メジロ家の愛のターフのバ場事情   作:ボブソン888

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誤字報告ありがとうございます。
非常に助かります。

メジロ家視点は話数調整の為、不定期になります。
また次回の更新は土日になります。


タルト・オ・ローザキャロットグラセ

 都内の大学へ進学した。

 荒谷と烏丸との腐れ縁もそれぞれ学部は違うが大学まで続くらしい。

 まぁ嬉しいが。

 

 荒谷は経営学部

 烏丸は機械工学部

 俺は生命科学部

 ゴールドシップはよくわからない。

 

 とまぁ進学にあたってまた両親と話し合いを設けた。

 高校までは学費等を出して貰ったが流石に大学は断った。

 やはりと言うべきか渋られたがそこは成人したし奨学金もあるのでと説得した。

 

 そこへ待ったを掛けたのが荒谷だった。

 荒谷は俺を信じられるかと言い、俺と烏丸に株の投資話を持ち掛けてきた。

 流石に戸惑ったが裏切られたのなら俺が裏切らせたと同じと考え、荒谷の言う銘柄を自分が出せる限界まで購入した。

 購入して、しばらくすると買った銘柄の会社が敵対的TOBがなされたらしく持っている株が急騰を見せる。

 荒谷の言うタイミングで市場に売りに出し、気が付けば大学の学費分を超える金額が残った。

 

 マジでコイツなんなん? 未来でも見えてんの? 怖いんですけど……? 

 

 結局、奨学金を止めておこうと思ったのだがそれも荒谷がストップ

 利子無しの奨学金を貰い、それを定期預金全額ぶち込んで利子分を得る方法を提案された。

 

 荒谷は本来はこんなに簡単じゃないから、今回だけの事で株に手を出すな。

 どうしてもしたいなら俺に相談してからしろ、と言っていたが怖くて出来ねぇよ……

 

 といった具合でまさかの事態が起き、学費関係の問題が解決した。

 だが流石に生活費などもあるのでアルバイトをする事になったのだが豊さんが人参を卸しているケーキ屋で働くことになった。

 履歴書なども作って気合を入れて面接しに行ったのだが、社長は会うなり入れるシフトを聞いてきた。

 どうやら豊さんとケーキ屋の社長が高校時代からの付き合いらしく最初から話が通っていたらしい。

 

 俺の気合を返して……

 

 昔からマックイーン達にケーキを作ってあげていた事もあり、キッチンはすぐに慣れた。

 そしていつの間にかタルト系の担当になっていた。

 そんな訳で勉強とバイトと中々忙しく過ごしていたのだが、何故か新商品開発ミーティングに現在参加しています。

 

 え? マジで大丈夫? 俺社員じゃなくバイトなんですけど? あ、大丈夫なんですか……

 

「はい、じゃぁ始めます」

 

 そう仕切るのは40代で数店舗のケーキ屋を営んでいる社長である里中仁(さとなかひとし)さんである。

 俗に言うイケメン社長なのだが問題があって……

 

「先日、妹が……俺の可愛い可愛い妹が結婚の報告をしてきました。どうやって阻止するかの会議になります」

 

 この悪癖である。

 本当に外面からは想像出来ない程、年が離れた妹の極度のシスコンである。

 

「祝福しましょう」

 

 名前は知らないがベテラン社員の先輩は至極当然の事を言うが社長には届かない。

 

「ヤダ! 俺と結婚するって言ったもん! 絶対にヤダ!」

「えぇ……秋希ちゃんベタ惚れなんだから阻止なんか無理でしょ。彼氏君だって問題ないし」

 

 里中秋希(さとなかあき)さん、社長の年の離れた妹で看護師をしている。

 何度か差し入れを持ってきてくれて何度か面識がある。

 焼き鳥やらチャーシューやらローストビーフやら……確かに甘い物は職場的に欲しくはないが肉多すぎじゃない? 

 

 それはさて置き、秋希さんは美人で優しく気遣いが出来る女性で滅茶苦茶モテる。

 ただ優しすぎて面倒な輩にも好かれてしまうらしく、その度に社長が助けていたらしい。

 そのせいで社長が過保護になったのだが。

 

 そういう事情もあり、社長と秋希さんも仲が良かったが、秋希さんに恋人が出来たら一変、元々社長が過干渉気味だったのだが更に悪化した。

 流石にそうなってくると秋希さんも遠ざけるのだが、社長はヒートアップ。

 彼氏さんに勝手に会ったり、何かとちょっかいを出すように。

 

 それを知った秋希さんが激怒した。

 そりゃそうだ。アンタが面倒な輩になってどうする……

 ただ障害や会えない期間があった方が、得てして愛は燃え上がるもの。

 気が付けばベタ惚れ同士のカップルの出来上がり。

 結局、社長がした事はアシストにしかなっていない。

 

 更には直接会った事は無いが、彼氏さんも特に問題があるような人ではなく、穏やかで優しい人らしい。

 もう社長は諦めた方が皆が幸せになるのでは? 

 

「秋希~! 俺を捨てないでくれよぉ~!」

 

 それでいいのか妻子持ち……

 

「バ鹿は放っておいて、本題を進める」

 

 仕切り直したのは副社長の千葉誠一(ちばせいいち)さん。

 この人は正統派なイケメンで羨ましい限りである。

 

「これが本題だ!」

「うるせぇ! バ鹿! 黙ってろ! まず第一にまだ大分先だが秋希ちゃんのウェディングケーキの発注来ている」

「聞いてねぇ! んなもんキャンセルしろ!」

「第二に皆に考えてきた新商品のプレゼンをしてもらう。ヒットした場合は金一封もある」

「聞いてる? ねぇ、社長ぞ? 我、社長ぞ?」

「じゃぁ私から行きますね」

「あれ? 無視?」

 

 そういうと社員の皆さんは社長を無視してプレゼンを始める。

 ねぇ本当にこの会社大丈夫? まぁ普段は頼りになる社長だから大丈夫か。

 妹さんが絡むとポンコツだけど。

 

 

 

 

「さて、残りは君か。ではプレゼンを頼む」

 

 全ての社員さんのプレゼンが終わり俺の番になった。

 

「っはい! えーと俺が考えたのは人参を使ったケーキですね。ウチには結構な人数のウマ娘が来るのでそれをターゲットにします」

「人参か……キャロットケーキはもうあるが?」

「はい、なのでタルトにしようかと思っています」

 

 実際キャロットケーキの売れ行きはかなりいい。

 ただケーキにするとキャロットケーキに存在感が喰われるからちょっと捻って俺の得意なタルトにする。

 定番中の定番があると案外新作には手を伸ばさないんだよなぁ……だがそれも織り込み済み。

 

「そうなると人間にとっては青臭さが残らないか? ウマ娘をターゲットにするのはいいがそれだけではな……」

「ですのでマロングラッセの手法で糖化、また豊さんの人参を使う事で甘さを出します」

「なるほど、だがそれだけだと弱いな。それだけでは既存のキャロットケーキを選ぶ」

 

 流石はほぼマネジメントを一手に引き受ける副社長。

 一筋縄ではいかない……だが俺には秘策がある! 

 

「なのでウマスタ映えを意識して人参を薔薇みたいに飾り切りします」

 

 これが秘策その一! 

 今の時代はまずはインパクトを与え、写真映えれば売れる。

 SNSの宣伝効果はバ鹿に出来ない。

 広告費もいらないしウッハウハだぜ! とは荒谷の談だ。

 

「ほう……なるほど。うん、悪くないな。仁、どうだ?」

「手法が面倒だなぁ……グラッセするの嫌いなんだよなぁ……手間も金もかかって。あと量産が効かない」

「そこは数量限定で高めに設定します」

 

 これが秘策その二! 

 人間、得てして限定に弱いものだ。

 期間限定、数量限定、プレミア……

 これを逃せば買えないかもしれないという心理は購買意欲を刺激する。

 俺も数量限定のパーツは使わなくても買う。とは烏丸の談だ。

 

「試験的にやってみてもいいかもしれんな……」

「えー勝算は結構ある思うけど作るのメンドくせーよぉ」

「よし、ならやってみよう」

「いいんですか? 社長はああ言ってますけど……」

「アイツは面倒臭がりなだけだ。それに当たればデカそうだ、今回は君の案で行こう」

「ヨシッ!」

 

 社員さん達から拍手を貰い、俺の案の新作ケーキで会議が終わった。

 さてさて、勝算はあるがどうなることやら……

 

 

 

 

 

「いやぁ売れますねローザキャロット」

「だな、どうやら有名なウマスタグラマーが取り上げてバズってるみたいだ」

 

 店の先輩達の雑談を尻目に俺は死んだ目で人参を切っていた。

 ローザキャロットは俺が考案したタルトの名前だ。

 店の売上自体も、かなりいいみたいで結構な額のボーナスを貰った。

 勝算自体はあったのだが、ここまでとは予想外だ。

 そのせいで発案者でタルトの担当という事で、俺が酷使されている……

 タスケテ……タスケテ……

 

 




有名なウマスタグラマー…
一体何チャンなんだ…?

投機の話は適当なので気にしないでください。
タルトは何度か作りましたが人参のグラッセが出来るかはわかりません。
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