アムロ大尉、ガンダムに乗る。   作:しんしー

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第11話 ジャブローに居る!

 ホワイトベースはついにジャブローに到着した。

 

 此処でも、アムロは忙しく飛び回ることとなった。

 まず、到着早々、マチルダ中尉に迎えられた。

 傍らには、体格のいい大人然とした士官が立っている。ああ、マチルダ中尉には婚約者がいた、とアムロは思い出した。確か名前は…ウッディ大尉、だっただろうか。

 マチルダ中尉は三日後に、ウッディ大尉と簡単ではあるが結婚式を挙げるという。ホワイトベースの面々は式に招待されることとなった。アムロは嫌な予感をぬぐうことができなかった。アムロの記憶では、このマチルダの婚約者は、シャア…赤いモビルスーツに特攻をかけ散っていったのだ。

 

 だが、前回と違って今は傍らにマチルダがいる。

 無茶はすまい…。

 

 いや、とアムロは思い直した。

 この士官は確かえらく実直な人物だった。マチルダも然り、である。

 ホワイトベースを守るために、逆に二人してとんでもないことをしでかしかねない。

 とにかくシャアが現れたら早々に俺が相手するほかないな…アムロは過去の自分にタイムスリップしてから何度目になるかわからない、深いため息をついた。

 

 続けて、病院である。

 長い身体検査を受けた。

 連邦軍はこの時すでに、自分をニュータイプではないかと疑っていたことをアムロは再認識した。

 一年戦争が終わった後の身の振り方も考えておかねばな…アムロはちらりとそんなことを考えた。シャイアン基地での軟禁生活はもう御免被りたい。

 

 そして、カイ、ハヤトと連れ立ってリュウ・ホセイの見舞いに赴いた。

 転生前の人生では、リュウはランバ・ラルとの白兵戦の最中に銃弾を受け重傷を負った。その身体でアムロを救うためにハモンの機体に特攻をかけ死んでいったのだ。

 二度目の一年戦争…今回のリュウ・ホセイは、アムロがランバ・ラルのグフと戦っている間に、搭乗していたコアファイターに被弾してやはり重傷を負っていた。だが、ランバ・ラルの仇討ちをハモンが仕掛けてこなかったために、リュウは死の運命を免れていたのだ。そして、同じく黒い三連星との戦いに介入しなかったために戦死しなかったマチルダのミデアで、オデッサ作戦の前にジャブローへ搬送されていたのである。

 少しやつれながらも血色のいい顔色のリュウから全治2か月と聞き、アムロは安堵した。

 ランバ・ラル同様、怪我が治る頃には戦争は終結している。リュウが一年戦争で命を落とすことは、おそらくないだろう。

 

 その帰り道、エレカで爆弾を捨てに行くというカツ、レツ、キッカの三人と出会い、アムロ達はこれを助けた。

 この一件がもとになり、チビ達三人は引き続きホワイトベースに残ることになったのはアムロが知っているとおりだ。

 子供が戦争を見ることは良くないよと思うが、その一方、ア・バオア・クーからの脱出が何とかなりそうなことに安心してしまっているのも確かである。

 

 続いて、父と再会した。

 テム・レイは、ジャブローで早くも新しいモビルスーツの開発に携わっているらしい。

 アムロはテムに、ガンダムが自分の操縦についてこられないことを相談した。

 マグネット・コーティングを施してほしい…と口に出したかったが、今のアムロが知っている筈のない技術を言葉にするわけにはいかない。どうしたものか…と思っていたが、どうやらテムも同じことを思いついたようだった。何かぶつぶつと呟きながらパソコンを叩き、やがて諦めた顔でアムロに振り返った。

 

 曰く、ガンダムの動きを速くすることができる技術を持ったモスク・ハンという男がいるが、今はジャブローではなく別のところにいるらしい。

 ホワイトベースがこれからどこへ向かうのかはわからないが、自分の方からもハン博士と軍に掛け合い、ガンダムの改良ができるように手筈を整えるという。

 やはりガンダムのパワーアップはソロモンの後になるか…と、アムロは少し落胆しながらホワイトベースへの帰路へ就いた。

 

   * * *

 

 三日後、マチルダの結婚式の最中にジオンがジャブローを急襲した。

 ホワイトベース隊にもジャブロー防衛の命が下る。

 オムルからGパーツの戦車形態での出撃を提案されるが、アムロはそれを蹴ってガンダムで出撃した。

 そして、防衛を任された地表へ続く大型ゲートから、理由をつけてカイたちに後を任せ、早々にホワイトベースのいるドックへ戻る。

 

 目的は、シャアだ。

 

 ズゴックといったか…赤く染められた水陸両用モビルスーツと相対することができるのは、自分とガンダムだけだ。

 

 ホワイトベースのほか、何隻もの艦船が整備を受ける広大な地下空洞にガンダムは戻ってきた。

 ニュータイプの知覚がシャアの気配を教える。

 ロケットノズルをふかして跳躍し一気に距離を稼ぐと、赤いモビルスーツとジムが対峙しているのが見えた。

 ジムのビームライフルの射撃をかいくぐりその懐に飛び込んだ赤いズゴックは、鉄の爪でジムの腹部を貫く。

 

「いたな! シャア!」

 

 アムロはビームライフルでシャアを狙撃する。

 しかしズゴックは悠然と回避し、腕に仕込まれたメガ粒子砲で反撃してくる。

 アムロはシールドを手放し、さらにビームライフルも投げ捨て、シャアの動揺を誘った。

 その隙に一気に距離を詰める。

 シャアと対峙した時に起きる謎の硬直で、どうせビームライフルは当たらない。また、下手に致命傷を食らわせて撃墜してしまうわけにもいかない。ならば、接近して確実なダメージを与え撤退に追い込むまでだ。

 

 ガンダムはビームサーベルを抜き放ち、ズゴックの左腕の付け根めがけて振り下ろした。

 ズゴックは鉄の爪を開いてサーベルの刀身を受け止めようとする。だが、高温のメガ粒子から成るビームサーベルを鉄の爪で受け止めることなどできはしない。

 しかしシャアは、ビームサーベルの刃を受けると同時に爪の中心部のメガ粒子砲を発射して、ビームサーベルのメガ粒子を相殺した。

 激しい爆発が起こる。

 その閃光にガンダムのメインカメラが焼き付き、アムロは一瞬赤いズゴックを見失ってしまった。

 ズゴックはモノアイを側面にまわしてカメラの焼き付きを免れている。

 

 此処で追撃をかければ、シャアはガンダムに致命傷を負わせたかもしれない。

 だが、ビームサーベルを相殺したメガ粒子砲の一撃は、ズゴック自身の左腕を爆散させていた。

 シャアは撤退を優先する。

 

「…! さすがだな、シャア」

 

 狙いどおりシャアを撤退させたものの、アムロはまたしてもシャアに敗北感を覚えた。

 

 

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