ハジケリスト世代だろ! (完結)   作:零課

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 雨のせいで日課の散歩が出来なかったのでがんばりまっする。台風で海の中をかき混ぜてサンゴたちが元気になるといいなあ。後、断水問題解決してクレメンス。


 ケイジをポケモンに例えると何が近いでしょうかね。イメージとして。





ウマ娘エピソード 24 つまらない走りと祭りはしない主義

 「と、いうわけでねえ。昔何度か顔を合わせていたがあの生真面目さと愛が暴走したんだろうさ」

 

 

 「なぁーるほどねえ。まあ、それこうなるあたり、あれか? 最近で大きいのだとスズカとかテイオーの怪我の件でいよいよ限界を迎えた感じかねえ」

 

 

 「さあね。ただ、この機会を虎視眈々と待っていたのは確かだろうね」

 

 

 シリウスのメンバーたちと護衛、警備の皆さんで連日学園に泊まり込んでの練習の日々。アタシらも食材の買い出しやらいろいろと用意をしつつの帰り道。ヒサトモひいばあちゃんから理子ちゃんの事を聞いてなるほどなと思って首を横にひねる。

 

 

 要は敏腕でそれでどうにか言っていたのだけど思わぬ一件で歪んだというかなんというか。

 

 

 その暴走のせいで今や世間は問題ないけど、既に情報をキャッチした世界のウマ娘のトレーナーや大企業がこの賭けレースに注目して凄いことになっているからなあ。やれやれ。とんでもねえボヤ騒ぎになったもんだ。

 

 

 とはいえ、これを潰すだけではもったいないんだよなあ。

 

 

 「ならま、一つ思いついた。せっかくだし、派手にやってやろうぜ?」

 

 

 「この悪ガキ。何を思いついたんだい?」

 

 

 「ひいばあちゃん。アタシの気性を知っているだろ?」

 

 

 「・・・食えないが、いい女に成長したね。何でも言いな。その目論見、一枚かませてもらおうじゃないか」

 

 

 なら話は早い。ルナねえと、えーとジャスタの所の親父と、ヴィルシーナ、ディープの所にも連絡と・・・岡崎のおっちゃんも呼んで。そうだなあ・・・中川、麗子の二人にも連絡だ。

 

 

 ひいばあちゃんもメジロ家に連絡して、あーあっちの方じゃアサマばあちゃんがすげえ驚いているのがわかるな。なはは。いいじゃんいいじゃん。どうせやるのなら、思いきりやるほうがいい。

 

 

 シリウスの皆にもつまらないレースはしないほうがいいよなあ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「よし。海パン刑事。バナナの補給な。あと休憩用のコーヒーとお水」

 

 

 「助かる。栄養補給の時には私はバナナ派なのでな」

 

 

 「ケイジ!? しれっと殿方のぱぱぱ・・・ん・・・を開けてバナナを入れないでください!」

 

 

 「ええ・・・どうやってあの中に奇麗に入っているの・・・」

 

 

 「ヴィルシーナ先輩。あれは考えるだけ無駄な類っす」

 

 

 「うん。ケイジ君の豚汁はおいしいなあ・・・あったまる」

 

 

 「部長。コーヒーどうぞ」

 

 

 全く。特殊刑事課の連中相手にひるまないケイジはほんとどういう精神しているんだ? 部長ももうあっちを見ないようにしながら警備しているってのに。

 

 

 「おお、助かる。しかし・・・まさかの事態だが、ああも明るく過ごしている彼女たちは強いな。両津」

 

 

 ケイジお手製の豚汁に、肉じゃが、漬物、ご飯にコーヒー、お茶、水、オレンジジュースのどれかを選んでの晩御飯を警備の皆に振る舞ってもらったのを部長と食べつつ休憩時間。シリウスメンバーの全く尽きない元気と明るさに部長も不安な顔をしている。

 

 

 アオハル杯のみならず中央トレセンの今後を背負う立場というのにその表情には憂いや不安は全くない。むしろ部長が孫を見るような目で心配そうに見守っている始末だし、周りの警察たちもそうだ。

 

 

 まあ、気持ちはわかる。ただ、同時にわしはもう一つの明るい理由も分かる。

 

 

 「部長。ケイジ達がああも明るいのはまず、ああいう大舞台に慣れているのが一つ。それと、この機会自体がシリウスには本当に初めてなんですよ」

 

 

 「と、いうと?」

 

 

 「基本、シリウスは国外に多くいくし、チーム戦もあまりしていない。そんな中でこんな形ですがシリウスというチーム全員で一丸になってぶつかる機会がやってきた。真っ向から一つの相手に大舞台で、普段はぶつかり合うメンバーで連携できる。チームプレイをできるのが心底嬉しいんですよ彼女たちは」

 

 

 「国のアスリート、アイドルの一大養成施設の今後をかけた勝負でそんな思考を・・・」

 

 

 「何より、ケイジという存在が支えるのも大きいでしょうけどね。彼女は間違いなく傾奇者、千両役者にふさわしい大物です」

 

 

 なるほど。納得もいく。同時に、目の前でぎゃいぎゃいと騒がしく食事を楽しみながら過ごして、笑顔のままでいるみんなを見て笑顔になる。

 

 

 警察官としての人生の中で彼女たちを警備して、見守れることの誇らしさ。この歳になってこれを味わえるとは思わなかった。

 

 

 「両津。彼女たちを無事にレースに送り出せるよう。警備も頑張ろう」

 

 

 「ですね。だからこそ、今はご飯を食べてから仮眠をとってくださいよ。トレーナー寮のプレハブにわしらの仮眠室があるので。お風呂もそっちでみたいです」

 

 

 「真面目に、短期間で即座にこれを用意したというのはすごいな」

 

 

 「前田家のバックアップ様様ですね。ワシは先に休んでいますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『さあ、皆さま! まさかまさかの超突然のイベントながらも間違いなく国の中でもトップレベルの祭りとなりました! アオハル杯の前夜祭というにはあまりにも豪華!! 聞こえますでしょうか30万人の観客の歓声が! 世界中のメディアも集まってのこの騒ぎ!』

 

 

 「なによ・・・これは・・・!」

 

 

 聞いていない! 聞いていない! トレセン学園内で終わらせるはずの騒ぎのはずがまさかの超大騒ぎの、しかもアオハル杯の前の祭りということになっていての祭りになっている。

 

 

 周りには屋台や出店が列をなし、シリウスのグッズやチームファーストのメンバーへの取材も多数。

 

 

 何が何だか思考が追い付かない。

 

 

 「失礼。樫本女史。ケイジちゃんからの伝言だ」

 

 

 「冴羽・・・さん。失礼します」

 

 

 そばにやってきたのは前に私にナンパしてきたケイジのボディーガードと名乗っていた男性。ケイジから預かったというメモを受け取り開いてみる。

 

 

 「『どうせやるのなら派手な祭りにしたほうがいいし、そっちも勝つつもりなんだろう? ならそのお披露目は盛大にね。チームファーストのチーム戦での初陣。楽しもうや!』・・・! この傾奇者・・・奔放なあの子は・・・!」

 

 

 「あの子なりの思惑はあると思うがね。まあ、必要でしたらお悩み相談も受け付けますので。それでは」

 

 

 そういって後ろにいた女性と一緒に歩いていく。此方の焦りをみんなに見せないように急いで取り繕うが、皆は不安を隠せずにいる。

 

 

 『それもそうでしょう! かつて敏腕トレーナーとして名をはせた樫本理子理事長代理が育てたチームファーストの初陣、そしてその相手は今まで世界中で戦いながら一度もチーム戦をしたことのなかったチームシリウスのメンバー、そしてそこに最高のライバルのゴールドシップ、ジャスタウェイの連合チームとなっての総出のバトル!

 

 

 更にはそこに前田家からの秘蔵のスプリンターか!? マエダノキズナも参戦しての超豪華メンバーでの戦いとなりました! 徹底管理の手腕はシリウスの奔放さを止める壁となるか! 世界をはばたくシリウスの強さはどこまでも砕いていくか! 世紀の一戦となりました!!』

 

 

 「待っていたぞー!! チームシリウスー!!」

 

 

 「マエダノキズナちゃんも凄い美人だなあ・・・前田家のメンバーもフル出場。これはすごい!」

 

 

 「チームファーストも勇気があるし推せる!! 頑張れよー!!」

 

 

 「おおーあの樫本さんのチームか・・・実際、あっという間に強くさせていたからなあ。今回はどうなるか」

 

 

 「シリウスに一矢報いれば間違いなく世界レベルだな」

 

 

 「シリウスメンバーフル&ゴルシ、ジャスタ、そしてそこに新星のマエダノキズナちゃん。最高だぜ! 急いで有給申請してきたかいがある!」

 

 

 もう逃げることや理事長代理の権限を使用してもどうにもなることはない。ここで逃げること自体が敗北を意味するし、もう勝利するしかない。やるしかないのだ。

 

 

 気合を入れろ理子。私の目指す場所はこれくらいのことは想定して砕かないといけない。

 

 

 チームファーストの皆を奮い立たせるために、私も皆を集めて改めて作戦を話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「全く。大騒ぎにしましたねケイジ」

 

 

 「これくらいがいいんだよ。アタシ等にチンケなレースは合わねえだろ? ヴィルシーナ」

 

 

 「はあ・・・まあ、お父さんもまさかの大仕事に歓喜でしたし、これならURAに面目が立つどころかそのままもう一つのチームレースが設立されそうな勢いですけど。純利益。今の時点で数十億叩きだしていますしね。ライブ前のグッズ販売もまだだというのに」

 

 

 「お姉さまもすっごくウキウキで手を貸すと言っていましたわね。ケイジの名前を出せばすぐに。これなら我が家の社員にも冬の臨時ボーナスが出せそうだとお父様も笑っていましたわ」

 

 

 プイちゃんありがたいねえ。ディープ家の力を借りられたのも相まって芋ずる式に協力者を募ってこのレースにできたし。

 

 

 「さて・・・出走レースの順番が出たね」

 

 

 お、ひいばあちゃん。今はマエダノキズナと名乗っているけど、このレースでどういう順番で挑むかが出たか。

 

 

 最初に1200メートル。次に1600メートル、そしてダートの2000メートル、その後に2400メートル。締めに3000メートルという感じか。あたしは大トリだねえ。

 

 

 「ちぇー、私とケイジが最初ならいろいろできたのにマジ饅頭だわ」

 

 

 「むしろそれを抑えるためにしたと思うのは私だけかしら」

 

 

 「ジャスタっち。多分それあっているよ。まー大トリにうちらの大将とライバル。最強ステイヤーを残すのはいい判断でもあるっしょ♪」

 

 

 「お姉さまたちにゴルシさん、ライス先輩を盛り上げる最後に残すのは分かっていますね・・・なら、そのためのバトンは意地でも渡します!」

 

 

 「ライスも、皆に負けないよう頑張るから、応援するから頑張ろうね!」

 

 

 なはは。頼もしい仲間たちだぜ。負ける気がしねえ。そしてあたしも気合が入るぜ。

 

 

 『この超豪華なチームレースはまさしく世界が釘付け! 最強か新星か! そういう意味でもまさしくこれ以上ないでしょう! トレセン学園の生徒も総出での応援となり黄色い歓声が会場を響かせる!!

 

 

 今か今かと会場からシリウスコールが飛び交います! さあ、いよいよ始まります!』

 

 

 おっと。そろそろ始めるか。

 

 

 「よう。そんじゃあ、皆。勝って笑おうぜ! どこまでもバカバカしく、最高にハジケていこうや!!」

 

 

 「「「「「「オウッ!!!!」」」」」」

 

 

 「じゃあ、行ってくるわ。負けないわよ。私は」

 

 

 「ふふ。しっかり覚えてきたしね。幸先いいスタートを切って見せるわ」

 

 

 「さてさて、年寄りの冷や水といわれないように行ってくるかねえ」

 

 

 三人を見送り、控室でゆっくりしつつ見ますか。

 

 

 『さあ、チームファーストの皆が出てきた後にこのメンバーが出ました! まずは世界最強のマイラー、ミドルディスタンスの戦士の一人! ジャスタウェイ登場! 続いては怪物の万能女王ヴィルシーナ! そしてシリウスのジョーカーなるかマエダノキズナ!! シリウスチームの登場です!』

 

 

 皆大騒ぎだねえ。スピカのマイル周辺の怪物と、うちの万能女王。知られてはいないがかつての伝説が参加だもんな。面白いわ。

 

 

 さてさて、まずはゲートに入った・・・

 

 

 

 『スタートしました! まず前に出ていくのはジャスタウェイ、ヴィルシーナ! 一気に前に出ていく! デュオペルテ、アジサイゲッコウが二人を猛追する一方ジェネラルフライトが後ろにつきます! その後ろにマエダノキズナが最後尾となりました!!』

 

 

 ふむ。スリップストリームを作って一着を狙うか、一着は逃してもそれ以降は全部独占してポイントを狙う感じか。

 

 

 まあ、いい動きだけどなあ・・・それを悠長にできる相手じゃねえぞ?

 

 

 『最初のコーナーを曲がり、早くも中盤になりました! スプリントレースは短い! この刹那の勝負ももう残り僅かになりつつあります! さあアジサイゲッコウ、ジェネラルフライトが加速をしていきます!! ジャスタウェイ、ヴィルシーナの背後から一気に抜け出そうとし・・・

 

 

 ああっと! 爆発した!! ジャスタウェイの末脚が爆発! ここからさらに二段加速をしていくのかジャスタウェイ! そこに続く形でヴィルシーナが女王としての強さを見せていきます!』

 

 

 もうわずか。いやあ、真面目にスプリントレースは距離が短いなあ。アタシはしっかり仕込んでもエンジンがかかるのがすこしかかるし、やっぱり難しそうだなあ。

 

 

 『もう残り僅か! 以前先頭はキープするヴィルシーナ! ジャスタウェイが突き放していきますがジェネラルフライトが喰らい付きます! 残りもう少し、もう残り200・・・ああっと! マエダノキズナが飛んできた! まるで怪物! 剛脚であっという間にごぼう抜きして三番手につきます!

 

 

 首位はシリウスメンバーでそのまま残り100・・・50・・・・ゴォオール!!

 

 

 結果は1着ヴィルシーナ! 二着は・・・・・・・・写真判定の結果ジャスタウェイ、マエダノキズナの同着となります! 4着にジェネラルフライト、5着にデュオペルテ、6着にアジサイゲッコウとなります!! 早速チームシリウス好発進! そして流石万能女王! ドバイのスプリントレースを連覇した実績は伊達じゃありませんん!』

 

 

 よし。山は越えたか。無事に勝利だねえ。後は問題ねえわ。

 

 

 『ふふふ。無事にスプリント女王の座は維持ですね』

 

 

 『くはぁー・・・付け焼刃じゃあ、まだまだかあ・・・これからだわ』

 

 

 『ははははは!! 新世代もさすがだ! いやあ負けたがスッキリだねえ。ファーストの皆もお疲れさん! いいバトルだったよ!』

 

 

 レースを終えてみんなで握手をしてから無事に戻ってくるメンバー。

 

 

 「無事にバトンは繋ぎましたよ。お願いしますね」

 

 

 「ふぅー・・・なんやかんや今になってどっと来た・・・頑張って。マイルクイーンズ♪」

 

 

 「いやあー楽しかった。遊んできな最強チーム! 後でお小遣い上げるよ」

 

 

 「行ってくるっす!」

 

 

 「マイルコンビは負けません! 見ていてくださいねお姉さま!!」

 

 

 次の二人も参加。思えばマイルと中距離はハンデ戦みたいなもんか。まあ、一番きついのが終わったし問題ないだろ。

 

 

 「ふぅ・・・安心ではないが・・・山は越えたか」

 

 

 「ですね。後は・・・ペースもへったくれもない。マイペースのままとことん引きずる回すメンバーばかりだ。問題ない」

 

 

 「あはは。私が言うのも何ですが、本当に後は問題ないというか、ほんとそういうのばかりですしね」

 

 

 「ケイジとシップが大トリですし問題ないですよ」

 

 

 信頼されているのか何なのか。お。始まった。

 

 

 『・・・続きまして! やってきましたアジアと欧州のマイル王者コンビが参上です! マイルの電撃王者メジロライトニング! マイルを襲う漆黒の暴風のごとき羽ばたき! キジノヒメミコ! マイル制覇の怪物コンビ! 初のタッグ戦で参上だああ!!!』

 

 

 仲良く二人で腕を組んであげるあたりほんとこの二人もショーの盛り上げ方を分かっているなあ。ははは。既に会場をものにしていらあ。

 

 

 二人ともいい感じに勝負服と自身の美貌をアピールしつつ、ゲートにガチャン。

 

 

 『スタートしました! メジロライトニング、キジノヒメミコこれは爆逃げか!! 師匠且つリーダーのケイジ譲りの大逃げにあっという間にチームファーストとの差が開いていく!!

 

 

 デュオジャヌイヤが追うも差が縮まらない!! タイドアンドフロウ、アゲインストゲイル は後位につけるかどうか迷っているのか! 速度にぶれがあるように感じられるぞ!』

 

 

 あ、ダメだこれ。あの二人は本来中距離も、ステイヤーも狙えるのをマイルの中に全部ぶち込んでいるから最初から逃げで行ったときは全力で付き合っていかないといけないのに。あー・・・・

 

 

 「終わったなーありゃ」

 

 

 「だな。コーナーでさらに差を付けられるのが落ち。やるとしたら・・・最後の直線でどれだけ差を縮められるか。だろ。ゴルシならどうする?」

 

 

 「気が向いたときにズドン。それで何とかなる。と思う」

 

 

 「これだから怖いよあんたは」

 

 

 「お前が最強のライバルだからな。いやでも鍛えられるもんさ♪」

 

 

 いうねえ。おっと。

 

 

 『さあ、第三コーナーを曲がって最後の直線! 以前先頭はぴったりと張り付いたままメジロライトニング、キジノヒメミコが突っ走る! グイグイ差が伸びていくがそれでもデュオジャヌイヤは喰らい付く!

 

 

 残り100メートル! キジノヒメミコ最後の一押しでメジロライトニングを突き放してゴールイン!! 一着はキジノヒメミコ! 二着はメジロライトニング!! マイル女王コンビの大逃げがさく裂しましたがデュオジャヌイヤはなんと2バ身まで縮める快挙!! キジノヒメミコに一番近づいたもう一人です!』

 

 

 『これが・・・シリウス!! 世界最強なのです!!』

 

 

 『ぬぉおお!! 次は勝つ! 必ず最強の座を手にするっすよ!』

 

 

 ははは。お見事。しかし・・・ふふ。いいねいいね。この二人。あの爆逃げコンビみたいだわ♪ いい勉強をできたようで。

 

 

 「ふぅ・・・やってきました! お姉さま、少し休ませてくださいませ♪」

 

 

 「くっはあぁー!! 爆逃げを一緒にするのはいいっすね! 来年もしたいっす。ヒメ先輩!」

 

 

 「はふ・・・もちろんです。一緒に頑張りましょう?」

 

 

 おう。しれっとアタシの膝を借りるなヒメ。まあいいけどさ。保冷剤を首筋にあてながらなでなでしておくか。

 

 

 「そんじゃ、行ってくるっしょー♪」

 

 

 「暴れてくるよぉ~」

 

 

 「ぶっ飛ばす!!」

 

 

 そんでその後はダート三人衆。うん・・・・ご愁傷様。真面目にやばいわ。全員普段見えないレベルのやる気出している。

 

 

 「・・・大丈夫かな」

 

 

 「とりあえず大差を付けられなければいいんじゃね?」

 

 

 「そこまで弱くはないわよ・・・きっと」

 

 

 ~キングクリムゾン~

 

 

 

 『圧勝! 圧巻!! ダート戦はまさしく横綱相撲! ナギコも前に出ての競り合いを制したのはナギコが一着! 二着はわずか数センチの差でしたホッコータルマエ! 三着もこれまた数センチでしたラニ! その後ろの差は10バ身以上!! これがアメリカ、ドバイで暴れた怪物トリオの力なのかぁああああ!!!!』

 

 

 あちゃーむしろいい方か。

 

 

 ナギコも普段のやり方だけど速すぎてめんどくさくなってからそのままホッコーとラニと一緒に三人の勝負にぶち込んでいるしで、真面目にこいつら三人で勝負するために最初でふりちぎっていきやがった。

 

 

 「いよっしゃ! 無敗伝説更新~♪ どうよ♡」

 

 

 「ちぇー勝てなかったかあ。今度は勝つもんね~」

 

 

 「くそぉ・・・まだ先輩方には遠かった・・・! でも、今度こそ!」

 

 

 三人とも愉快に戻ってきた。いやーヒメたちあんまり汗かいてないな。

 

 

 「そんじゃ、任せたよ。二人とも♪」

 

 

 「何の問題もないよ二人なら~」

 

 

 「何の心配もしていないです。武運を!」

 

 

 「任せて」

 

 

 「行ってくるっす」

 

 

 「「必ずぶっ倒す!!」」

 

 

 やる気満々で出ていくオルフェとジェンティルちゃん。ああーこれもまた・・・うん。なはは。こりゃあ問題ないね。




 ケイジが唯のしんみり緊張したレースにするわけないよねという。ついでにある思惑があります。


~おまけ~


丹波さん「はぁー・・・ケイジちゃん、ゴルシちゃんのライブ・・・尊かった・・・最高。サインに握手に写真に手料理・・・天国・・・」


メフィラス「まさかこの星のアイドルオタクのメトロン星人と出会うとは思わなかったよ」


丹波さん「ははは。私も元々は侵略者だったんだけどね。そのための道具がまるで通用しなかったんだよ」


メフィラス「この星の科学水準で通じなかった?」


丹波さん「ああ、その後に見たアイドルの魅力に魅了されてね。人の持つ力は時に科学やそういう数字を超えることがあるって分かったし、星を越えようとも、レベルが違おうとも仲良くなれる。ともに夢中になれるのを知った」


メフィラス「・・・確かに、ケイジ君のくれた料理に、ゴールドシップ君のくれた魚料理もおいしかったな・・・一緒に出してくれたお酒も」


丹波さん「その後は彼女の幸せを見届けて、また旅をしていたらこの世界線の地球について、今はゴルシちゃんの所でオタ芸教室と動画配信、アイドルグッズのデザインを担当しているよ。


 君も、わかるだろう? この星の美しさと魅力を。まだ私達からすれば赤子だが、だからこそある美しさや情緒、光を・・・」


メフィラス「・・・ええ。この星は、意外なほど刺激と発見をくれました」


丹波「よかったよ。君がそう言ってくれて。そして君も君なりに何か彼女たちに相談してもいいのではないかね? 必ず、面白いことをしてくれるよ」


メフィラス「そうですね。是非一度、試してみましょう」



~数日後~


ケイジ「どうしたんだよ。メフィラス。無人島に急にワープして」


ゴルシ「この前戦艦大和に積み込んでいた沖縄で使うはずだった資金を詰め込んだ金庫を一緒に見つけたけど、それか?」


メフィラス「いいや、一つ。君たちがウマ娘、この星の代表的存在であり、その知識と私たち異星人を受け止めた度量を見込んで一つゲームをしよう」
(指パッチンして銀の棺のようなものを出す)


メフィラス「これはベータ―ボックスといって、私達外星人が巨大化する際に使用しているシステムだ。これに関する素材と、数式を用意した。どうだい。試しにこれを複製してみないか?」



~続く~

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