どれもこれも素晴らしい作品で、その技量に尊敬を抱きます。暇つぶし程度に書いているけど、ああいうのを読んでるとちょっとだけ熱意が宿ります。お気に入りの数も増えてきたし、少しずつ文章力と想像力を上げていきたいと思います。
?「追いつきましたよ《ナイトメア》」
そこには白い機械の鎧を纏った少女がこちらを、正確には狂三の方を見ながら言った。先ほどのレーザーを撃ったのはどうやら彼女のようである。
狂三「まあまあ…誰かと思えば
足止めをしていた筈ですが、思っていたより来るのが早かったですわね…」
普段から余裕を崩さない狂三にしては珍しく表情に動揺の色が見えている。崇宮真那が現れることは予想していたようだが、その予想よりだいぶ早い到着のようだ。
真那「えぇ、確かに私ひとりだったらもっとてこずっていたでしょうね。何度殺しても死なねぇことには疑問を抱きましたが、まさか分身体を作る能力まで持っていやがるとは。危うくこちらが殺られる所でした」
狂三「…私ひとり、ということは他に誰かが?」
狂三の言葉に真那は「いいえ」と首を横に振る。
真那「…私も正直姿を直接見たワケではねーです。白い棘みたいなものが突然足下から生えてきて、《ナイトメア》の分身体を一瞬にして殲滅してみせやがりました」
颯斗「(白い棘が足下から…?)」
真那の言葉に反応する。特徴と合致する技を扱う者に心当たりがあったからだ。
美夜『無事ですか颯斗』
ーーどうやら本人から連絡が来たようだ。
◇◆◇◆◇◆
ーー狂三sideーー
ーーあり得ませんわ。
わたくしは柄にもなく焦っていた。
真那さんは強い。それは認めましょう。ですがわたくしの敵ではないですわ。
いかにかの“DEM”の
実力トップである
ならば、いったい誰が…?
ーー狂三side outーー
◇◆◇◆◇◆
ーー颯斗sideーー
颯斗『やはりきみだったんだね、美夜』
美夜『はい。本来なら“AST"や“DEM”の者を助けることなどしないのですが、時崎狂三の姿がありましたので。更に索敵範囲を広げてみると、少し離れた位置にも時崎狂三の反応と颯斗の反応が。
私が直接そちらに向かえれば良かったのですが、あまり大っぴらに姿を見せるわけにもいきませんでしたから』
颯斗『そう…ありがとう美夜。正直助かったよ。
あと少し遅ければ
美夜『……い、いえ。私は当然のことをしたまでですっ。
そ、それよりも。こちら側で転移の術式を組んであります。直ぐに撤退を』
颯斗『わかった。こちらでも閃光弾で錯乱させる。
タイミングを合わせて転移をお願い』
美夜『わかりました』
美夜との念話を終えた僕は、ふたりに気付かれない程度に
少し離れた場所では互いに探るような目で見る時崎狂三と崇宮真那。
最初の内はこちらに執着していた狂三もさすがに崇宮に対しては隙を見せることはマズいと判断したのか、意識を僕から外していて気付いていない。崇宮に関しては元から興味も関心も無いのかこちらには見向きもしない。
颯斗「(今なら気付かれることも無い。仕掛けるなら今か……)」
右手を握る。
すると、時崎狂三と崇宮真那の丁度中心辺りにライトグリーンの色をした球体が現れた。
「「なんですのいったい!?/なんでいやがりますか!?」」
突然の出来事に驚くふたり。
だがもう遅い。
颯斗「クラールゲホイル」
その一言と共に球体が四散し、辺り一帯を明るい緑色の光で埋め尽くす。
そして光が収まった頃には、既に颯斗の姿はこの場には無かった。
◇◆◇◆◇◆
士道「なんで馬鹿正直に残ってやがんだよ……っ!」
妹に愚痴りながらも走る速度を落とすことなく士道は、依然として動くことのない、琴里の位置を示すアイコンが表示される携帯を見ながらファミレスに向かって走っていた。
しかし体力にも限界がある。ペース配分も考えずにここまで走ってきた士道の体力はもう枯渇寸前であった。身体中が悲鳴をあげ、本能が止まれと警告を発する。
けれど止まらない。否、止まれない。
何よりも大切な妹が己の危険を顧みず、兄を信じて待っている。だから士道は走り続けた。
琴里のもとへただひたすらに。
士道「……っ、なんだ、あれ……?」
士道の視界に何かが映り込んだ。数はおそらく三つか四つ……空に人影のようなものが浮いている。いったん足を止め、もう一度よく確認しようと意識を向けようとしたその時ーー
士道「うわ……ッ!?」
進行方向の街並みが、突如として眩い光に包まれ、凄まじい衝撃波が士道を襲う。
反射的に腕で顔を覆って耐えようとするも、風圧に耐えきれず後ろに吹き飛ばされてしまう。
士道「…ってぇ……! なんなんだいったい……」
しかし目を開けてみると信じられない光景が広がっていた。
眩い光に包まれ、それが止んだかと思ったら先ほどまで確かに存在していた街並みが跡形もなく消え去っていたのだから。
士道「な、なんだよ……なんだってんだよ、これは……ッ」
ただ呆然と呟くことしかできない士道は辺りを見回しながら何やら金属の塊のようなものを見つけた。
まるでその場所がこの街並みを更地に変えたと思わせるクレーターの中心部に、玉座を彷彿とさせる何かが存在していた。
そしてその玉座の肘掛けに足をかけるようにして、見知らぬ少女がひとり、奇妙なドレスを纏って立っていた。
士道「あの子ーーなんであんなところに」
危ない、と。少女に声をかけようとして気付いた。
?「貴様は、誰だ……?」
少女もこちらに気付き、顔を向ける。
その声、その顔ーー全てが美しかった。
でも、それ以上にーー
どうしてか、士道の目には悲しく見えて仕方がなかった。