漆黒のウマ娘と孤児院のお兄様(トレーナー)   作:ライスのお兄様(自称)

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申し訳ない。単純に一話ずらして投稿してしまった……

普通にミスなので見逃していただくと幸いでございます。

一旦出した五話を削除した後、また明日投稿させていただきます。

色々申し訳ねぇ!あと今話もちょっと難産気味でござる。日常パートガガガガ


四話 幸せの青いバラ

 なんか勘違いしている様子だが、ちゃんと連絡入れてたよな俺。今後のことについて話したいって。なんかまた変な解釈を入れてしまったのかもしれない。おどおどして落ち着きのない様子のライスから俺はそう予測することにした。

 

「いや、そんなことはないぞ? 寧ろ、心当たりがあるのか?」

「う、ううん……! ライス、そんなことしてないよ」

「じゃあ大丈夫だ。俺が今日呼んだのは、ライスが今後、どんなレースに出て行きたいのかって話だ」

「どんな……うーん」

 

 本題を口にすると、顎に手を当ててうんうんと悩みだした。色々考えているのか、耳がピコンピコンと跳ねまくっているのは見ていて楽しいというか、面白かった。とはいえ本人はまじめに考えているので笑うわけにもいかず、必死にこらえることにした。まじめな話をしているのににやにやしてるトレーナーとか嫌だろう。というか成人男性がしていいことじゃない。

 

「やっぱり、クラシック三冠には出たいか?」

 

 このままいっても、多分悩み続けるのではないかと考え、取り合えず色々レース候補を出していくことにした。クラシック三冠への参加条件はトゥインクル二年目である必要がある。つまり、今年の七月ごろにトゥインクルへと新規に入ってきたウマ娘たちだけが参加を許されたレースである。ほかにもトリプルティアラと呼ばれる三冠もあるのだが、スケジュール上六つ獲ることはできない。流石に週をまたいでレースに出走することはできない。

 

 だからライスにとって、クラシック三冠やトリプルティアラに参加する機会はこの瞬間しかないことになる。勿論、参加できるかどうかはライスの活躍次第なので、本人の意思が大事だが。

 

「それとも、トリプルティアラか?」

「……ライスは、クラシックに出たい、って思うんだ。ダメ、かな……?」

 

 しばらく悩んだのち、はっきりとした声音でそう告げた。クラシック三冠となれば、予想通りとは言えるがまた予定とかを立てないといけなくなる。そこら辺も上手いとこやっていないとだな。

 

「一応、理由も聞いておこうか。どうしてライスは、クラシック三冠に出たいんだ?」

「……あの、ね。追いつきたいって、人が出来たの」

 

 人、というのはおそらくウマ娘のこと。つまりは憧れや憧憬ではなく、自分が追いついていきたいような、くらいついていきたいような子に出会えたのだろう。そのことに喜びを感じつつも、その子に追いつき、追い越せるように俺もより一層努力しなければならないと、気も引き締められた。

 

「なら、出ないとな。クラシック」

「……! うんっ!」

 

 ならば、それを応援して支えるのがトレーナーの役割だ。なんならその背中を追い越せるぐらいに強くさせる。そのためには色々なトレーニングや策略を練っていかないといかない。

 なら目標は皐月賞。距離は2000mとオーソドックスな中距離だが、出走するウマ娘たちの練度はかなり高いだろう。何せG1だ。それだけの意志と野望を持ったウマ娘が相手になる。ならまずは速さがいる。皐月賞は最も速いウマ娘が勝利を掴むと言われているレースだからな……

 

「やっぱり、トレーナーさんって、お兄様みたい」

「……ん? お兄様?」

「はわっ、ううん。なんでもない、よ?」

 

 ライスがふと、そうだと言わんばかりに呟いた。お兄様、ということはライスには兄がいるのだろうか? だとしたら一度見てみたいものだ。存外にしっかり者の兄なのかもしれない。まぁ、弱気な妹を持っている兄は大抵二パターンに別れる(個人の意見です)一人目はしっかりもので、妹の面倒をよく見ているいい兄と呼べる存在。もう一人が妹を邪険に扱っている場合。後者だと妹の性格が変わってしまったのがそれのせいという可能性もある。まぁ、ライスの兄は前者であって欲しいのだが。

 

「そうか? まぁ俺もアイツらからは兄ちゃんとは呼ばれてたし、別に違和感はないけどな」

「……アイツら?」

「っと、そういや言ってなかったな。俺の実家が孤児院でな。結構な頻度で手伝いとかしてたからその影響だな」

 

 小首を傾げるライスに説明する。そう言えば俺の実家が孤児院だと知ってるのは理事長とかぐらいしかいなかったな。まぁ、別にわざわざ言うことでもないんだが。

 

「……じゃあ、トレーナーさんのこと、お兄様って呼んでも、いいかな?」

「おう、いいぞ」

「でもでも、嫌なら別に断っても……えっと、いいの?」

「別に構わんけど……え、イタズラだった?」

「ううん! 嬉しいけど……」

「じゃあいいな。俺がライスの兄みたいになれるかは分からんけども」

 

 そう呼びたいということはそれほど良い兄さんだったんだろうな。その期待とも受け取れる彼女のその言葉を裏切らないようにしないといけないかもしれない。

 

「あ……えっとね、ライスにお兄ちゃんはいないよ。えっと、絵本の中にお兄様がいて……」

「ほうほう……お兄様が出る絵本か……」

 

 そうすれば何個か候補が浮かぶな。読み聞かせとかも良くしていたし、絵本の内容とかは何度も読むからよく覚えている。お兄様か出る絵本なら、『夏の思い出』とか『名も無き桜』とか……あとは確か。

 

「幸せの青いバラ、だったっけ」

「……! 知ってるの!?」

 

 考えていたからか、思っていたことが口に出てしまったようだ。ライスが驚いた顔でこちらを見ていた。

 

「ん、まぁな。俺も個人的には好きな話だからな」

「そうなんだ……!」

 

 先程から言っている幸せの青いバラという絵本は、まぁ簡単に言えば庭に咲き、奇怪だと蔑まれている青いバラをお兄様と呼ばれる人物が引き取り、彼の元で育って綺麗な青いバラを咲かせる。孤児院でも何回か読み聞かせをしていたが、中々いい話であった。

 

「なるほど……だから、みんなを幸せにするウマ娘に、ってことか」

「う、うん。なんか、子供っぽい、よね?」

「子供っぽいって言われたらそうだけども、でも実際にそうして行動出来てるんだから立派だよ」

 

 ライスが何故誰かを幸せに、と考えているのかがようやくわかったような気がした。彼女は昔見た絵本と、自らの名前に合うようなウマ娘になりたいと思っている、と俺は解釈した。

 

「そうかな……?」

「そうだ。だからライスは自信もっていい。」

 

 実際問題、こうして幼い頃の夢を今の今まで追い求められる者がどれほどいるか。いつしか現実を見て、そうはなれないと悟る日が唐突に現れて、その夢を夢として終わらせてしまう。

 それが悪いことではない。だけど、だからこそライスに対して率直に尊敬の意を感じた。

 

「うん……ありがとう、お兄様」

「ありがとうは俺のセリフなんだけどな」

 

 トレーニングにもこうした呼び掛けにも素直に応えてくれる時点で、俺からすれば有難いものだった。

 

 ウマ娘の中には独特というか、呼び掛けに応じてきたかと思ったら変な薬を飲まされて七色に光るゲーミングトレーナーが出来上がっていたということもあったのだという。

 

 それを考えれば、ライスはかなりの優等生なのでは無いだろうか。

 

「……っと、話はこれで終わりなんだが、ライスから俺に何か言いたいこととかあるか?」

「……えっと、ね。言いたいことじゃなくて、お願いしても、いい?」

 

 こちらだけ一方的に質問やらなんやらするのはなんかはばかれたのでライスの方にもなにか質問とかないのか聞いてみたのだが、お願いがあるらしい。

 なにやら言いにくそうに言い淀むライスに、遠慮しないで言ってくれという旨のことを話したら、ようやくライスは口を開いた。

 

「一緒に図書館に行きたいな……って」

「図書館……? ここの図書室じゃダメなのか?」

 

 俺の問いかけにこくん、と首を縦に振る。とはいえ、ここ(トレセン学園)の図書室もかなり本が集まっているし、みつけようと思ったら見つけれると思うんだが……

 

「えっとね。お兄様と一緒がいいなって……」

「まぁ、俺もそろそろ返さないといけない本もあったしな」

 

 何だかんだで愛読本となってしまった【ゴルシ様直伝! 〇〇の秘伝!】シリーズの最新巻であるフライング・インディアン(メキシコの祭り)編も読み終わったので、そろそろ返しに行かないといけないしな。

 

「じゃ、じゃあ……いい、かな?」

「おう。というか、ライスのお願いなら大抵の事は聞き届けるよ」

 

 お世話になっているのはこちらの方だし、その本人がなにかして欲しいことがあるなら大抵の事は叶えてやりたい、というのが俺の考えだ。

 

「……! ありがとう、お兄様!」

 

 花が咲かんばかりの満開の笑顔を浮かべて、ライスはそう言った。その姿が本気で嬉しそうだったので、俺自身も応えることができてよかったなと、謎の小並感を抱いた。

 

「行くのは、次の休みの日でいいか?」

「う、うん!」

 

 約束したはいいものの、次の休みがいつになるのかがまだ確定していないが、順当にいけば来週の日曜日にも休みが取れるだろう。俺が思っている以上に、ライスへの好感度は高いようだ。トレーナーという職業上、ウマ娘からは嫌われているものだと勝手に思っていたのだが、そうではなかったようだ。俺の知るトレーナー限定ではあるが、彼らもウマ娘と真摯に向き合っているのだろうと読み取れた。

 

「んじゃまぁ、トゥインクルの進路も決まったし遊ぶ予定もできた! 今日はしっかり休んで、明日からまたトレーニングを続けるってことで」

「今日、お休みなの?」

「まぁ、自主トレしたかったらしてもいいけどさ。出来れば今日は体を休めてほしいかな」

「えっと、じゃあ今日はライス、大人しくご飯食べてるね?」

 

 体を休める=ご飯を食べるというその思考回路のロジックを解明したい気分に襲われたが、休むといってくれたのだからよしとしようか。

 ライスは謎に気合満々で、頑張るぞー、えいえいおー! と、鼓舞していた。小さく手を握って控えめに手を挙げるその姿は可愛げのある妹を見ているような気分になった。

 

「お、おう。まぁ、控えめにな」

「うんっ! ライス、頑張って食べるね!」

 

 ライスの明らかに嬉しそうな表情を見て、違うそうじゃないとは言えなかった。なんかその笑顔を曇らせたくないし、多分言ったら罪悪感で俺が死にそう。

 

「う、うん。まぁ、ほんとに、食べすぎないようにな」

「頑張るね!」

 

 いや、ほんとにどうしたんだ。食べることになったらテンションがおかしく……金船らぁめん? うっ頭が。アレか、アレのせいなのか……? いや、店内に入る前からテンションは高かったし、単純に食べるのが好きなのかもしれないな。

 

「じゃあライス、これから食堂に行ってくるね!」

「えっ今から行くのか……ってもういないし」

 

 バビューンと効果音が出そうなほどのスピードでライスは部屋を出ていった。残されたのは謎に虚しくなっている俺だけだった。

 

「まぁ、とりあえず、出るか……」

 

 なんか、担当ウマ娘の闇を見た気がする。ライスは走ることがストレス発散で、それが出来なかったらやけ食いとかする性格なのかもしれない。いや、そうだとしたらそれ以外のストレス発散法を探る必要がある、のか?

 

「まぁ、大丈夫か」

 

 変な杞憂だろう。うん、きっとそうだ。ストレス発散とかじゃなくて単純に食べるのが好きなんだろう。俺はそう無理やり納得して……いやあんま納得はしてないけど、まぁ納得したことにして部屋を出ることにした。

 

 

 

「おっ、ジュンくんじゃないか」

ふぃーつかれたなー(こっち来んなさっさと帰れ)。っと、早く次の予定とかも練らないとなー忙しい忙しい」

「帰れって言われてもなー、用があるのはこっちの方だったし」

 

 校舎を出ると何やら幻聴が聞こえたのだが、周りを見ても誰もいないので多分気のせい、幻聴だったのだろう。中々に暑さが増してきた今日この頃、しかしここから徐々に温度が下がっていき、冬が訪れるのだろうと思うと、四季がある日本に来れてよかったと思える。

 

「さっさとトレーナー室に戻って作業でも行うとしようそうしよう」

「はぁ、聞いてないなら仕方がない。職場のみんなにジュンが俺のために三年間頑張ってくれた話でもしよ」

「おうユウじゃないかどうしたんだこんなところでお前の方の担当の子は放っておいて大丈夫なのかそれとも俺と同じように今日は休みにしている感じか?」

「おっおう、食いついたな。ようやく話を聞いてくれるようだな」

 

 ……しまった、見え見えの罠に引っかかってしまった。これだからこの男は苦手なんだ。普通にめんどいし、めんどいし、あとめんどい。ひたすらに面倒くさいが擬人化した男なのだ。

 

「……はぁ、はぁぁぁぁ。んで、何のようだよ? 別に意味もなく話しかけてきたわけじゃないんだろ?」

「ため息なっが。いやなに、せっかく見知った顔がいたんだし、知り合いというよりはトレーナーとして自己紹介をしようと思ってね」

 

 トレーナーとしての挨拶、と言われても正直ピンと来ない。こいつのお得意の口車なのかもしれないのだがまぁ、本当にあるかもしれないし、乗っかるか。

 

「というと?」

「俺がいま担当しているウマ娘の紹介でもしようかなと。色んなウマ娘を見て、タイプを分かっていけば、まぁどんな脚質かぐらいは分かるようになる……かもしれない」

 

 ちな、俺はそんなことできないけども。と付け加えると、唐突に後ろの方を向いてそのまま足を止めていた。いきなり何をしているのか正直分からなかったが、視線の先に誰かがいるのだろうと見当をつけた。あいにく俺が覗き込んだとしても、人が多すぎて誰を見ているのかが分からないだろうから、そのまま待つことにした。多分今逃げても無駄だろうし。

 

 暫く、というほどは経っていないが少しの間待っているとユウに話しかけてくる声があった。

 

「ちょっとー、セイちゃんを放っておいていきなりいなくなるなんてひじょーしきだよー?」

「いやすまんすまん。見知った顔を見つけたんでな。レアキャラだレアキャラ、散歩の醍醐味だろう?」

「むぬ、確かに」

 

 全く容量のつかめない話をしながらこちらをちらちらと見てくる二人。何だよ、その距離ならわざわざ隠れている風を装わなくてもいいだろうに。っていうかこの二人、合わさると危険か気がする。混ぜるな危険ってやつかもしれない。なんか嫌な予感がビンビンに察せられる。

 

 しばらく良く分からない話を聞いているという謎の時間があった。なんで俺はここで帰ろうとしなかったんだろうか。いや、多分今立ち去ってもこいつのことだし、寮の部屋に出てきそう。お化けかな?

 

「っと、忘れてた。よぉ、ジュン。まだいたのか」

「忘れてたのかよ」

 

 呼び止めておいて忘れるとかどういう神経しているんだろうか。普通にこっちのほう何回か見てたよね? 何なら隣にいるウマ娘の子も普通にこっち向いてたよな。おいこら、てへぺろっぽいことするんじゃない。ユウにやられるよりはまだ精神衛生上マシだが、それでも煽られている気がしてならない。

 

「えっと、なんだっけか、あぁそうだそうだ。自己紹介がまだだったよな」

「お前のことなら知ってるけど」

 

 いやというほど、というか関わりたくないなーとも思っているが。

 

「まぁまぁ、俺だけじゃなくて、スカイの紹介もしないとだしな」

「おー、セイちゃんの出番ですねー。任せなさーい」

 

 バァン! と効果音が出そうな勢いで胸を張るユウの担当ウマ娘らしきウマ娘。よくよく見たら、空色のショートヘアにひまわりがモチーフの髪飾りをしている。スカイ、という名前の通り、空がイメージつくような恰好をしていた。

 

「セイウンスカイでーす。よろしくお願いしますねー」

「ってことで、俺の担当であるセイウンスカイだ。まぁ、あんまりそっちのライスシャワーとレースで会うことはないと思うけど、一応な」

 

 そういって右手を敬礼の形にしてくるセイウンスカイ。あまりの流れるようなその動きを見て、多分いつもこんな感じのポーズをしているのかもしれない。

 

「あぁ、俺は……」

「神木トレーナー、ですよねぇ。うちのトレーナーからいやって程聞いてますから、名前も覚えちゃいました」

「てへっ」

 

 殺してやろうか、あの男。セイウンスカイの陰に隠れてそんなふざけたことをしてくるユウを見てついつい拳が握られたが、ウマ娘の前でバイオレンスな光景(自分のトレーナーが叩き潰される姿)を見せるわけにはいかない。一応こんなんでもトレーナーだしな、生かしておこう。

 

「色々聞いてるんですよー? 担当の子の情報とか、その他いろいろ~」

「……その他のところについて詳しくお話をもらいたいところなんだが。ダメか?」

 

 ダメですね~、と速攻で断られた。しかも笑顔で。ダメだったか……中々に手ごわそうだ。っていうか、別に知られてても特に大差ないものしかないと思うし、まぁいいか。

 

「まぁ、いいか。んでユウ、話はそれだけか? だとしたら俺はトレーナー室に戻りたいんだが」

「えー。ここまで来たら一緒に散歩しよぅぜぃ?」

「その言い方むかつくな」

 

 そこぞのチャラ男みたいな口調で話しかけてこられても、俺としてはどうも思わないし別に一緒に行ってやるかとも思わない。ただそれに担当の子を巻き込ませる必要があるのだろうか……

 

「えー、いいじゃんか。学園内を見回るのもトレーナーの仕事だぞー?」

「だとすれば、その仕事に担当を巻き込むなよ……」

「いやぁ、私も楽しんでるところがありますからねー」

 

 どうやらセイウンスカイは敵だった様だ。すいませんねー、と悪びれた様子もなく、淡々としていた。

 

「まぁまぁいいじゃないか。ジュンも、そろそろ休まないと身体もたないぜ? ここに来てからずっと働き詰めなんだから、少しは休まないといかんよ」

 

 ウマ娘のカンって鋭いしな! と付け加えた。これは……ユウなりに心配してるって言うのか? あのユウが。

 まぁ、心配してくれてるってのは本当らしいし、それが原因でライスに迷惑をかけるわけにはいかないか。

 

「……まぁ、それもそうか」

「おっ、じゃあ行くか!」

「おー」

「へいへい」

 

 奴の口車に乗るのは正直言って癪でしかないのだが、仕方ないのでついていくことにした。べ、別にアンタの為じゃないんだからね! ……やめておこう。何故かでっかいわという単語とツインテールのウマ娘という怪文が俺の頭をよぎったのだが、気のせいだろう。うん、そうじゃないとなんか怖いよね。

 

 その後はユウの知り合いのトレーナーやらウマ娘やらに会いに行った(強引に)のだが、方法が方法なのでなんかこっちが申し訳なくなった。例えばスピカのトレーナーには遠隔操作ゴルシちゃん号(ゴルシ作のただのドローン)を飛ばして空中爆撃したり、スペシャルウィークとオグリキャップをそそのかして唐突に食堂大食い対決をしたり、ダイタクヘリオスやメジロパーマーと一緒によろたんしたりした。

 俺はここにきてまだ短く、それでもこの学園の生徒のやばさというのを知っていたはずなのだが、俺はまたさらに深い闇を覗いてしまったのかもしれない……

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