デート・ア・ライブ 祝福の美夜ダークネス   作:蝶々

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毎度のことながらも文字数が少ないです。

あまり進みませんを


名も無きプリンセス

士道「ーー君、は……?」

 

 

?「……名、か」

 

 

 

 

 

 

 

?「ーーそんなものは、無い」

 

 悲しげな顔で、悲しげな声で少女は言った。

 

 

 少女と視線が交わる。その表情は、やはり、今にも泣き出しそうにも見えてしまう。

 

 

 理由はわからない。でも、見て見ぬフリなどできない。

 

 

 

士道「なぁ、どうしてそんな物騒なもの持ってるんだ……?」

 

 士道は名無しの少女に尋ねた。

 

 

?「どうして、か……そんなもの、決まっている」

 

 対して名無しの少女は考えるべくも無いと言わんばかりに士道の方に身体を向けて。

 

 

 

 

?「ーーお前たち(・・)を……殺す為だ」

 

 

 そしてその手に持つ大剣を、士道に向けて振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

士道「ーーって危ねぇッ!?」

 

 目の前に迫る衝撃波に慌てて横に身を投げることで回避した士道。

 

 

士道「いきなり何すんだよ!? 危ないじゃないか!」

 

?「……? いきなりとは可笑しなことを言うな?

 お前たち人間も、訳も理由も無く同じように攻撃してきたではないか」

 

 何を馬鹿なことを言っている、とでも言いたげな表情の少女はなおも士道に大剣を向ける。

 

 

士道「(……人間?まるで自分が人間じゃないみたいな言い方じゃないか……)

 違う…別に君を傷つけようとした訳じゃない。俺はただ妹が心配で探してた途中で君に会っただけなんだ。だから、君を傷つけようとか…殺そうとか、そんなことは考えてない……信じてくれ」

 

?「ーーーー何?」

 

 真剣な顔で答えた士道に思わず面食らってしまった少女。

だが何かを感じたのか、士道から視線を外して空に顔を向ける。少女が視線を向けた先に居たのは、先ほど遠目から見えた複数の人影が居た。心なしか先ほどより数が多いように見えるのは気のせいか。

 と、わりと見当違いのことを考えていた士道。

 

その複数の人影ーー奇妙な格好をした女性たちは、手に持った武器から、士道と少女に向けてミサイルらしきものを何のためらいも無く撃ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 ーー避けられない……ッ!?

 

 

 来る衝撃に対して目を瞑る士道。しかし何時まで経っても来ない衝撃に閉じていた瞼を開く。

 

 

士道「え…………?」

 呆然と、声を漏らす。

 

空から放たれたミサイル群が、見えない何かに掴まれたかのようにぴたりと止まった。その先には気怠げな表情でミサイル群に向けて手をかざす少女が。

 

 

 

?「……こんなものは無駄だと、何故学習しない」

 

ミサイル群に向けてかざしていた手を上にやり、グッと握る。ただそれだけの動作で、少女の目の前で静止していたミサイルが圧縮されるようにへしゃげ、小さな爆発と共に消滅していく。

 

 

 少女の一連の動作に、ミサイルを撃った人間たちは驚きこそすれ、ある程度は予想の範疇なのか攻撃を止めようとはせず、次々とミサイルを撃ち込んでくる。

 

 

?「ーーふん」

 少女は小さく息を吐く。その顔には悲しみと、微かな怯えが見えた。

 

 

 ミサイルを容易く止めたのを見て、この少女が、この場にいる誰よりも強大な力を有していることは、何も知らない士道でも理解できる。

 

 

 なのに……なんで………。

 

 

 

?「……消えろ…っ、消えろ…っ! 一切、合切……消えてしまえ……っ!」

 

 

 なんで、あんな顔をするのか。

 

 

 

 

 少女が剣を振るう度、衝撃波が辺りを襲い、斬撃が飛んでいく。

たまらず、上空を飛行していた人間たちは離脱していく。だが次の瞬間、別の方向から少女めがけて光線が放たれた。

 

 その光線も少女の周りの見えない何かに阻まれ掻き消された。

 

 

 

士道「……っ! 今度は何なんだ!?」

 

 光線が放たれた方角ーー自分の背後に何者かの気配を感じた士道は振り向いた。

だが振り向いた先に居た人物を見て士道は動揺から身体が硬直してしまう。

 

 

 先ほどまで空中を飛行していた人間たちと同じような、見慣れない機械を装着し、手にはゴルフバッグのような形状の武器を携えていた。

 

 

 

士道「鳶一……折紙………?」

 

 今朝、自分に接触してきた少女の名を呟く。

 

 

鳶一「五河士道………?」

 

 対する鳶一は、感情の起伏が少ないその顔に僅かに驚きを見せ、怪訝そうな声色で士道の名を呟く。

 

 


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