ジャスレイ>イオク>マクギリス>CGS大人組と海賊連中
みたいな感じになりそう
キサラギのコンプラ的にはほとんど制裁案件ですが
「さて、寝起きのところ悪いけど、さっそく今後について話しましょうか」
この世界に来て最初の夜を経た俺達の前に立ち、アスタロトが言う
昨日と変わらない格好だが、本当にこれが正装なのだろうか
「まず、当然と言えば当然だけど、あなたたちの戸籍は世界中のどの国にも存在しなかったわ」
「そりゃそうだろ」
「まぁ二人を異世界人だと判断したのは私たち自身だし……べつに疑ってる訳じゃないのよ?」
まだちらちらと疑いの視線を向けられるが、仕方ない
俺だっていきなり目の前に『違う世界から来ました』なんて言う奴がいたら、ギャラルホルンにつき出すしな
いや、血迷ってマクギリスにでも相談するか?
バエルとアグニカ・カイエルに取り憑かれたあいつの事だ、きっとそれでも上手いこと利用するに違いないが
「ここからが本題よ、私たちなら、その存在しない戸籍を偽造することも出来るの。つまり、あなたたちをこの世界の一般人にすることが出来るってこと。」
アスタロトが真剣な面持ちで言う
「もしそれを頼んだ場合、俺たちは?」
「その目立つ阿頼耶識…?だかは取り除く、そしてこの基地の事は全部忘れてもらうわ。それと、異世界から来たなんて言いふらさないようちょっと認識操作もするわ」
「な、なんだよその認識操作ってのは…」
そんな怖いもの受けたくねぇよ
というかそれって洗脳も同然じゃねぇか…
「これでも私たちは世界征服を目指す悪の組織なの。あなたたちからここの情報が漏れないとも限らないし、そのデバイスを広める訳にはいかないの」
「その阿頼耶識システムは単純だからね、技術的に模倣するなんて事はわけないのさ、とりわけヒーロー共にはね」
確かに、阿頼耶識とヒューマンデブリの相性は以前の俺たちが証明してるし、実際そのせいで海賊の勢力拡大の弊害もあったしな
というか…
「なんであんたらは世界征服なんて企んでるんだ?」
「そりゃ、悪の組織だからさ」
何を言うんだ、と言わんばかりにキョトンとするリリス
「じゃ、なんで悪の組織なんかやってるんだ?」
「そ、それは……」
言いずらそうに口ごもるアスタロト
リリスの性格といいコスプレみたいな格好といい、まさか……
「………カッコいいからとかか?」
「と、とにかく!どうするの!?私たちとしてはあなたたちは特大の爆弾みたいなものだから、出来れば目の届く所に居てほしいのだけれど…」
図星だったらしい
本当にれっきとした組織なのか?
CGSがまともな組織形態に見えてくる
だが、その質問の答えは決まっている
「さっきの提案を受ける訳にはいかねぇな」
「じゃあどうしたいのかしら?」
記憶を消して別の人間として生きる?
そんなのごめんだ
「俺たちを、このキサラギの一員にしてくれ」
先程までと違い、落ち着いた表情…冷酷と言ってもいい顔でアスタロトが言う
「それがどういう事かわかってるの?」
わかってるさ
悪の組織を自称してるんだ
どんな事をやらされるかの想像はつく
筋は通しきれないかもしれねぇ
そうなったら、ミカや死んでった団員に顔向けできねぇ
でも……
「俺は…前の世界で散々仲間を死なせちまった。そして、そいつらには2度と会えねぇと思ってた……死んだらそいつの人生はそこまでだって……
けど、俺は今こうしてここにいる。オルガ=イツカとして!!
もし同じようにこの世界に俺の仲間がいるのなら、俺はそいつらにもう一度会いたい!会って…話がしたい!」
「だが、今の俺にそんな力はねぇ…だから頼む!」
頭を地面につけて叫ぶ
「あいつらを探して欲しい!そのための手伝いなら、何だってやる!人殺しでも!なんでもだ!」
団長としての願いだったのか、俺個人の願いだったのか、後から考えても分からなかったが、後悔は無かった
破天荒な入社面接を終え、二人を帰したアスタロトとリリスは、椅子に深く腰を掛けて息をついた
「いやはや…なんとも凄い男だね……」
「そうね…彼もそうだけど、もう1人もなかなかの曲者じゃない?『それがオルガの命令なら』で済ませてたし……」
三日月の顔を思いだしながら言う
あれはただの腰巾着の顔つきではない
おそらく長年の付き合いなのだろう
「それだけ信頼されてるのかもねぇ…ま、あれだけ仲間思いなら、変な気は起こさないだろうし」
実のところ、キサラギのコンプライアンスとして、本当にヤバイ任務の場合拒否する権利というのは存在するのだが
どちらにせよ、あれだけ真摯に頼まれては悪の組織云々以前に一人の人間として断れない
「いずれにしろ、キサラギらしくて良いじゃないか、これで異世界人と宇宙人の2つが一気にそろったわけだし、後は未来人が来れば完璧だね」
「あなたは何を競ってるのよ……」
「ミカ…本当に良かったか?」
「何が…?」
あてがわれた二人用の自室に寝そべりながら聞く
といっても、この部屋も仮の物だし、二人には持ち物なんて無い
ベッド以外まっさらなものを部屋と言って良いのか疑問だが
「キサラギで働くって話だ、あれじゃ鉄華団を抜けるようなもんだろ」
「良いんじゃない?うちにもラフタたちが来てたけど、タービンズを辞めた訳じゃないんでしょ」
それはそうだが、鉄華団との関わりがない以上、出向や派遣とは違うわけだし、もう鉄華団を名乗る訳にはいかないんじゃないか?
そう考えると急に寂しくなるな…
「それに、オレはどんな命令でもオルガを信じるよ」
「……よし、やるからにはデカく行くぞ!あの二人に並ぶ幹部になって…みんな見つけて、いつかまた鉄華団の旗を上げてやる!」
「……は?別の惑星?」
明日からの命令確認のためにリリスの部屋に呼び出された俺は、その内容に驚愕した
きっと相当すっとんきょうな顔で固まっていたに違いない
なぜならその任務は…
「そう、実は今地球はいろいろと問題を抱えているんだよ、星そのものを乗り換えるくらいしなくちゃならないほどのね。だから、確認されている地球型惑星にキサラギの社員を送り込んで侵略…もとい開拓をして人類が住めるようにするのさ」
リリスがそう説明するが、問題はそこではない
「いや、理屈は分かるけどよ…惑星間移動なんて何ヵ月かかるんだ?」
地球から火星まででも、普通の航路でも1ヶ月以上かかる
聞いた話じゃ太陽系には地球の代わりになる星は無いようだから…
宇宙のはるか彼方への旅なんて何ヵ月、何年、下手をしたら世代単位の話になるはずだ
しかしそんな俺の疑問に、リリスは自身ありげに宣言した
「それは心配無用さ、なんてったって天才であるボクが造った転送装置があれば、どんな遠い星だろうと一瞬で行来できるからね!」
転送装置
名前から察するに空間と空間を繋いで物の行き来を可能にする道具か?
まさに夢の道具だが、そんなもの本当にあるのか
「転送装置は気になるが、言っただろ?俺は団員を探したいんだよ」
「それは分かっているよ、でもね、この地球に君の仲間がいるとは限らないんだよ。同じ地球でももしかしたら地面の中か海の中…最悪宇宙空間か別の星にいるかも知れないんだよ」
あまり考えないようにしていたが、その可能性は否定出来ない
そもそも俺とミカも、どうやってここに来たのかまったくの不明なのだ
聞いたところによると本部の入り口に倒れていたらしいが、上から降ってきたのか誰かに運ばれてきたのか
「つまり、少しでも確率を上げるためにはこの方法が一番効率が良いのさ!地球ならキサラギのレーダーなんかで捜索しやすいけど、さすがに銀河の端とかだとそうはいかないからね!だからその先兵として君たちを派遣するのさ」
えらく自信満々にそう捲し立てるリリスを見ると、不思議と怪しさが込み上げてくる
これがマクギリス相手なら腹の読み合いでもするところだが……
「……本音は?」
俺が声を低くして尋ねると、リリスは観念したのかため息を吐いてから話し始めた
「……我々は君をもて余している。当然だろう?宇宙人で異世界人なんて前列が無い上に、その阿頼耶識…敵の手に渡ったら地球の治安は間違いなく悪化するだろうね。かと言って戦闘以外で君たちを生かす場所もない」
そんな事だろうと思ったよ
俺は事務仕事もできなくも無いが、全く違う世界で同じようにできるほど要領良くはない
ミカは戦闘か力仕事か……
「だが全く違う惑星であれば話は別だ、そこに行けば君と同じくボクも宇宙人だし、実質異世界の人間だ。現地人からしたら同じようなものだからキサラギ社員との足並みも揃えやすいし、文明レベルの低い星なら阿頼耶識も利用されない……完璧だろう?」
「体よく厄介払いって訳か……」
だが実際利にかなっているというのも間違いではない
このままここで右往左往させるくらいなら、どうにか上手く使おうと言うのだろう
「…実は肝心の地球征服の方も難航していてね、実戦で使える人間はなるべく回したくないんだよ」
「まぁ、何でもやるって言ったのはオレだけどよ…」
昨日の晩にテレビをつけて観たが、どうやらキサラギに反抗する勢力があるらしい
キサラギの主観が入った番組ばかりだったが、楽勝ともいっていないようだ
「じゃあやってくれるね?」
「ああ、やってやるよ」
どうせ地球にいたって右も左もわからねぇからな、だったら、他の星の王にでも何でもなってやるさ
「そうか!それは良かった!いやぁなんでか知らないけど君たちの事はボクに投げられてね…なるべく楽したいボクとしては、厄介の種は遠ざけておきたいのさ」
「はっきり言いやがる……」
面倒くささを隠そうともしないのはあまり気分が良くないが、裏のない本音のぶちまけあいは嫌いじゃない
少なくとも、掴み所のないような奴の相手よりは
「それじゃ、今日の午後には出発してもらうからヨロシク」
「冗談だろ…」
今の時刻は11時
そもそも用意なんて必要無くはあるのだが、まだこの場所も把握してないんだが
「あ、それと三日月君、君はちょっと残りたまえ」
「…なんで?」
「君の阿頼耶識には気になるデータが残っていてね、それについて話がある」
「わかった」
「俺は居なくて平気か?」
「ああ、というかいい加減戦闘員服を受け取りに行きたまえ、いつまで半裸と病人服で悪の組織の本部を歩き回るつもりなんだ……」
俺達の格好を眺めたリリスが呆れながら言う
そう、実は今の今までずっと俺は病人服でミカはそのズボンだけ履いているのだ
一応キサラギで働くことを決めたときに戦闘員用の服を支給すると言われたのだが…
「あの服真っ黒でダサくないか?」
「黒はボクのイメージカラーでもあるんだぞ!今度言ったら検査と称して頭のなかをいじくり回してやるからな!」
指定された場所に時間通り着くと、そこには既にアスタロトと女性が1人、そして俺たちが着ているものより傷んだキサラギ戦闘服を来た男がいた
「さて、集まったようね戦闘員6号、戦闘員オルガ、戦闘員三日月」
「あのーアスタロト様?ちょっといいですか?」
キサラギ戦闘服を着た男がアスタロトに尋ねる
戦闘員ということは一応俺らの先輩で同僚なのだろうか
眉の上に小さな傷があり、黒髪黒目で面倒くさそうに頭の後ろを掻いている
「なんです6号?」
「この二人誰です?俺、キサラギでも古参の部類だと思ってるんすけど、この二人は会ったこと無いんですが」
「その二人は先日入社したばかりの新入社員よ、訳あって番号名では呼ばないけども」
そうアスタロトが言った直後、6号と呼ばれた男がにやつきながら肩に手を掛けてきた
「ってことは俺の方が先輩って事か、おい新入り~あとで焼きそばパン買ってこいよ~」
「なんだそりゃ…」
呆れた視線を向けると、その男は分かってないなというふうに手を振る
「これは後輩ができた先輩は必ずやらなくちゃならないしきたりみたいなもんだ、お前も覚えとけよ?」
「そんなもん知るか」
俺がその手を振りほどくと、6号が今度はミカを見て言う
「で、こっちのガキんちょは?キサラギもとうとう学徒動員って奴ですか?」
「キサラギはそんな事しないし出来ないよ6号。その子はリリスいわくなんだか凄い子らしいから、あんまりいじめるなよ?」
そう言ったのはアスタロトと同じように際どい格好を隠そうともしないオレンジ髪の女
聞いていた最高幹部の1人の特徴と一致するが、この世界の女はみんなこうなのか?
「はぁ……。イデデ!こらガキんちょ!耳引っ張んな!」
「ミカ、俺は別に平気だ…」
「で、では改めて今回の任務を伝える……」
そこからアスタロトによって作戦の概要が伝えられた
だいたいは俺達がリリスから聞かされていた通りだ
地球と環境の近い惑星に俺たちを送り込み、転送装置を作り上げて物質の移動を一方通行から双方通行にする
そこまでが俺たちの任務
冷静に考えて、星そのものを開拓するなんて三人程度で出来る訳がない
そこから先はキサラギから人員を送って何とかするのだろう
バックアップがあるとは言え、まったくの未知の世界へ飛び込む訳だから、自然と気持ちが引き締まって……
「さっぱりわかりません」
6号が鼻をほじくりながら言った
…こいつマジか?
「お前…古参社員じゃないのかよ」
「古参戦闘員だよ?逃げ足と生存力だけが取り柄のね」
「それは地味に傷つくんでやめてくださいベリアル様…というか任務についてはわかってるんすよ、分かんないのは地球外惑星のくだりですよ。二人とも、変なコスプレしたり痛々しい自称まではまぁ、俺も何とか付き合ってきましたが……」
「き、貴様、幹部服をコスプレとか言うな!」
「やっぱりあれは常識じゃないよなぁ…」
そこから再三戦闘員6号に説明が行われたが、結局実際になにするのか説明すると言ってリリスの部屋に連れてこられた
実際って…何か送って見せるのか?
そんな疑問をよそに、やはり仰々しいポーズを取りながらリリスが言う
「やっと来たね三人とも、さっそくだがこれを見たまえ!」
そう言って指を指すのは床から天井まで伸びた、人が四、五人は入るだろう大きなカプセル
それをペタペタと手で触りながら6号が言う
「なんすかコレ?映画に出てくる転送とかするマシーンみたい」
「その通りだよ6号!君はアホだが勘はいいね!」
リリスとも親しいのか、6号は顔色一つ変えずにリリスに挑発する
「アホは余計ですよリリス様、研究所のどこにお菓子を隠してるかチクりますよ?」
「やめろぉ!というかなんで場所を知ってるんだ!」
「それはお前がパシりついでに運ばせてるからじゃないか?」
「……あんた本当に偉いのか?」
威厳が少しも感じられないリリスに言う
一応は俺らと同じ階級の6号に良いように遊ばれてるように見えるが、あれで最高幹部だと言うのだから不安なもんだ
さっきまで俺もタメ語だったわけだが
「…で、これと俺の任務がどう繋がるんですか?」
まだ理解が及んでいないのか、6号が問う
「君は宇宙人はいると思うかい?」
リリスが意味ありげに含み笑いをしながら問いかけ返した
6号は少し考える素振りを見せると、よくわからないというふうに肩をすくめる
「そりゃいるんじゃないですか?分かんないですけど」
「うん…まぁ先日キサラギにも入社したからね……いや、実在するかは重要じゃないんだよ6号!」
一応、俺とミカの事はキサラギ内でも特定の人間にしか話さない事に決めたらしい
…決めたならチラチラ落ち着きなくこっちを見るのはやめてくれないか?
いつか絶対バレるぞ
リリスが熱い宇宙のロマンを語ると、ようやく6号も理解したようで腕を組んで頷いた
一応最高幹部の覚えも良い古参なのだから、もっと責任感を持った方が良いんじゃないか?
「つまり、美少女だらけで俺以外に男がいない星に連れてってくれるんすね?さすがリリス様です。じゃあ早く行きましょう。俺はいつでもいいですよ」
鼻の下を伸ばしてそう言う6号
…この短時間で同じことを二度思わせられるとは思わなかった
「お前欲望に忠実過ぎるだろ、俺たちが地球の未来の一端を担ってるんだぞ?」
「つっても俺ら戦闘員を待ってるのはリストラだしなぁ…だったら楽しめるうちに楽しむし、夢は見れるうちに見るほうがいいだろ」
「…承諾してくれて何よりだよ。それと、派遣するのは君たち三人の他にもう1人…アリス、おいで」
そう言ってリリスが部屋の奥に手招きすると、そこから子供が現れた
年はアトラよりもさらに若い…いや幼いといった方が正しいだろう
俺にそういう趣味は無いが、金髪に青い瞳に整った顔立ちは吸い込まれそうになる
背負った大きなリュックはどう見てもその小さな体には不釣り合いだが、よろけながらもそのリュックを離すことは無かった
しかしこの少女の事は俺たちも聞いていない
いったい何の……
「またガキですか、俺子供は嫌いなんですけど」
「おい、さすがにこんな小さな子に…」
「ガキって自分の事いってんのか?下っ端戦闘員共が調子に乗んなよ」
……………
この瞬間、オルガ=イツカの中でのキサラギ製アンドロイド、アリスの評価はちっちゃなモビルアーマーに決定した
いまだ信じられないという表情のままカプセルに押し込まれ、リリスがコンソールを弄るのを眺めるだけとなったが、今から不安しか感じられない
「なぁ、本当にこの三人と一機だけで行くのか?」
「不満か新入り戦闘員。安心しろ、バカな戦闘員を上手く使い潰すのが自分の仕事だ、無駄死にはさせねぇよ。それと、自分を一機と呼ぶのはやめろ、向こうじゃ人間として扱え」
外見は幼気な子供そのものだってのに、口から出るのはキツい言葉ばかり
ものすごく変な気分だ
「やっぱりこいつは置いてった方が良い!リリス様ー!緊急停止ボタンとか無いんですかー!」
「今さらじたばたしてもしょうがねぇよ…6号だったか?俺はオルガ=イツカ、鉄華だ…」
いや、もうこの名前は使えねぇのか
けど、同僚にキサラギ戦闘員ですとは言えねぇしな
「あ!?何だって!?というかこっちのガキの方もコエーよ!なんでアンドロイドより無表情なんだよ!」
「うるさい」
じたばたとカプセルの中で暴れる6号に業を煮やしたのか、リリスが少しうつむいてから言った
「……もう送り出してしまおうか」
「ちょっとリリス様?まだアスタロト様とベリアル様に別れの挨拶すらしてないんですが」
6号が困惑の顔を見せるが、リリスはそれを無視して操作を続ける
「ボクの天才頭脳が言ってるんだよ、このままだと君たちはこのポッドから出たがるとね…」
「はー!?それってどういう事ですかリリス様!」
「なぁ、俺まで不安になること言うなよ。そういえば成功確率はどんなもんなのか聞いてなかったよな?」
「成功率は100%だ、実験回数は黙秘する」
リリスの返答に俺と6号は絶句した
なんという行き当たりばったり
マクギリスなんてまだマシな部類だった
これが本物のヤバイやつか
「では、戦闘員6号!オルガ=イツカ!三日月・オーガス!無事帰還する事を祈っている!」
「お前らならちゃんと帰ってくるって信じてるからな!お土産は頼んだぞ!」
「いやちょっと待て、待って待って!もうちょっと実験とかいろいろするべきじゃないか?なぁ、おい!」
「祈るな!こんな重要な事で適当やってるといつか失敗して酷い事になるぞ!あとお土産期待するなら自分で行けよ!」
納得いかねぇ!こんな適当にやってる組織があるのになんで俺たちはあんなに苦労しなくちゃなんなかったんだ!?
「オルガ…俺、どうすればいい?」
ミカが期待に満ちた目で俺を見る
『次はどんなものを見せてくれるんだ』と
カプセルをぶっ壊す?
俺たちも神に祈る?
ハハッ
「もう俺にもわかんねぇよ!!」
「ちくしょう!!覚えてろよボクっ子がぁ~!!」
俺達の叫びもむなしく、カプセルに煙が充満していく
こうして、俺達の初仕事が始まった