子を見れるからいいけど。

 

 

 『アイーン! どうも。わたすが変なおじさんです。はい志村ヘンでーす』

 

 

 ドリフターズの志村さんじゃん! ええー・・・

 

 

 「志村さん!? いや。まじかードリフターズつながりか」

 

 

 『いやー新メンバーなのになかなか牧場の予約が取れなくてねえ。今回の企画でようやく行けるってわかって頑張って頼んだ甲斐がありました。ケイジ君。待っててねーん』

 

 

 そのまま前田牧場に行く。前にしっかり消毒と靴の洗浄を済ませていく志村さん。うんうん。病気を持ち込まないために大事だからね。

 

 

 『さあー来ました前田牧場。ここね。ずっと社爛さんと手伝って馬たちの親戚の血が濃くなりすぎないようにいろんな子たちを用意してきた日本競馬界の縁の下の力持ちだったのよ。だけど、ケイジが生まれてからいろいろ変わってきて、今は静養牧場と生産牧場の二刀流。

 

 

 今の時代にオーナーブリーダーをやるってのはほんと凄い。ぜひ応援するべき存在よ。お、前田さん。今日はお世話になりますぅ~』

 

 

 『はい。よろしくお願いします。いやあ、ドリフターズのメンバーとしてケイジを迎え入れてくださったこと。光栄ですよ』

 

 

 『いやいや、あそこまでお祭り騒ぎの競馬と愉快な時間をくれたんです。あんな奇麗なアイーンと顔芸を見せて入れないのは噓よぉん。いつかゴルシ君にも会いたいね。あ、いたいた。ケイジだ』

 

 

 そんなこんな談笑をしながら牧場内を歩いて放牧エリア。牡馬の方に行くとケイジ・・・ケイジ?

 

 

 ケイジが座布団を枕にキセルを咥えて横になり、そのまわりでは幸太郎とその子供たち、後新しい顔か、白猫と黒猫が昼寝をして、グラスワンダーとディープインパクト。少し離れてオルフェーヴルがみんなで昼寝をしていた。

 

 

 「休みの日の親父か!! キセルまで咥えて完全に時代劇の親父やんか!」

 

 

 『ヒヒーン・・・むぁふ・・・ワン』

 

 

 『おおーケイジ。志村さんが来たぞ』

 

 

 『ケイジ―元気しているかー?』

 

 

 キセルを咥え直してから起き上がり、背中に幸太郎、頭に黒猫を乗せたまま頭を下げるケイジ。癒される光景と。しっかりカメラにも挨拶するあたりほんとこいつは。で、くるりと逆の向きに移動してからガチャンと音がしてから、放牧エリアを抜け出し、器用に扉を閉め直してからカメラのほうに歩いてきた。

 

 

 「あ、後ろでディープインパクトが悲しそうに追いかけて柵の方で見つめている。相当ケイジになついていますね。オルフェーヴルも。仲いいんだなあ」

 

 

 「何気に三冠馬三頭、有馬記念奪取含めれば4頭の豪華な絵面ですね。ホースマンには夢の光景です」

 

 

 『ケイジ。またお前は・・・ん? 腕を噛んで。ああーはいはい。じゃー志村さん』

 

 

 『おお? アイーン』

 

 

 『ワヒーン』

 

 

 一人と一頭で一緒にアイーンを決めるこの絵面。しっかりカメラに向かってやっているのももう笑うほかない。その後にキセルを咥えてにっこり微笑むのももうずるいんだよケイジ。

 

 

 「こいつホンマ馬かいな! 芸人が馬に乗り移ったとちゃうんか!? 志村さんと息ばっちりすぎやろ。こいつホンマおもろいわーずるいわ稼げるくせにおもろいとか」

 

 

 「いやあ、それどころかちょっとだけよーとかも理解して乗ってくれたりとかあったので・・・」

 

 

 『いやあ、ありがとうケイジ。でねえ。今日は前田牧場の見学に来たんだけど。いいかな?』

 

 

 『ブルん。ワン、わふ』

 

 

 『その前に温泉に入って休めば。と言っていますよ。人も入れる湯の質なのと、関節痛、筋肉痛に聞くのでよければどうぞ。その際にゆっくりご説明ともてなしさせていただきます』

 

 

 「これ温泉紹介動画だっけ?」

 

 

 「馬たちの旅館という意味ではあっていますよ」

 

 

 「三冠馬御用達の名馬たちの温泉旅館です」

 

 

 「そういえば、キングヘイローもここからは帰るのを心底いやがっていたって言っていたなあ」

 

 

 どうしよう。前田牧場に湯治を頼む人間の依頼が増えないかな。前田牧場の電話線大丈夫かなあ。謝っておこう。

 

 

 「志村さんが温泉に入る用意の間、冬に撮影されたゴールドシップの映像を見ましょう。2012年クラシック世代。ケイジの終生のライバルゴールドシップの映像がこれです」

 

 

 志村さんが休憩場所から着替えて温泉に入るまでの時間、カットせずに間に映されるのはゴールドシップが雪の降る中に映る映像。

 

 

 絵になるのだが、カメラに気づいた瞬間ハイスピードカメラですらほとんどが変顔になるという。相変わらずの顔芸を披露。そして映像が変わればケイジと志村さんが温泉に浸かり、頭にタオルを乗せ、志村さんのそばで幸太郎も湯を満喫する絵に。

 

 

 「マジでこいつら呼んでこい!! リアクション芸人集めて勝負させるぞ!」

 

 

 多分ケイジが勝ちますよ。という言葉で締めくくられ、そこからはナギコのアメリカでのあだ名が「しずかちゃん」と呼ばれたことからオルフェ世代からケイジの引退までの時代のネタ話になり、なんか最後は前田牧場の幼駒たちに皆騎手として期待していることを話して締めくくった。

 

 

 大竹さん、ディープとケイジに会えるということで早速予約入れようとしていたし、また伝説の絵面が生まれそうだなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『牧場、大きくなったなあ。幸太郎の子たちも何頭もここに来たし、ネズミ退治は問題なさそうだけど』

 

 

 『うふふ~この前来たおじさんも面白いし、いい出会いが増えないかしら~猫ちゃんもかわいいし~♪』

 

 

 幸太郎が見つけた子猫二匹。無事に健康体になってうちで引き取ることに。なので、プロの狩猟犬の幸太郎がネズミの取り方をレクチャーしている。

 

 

 猫ってネズミを退治して俺ら馬の餌を駄目にするのを防いでくれるし、馬たちと仲良くなれるから気性難の緩和にも役立つのがいいんだよね。真面目に今までは馬の数が少なかったし、俺らも問題なかったけど幼駒たちのために、大きくなっていく牧場の餌の管理の厳格化のためにもここで動物の手が増えるのはありがたい。

 

 

 ブラウトちゃんらにも好調だし、すっかり猫たちはうちのアイドルだ。

 

 

 『うふふーケイジとうちの子ども楽しみだなあー♪ 日米三冠馬の子どもだよ? 鍛えないとねー』

 

 

 『むー・・・私は今年もアルトリア相手だし、ケイジとは一年待たないといけないのが・・・早く子供欲しいいいい!』

 

 

 『おうこら妊婦。子供いるじゃろがい。まあ、気ままに待とうぜー。ヒメなんて今年も引退できないってしょぼくれていたし』

 

 

 ヒメ、アジアマイルに向けて戦っているものなあ。休暇の際は甘やかしてやるか。猫たちの名前を決めた後に教えてやらないと。ヒメの癒しになってくれよー




 大体大竹さんとケイジ世代たちの話になるよねっていう。真面目にゴルシとジャスタだけでも特番組めるレベルのエピソードありますし。
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