今回ヤバいかも知れない。
感想評価お待ちしております(震え声)
何でもない日。
それは、ある日突然やって来た。
突然、鐘の音が鳴り響いたのだ。
しかもそれは敵襲を知らせる“敵襲の鐘”であった。
音の出る門へ目を向ければ、その奥の森が裂け、
巨大な“何か”は閉まった門に近づいていき、そのままの勢いで暴力的に門を突破する。
それと同時に門で隠れていた“何か”が姿を現した。
―――それは大昔に絶滅したはずのマンモスの姿をしていた。
それにそのマンモスはただのマンモスに非ず。
その正体は、破壊を好む狂人、旱害のジャック。
懸賞金10億を超える大海賊で、彼が通った道は干ばつでも起きたかのように朽ち果てる。
「さぁすぐに差し出せ…!!この国に“雷ゾウ”というワノ国の武人がいるはずだ……!!!」
今、モコモ公国に滅亡の危機が迫っていた。
「はぁ……はぁ……はぁ…」
握りこぶしを作り、胸に置く。
すると胸越しに鼓動する心臓が手にとるようにわかった。
これは緊張か?いや違う。なんというか……なんだろう。良くわからない。
ただ、彼の姿を、言動を見て、『
息を乱していると彼が誰かさんの民家を大きな鼻で破壊した。
「はぁ……はぁ……」
体が震える。
怖いんじゃない。むしろ……………ワクワクしている。
彼と戦えることに。
「……あはは」
なんだか笑いが込み上げてきた。
だって、待ちに待ったジャック来訪だから。
そう、私はこの日を待ち望んでいた。
早く来い、早く来いと。
最初はジャックが来ない事を待ち望んでいたのに、一体私はどうしてしまったのだろう?
15年近くも彼を思い続けたせいだろうか?
いや、今そんなことを考えても仕方ない。
とにかく私は………彼を殺す。
それは変わることのない目標だ。
人獣型になり、手で抑え壁の垂直にしゃがむ。
足に目一杯力を込め、ジャックに向けて―――
「んッ!!!!」
飛ぶッ!!
そしてカミソリを重ねさらに速くッ!
角度はバッチリ!!
拳を作り硬化!!
そして彼に……叩き込むッ!!!
「!!!!!!」
「「「ジャック様ーー!!!?」」」
あの巨体が建物を破壊しながら吹っ飛んでいく。
街の被害が加速してるような気がするが、人が死ぬよりは良いだろう。たとえこれに巻き込まれてもミンク族なら耐えられるさ、きっと。
煙がひどく彼の安否が見えないが、彼のことだ。かなり痛い程度で済んでいるだろう。
濃い煙の奥にデカい影が見える。やっぱりだ。私の期待通り。
もしこれで気絶してたり、ないと思うけど死んでたりしたら怒る。ブチギレる。
そんなあるはずのないもしもを考えていると、巻き上がった粉塵が晴れていく。
デカい影は茶色に変わり、血走った目が私を捉える。
「……何者だ…!」
「やだな、メーレンだよ。忘れたの?ジャック」
「……?」
…………………と、そういえばジャックと私は初対面だった。長い間彼と妄想で戦ってたからか、つい知り合いの気分になっていた。
まぁ、今知り合いになったしいっか。
そんなことより彼と戦おう。待ち望んだ戦闘、楽しまなきゃ。
「……まぁいい。お前が誰だか知らねェが邪魔するのなら殺す……!!!」
そう言い、彼は大きな鼻を私に振り下ろしてくる。
多分、大丈夫。
「あだ!?」
瞬間、ガンセキくんや飛び降りよりも数段強い衝撃が私を襲った。
痛い……痛いけど……ダメージは思ったより無い。
なんなら逆に気持ちいいような…………この考えは捨てよう。
まぁ思ったよりってだけでダメージが無いわけじゃないし、ガードはしなきゃね。
さてジャックよ。殴ってくれたお礼をしてあげよう。
お礼は私の持つ最強の技のプレゼント。やられたらやり返す、倍返しだ。
そのやり方はとっても簡単。強く踏み込み彼に接近して―――
「ん"ッ!!!!」
「!!!!!」
力任せにぶん殴るッ!!
小細工あんまなしの拳。パワーイズパワー、力こそ正義よ。
ジャックが面白いくらい飛んでいく。
飛んでいく方向は……あれ?海?もしやこれで終わり?
そう思い若干心配になったが、その心配は杞憂に終わった。
危うく彼が本気になる前に終わるところだった。そんなの許されないからね。
「メーレン…なのか……?」
彼の無事に安堵してると背後からそんな声がかかる。今の私は人獣型なので正確には後ろ斜め下からだ。
振り返るとそこには信じられないものを見るような目のワンダが居た。その横にはキャロットも居た。
居たのかと驚くと同時に足から金属音。見てみると足を角の生えた男達が笑いながら斬りつけていた。
誰だお前と思いつつ周りが騒がしいので見てみるといつの間にか銃士隊と百獣海賊団の戦争が始まっていた。どうやら彼に夢中で気づかなかったらしい。
「お姉ちゃん…?」
……なんでそんな目で見てくるのって思ったけどあれか。私の身長がいつもより高いからか。
いつも3メートルなのに次あったときには10メートルになってるからね。そりゃそういう目になる。
………困った。この状況で彼女らにかける言葉が思いつかない。まぁとりあえず……
「大丈夫だよ」
こう言っとけば良いか。
おっと巨大な気配が近づいてくる。戻ってきたか。
見てみると彼はさっきより縮んでいて、その
そう、彼は獣型を止め人型になっていた。
能力を解除するなんて弱体化では?と思うが、彼は剣士だ。武器は獣型じゃ使えない。
きっとあれが彼なりの本気なのだろう。
相手が剣を使うのなら、この巨体は不利だ。私も縮めるとしよう。数ヶ月前、やっと出来るようになったあの技で!
「『生命帰還 紙絵武身』」
シュルル…と体が小さくなっていき、身長がそこらに居るような普通の大きさになった。ついでに足を斬りつけていた男達を指銃で貫いておく。
「さてと…」
私に対して濃い殺意を放ちながら近づいてくるジャック。
やっとだ。
やっと本気で殺し合える。
今行くよ。
ジャックとメーレンの戦いは数日に渡って続いた。
ジャックの仲間達はその戦いについていけず、助太刀しようとしたミンク族はメーレンが拒絶した。
力の差は殆どなく、どちらの攻撃も相手を倒すには十分な威力を持っており、日が経つにつれ彼らの体は血に染まっていった。
それでも倒れることはなく、肉が裂けようとも骨が折れようともお構いなしに戦いは続き、3日目にして決着が着いた。
結果は……メーレンの勝利。
ジャックが敗北したと知った彼の仲間達は、気絶したジャックを連れてモコモ公国から去っていった。
ある日突然始まった戦いは、ミンク族の勝利に終わったのだ。
さっきまで戦っていた相手が逃げ去るのを見て、ミンク族は喜びの声を上げた。
皆が無事を喜んでいる間に、1人の若き銃士隊隊員が“姉”を探して走り出す。
姉がいない。お姉ちゃんがいない。何処にいるの?
彼女は街中をくまなく探すが、居ない。ウサギの跳躍で空中から見回すが、居ない。
必死に探しているところを犬のミンクが聞いてくる。
「一体何を探しているんだ?」
彼女は姉が居ないと答えた。
その事に犬のミンクはハッとし、一緒に彼女の姉を探した。
2人で探したが、居ない。
見落としている可能性を考えて、何度か繰り返し探したが、居ない。
彼女らは他の人にも協力を求めた。
姉を知りませんかと。探してくれませんかと。
大勢で探したが、居ない。
街だけでなく、森も探した。
居ない。居ない。居ない。居ない。居ない。居ない。居ない。居ない。居ない。
そして、彼女の姉とジャックが戦っていたと思われる場所で、彼女のものと思われる黄色と白の毛が見つかった。
そこには大量の血もあったので、大怪我を負っている可能性が出来、より一層捜索に力を入れたが、そこからの進展無し。
あのウサギの英雄は、何処へ行ったのだろうか。