Azur Lane ~The Silent Service~   作:Bradford

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沈黙の艦隊のせいで交響曲第40番 ト短調 K.550 第1楽章をリピート再生しすぎて頭の中で曲がグルグル回ってる状態です

ランサーさん、荒覇吐さん。感想ありがとうございます。


VOYAGE2:戦艦?空母?…いいえ、強襲揚陸艦です。

4月31日

 

「…ファリーナ指揮官?こ、この…報告書は本当なのかね…?」

 

ファリーナ「ええ。本当です。」

 

ここはアズールレーン、ユニオン本部の会議室。

そこにはファリーナ司令官といかつい顔をした6人の将校がいた。

 

「…じょ、冗談じゃ…こ、こんな…とんでもない艦とは聞いていないし、男とも聞いていないぞ…」

 

ファリーナ「言ってませんから」

 

「あー…確かそのKAN-SENは…ノーランとか言ったか?」

 

ファリーナ「本来の名前はオムニス・テオドリクスです」

 

「どちらでもいい…で、だ。この報告書は本気かね?その…何だ…私には…ふざけているようにしか思えんのだが…」

 

仲間入りしてからの2週間。ファリーナ、メアリーその他の愉快な仲間たちと暮らして分かった事を片っ端からメモし、それを報告書にまとめたものだ。

 

シンシナティ級強襲揚陸艦戦艦"オムニス・テオドリクス"観察報告書

 

1,主力機関、補助機関ともに出力不明。

2,艤装展開時、非艤装展開時共に速度は駆逐艦を超える(推定60Ktほど)

3,知識等は他のKAN-SENより良い。

4,身長。約179㎝。

5,筋肉、体重等は平均的。

6,艤装が特徴的であり、特筆すべき点は"ハイパー・バズーカ"と呼ばれる物を手に持ち、戦闘を行う事。

7,艤装から未知のエネルギーが確認されており、主力機関が発生源と思われる。

8,"バージニア級原子力ミサイル巡洋艦"、"カーラ型巡洋艦"、"ウリヤノフスク級原子力空母"等の艦船をウェルドッグと呼ばれる個所から発進させる事が可能。

9,艤装がとても格好良いと基地では評判

 

「なんだ…その…1から5番までは良いが…それ以外がちょっとな…」

 

「まぁ…とにかくだ…1から説明してくれないか?」

 

ファリーナ「解りました」

 


 

機関出力

 

ノーラン「指揮官、これは?」

 

目の前にあるのは大掛かりな機械だった

 

ファリーナ「KAN-SENの出力を測る為の機械よ」

 

ノーラン「…成程」

 

ファリーナ「取り敢えず…それに座って…5、6分位待ってて」

 

ノーラン「分かった」

 

数分後…

 

ノーラン「座ったぞ」

 

ファリーナ「じゃ、そこにあるボタンを押して待ってて」

 

ノーラン「了解」

 

ピッ!

 

ボタンを押して、待つ。

 

10分後…

 

ノーラン「…」

 

20分後…

 

ノーラン「…長いな」

 

30分後…

 

ノーラン「……いったいどうなってる?」

 

ノーラン「指揮官。いるか?」

 

メアリー「指揮官じゃないが、私はいるぞ」

 

ノーラン「中々終わらないんだが…どうすればいい?」

 

メアリー「…計測初めてからどれぐらい経った?」

 

胸ポケットに入れた懐中時計を見る

 

ノーラン「…大体30分ほど」

 

メアリー「…え?」

 

ノーラン「いや、だから、大体30分ほどだと」

 

メアリー「…よくそんな座ってられたわね」

 

ノーラン「そうか?」

 

メアリー「…でもなんで動かないのかしら?」

 

そういってモニターを見ると…

 

メアリー「…エラー出てるじゃない」

 

ノーラン「なんだって?」

 

メアリー「エラーが出てたのよ。だから終わらなかったのよ」

 

ノーラン「そうか」

 

メアリー「これ配線が焼き切れてるじゃない…やっぱり…」

 

ノーラン「…終わりで構わないか?」

 

メアリー「ん?ええ、終わりよ」

 


 

ファリーナ「…って感じだったそうです」

 

「…ええ…配線が焼き切れるとかどうなってるんだ…」

 

「どれだけ出力があったんだ…?」

 

ファリーナ「…続き、いいですか?」

 

「ん?ああ、続けてくれ」

 

ファリーナ「解りました」

 


 

4月14日

定期的な健康診断が抜き打ちで行われる。

これは健康な生活をしているか。ついでに言うと不規則な生活を直すよう注意するものであった。

 

ファリーナ「…ホーネット…貴方…最近食べすぎじゃない?特にハンバーガー」

 

ホーネット「い、いや…それは…そのー…」

 

ファリーナ「しばらくはハンバーガーは一日4つまで」

 

ホーネット「えー!?そんなー…」

 

落ち込むホーネットをよそにファリーナは次の艦船を呼ぶ。

 

ファリーナ「はい次!…ってノーランじゃない。最近どう?」

 

ノーラン「これと言ってないな」

 

ファリーナ「そう」

 

ノーラン「ただ…もう少し食事を増やしてほしいな」

 

ファリーナ「具体的に?」

 

ノーラン「2人分」

 

ファリーナ「2人分…よく食べるわね…」

 

ノーラン「そうか?」

 

ファリーナ「ええ、この基地じゃよく食べるほうよ…でー…身長は179㎝位…意外と大きいわね…体重は…なにこれ?"測定出来ません"?」

 

ノーラン「…何故だか知らんが…変な板に乗ったら「べきっ!」とかいう音がしたんだ」

 

ファリーナ「…後で修理してもらおっと…あ、そうだ。ちょっといい?」

 

ノーラン「別に構わないが?」

 

そう言って連れてこられたのは…

 

ノーラン「…海か」

 

ファリーナ「ええ、あなたの艤装。確認しておかないといけないからね」

 

ノーラン「分かった。所で指揮官?」

 

ファリーナ「何?」

 

ノーラン「艤装は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()?」

 

ファリーナ「え?えっーと…確か…"艦船になったつもりをイメージしろ"ってマニュアルには書いてあったけど」

 

ノーラン「…分かった、ありがとう」

 

ファリーナ「…で?なんで戦艦組と空母組がいるの?」

 

ニュージャージー「どうしてって…気になるから!」

 

エンタープライズ「もしかしたら私達とは違うかもしれんからな」

 

すると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

ノーラン(これは?…)

 

目をつぶった瞬間、まるで()()()()()()()()()()()()()フラッシュバックを見た。

 

…見覚えが全くないはずなのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノーラン(なぜだ…?)

 

ノーラン(あの旗は見覚えがある…)

 

ノーラン(それになぜここまで()()()()()()?)

 

 

 

ノーラン(それになぜ私は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノーラン「…艤装展開

 

 

ファリーナ「な!?…なにあれ…」

 

突然、ノーランの体から凄まじいエネルギーが放出される

 

メアリー「感情のコントロールが効いていない?違う!あれは…」

 

そしてそのエネルギーが消えていくと共に体を覆う赤と白の線の入った青と白の星の書かれた旗が描かれた巨大な艤装が姿を現す。

 

メアリー「あれはまさか…()()()か!?」

 

メアリー「まさか超兵器をこの目で見られるとは…!」

 

ノーラン「指揮官…終わったぞ。で?後は何をすればいい?」

 

ファリーナ「…え?あ、後は…慣らしとか…しておいてちょうだい…」

 

ニュージャージー「うはー!カッコイイじゃん!」

 

エンタープライズ「何という艤装の大きさだ!?」

 


 

ファリーナ「ていうことがありましてね…」

 

「…重桜や鉄血のKAN-SENの艤装の展開方式はこんなだったか?」

 

「…いや、知っているものとずいぶん違う」

 

「セイレーンの様なものはない…寧ろ、こっちの方が人類の共通の敵ですって感じだぞ」

 

「…因みに…彼は男だが…今どこに住んでいる?」

 

ファリーナ「え?…それは…」

 


一方そのころ…

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ノーラン「…」

 

目をつぶり、椅子にもたれかかり、リラックスして聞く。

 

聞いているのは交響曲第40番 ト短調 K.550 第1楽章である。

 

コンコンコン

 

ノーラン「…どうぞ」

 

ホーネット「ヤッホー」

 

入ってきたのはホーネットだった。

 

ノーラン「何か連絡でも?」

 

音量を下げるものの、モーツァルトは流しっぱなしである。

 

ホーネット「えーっと…5月の1日だったかな?その時に戦力を把握するための演習があるんだってさ」

 

ノーラン「成程…"5月1日に演習あり"と…」

 

ノーラン「それで?戦術や戦略はどうでもいいのか?」

 

ホーネット「らしいよ?」

 

ホーネット「あ!そんなことよりさ!一緒に買い物行かない?そろそろ服買ったほうがいいと思うんだよ」

 

ノーラン「…そうだな…健康を保つためにも必要だしな…」

 

ノーラン「何処かオススメの場所は?」

 

ホーネット「今から行こうとしてる店があるんだけどさ!そこ服が沢山あってさー…」

 

楽しそうにホーネットと話すノーランであった。




フラッシュバックの部分は…この作品を見ている人には解るでしょう…

因みにこの世界でいう"超兵器"というのは、実際に存在した、存在するといわれている幻の兵器たちのことです。

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