根拠を紹介していきます。
神子視点で紹介致します。
原作とは少し異なる点があるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。
それでは、ゆっくりしていってね♪
MIKO
~永遠亭 地下通路
「……更に別の黒幕がいると思うんだわ、私」
「!?えぇえ……!??」
聞いてた私達全員驚きました。
後ろを向いていた屠自古も、振り向いて霊夢さんを見ていた程でした。
ですが、其に一番呆気にとられていたのは……
「れ、霊夢…!そ、そそ其って………!?」
「!お、おいおい魔理沙……落ち着くんだよ!?
足が痙攣起こしてるじゃないか!脱水の発作かい!?」
恐らく今までの自分の考えを、全てひっくり返された事に対するショックでしょう。
足が揺れる魔理沙さんを魅魔さんが必死で支えていました。
「衣玖や正邪達を操って、アリスを復讐鬼になるように仕向けた奴がいる……
簡単にいえばそうなるわね」
「いえ……少し違います。さっきの永琳さんの話から考えたら、
アリスさんが衣玖さんを利用して、操っていたとも……」
其処へ白蓮さんが、申し訳無さそうに水を差しました。
「!そうとも言える……でもどんな手順であれ、黒幕は此の二人を同時に
操っていた事になるわ……」
「!!アリスと……衣玖を……同時に……!?」
「驚きました……霊夢さん、真実の核心に迫りましたね!」
魔理沙さんは再び驚き、早苗さんは両手を握り合わせて感心していました。
「あくまで推測よ。でも、大方は合ってるんじゃないかと思うの」
私は目頭を親指と人差し指で揉んでいました。
突然出てきた空論に納得が出来なかったのです。
「いえ……まぁ、確かに……霊夢さん、貴方の勘は確かに鋭い……
其と計り知れない幸運で貴方は幾多もの異変を解決しました……
そして今回もそうしようとしてます。ですが、流石に其ばかりは……」
すると、
「……何、アンタそんなに否定して……こんな事をしたって認めたくないわけ?」
「!?」
霊夢さん……!?な……いったい……何を……?!
「………毒手にかかった腹心を、言い訳の盾にでも使うつもりかしら?」
「!?な……!!」
ど……どうして、私を……!??
「!霊夢……てめえ……!!」
屠自古が霊夢さんに喰ってかかろうとしました。
私は急いで彼女を制しようと思いました。ですが………
其の時、霊夢さんは目を伏せて、
「……冗談に決まってるでしょう?」
そう言いました。
屠自古は霊夢さんに近付くのをやめました。
ですが、私に制されたのではなく、私の一言を聞いたからでした。
「……ふざけるのは止めて貰えますか……?」
気付けば、声を震わせて憤っている自分がいる事に
私は驚きました。
自分が勝手に犯人と言われるよりも悲しい思いをしている屠自古を
私への虚仮に利用された事に、予想以上に腹が立ったのでしょう。
周りのいた頂点の皆さんも、私の豹変にびっくりしていました。
今度は屠自古が私をなだめようとしました。
「!た、太子様……!」
ですが霊夢さんは、
「……こんな空気の中、冗談でも言わないと話す此方が持たないのよ」
……其は一理ありました。
異変が解決の方向に向かってるとは言え、私達に暮らす幻想郷が
今、その住民達もろとも滅ぶのも、もはや時間の問題になっています。
其の状況に衣玖さん達だけでなく、アリスさんの気付けなかった彼女自身が
関わったとなると、尚更耐えられない筈です。
こんな冗談でも、言って気を軽くしないと話す気になれなかったのでしょう。
半ば憤慨したまま、私は黙って話の続きを聞く事にしました。
「……根拠はあるわ。ソイツはアリスや衣玖の性格や弱みをよく知ってる。
アリスの私達による人間界への復讐心…そして、衣玖の天子を受け持つ責任感……
だから其を利用してこんな手の込んだ計画を練って、此処まで被害を
拡げられたんじゃないかしら?」
「!其処までは……あまりにも、漠然とし過ぎています!」
神奈子さんが強く反論しました。
「其処まで漠然とはしてないわよ?本人からも結構証言を貰ったし」
霊夢さんは其に毅然と対応し、衣玖さんの方に目を向けました。
行き過ぎた忠実故に悲惨な末路を辿った、憐れな龍宮の使いを……
「衣玖は天子に言った、余計なひと言が始まりだったと言ったわ。
そして其に乗った馬鹿主は計画を練り、人間界に来ていたアリスを偶然狙って
『孤毒』を患わせたとも言っていた……」
そして霊夢さんは一呼吸を置き、言いました。
「恐らく……其の時から既に、衣玖は黒幕の毒牙にかかってたんだと思うわ……」
「!龍宮の使いが天人の教育をし始めたと言われてたのは、遥か昔の話なんだよ!?
そんな昔から計画が練られていたの!!?」
突然、諏訪子さんが話に割り込んできました。
「そういう事になるわね」
其にも平然と答える霊夢さん。
「そして……此等から考えると、黒幕はある程度は絞られるわ……
まず絶対に人間が仕組んだものではない。まして、異世界からの新参者という可能性
も無いわ。
間違いなく、私が今まで出会った妖怪の誰かがそうなのよ。そして魔理沙……」
霊夢さんは魔理沙さんの方を向き、
「……貴方も、一度は出会っている筈よ」
「!!私が……い……今まで……で……!?」
其を聞いた魔理沙さんにあったのは、三度目の唖然とした表情でした。
彼女を支える魅魔さんも同じ反応です。
「いえ……其は矛盾します」
すると、別の声が聞こえ、私達はその声の主を見ました。
其処には永琳さんが弟子の因幡てゐさん、そして数十匹の
玉兎さんを連れて立っていました。
永琳さん以外は全員、両手が光も反射する白い袋に覆われていました。
「てゐ、頼むわ……くれぐれも気を付けるのよ?」
「了解しました、師匠!皆、急いで慎重に運ぶウサよ!?」
「かしこまりました!!」
てゐさんの号令に従い、また彼女自身に手伝われながら玉兎達は衣玖さんを
地下通路から運び出していきました。
すると屠自古が、私と永琳さんのところに来ました。
何だか…凄く申し訳なさそうな表情をしています。
私は直ぐに理解しました。怒りも収まっていました。
「……ついて行ってあげなさい……構いませんか、永琳さん?」
「大丈夫ですよ。寧ろ……彼女も其が良いと思っていますよ」
屠自古はまた泣きそうな表情になりながら、
「……失礼します」
深々とお辞儀をし、衣玖さん達を追って退出しました。
「……どういう事なの?矛盾するって?」
屠自古達を見送った後、幽香さんが永琳さんに問いかけました。
「其の黒幕が衣玖さんをマリスで操ったと言うのならば、其はあり得ないという事
です」
「?なんでまた?」
今度は諏訪子さんが質問をします。
「心の闇の具現化……マリスは、アリスさんの『孤毒』がある程度進行
していないと発生しません。
アリスさんが、衣玖さんの中のマリスを利用し、いわば自分で自分に『孤毒』を
発症させようなんて……
時系列がめちゃめちゃになってしまっているわ」
「!確かに……」
「うぅう~~……ややこしいな……頭がこんがらがって来たよ……」
幽香さんは納得したようですが、
諏訪子さんはこめかみを親指で揉み始めていました。
「ですから衣玖さんは、彼女の『孤毒』が成熟した後でマリスに喰われた可能性が
ある……外見で判らない様に……そうですよね、霊夢さん?」
「仰る通りよ」
永琳さんの問いかけに、霊夢さんは答えました。
『アンタが黒幕じゃないの?』とでも言う様な『いんとね~しょん』も
含まれていました。
しかし永琳さんは其を察してか、其以上は口を開きませんでした。
「でも問題は……其まで『どうやって』衣玖を木偶人形にしてたか……」
霊夢さんは考え込みました。
「其が判れば、全てを解明できる気がするのよ……」
すると、
ジャン♪ジャジャン♪ジャンジャンジャジャン♪
ジャン♪ジャジャン♪ジャンジャンジャジャン♪………
『えれきぎた~』が何とも壮大な音楽が
地下通路中に溢れ始めました。
全員がとっさに臨戦態勢に戻ります。
音楽は鳴り続け、音は地下通路の壁に反射していました。
「?此は…着信音……ですか?」
早苗が正体らしき言葉を言いました。
どうやら…其の音の名は、其で間違いは無い様ですが……
「ですが……いったい何処から……?」
白蓮さんがきょろきょろと周りを見渡しました。
曲は今や、サビらしい処に入っている様でした。
……誰のテーマでしょう?私のテーマはもう少し落ち着いていますし……
今まで聞いた事がない曲ですね……?
「……少し、お待ち下さい」
私は皆を制し、耳から耳当てを外して両目を閉じました。
何処が音源でしょうか…………??
私は目を開きました。
音源を探り当てる事が出来たのです。
「……霊夢さん……」
「!?」
其の音は、どうやら霊夢さんの方から聞こえている様でした。
他の皆も次々と霊夢に視線を向けていきます。
「!え……?……!!わ、私……!??」
霊夢さんが慌てて、巫女服のスカートのポケットから
ある物を取り出しました。
紅く、手中に収まりそうな、しかし大きさは私の笏の半分もない最新型の
携帯通信機でした。
其処から音楽は鳴り響いていました。『びんご』の様です。
おまけに其は、発作でも起こしている様に激しく震えていました。
永琳さんが顔をしかめました。
「霊夢さん……!仮にも此処は病院なのですよ!?
電源を切って貰わないと……!」
「判ってるけど……着信らしいのよ……!話終わったらすぐに切るわ!」
そう言いながら、霊夢さんは機器を耳につけました。
私も耳当てを耳に当て直していました。
「!?な……なんて言ってるの!?いきなり怒鳴って…!!
良く聞こえないわ!!……!…ちょっと…そんなに喚かないで……」
最初大きな声で話していましたが、すぐに私達の目に気づき、
声の『ぼりゅ~む』を絞って相手と話し始めました。
機器からは霊夢さんが言っている通り、相手が彼女に
怒鳴ってるのが聞こえていました。
かなり興奮してる様で、僅かですが只事ではない雰囲気が
其の声から漂っていました。
しかし次の瞬間、
「!え……??」
霊夢さんの表情が止まりました。
聞いていた皆がどうしたのか、と一斉に彼女を見ます。
彼女は静かに機器を耳から離しました。
顔が蒼白になっています。
「…どうしたんだ、霊夢?
相手はかなり興奮してたみたいだが?」
魔理沙さんが魅魔さんに支えられながら霊夢に訪ねました。
片手には水が入った容器を持っています。
永琳さんから貰った生理食塩水に違いないでしょう。
霊夢さんが表情を凍らせたまま言いました。
「……通話先で……襲われて…切れた……」
聞いていた全員がまたもや驚かされました。
「!?何だって……話をしてる途中で!?」
「マリスか…!?誰がやられたんだい、霊夢!?」
魔理沙さんと魅魔さんが同時に霊夢に叫びました。
霊夢さんは、絶望的な声で答えました。
「……針妙丸………少名…針妙丸……」
如何でしたか?
……「進みすぎた幻想郷」の一種の弊害ですね……
一瞬で深刻な雰囲気をぶち壊しに……
次回だけ、少し場面が変わります。
それでは、次回もゆっくりしていってね♪