あとライアンの一人称間違えてました。
修正済みです。
すみませんでした。
子供の頃からアタシは一族の中で何処か異質だった。
自由に強く憧れて自由に振舞っていた。
悪戯が好きでよく場を引っ掻き回した。
探検と称して、山の中に入り遭難もしかけたっけ……
また頭が良かったのだろう。
教わった事は一度で覚えた。
他の子が何故一度で覚えれないのかが、理解できず聞いたこともある。
人をバ鹿にしたような態度を、知らず知らずの内にしていたんだ。
正直、嫌われはしなかったが腫物扱いをされていたと思う。
寂しさが無いと言えば嘘になる。
悲しさが無いと言えば嘘になる。
孤独感がアタシを苛む。
それでもしょうがないじゃねぇか、それがアタシなんだから……
そんな中、貴方だけはしっかりとアタシを見てくれていた。
アタシの話をちゃんと目線を合わせて聞いてくれた。
悪戯もアタシと一緒にしてくれ、一緒に怒られてくれた。
遭難しかけた時は本気で怒ってくれた。
恍けた振りをして“俺も一度じゃ覚えれないんだ。お前は凄いな”と他の子が普通なんだって、アタシが特別なんだって教えてくれた。
色んな事を教わった。
雑学を教えてくれたり、実家じゃ出ないようなジャンキーでチープな食べ物の美味しさ。
釣りやキャンプや将棋に麻雀。
アタシに負けないくらい、自由奔放にアタシと一緒に遊んでくれた。
山に連れて行ってくれた。
海に連れて行ってくれた。
色々な場所に連れて行ってくれた。
そして疲れ果てたアタシは、いつも決まって貴方の匂いに包まれて膝の上で微睡む。
それが一番のお気に入りだった。
一番の思い出は天体観測をしたあの日の事だろう。
貴方は大きな望遠鏡を担いで、アタシを山へ連れて行ってくれた。
日が落ちる前にテントを張り、望遠鏡を設置し、篝火に火を灯した。
夕飯は篝火で調理をして作った、ただ塩と胡椒を振って焼いただけの肉と硬いバゲット。
乱暴な料理の筈なのに、それがとっても美味しかった。
いつの間にか日もすっかり落ち、篝火以外は闇に包まれていた。
周りの闇が何故か、堪らなく恐ろしかった。
それを見かねた貴方は、アタシのお気に入りの膝に座らせてくれる。
もう怖くなかった。
アタシ達にしては珍しく静かな、それでも優しい時間が過ぎた。
小夜中になると貴方は篝火から火を落とした。
夜のしじまに、少しだけ怖くなったが貴方の温かい掌がアタシの頭を撫でる。
その掌に頭をグリグリと押し付けていたら、いつの間にかアタシは満天の星の下にいた。
キラキラして、吸い込まれそうになる程の美しい星の海。
しばらく感動で動けなかった。
そんなアタシを貴方は望遠鏡まで連れて行ってくれた。
覗き込んだ宇宙は本当に胸が切なくなる程、美しかった。
望遠鏡をあっちこっちに向けて、色々な星を見た。
そんな中にアタシが大好きな赤い色の望遠鏡に大きく映る星を見つけた。
その星が凄い気に行ったアタシは、その星をゴルゴル星と名付けて貴方にも教えてあげた。
貴方は“綺麗な星だな。いつか行ってみたい”と笑って言った。
アタシは“ならアタシが連れてってあげる! 一緒に行こう! ”と笑って返した。
明けてしまうのが惜しいほどの素敵な夜は更けていった。
きっとその日が一番アタシを変えてくれた。
いつしか一族の立ち振る舞いも使い分けれるようになっていた。
そして気が付けばアタシの周りには笑顔が一杯あった。
アタシの尖った部分を貴方の温かな愛が優しく削ってくれていた。
いつも感じていた寂しさも、悲しさも、孤独感も、いつの間にかなくなっていた。
そもそもアタシは周りに愛されていたと後から気が付いた。
見当違いな寂しさと、悲しさと、孤独感だったと知った。
顔から火が出そうだった。
随分と遠回りしたもんだ。
それを貴方に話すと“お前はやっぱり凄いな。俺はもっと時間が掛かった”とお道化て笑った。
耳を疑った。
アタシの知る貴方は、愛をよく伝える人だったから。
それこそイタリア人の様に、歯の浮くセリフを恥じらいも無く言い放てる人だったから。
アタシを揶揄ってると思って、ハイハイなんておざなりに返事をしたのを覚えている。
貴方の柔らかい笑顔が好きだった。
貴方が教えてくれる知識は面白かった。
貴方がアタシの個性を認めてくれたことがなによりも嬉しかった。
だからこそ、ここに来ると決まった時に貴方に頼られたのが誇らしかった。
貴方の頼みはアタシにとっての最優先事項だった。
ただ発破をかけて尻を蹴っ飛ばすくらいお茶の子さいさいだ! アタシに任せとけって胸を張って言い切った。
ちゃっちゃと終わらせて若い頃の■■■■■■をからかって遊ぼうなって考えてた。
ただ想定外があったとするならば、アタシが知っているよりもずっと若いあんたの辛そうでつまらなそうな表情。
それが溜まらなく気に食わなかった。
「そんな訳で天体観測に行くぞ!」
「どういう訳かわからない。誘えば普通に行くから……だからこの頭陀袋を外せ……」
「俺、これから授業あるからパス」
「おう! そうか! 勉強は大事だからな!」
「ねぇ聞いてる? ゴールドシップ?」
「オレも用事がある。行くならお前達だけで行け」
「用事があるなら仕方がないな!」
「あれ? 聞こえてます? ゴールドシップさん? ゴルシちゃん? ねぇ?」
「んじゃいくぞ! 抜錨じゃぁい!」
「お、お前らふざけんな! 毎回、俺を見捨てるんじゃねぇ! やめ、ヤメロォォ!」
あんたの笑顔はそんな寂しそうな笑顔じゃない!
そんな後悔を滲ませるような表情じゃない!!
そんな諦観の内に壊死する様な事なんて絶対に似合わねぇ!!!
貴方がアタシにくれた
あんたの人生もっと楽しくしてやるぜ!!!
「んじゃ飯食いにいくか」
「授業はいいのか?」
「あんなん方便に決まってるだろ。お前もだろ?」
「ああ」
「それにいうだろ? 人の恋路を邪魔する奴は
「ああ、そうだな。それでは行こうか。今日はうどんの気分だ」
「なら、うどんにするか」
あんたはアタシの事を恩人と言ってくれているけれど、本当はあんたがアタシの恩人なんだ。
尖って生意気だったガキは貴方が立派な淑女にしてくれた。
本当のアタシを否定せず、しっかりとアタシを見てくれた。
アタシの見当違いの感情を教えるのではなく、気が付くように導いてくれた。
「そういえば荒谷、犬に喰われて死んじまえでは?」
「あ、ヤッベ。……烏丸お前の聞き間違いだ」
「そうか。
「……そうだな」
少し前のあんたは火星のようだった。
地球に似ててそれでいて、心が凍っていた。
今は
それが堪らなく嬉しい。
貴方がアタシにしてくれた事への恩返し。
だからアタシに任せろよ。
あんたが居ない間のメジロ家の面々をアタシが陰ながら支えてやるからよ。
あんたの帰る場所を守ってやるから、安心して思い悩んで納得する答えを見つけてくれ。
少しでもあんたの
「なぁアタシに出会って、あんたの人生楽しくなったろ?」
「あぁそうだな……だがな何度も言うが拉致するのをやめろ!」
「へん! やなこった!」
これが家族に向ける愛なのか、異性に向ける愛なのかは分からない。
今はきっとそれでいい。
何時か答えが分かった時は、どんな愛だろうと可能だったならば、あんたの隣に居たい。
別に100年なんて経ってないけど、四捨五入して
バ場の情報が今届きました。稍重での発表となります。