これは世界最強と呼ばれるある馬のお話。   作:エタノールの神様

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麦ご飯も美味しいよね。あれ昔は脚気の予防で食われてたらしい。


ポニーなら乗馬しかないよね。

扉が空いてたので今日も牧場主の家にお邪魔して米を漁ります。

 

ガブ!バリバリ!ぺっ!

 

紙を破いたらあんまり白くないけどお米がいっぱい!

 

いただきまーす!

 

ガブ!ムシャムシャ!

 

あー今日も米が美味いんじゃあ~

 

今日も今日とて牧場主の息子さんと戯れたわけですけども、

 

早朝からなんか制服着て鞄下げて妙にお顔が整ってる牧場主の息子さんが勝手口から勢いよく飛び出してきたから、例のごとくのせて脱走したら

 

「そっちじゃない!こっち!」

 

だの

 

「そこ左に曲がって!」

 

だの

 

「よっしゃ始発に間に合った!」

 

だのうるさかったな…

 

なんかしらんけど駅にたどり着いたから放り投げといたけど

 

まあ前世の鬱憤を晴らせたのでヨシ!

 

あー夜間放牧から脱走して食う朝飯はうめえぜ!

 

 

「あんた!親が寝過ごしてどうするの!」

 

「すまん!昨日ライスを追いかけて疲れてたんだ!許してくれ!」

 

「ああもう!こんなんだったらポケベルを持たせておくんだったわ!」

 

「受験に間に合うか…」

 

「送り出したのは4時前よ?30分前に家をでて始発に間に合ってるわけがないわ。」

 

「頼道~すまんかった~」

 

へー、息子さん今日受験で頼道って名前なんや。パクッモグモグ。

 

「ってライス!こんなところでなにしてんだ!」

 

ちっす、息子さんを捨てて来て疲れたので飯食ってます!

 

…我はあいつにタクシーにされたわけか。あとで運送料請求しよ

 

その手段がなかった。ひえん(うまなので)

 

ってか高校入試って朝から汽車乗って行くもん?そんな遠いとこ受けるん?

 

「ライス、あなたは頼道が試験の1日目に間に合ってると思う?」

 

うーんどうでしょう?まず高校受験というものをしたことがないのでわからんな…我は前世が中高一貫校(田舎)卒なもんでさっぱりです。

 

「ブルルッフウ」

 

「この子何て言ってるのかしら?」

 

「受験とはなんだ?…じゃないかな?」

 

そんなこといってねーし。中身(一応)IQ130の人間だし。

 

とりまシホノアルフォート先輩の馬房にいってくるわ

 

「おいライス、どこ行くんだよ」

 

引き綱を捕まれた…

 

 

 

 

 

 

 

三月が終わりそうです。ここの牧場では春休みの小・中学生を狙って結構安めの体験料で乗馬体験をするらしい。

 

しかし、私はクセ馬として認識されているため、乗馬体験には出されずに乗馬クラブで障害馬術用の馬としての調教がなされる…はずだった。ある子供が来るまでは。

 

 

今年の乗馬体験コーナーが始まって三日後、その子供は突然やって来た。

 

 

「パパー、ここのおうまさんあんまり速そうじゃないね。」

 

「優斗、おうまさんに失礼だよ。」

 

「えー、ボクもっと速そうなおうまさんに乗りたい!」

 

「そんなこと言ってるとのせてもらえないよ。」

 

「やだ!もっと速そうなおうまさんがいい!」

 

 

なんやなんや。偉そうな口利くやないか。いっちょしばいたるか

 

 

「ちょっとライス!第三障害はそっちじゃない!」

 

うるせい!邪魔じゃい!

 

ブルブルブル!ほい!

 

「おいライス!俺落としてどこ行くんだよ!」

 

あの身の程知らずのがきんちょを蹴りに行くんだよ!わしゃ短気じゃ、もうゆるさん!

 

「達哉!落とされてないで追いかけろよ!お客様をライスが蹴りでもしたら大惨事だぞ!」

 

「そうだな、まてーライス!」

 

そんなもん知らんがな!私はあの男の子に世間をおしえたるんや!絶対邪魔すんなや!

 

「この馬じゃヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ」

 

「駄々をこねるな!」

 

この間にも好き勝手言いやがって…

 

 

「みなさん避けてくださーい!暴れ馬が通りまーす」

 

うっせえぞ龍之介!私はクセ馬であって暴れ馬ではない!

 

 

「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ」

 

見つけた!この子や!

 

「駄々をこねずに言うことをききなさ…い?」

 

「ヒヒーン」

 

おいお前。生意気いうやないか。

 

「えっどういうこと?」

 

「ほらおうまさんも怒ってるぞ、謝りなさい」

 

お父さんもお父さんでちょっとおかしいぞ?馬怖くないのか?…私ポニーだったわ。そりゃお父さんからしたら全然怖くないわ。

 

「…」

 

「ほら謝りなさい!」

 

「パパ」

 

「謝るまで聞いてやらないぞ?」

 

「このおうまさんに乗りたい。」

 

「…は?」

 

俺も「は??」だわ。なんやこいつ。

 

「このおうまさん走ってくるのとっても速かった!ボクこのおうまさんに乗りたい!」

 

なんやこいつ!ほんと生意気言うなあ!

 

「うちの馬がご迷惑をおかけしました。お怪我はありませんか?」

 

なんや来るの速いな龍之介…ってシホノアルフォート先輩!?

 

『お前が暴れ出したせいで29歳の誕生日にも関わらず全力失踪だ。いい加減おとなしくしろ。』

 

『嫌です。』

 

『いい度胸だ。』

 

「こちらこそ馬を起こらせるようなことをして申し訳ありません。ほら優斗、牧場のおじさんに謝って」

 

「おじさん!ボクこのおうまさんに…」

 

「謝れっつってんだろ!」

 

「まあまあお父さん、あんまり怒らないで…」

 

お父さん、おうまさんは臆病やからそんな大声出さんといて?ほらそこのお子さん落馬したやないですか。ん?誰か来てるぞ?

 

「いいじゃないか。親も子供も元気なことで結構結構!」

 

「社長…なにやってんすか」

 

「見ての通り、ライスに馬具をつけ直そうと思って。っても鞍と鐙だけだけどね。」

 

またあのバーを飛び越えるの?やだよあんなしんどいの。アスファルト走ってる方が楽しいよ。

 

あーだから勝手に鞍をのせるなー

 

「さてとお坊ちゃん、この馬に乗りたいのかな?」

 

「うん!だってこのおうまさん速かったもん!かっこいい!」

 

そういわれると照れるじゃないか!のせてあげよっかな♪

 

「でもねお坊ちゃん、このおうまさんはちょっとクセがあるんだ。」

 

おい牧場主、その話をするな、やめろ恥ずかしいだろ。

 

「クセ?」

 

「うん。このおうまさんはね、気に入った人しか乗せようとしないし、気に入った人でも振り落とすことがあるんだ。」

 

「そんなの関係ない!このおうまさんかっこいいもん!」

 

「のったらお坊ちゃんは怪我をするかもしれないし、踏まれるかもしれない。それでも乗るかい?」

 

「乗る!」

 

「じゃあ約束をみっつしよう」

 

「社長!?」

 

「なにいってんすか!?」

 

そうだそうだ!こんな生意気ながきんちょをのせる気にはならないね!

 

 

「みっつ?」

 

「うん。」

 

話をきけえええ

 

私馬だから聞いてもらえんわ、ひえん

 

「まずひとつめ、この地図のこの範囲で乗ること

二つ目、おうまさんに少しでも異常があったらすぐに手綱を引いて止めること、

三つめ、おうまさんを野放しにしないこと。

守れるかな?」

 

「うん!」

 

「ではお父さん、特別料金三千円お願いします」

 

「くっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんかガキをのせられることになった。

 

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