敵機が接近している。
すでにカイのガンキャノンが迎撃に出ているが、敵のモビルスーツの動きは速い。
翻弄され、すでにホワイトベースへの接近を許している。
「…じぃ、ぱぁつ…。なんですか、これ…」
緊迫した状況でありながら間抜けな声を出すアムロを、マチルダ中尉は一瞥した。
「コアブロックシステムを利用したガンダムのパワーアップメカです。このパーツがあれば、ガンダムはもっと強くなることができます」
「…持ってきてくれるのはコアブースターじゃないんですか…?」
「なぜ君がその機体の名前を?」
「いえ、なんとなく。それよりマチルダさん、この『じぃぱぁつ』とガンダムが合体した『じぃあーまー』ですけど…ビールライフルが持てませんよね。そのあたりはどうなってるんですか?」
「機体の左右にシールドを装備しないと、飛行時の機体の安定性が大きく落ちます」
「それはわかりますけど…ビームライフルはジオンのモビルスーツに対してガンダムが持っている最大のアドバンテージです。それが使えないとなると…」
「今後、改良の余地はあるでしょう。今はパワーアップメカの性能を検証する段階です。これで出撃なさい、アムロくん」
「いや、そんな無責任な…誰か死にますよ、この戦いで!」
「それをさせないのが君の仕事でしょう? 期待しているわ」
それで死ぬのあなただよ!と心で叫びつつ、去っていくマチルダの後姿をアムロは見送った。そのマチルダが不意に振り返る。
「Gファイターのパイロットはリュウ曹長を予定していましたが、前の戦いで重傷を負ったのでしたね。代わりのパイロットを呼びました。よく打ち合わせをしておきなさい」
…それ、もしかしてセイラさんか?
この世界は、アムロの知る歴史とは所々が異なっている。だが、重要なところは変わらない。
* * *
「…オムル、ビームライフル! ビームライフルッ! 早く! 早くしてくれぇっ」
ガンダムのコクピットでアムロは叫んだ。
ビームライフルだけはいつでも使えるようにしておけと、あれだけ口を酸っぱくして言っておいたんだから、ないとは言わせないぞ。
『アムロ、ビームライフルを射出するわ、大丈夫ね?』
「いいからフラウ・ボゥ! 早くしてくれぇっ」
だしゅうっ!
ガシィッ!
「…よぉし、見てろよ、スカート付きめ!」
だきゅーーん!
「お、俺たちを串刺しにしたぁ?!」
どかーん!
どかーん!
どかーん!
…黒い三連星、地球に散る。
* * *
「ありがとう。君のおかげで命拾いしたわ。アムロ君、貴方はエスパーかもしれない」