まずは魅魔様視点から御送り致します。
原作とは少し異なる点があるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。
其では、ゆっくりしていってね♪
Ghost Chaser
MIMA
~幻想郷上空
「!!!!~~~~~~~~~」
私は高速で大空を飛んでいた。
日もすっかり沈んでいて、夜になりかけていたね。
視線を横にずらすと、目の前に赤い三日月が出ていてかな~り不吉な雰囲気をかもし出していた。
………勿論、私自身の力では飛んではないさ。
巨大な黒龍のお腹にしがみついてるんだ。其処にしっかりと突き刺した私の杖を握ってね。赤い月が目の前に見えたのも此が理由さ。
コイツ……吐き出した黒霧に紛れて病院からトンズラするなんて、かなり慣れてるね。
もしかしたら魔理沙以上かもね……だが、今はそんな事はどうでもいいんだ。
「……脅威ノ執念ネ……」
声が聞こえ、顔を上げると龍宮の使いが首を曲げ、私を見ていた。
私と龍宮の使いの間には二対の両腕で魔理沙が抱えられていた。
まるでトンボに捕まえられた蝶だった。
ぐったりしている。どうやら気を失っている様らしかった。
「あそこから……逃げ出せても!…私からは……逃げられないよ!?」
強風に飛ばされそうになりながらも、私はわざを発動した。
「『オーレリーズ』解放!!」
私の周りに様々な色の球体を出現させて、
「近距離から喰らいな!!」
其の球体からレーザーを発射して、次々と龍宮の使いの上半身に命中した。
「!?ギィ……コ、此ノ……!!」
苦痛に悶えたせいか、龍の身体が激しく揺れた。
其の拍子に突き刺していた杖が抜け、私の身体が宙に浮いた。
「!?」
落下する目の前を黒い大木の様な身体が、高速で通り過ぎて行く。
「~~さ、させないね……!!!」
私は通り過ぎようとした尻尾部分に辛うじて杖を突き刺した。
途端に身体を引っ張られてたから、もう一度マリスの身体に張りついたね。
痛みは感じなかった様だけど、どうやらまだ私がしがみついている事には気付いた様だった。
「邪魔ヨ…魅魔」
声が聞こえたかと思うと、目の前の黒い身体の二か所がせり出して二人の上半身の形を取り始めた。
「!幽香……」
一人の上半身は幽香にそっくりだった………蒼い両目を除いて、だけどね……
そしてもう一人にも思い当たるものがあった。
幽香が言っていた……たしか、季節絡みの雪女だったかね……
其の蒼目の雪女が口を開いた。
「私ニ屈辱ヲ負ワセタ事……後悔シナガラ成仏スル事ネ……」
雪女の声と変わってはいたけど、間違いないなく成長したアリスのものである声が同時に発せられた。
「!まだアンタ……あの時の事を気にしてるんだね!?しつこい女は嫌われるよ!!」
「其ハ、オ前モ同ジダ…此以上……魔理沙ニ関ワルナ……」
今度は幽香の上半身が、幽香とアリスの混合した声を発した。
「私は師匠さ!!アイツに何かあった時は放っておけないだろう!?」
………魔理沙の所には意地でも行かせない気だね……
必死にしがみ付きながら構えた。
「魔理沙に叩き込んだ諦めの悪さ……たっぷりと見せてあげるさ!!」
MIMA
VS〈影の忘れ物〉レティ・ホワイトロック
〈陰影のフラワーマスター〉風見幽香
〈禍々しき龍の衣〉イク・スィオソーラス
~幻想郷上空 イク・スィオソーラスの体表
しかし、二人の上半身が突き出てる……何て異様な光景なんだい、こりゃあ……
上半身だけなのは、きっと風で吹き飛ばされない様にする為に違いない。
すると雪女の方の上半身が、黒い地面を滑るかのように接近してきた。
手を出して掴みかかろうとする。
私は出来るだけ低い姿勢を崩さない様に、杖を素早く敵の身体から引き抜いて水平に振った。
突っ込んできたマリスの上半身を龍の身体から切断してやったね。
分離した上半身は必死で手を伸ばしたけど何も掴まれず、あっという間に後ろの方に飛ばされていった。
私はすぐに杖を刺し直して、風に吹き飛ばされないようにした。
少し余裕をかまして呟いてみる。
「……大したことないねぇ……」
すると杖を突き刺した辺り一帯の龍の身体が黒い電気を帯び始めた。
(!あ……此はマズい……)
すぐに龍の身体から離れ、突き立てた杖の柄の部分によじ登ってしがみついた。
だけどすぐに気付いた。
……ありゃ……此の杖全部……金属…っぽいね…………
「棘符『雷雲棘魚』!!!」
すぐに放電が始まり、案の定黒い電気が杖を伝って私は感電してしまった。
「!??~~~アババババババビベベベベベ!??!??!?」
だが、すぐに収まった。
「~~クッ………!!」
強烈な電力に杖から手を離しそうになるが、何とか握り直した。
そして杖から降りて、また黒い龍の身体にうつ伏せにへばりついた。
あの電流……妨害用として定期的に来るパターンだね……
にしても……私は顔を上げて幽香マリスを見た。
あの電気でビクともしないなんて……やっぱり、身体の一部というだけはある……
だけど…其も残り一体……さっさと倒して、魔理沙を奪還するかね……!?
すると幽香マリスが右手を黒い地面に突っ込み、すぐに引き抜いた。
「!!」
其の手には先端に黒い鎌の刃が付いた白い傘が握られていた。
刃の根元には向日葵を模しているのか、青い目玉の周りに黄色い花弁があしらわれていた。
「……そんな悪趣味な鎌で、私と一騎打ちするつもりだね?」
いきなり滑る様に移動してきて傘を振り上げた。刃は私の方を向いている。
私も龍の身体から杖を引き抜き、うつ伏せ状態から立ち上がろうとした。
「!!!」
突然、両腕を振り上げていた幽香マリスの胸辺りに、大穴が開いた。
よく見るとピンク色の大槍が、其の痕跡を残しながら私達の前方を飛んで消えていった。
「~~!?!??~~~………」
幽香マリスは悶えながら、黒い龍の身体に溶けていった。
「…何だい……今のは……」
私は槍が消えたあたりを見て、すぐに後ろを見て出所を確認しようとしたね。
下には月の光に反射された紅い雲海が広がっていたけど、此のスピードだと槍が発射された地点は
すでに遥か後ろになっていたから確かめられなかった。
あれ程スペルを持った奴、私は見た事が無いね……
……………
まぁ、幸運だったと思えばいいね!!
風に飛ばされない様に杖を突き刺しながら、ほふく前進で身体の上半身を目指した。
「~~待ってるんだよ……魔理沙……!」
だが突然体が揺れ、杖が抜けて身体が宙に浮いた。
其処を後ろから尻尾で真下に叩き飛ばされてしまった。
「!?オォ……!!」
弾き飛ばされたところを、いつの間にか反転していた龍の身体が受け止めた。
「!??~~~~」
わたしを掴んだ三対の腕が身体を締め付けてきた。
そして敵は私を捕えている部分の下半身を、自分の顔の前に来るように器用に移動させた。
其は……永遠亭の地下通路で伸びていた、龍宮の使いとは似ても似つかない面だったさ。
赤い淀んだ目と頬に新しく出来た蒼い眼が一対ずつ、怨みがましく私を睨んでいたしね。
「……イイ加減、『私』ノ身体ノ上デ暴レナイデ貰エル?鬱陶シイノヨ!!」
右手には黒と紫色の雷を集中させて、真っ黒い塊を作っていた。
だが抵抗しようにも、杖は腕ごと縛られて取り出せなかった。
其の掌の雷球を私に向けた。
「私カラアンタヘノオ返シヨ……受ケ取リナサイ!!!」
「『静電誘導弾』!!!」
目の前で黒と紫色の光が炸裂し、身体が大きく吹き飛ばされていた。
すぐに体勢を立て直そうにも身体がぴくりとも動かない。
(まさか……麻痺したのかい……!)
でも、其に気付いた時には身体は勢い良く落下し始めた。
魔理沙が……遠くなっていく……さらわれてしまう…………
頼む……魔理沙には………魔理沙にはぁあ………
黒い電気に拘束された私の身体は、遥か上空から地上へと墜落して行った。
如何でしたか?
魅魔様が離れてしまい、ついに魔理沙とマリスだけに……!!
次回も、永遠亭の外での出来事を紹介します。
それでは、次回もゆっくりしていってね♪