イク・スィオソーラスの視点で御送りします。
原作とは少し異なる点があるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。
それでは、ゆっくりしていってね♪
???(ICH・THYOSAURUS)
~幻想郷上空
『………!魔理沙!?私だよ、にとりだよ!!今、何処にいるんだ!?……』
……………
『今、妖怪の山で大量のマリスに襲撃されているんだ……!
仲間もほとんど全滅した!妖怪の山が崩落しようとしてるんだよ!』
『だけど……魔理沙!お前の友人を苦しめていた元凶が判ったんだ!!』
……………
『アリスでも!!龍宮の使いでもなかったんだ!!
異変の本当の黒幕は別にいたんだ!!今、私達の目の前で、マリスを統制してる……!!』
『文から名前を聞いたんだ!ソイツの名前は……』
……通信ヲ切ッタ。
「…『私』ノ事ヲ……『私』ニ話サレテモ困ル」
飛ブ事ヲ止メ、浮遊シテイタ『私』ハ、魔理沙ノ携帯ニカカッテキタ其ノ河童ノ通信ヲ聞イテイタ。
自分ノ下ニ手ニ順々ニ渡シ、最後ニハ魔理沙ノ懐ニ戻シタ。
其ノ時ダッタ。
コキィ……!!バキィ………!!!
「!?ウ……」
身体ノ所々ニ痛ミヲ感ジ、嫌ナ音ヲ立テ始メタ。
長イ身体ヲ丸メ、堪エヨウトシタガスグニ収マッタ。
「~~……流石…モウ次ノガ来テルノネ……ナラ、急ガナイト」
身体ヲ伸バシテ飛行ヲ再開シヨウトシタガ首ヲ曲ゲ、魔理沙ヲ見タ。
「折角ダカラ……最期ハアノ場所ニ……ネェ、魔理沙ァ……グヒヒヒ……」
ソシテ首ヲ前ニ向ケ、赤イ雲ノ中ヲ飛ビ始メタ。
MARISA
~???
「……………」
頬に風を感じ、私は目を覚ました。
直ぐに身体を起こし、慌てて周りを見渡す。
不思議な場所だった。
何もない、隅で塗られた様な真っ黒な空間の中、私の倒れていた場所だけ
まるでスポットライトが当てられているかの様に真っ白だった。
全身を起こしながら、私は自分の身に何が起きたのかを思い返した。
「!そうか、確か衣玖に連れ去られて……!」
だが注意深く見ても、周りの黒い空間に其の姿は無かった。
すると、
「魔理沙……」
声が聞こえた。すぐに誰かなのか判った。
「!アリス!?……何処だ!!?」
懸命に周りを探した。でも衣玖同様、何処にも姿は確認できなかった。
「……此処よ…魔理沙………」
また声が聞こえた。其の声は、前掛けのポケットの中から声が聞こえた。
「アリス……!?」
慌てて中を探り声の出所を探った。
そして見つけた。
「!?……お、お前……!?」
アリスの家で見つけた、私とアリスが手をつないでいる人形だった。
其の内のアリスの方から声が聞こえていた。
「其の人形達に、私の魔力を一部だけ入れていたの。其で此の夢を見せているの。
此の夢には、アイツが干渉してくる事は無いわ」
!……『アイツ』?
「アリス?…『アイツ』?……いったい誰の事を……!」
そう言いかけた私の頭に過るものがあった。
霊夢が唱えていた衣玖ではない、此の異変の本当の黒幕説。
天子を操り衣玖を操り、そしてアリスを操り、幻想郷を脅威へと陥れた張本人。
思わず人形を握る手に力が籠った。
「知っているのか!?」
そう言った自分の口内が乾き始めた事に気付いた。
「誰なんだ!?」
語気が荒くなって来た。霊夢の言っていた事が……本当だったのか?
「アリス!!」
アリスは黙ったままだった。
躊躇しているのか、其とも一部故、魔力が既に弱まって来てるのか。
だが私はどうでも良くなっていた。
「教えてくれ……!!幻想郷を、そしてお前を、ずぅっと苦しめて来た黒幕を…!!」
人形は口も開かずに言った。
「耳を貸して……魔理沙……」
私は何も言わずに従い、自分の耳に人形達を近付けた。
そして私は聞いた、黒幕の名前を。
「!!!……」
言葉を失ったまま私は人形を耳から離した。
「~~まさか……嘘だろ……アイツが……!?」
意外な名前だった。信じられなかった。
人形は続けた。
「ソイツは此の病気を利用し、更には夢の中で私に干渉し、徐々に私の身体を奪っていった。
今の私の身体は、もはや人形同然にされているわ」
気が付くと私は、自分の顔が熱くなっているのを感じた。
直ぐに判った。怒りだ。
黒幕に対する怒りだった。
今直ぐにソイツの処に行って、首の骨をへし折りたい衝動に駆られた。
だが、
「魔理沙、怒らずに聞いて……時間が無いの……」
アリスがそう言ってくれたおかげで冷静になれた。再びアリスの言葉に耳を貸す。
「私は今、地底にいる…其処でソイツが私の身体で活動しているの…」
「!地底?…まさか、旧地獄にいるのか……!?」
地底……衣玖が言っていた、まさに『妖怪をも畏れる場所』だ。
だが私達にとっては、全く予想だにもしなかった場所だった。
其処で黒幕はアリスの身体を操作し、アリスの身体でマリスを培養しているのか……
「!?」
アリスの人形が小さく震えた。
「!どうしたんだ……!?」
慌てて訊ねる私。
「魔理沙、今すぐに起きて……貴方の身体に危機が迫っている……
アイツが次の『孤毒』の温床にしようとしてるわ……!」
「!!何だと……!!?」
アリスの次に、私を『孤毒』にしようとしているのか……
一人でさえも脅威と化す奇病を、私まで患ってしまったら……!
「!」
すると目の前の人形がぼやけてきた。まわりの空間も霞んで見える。
夢が醒めていく前兆に違いはなかった。
「魔理沙……」
魔力が切れかかっているのか、私を呼ぶアリスの声が小さくなっていた。
「……助けて……」
其の瞬間確信した。
アリスは何も悪くない。好き勝手に人形にされていただけだった、と。
「……ああ……!」
夢から覚める未練も無かった。
……やっと……掴めた……!
「……絶対に助ける!!」
そう、力強く言った。
視界が完全に白くなり、私の意識が再び落ちていった。
MARISA
~アリス邸 2階
「………………」
目が覚めると、天井が見えた。
そして瞬時に此処が何処かが判った。
「アリスの家……」
日中にアリスの残した人形を探した時以来だった。
パソコンの電源は切られ、私がクローゼットを引っ掻きまわし、あちこちに散らかした床も、
今は綺麗さっぱり元通りになっていた。
多分、私が窓から飛び出したあの後に霊夢達が整頓したんだ、そう思った。
が、私がぶち破った窓ガラスは其のままで、其処から風が通っていた。
私はポケットから私達の人形を出そうとしたが、すぐにアリスの警告を思い出し、やめた。
アリスが私に残してくれた人形で、遂に此の異変のの核心に近づけた。
アリスの居場所が判った。黒幕も判明した。
少なくとも自分の身体に何が起こっているか、誰が起こしたのかを察せられる、アリス
自身でなければ判らない情報だ。
其を危険を冒してまで、私に教えてくれた。
絶対に……無駄にするわけにはいかない!
(すぐに此処から、逃げ出さねえと……!)
ベッドから降りようと身体を動かし、足を布団から出そうとした。
だが其の時、何者かの気配を感じた。
「!?」
動きを止めて目だけで部屋中を見渡す。だが案の定私以外誰もいない。
夢の中と同じ様に思えた。
だが今度は気配だけは感じた。其も、只ならない気配だった。
すぐに判った。衣玖だ。私を永遠亭から攫った、アイツの変わり果てた姿を思い出す。
だが、アリスの言葉で今なら判る。
此の気配は『正確には』衣玖ではない……
衣玖の身体をとり、アリスに罪をなすり付けた、黒幕のものだ。
そしてアリスの言ったとおり、ソイツは私を狙っていた。
如何でしたか?
遂に黒幕がいる事が判明しました。近々明らかにされます。
次回の舞台は久々の地底となりそうです。
また一話限りになりそうですが……
それでは、次回もゆっくりしていってね♪