メジロ家の愛のターフのバ場事情   作:ボブソン888

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ヘリオスの口調がわかない…


Fall

 私、メジロパーマーにとって兄さんは一緒にいて当たり前の存在だった。

 地球に寄り添う月の様な存在だった。

 やんちゃだった私の後ろを付かず離れず見守ってくれている。

 それでも危ないことから守ってくれる優しい大好きな兄さん。

 貴方の姿が見えると何かと理由をつけて近づいていた。

 

 私は昔からいまいち目立たない質だった。

 かくれんぼをすれば見つからない自信があった。

 いつからかそれが寂しくはあったけど私はそれを受け入れていた。

 だって私の周りはキラキラしている娘が多かったから。

 どうせ私なんてってよく思っていた。

 でも兄さんだけは違った。

 何処にいても何処に隠れても一番に見つけてくれる。

 子供には広すぎるメジロ家の中で貴方だけが私を見つけ出してくれる。

 嬉しかった。

 ある日どうしてそんなに私の位置が分かるの? と聞いたことがある。

 貴方は唇に人差し指を当てて内緒、と教えてくれなかった。

 そして貴方は何処にいても見つけ出してあげるよ、と朗らかに笑った。

 とっても嬉しかったのを覚えている。

 決して色褪せない私の大切な思い出。

 

 近すぎて気が付かなかったけれど、きっとその頃から好きだった。

 家族としてではなく、男性として。

 きっと兄さんに初めて負けた、咽るような暑い日が無ければ気が付かなかった私の本心。

 倒れ伏す芝から見た貴方に消えてしまいそうな儚さを感じた。

 

「ベッケンバウアーなんだけどパマちんってたまに遠い目しちゃってけど何考えてんの?」

「へ? そんなことないでしょ?」

「あり寄りのありだよ★めっちゃ恋する表情でポーっとしてっし! マジキュン顔晒しまくりwなにぃ好きなメンズでもいるの? 恋バナしてバイブスぶち上げちゃう? ウェーイ!」

「あー兄さんの事か……」

「え? なに? そのテンション……兄妹の悲恋系? 空気詠み人知らずでマジメンゴ★」

「あーそういんじゃないよ。兄さんって言っても親戚のだし。でもちょっといろいろあってね」

「よかったー! 変なこと聞いたかと思ったじゃん! で? 実際どうなん?」

「んー、まぁヘリオスならいっか。ちょっと相談聞いてくれる?」

「了解道中膝栗毛★」

 

 卑怯者の私のファーストキスはあの炎天の日の夜。

 兄さんが眠り込んでいるうちにした。

 あの駆けっこが終わり歩けるまでに回復した私は貴方の泊まる部屋に忍び込んだ。

 あの儚さに言いようの無い不吉さを感じてしまったから。

 

 貴方がちゃんと呼吸をして寝ているのを確認すると安心すると共に、いつもより幼く見える寝顔に目を奪われた。

 正確に言うならば、貴方の唇から目が離せなかった。

 ドキドキとうるさい鼓動を聞きながら気が付けば兄さんに覆い被さり唇を奪った。

 背筋を走る焦燥感と罪悪感と背徳感とそれらすべてを凌駕する全身をさざ波のように押し寄せる幸福感と下腹部が疼く甘い痺れ。

 それ以上は足の力が入らず腰が抜け、ただただ貴方の寝入る姿を唇を押さえて見続けることしかできなかった。

 重ねた唇は火傷をしそうな程熱かった。

 心臓の音が寝ている貴方が起きてしまうかもと思うくらいに高鳴っていた。

 深く口付けをすればどうなってしまうのだろうか? 

 きっとグルグルと回る桃色の思考と様々な幸せの感情と甘い感覚を混ぜ合わせて凝縮したような快感だろう。

 

 気が付けば私は自分のベッドで寝ていた。

 どうやって部屋に戻ったのかは覚えていない。

 

パーマーさんって凄いんですね。軽はずみに相談に乗るって調子に乗ってすみませんでした

「なんでそんな敬語? びっくりなんだけど」

「だってめっちゃメスの顔してたよ? 女のアタシが胸キュンするレベル!」

「メスの顔⁉」

「うん★それでそれで?」

 

 私はあのキスで貴方に堕ちてしまったと言ったのに……

 貴方は私を顧みず、なんの戸惑いもなく私の元から飛び去った。

 私は貴方に堕ちてゆくのを止められないのに。

 深く深く深淵の奈落まで堕ちて歪みきったのに。

 最初から止める気なんてなかったのだけれども。

 

 寝ていた貴方が覚えていないなんて解っている。

 それでも私のファーストキスを覚えていて欲しいと思うのは筋違いだとは解っているけれど乙女心ってそういうものじゃない? 

 

 貴方がいなければどんな願いも叶わない。

 月の様に静かに微笑む貴方以外何もいらない。

 

 なんて思っていたけれどヘリオスの底抜けの明るさが私をまっすぐに治してくれた。

 ちょっぴり歪んでるかもだけれどそれはご愛敬ということで。

 もし兄さんにあったらヘリオスを紹介したい。

 私の一番の親友だって。

 

「うをぉおおお! テンションが昇天ペガサスギガ盛マックスオリッ〇ス‼パマちんの恋路をハチャメッチャ応援するし! ウェェェェイ★」

「ちょ⁉うるさ⁉……でもありがとね。マイベストフレンド! フォーエヴァー!」

「イェーイ★フォーエヴァー!」

 

 私はもう待つのは止めている。

 卑怯な私は親友に……何よりも貴方に相応しい私になって追いかけて追いついて抱きしめてあげる。

 忘れたくても忘れられない程の燃えるようなキスをして(貴方)にまで届くように愛を高らかに詠い上げてあげる。




バ場状態はまだ良か稍重か分からないようです。情報をお待ちください。
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