東方孤傀劇Ⅱ~ナラクのアリス   作:因田司

22 / 30
此処からは数話に分けてマリスによる幻想郷の各地の混乱を御送りします。
最初は針妙丸とスカーレット姉妹のグループで、初のフラン視点です。

原作とは少し異なる点があるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。

それでは、ゆっくりしていってね♪


混沌の幻想郷Ⅰ

FLANDRE

VS〈群る閉塞心〉マリス・マイトロイド×∞

~幻草原

 

すっかり夜になって私達吸血鬼の管轄内となった幻想郷。流れに流れて辿り着いた

草原の上に赤い月が昇って綺麗。

でも、何処か気に喰わない。折角赤い月が昇っている時に外に出られたのにちっとも楽しくない。

 

目の前では小人さん……確か、少名 針命丸っていう小人さんが草むらの中で戦っていた。

 

其のお相手は………

 

 

『ギキギキキ……キチチ…』

 

 

小人さんの周りの草原が真っ黒に覆われてるの。蠢いているの。其、全部蟻みたいなマリス。

 

一匹一匹が額にある青い一つ目で小人さんを睨み、二本の顎をカチカチとして音を鳴らしている。

其が一斉に鳴らされると五月蠅い。凄く五月蠅い。とにかく五月蠅い。

 

だから此処等周辺と纏めてブッ殺したくなる。

 

でも御姉様は当然許してはくれなさそうだから、御姉様やメイド妖精達と一緒に虫が来ない、

ギリギリの高さから応援していたわ。

 

 

「小人さん、がーんばれ♪」

 

「言っとくけど…蟻の大軍なんかに曳かれて行かないでよ?霊夢からしたら私がお前の

命の保証人って感じになってるからさ」

 

「ハイ!頑張ります!!」

 

 

小人さんは視線を真上の私達から蟻の方に戻して、

 

 

「『七人の一寸法師』!!」

 

 

次の瞬間には、七人に分身していた。

 

 

「!増えたわ、御姉様!」

 

「さーて、咲夜を苦しめた其の実力……見せて貰おうかしら?」

 

 

すると、分身したのを合図にマリス達が一斉に小人さん達に襲い掛かって来た。

 

七人全員が、静かに腰から剣の様に針を引き抜いて、

 

 

「「「「「「「覚悟!!輝針『鬼ごろし両目突きの針』!!!」」」」」」」

 

 

一人が二本ずつの針状の弾幕を連射して迫り来る蟻達に攻撃を始めた。

蟻達は弾幕が突き刺さったり、怯んだ隙に仲間に潰されたりして、どんどん消えていった。

 

 

「!おぉ~~、次々と倒すわ倒すわ……!」

 

「やるわね……」

 

 

でも、私は知ってた。多分御姉様も知っていたわ。此の状況が、そう長く持たない事をね。

 

 

 

「!?あぁ!!しマっ……きゃアぁアァアァアアァア………!!!!!!!」

 

 

……ほーら、言った傍から始まっちゃった。

 

小人さんの一人が襲撃に耐えきれず、蟻マリスに集られて其の山の中に埋もれていった。

 

そういえば、蟻に集られた虫ってどうなるんだろう?

 

 

「……さっきの本物じゃないわよね?」

 

「違うと思うわ、御姉様。本物だったら他も全部ころりじゃない?」

 

 

そう暢気に私達が話す間にも、次々と敵に埋もれていく小人さん達。

 

 

「!!止めて……止めて、嫌ぁァアァアァァアァアァ………!!!!!!!」

 

「此のっ此のぉ!!離レて…イヤぁ離レテェェエェェ………!!!!!!」

 

 

……断末魔とカチカチで、だんだんイライラしてきた。

 

 

「!!助けて……助ケてぁアぁがガガガァアァアァア…………!!!!!!」

 

「ぐっ…ム……無念ンン……!!!!」

 

 

小人さんはどんどん数を減らしていき、そして、遂には……

 

 

「~~ち、近寄らないで……!!!」

 

 

一人だけ、本物だけが見事に残ってしまうという低確率が的中した状態となった。

針を必死に振り回して、寄せ付けない様にしてる。可愛い。

 

でも、同時に面倒臭いから纏めてブッ殺したくも思ったわね。

 

 

「クッ……か…数が、多過ぎます……!!」

 

 

 

 

 

 

 

其の時、御姉様が溜息をつきながらこう言ったの。

 

 

「……フラン、やって頂戴」

 

 

……え?

 

 

「御姉様!ヤッちゃって良いの!?」

 

「特別に許すわ。でも、マリスだけにして頂戴。地面ごとはよしなさいよ?」

 

 

嬉々として、私は右手を掌を上にして差し出した。

 

つつく目は、全ての蟻マリスの目。全部右手に集めて、全部きゅーっとしちゃおう。

スペカ使うよりも手っ取り早い。

 

 

「……小人、何とかして生き延びなさいよ」

 

「!え"……い、いきなり……!?でも、何故……!?」

 

 

御姉様と小人さんの会話を他所に、私は右手に力を込めた。

力の込め過ぎで、指や掌がピクピク動いている。

 

エヘヘ……お楽しみの時間は直ぐ其処まで迫ってると思うと、ゾクゾクしちゃう……

 

 

で、我慢出来ずに、右手を思いっ切り握りしめちゃった。

 

 

 

 

「……きゅっとしてドカーン♡」

 

 

 

 

あちこちでマリスが次々に弾け飛び始めた。ギーギーと、此方も此方で喧しい

断末魔と共に潰れ、黒い液体に変わっていく。

 

……ヤダ、此の感覚……黒いプチプチを足で潰してるみたいで堪らないかも……

 

そして数分もしないうちに。見渡す限りに草原が黒い水溜まりに覆われていたけど、

直ぐに地面に吸い込まれて消えちゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……よっと……」

 

 

私達は何もいなくなった緑色の草の上に着陸する。

…満足した。本当はまだ殺し足りないけど、心も体もほっくほくになったから良いわ。

 

そんな中、私の脚元に黒光りする何かが一つ。

 

 

「……ヤダ、生き残りかしら?」

 

「!私ですよ、私!!」

 

 

黒いのは御椀の底で、中から小人さんが這い出してきた。私は其の上に持って

来ていた右足を戻した。

 

 

「……生き延びた様ね、上々」

 

「~~わ、私を殺す気でしたよね……!??」

 

 

御姉様の言葉に御椀をひっくり返す小人さんは涙を目に貯め、プルプルと怒っている。

殺しに殺して、まあまあスッキリとした後で見た其の表情の破壊力は凄じかったわ。もう、

お気に入りの玩具にしたかった程にね。

 

 

「ま、其は冗談として……別の場所でマリスを一匹残らずに片付けるわよ」

 

「!冗談だったんですか!?」

 

「で、発生源を始末してやる……絶対に……早く行くわよ!!」

 

 

……さーて、咲夜を酷い目に遭わせた命知らずは、いったいどれだけ蔓延っているの

かしら?私は小人さんが乗った御椀を持ち上げながら笑みを浮かべた。

本体も何処に隠れてるのかしら…フフフ………

 

 

 

……でも、やっぱり幻想郷全部ドカンした方が速いと思うんだけどなぁ……

 

 

 

 




如何でしたか?

夜になったから二人の日傘代わりのメイド妖精が完全に空気です。
レミリアやフラン、針妙丸だけでも十分強いですし、援護も要らないですね、此……

幻想郷の混沌は続きます。

それでは、次回もゆっくりして行ってね♪
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。