東方孤傀劇Ⅱ~ナラクのアリス   作:因田司

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場所はまた変わり、有頂天に移ります。

此の小説で初めての戦闘がありますが、相手が……
ですので少々のグロは御注意ください。

原作とは少し異なる点があるとは思いますが、
暖かい目で見て下さると、幸いです。

それでは、ゆっくりしていってね♪


楽極むべからず、影侮るべからず

TENSHI

~有頂天

 

 

私は、山の頂上に立ち、下を流れる雲海を眺めていた。

 

 

天界は今日も静かで平和だった。

誰もが歌を興じ、釣りをし、宴をして暮らしていた。

 

でも今私がいる此の場所は、天人もあまり来ない場所だ。

天人にとってあまりに静かすぎる為だった。

 

……一人が好きなわけではなかった。

でも隣には、いつも私の傍にいてくれた者はいなかった。

 

 

 

 

 

……衣玖が……いなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は気が付くと、いつの間にかベッドで寝ていた。

 

看病してくれていた別の龍宮の使いに聞くと、私は地上で大怪我をして、

衣玖に抱えられて天界に運ばれてきたと言う事が判った。

 

そして衣玖は、私がしていた事を代わりにすると言って地上に降りて行ったらしい。

 

 

 

……何も覚えていなかった。聞く前から思い出せたものは何一つなかったわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(!ちょっと待って………?)

 

 

私はふと考えていた。

 

私が大怪我する程の事を代わりにするのなら…

 

 

!衣玖が大怪我をしてしまう……!!

 

 

なら、今度は私が早く衣玖を捜し出さないと……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……でも、そうは思ってみたものの……」

 

 

私は雲海に浮かんでるように出ている山々を見ながら呟き、

 

 

 

 

 

「…また随分な姿で来た様ね……人形野郎?」

 

 

振り返り、後ろにいた気配の正体を見た。

 

其処にいたのは、前に此処に乗り込み、私を叩きに来た地上の輩の一人だった。

 

天界の総領を継ぐための勉強し始めてから先はうろ覚えだった私も

其の異変の部分は、何故か鮮明に覚えていた。

 

だが其の姿は初めて出会った時とは随分違っていた。

上半身は変わらないが、下半身が黒色の蛇の様で細長い。足もない。

 

まるで仏教や道教とは違う宗派の、邪神の様ね……

遥か昔に勉強していた内容に、そういうのが少しあった事を思い出していた。

 

 

「モウ…アンタハ用済ミ……此処ニ居ル必要モ無イ」

 

 

変わり果てた人形遣いがそう話す。

 

 

「!声のトーンが変わったわね…シャーシャーって、よく聞こえないわ」

 

 

折角行動しようという時に、どうして邪魔が入るのかしらね…?

 

 

「今はそんな場合じゃないの。もう一度私をやりたいなら後でやられてあげるから……

退いて頂戴? 」

 

 

だが、

 

 

「嫌ト言ッタラ?」

 

 

……そう簡単には承諾しない気ね……?

姿勢を低くして完全に臨戦態勢に入っていた。

 

だから私は軽く笑ってから其の答えを言ってやったわ。

 

 

 

「腕ずくでも退いて貰うわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

TENSHI

VS〈忍び寄る閉塞心〉マリス・ナーガトロイド

~有頂天

 

下半身蛇の相手はいきなり身を翻して、尻尾を叩き付けてきた。

すぐさま要石を召喚して防御する。

 

先制攻撃に失敗した敵は、後退して距離をとった。

 

 

「御得意の人形は使わないのかしら?じゃなきゃ、人形野郎じゃなくて蛇野郎に変えるわよ?」

 

 

挑発してみる。前は其で皆、引っかかっていた。

 

 

「もっとかかって来なさいよ…此方は用事があるって言うのに…」

 

 

すると、

 

 

「シャァァアァァアーーーーーーーー!!!!!!」

 

 

挑発には乗ってくれたが、前に戦った時よりも比べ物にならない様なスピードで

接近し、私を押し倒した。

 

 

「!?グゥ……!?」

 

 

フフフ……前と同じ様にやる気まんまんじゃないの……!

 

急いでいる事は判っているのに、気持ちが高揚してきた。

でも、今はやられる訳にはいかないのよね……

 

 

「ヴヴゥゥウ………!!!」

 

 

上から迫ってくる敵を私は四つ身を組んで抵抗した。

 

 

静かな場所で一対一の取っ組み合い。誰も助けに来るとは信じられなかった。

 

でも結構!私が勝つ事は目に見えてるんだから!!

 

 

「~~ンググ………!!!」

 

 

……でもちょっと……流石にコテンパンにしてくれるという雰囲気じゃないわ……

確実に殺しに来てるわね……此……!?

 

 

すると四つを組んでいたアイツは、其の口を大きく開けた。

 

 

「!!」

 

 

前には見なかった四本の大きな牙が並んでいるのが見えた。

其の牙が紫色に染まっている……

 

!毒牙ね……蛇らしくなったのは身体だけじゃないのね………!?

 

毒は……流石にヤバいわね……

 

 

「~~~そ、そんなに……私を喰いたいなら……」

 

 

私は敵を力で押しながら立ち上がり、

 

 

「此れでも喰ってなさいよ!!!『緋想の剣』!!!」

 

 

其のまま突き飛ばして自慢の緋色の剣を抜き、

 

 

 

ズボォォオ!!!!!バシュゥウゥウゥウ!!!!!!!!!

 

 

 

開けながら襲ってきた其の口の中に押し込み、すぐに垂直に降ろした。

 

 

「!!!ギギャァアァァアアーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

 

 

二つに裂けた下顎を押さえてのた打ち回っている。

 

 

「美味しかった?マズいとは言わせないわよ…!?」

 

 

軽めのジョークでも言いながら、

 

 

「ハァ!!!」

 

 

そのまま上空に飛翔した。

 

 

「急ぐからもう決着を付けるわ……其程構ってる暇がないのよ、私には!!」

 

 

敵の真上で其のまま刀身を下に向け、狙いを定めて………

 

 

 

 

「『坤儀の剣』!!!」

 

 

悶える敵の背中のど真ん中に急降下し、敵ごと地面を突き刺した。

 

そして、地面を突き刺せば、

 

 

ゴゴゴゴゴォオォオォ…………!!!!!!!

 

 

刺したところを中心に、急に地面が大きく浮き沈みを起こした。

 

 

「!!?ギャァ!?!?………~~~~!?~~~~!?!?……………」

 

 

私に押さえつけられていた人形野郎は其の隆起に耐えられず、蛇の様な身体が

不自然な角度になって引き裂かれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何だ、本物じゃなかったのね……」

 

 

相手の憐れな残骸が黒い塵になっていくのを見ながら

私はつまらなさそうに、でも内心はホッとしながら言っていた。

 

急ぎの用とはいえ、殺しをしたらマズいと思ったからね……

地位的にも……教養的にも。

 

 

「でも……」

 

 

私は軽く首を鳴らしながらそう言った。

 

 

「出発前の軽い運動にはなったわね……さてと、さっさと地上に降りて、

衣玖を連れ戻そうかしら?」

 

 

そして飛翔しようと低く構えた……

 

 

 

其の時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッッッ……!!!!!!!!!

 

 

「!!!…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の身体に衝撃を感じた。

 

 

 

え………何…今の……?

 

 

!身体が動かない……何で……?

 

 

 

 

 

 

 

……?あら……胸が熱いわ……何が……?

 

私が見下した……絶壁と言われていた…其の胸には……

 

 

 

 

 

 

……此は……紫色の大きな棘?……いや、槍……

 

此は……紫色の槍…ね……?

 

 

そう思った…瞬間に、

 

 

「!?ウゥッ……??」

 

 

私の身体が浮き上がった。

 

!いや、此の感覚………

浮き上がったんじゃない……持ち上げられてるのね……?

 

 

じゃあ……後ろに……誰か…居るの……?

 

声を…かけてみた。

 

 

「……誰なの……私の胸を……槍で…貫いたのは……?」

 

 

擦れ声になっていた。何で……こんな声なの……?

 

すると…声が返ってきた。

 

 

 

「…偶然カシラ……?今度ハ、此ノ姿デ刺ス事ニナルトハネ……前ハ逆ダッタノニ……」

 

「!!?~~~」

 

「アッチニ着イタラ……タップリトシツケテヤルワ」

 

 

此の声……!?~~ま、まさ…か……!!

 

 

でも、相手を…確認しようと……後ろを見た……瞬間には…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イシキガトダエタ

 

 




如何でしたか?

マリスと戦うとどうしてもこうなってしまいます……
ですが相手も、やる事がやる事ですからね……

次回も、また、違う場所の様子をお送りします。

それでは、次回もゆっくりしていってね♪
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