八幡とアクアリウムと彼女   作:myo-n

1 / 3
勢いで書きました。
どうぞ。


前編

物欲センサーを知ってるだろうか。

ソシャゲのガチャが当たらない要因の一つと言われているアレだ。

良い物を当てようと思えば思う程、目当ての物は当たらない。

逆に目当てのものじゃなく違う物がポロッと出てくる事もある。

これを世間からはすり抜け、と呼ばれている。

 

俺が何を言いたいかと言うと、要するに……

 

「おめでとうございます!!一等賞のアクアリウムSOBUのペアチケットでーす!」

 

思わぬ幸運というのは身に余る物だという事だ。

 

---

 

「という訳だからこれやるわ」

 

テーブルの上にチケットを置く。

 

 

「お兄ちゃん雑な説明は小町的にポイント低いよ?」

 

「うるせぇ、とにかくこんな物俺にとったら無用の長物でしかないから受け取っとけ」

 

ボッチにペアチケットとか何それ何処の地獄?

 

「何かゴミを押し付けられてる気分になるんだけど…」

 

「何がゴミかなんて人それぞれの価値観によるだろ」

 

「うーん、それもそうだね。じゃあこれはありがた〜く貰いま……あ」

 

チケットを見つめて固まる小町。

 

「どうした?」

 

「お兄ちゃんこれペアチケットはペアチケットでも……カップル専用のだよ」

 

「おい嘘だろ」

 

本当だった。

何そのピンポイントな指定。

非リアに厳しすぎやしませんかね。

 

「流石にカップルに限定されちゃうと使えないなぁ……」

 

「そうだな…。親父とお袋はどうだ?」

 

「2人は昨日から温泉旅行中だよ」

 

「え、何それ聞いてないんだけど」

 

もう少し報連相を密にして欲しい。

というか家事とかどうすんだよ…….いや、小町ができるか。

 

「流石にお兄ちゃんと行くのは恥ずかしいし小町はパ〜ス」

 

「いや、俺は別に構わんが」

 

「うわぁ……」

 

おいやめろ、そんな目で見るんじゃない。

お兄ちゃん死にたくなっちゃうぞ。

 

「んんっ……じゃあ売るか」

 

「このチケット転売禁止だよ」

 

再びチケットを見れば、裏面に転売禁止と書かれてあった。

ぬかりなさすぎだろ。

 

「oh……なら勿体無いけど捨てるか」

 

「えぇ〜もったいないー。アクアリウムSOBUって今超絶人気で中々手に入らないんだよ!」

 

「ぐぬぬ……」

 

そう言われると何か物凄い損をする気分になる。

何か策は無いものか……

 

ユーガッタメール

 

「ん?何だ……?」

 

相手は……雪ノ下か。

 

【件名:一緒に行ってあげなくも無いわ】

 

本文:

小町さんから話は聞いたわ。

目が腐っている貴方には一緒に行く異性なんて誘拐か脅迫でもしないといないでしょう?

そこで、貴方が間違いを犯さない為に私が付き合ってあげるわ。

いい?これは部長命令よ。

 

「小町さーん……?」

 

「あっ、いっけなーい♪チケットの事お父さんにメールで送ろうとしたら間違って雪乃さん達に送っちゃったー(棒読み)」

 

「おいこら」

 

なんて爆弾を投下したんだ妹よ。

そんな事したら確実に気持ち悪い奴だと思われるだろうが。

 

「全くお前は……。ん、待てよ、雪ノ下達……?」

 

ユーガッタメール

ユーガッタメール

ユーガッタメール

ユーガッタメール

ユーガッタメール

 

「ヒッ」

 

携帯がけたたましく鳴る。

非常に怖いが恐る恐るメールボックスを開く。

 

【件名:やっはろー!】

 

本文:

ヒッキーやっはろー♪

小町ちゃんから聞いたんだけど、あのアクアリウムSOBUのチケット持ってるんだって!?

優美子も行ったことあるからその時の話聞いたんだけどね〜そん時の話がもうとっても凄くてさ〜、あっ、もともと興味はあったんだけどね!アクアリウムSOBUの人気ショーの話を聞いたらもう凄い行きたくなっちゃってさ〜〜……………

 

「……」ピッ

 

由比ヶ浜からのメールは途中から脱線しまくって訳が分からなくなったので次に移ることにした。

大方話のタネにする為に俺を利用するつもりだろう。

流石ビッチ、抜け目ないな。

 

「さて次は……」

 

「あっ、小町も見たい〜!」

 

「言っとくけどお前のせいだからね?」

 

「あーあー、小町は何も聞こえませーん!」

 

白々しい妹にチョップを入れつつ、次のメールに移る。

 

【件名:アクアリウムSOBUの件について】

 

本文:

こんばんは比企谷くん、平塚静です。

風の噂ですが貴方が今人気のアクアリウムSOBUのペアチケットを持て余していると聞いたのでメッセージを送りました。

ヘタレの貴方の事でしょうから、きっと誰も誘えないのでしょう?

しかし安心してください、私は先生です。

生徒が困っていれば手を差し伸べるのが仕事です。

なので是非アクアリウムSOBUに行きましょう。

 

PS:スカートかズボンどちらが好みですか?返信待ってます。

 

PS:PS:あと余談ですが、比企谷君は年上でも大丈夫でしょうか?返信待ってます。

 

PS:PS:PS: 返 信 待 っ て ま す

 

「怖い怖い怖い」

 

途中まで言ってることは分かったのに呪いのレターになってるぞ、おい。

 

え、待って後ろ振り向いたら居るとかないよね、ね?

 

「……よし、いないな」

 

「何やってんのお兄ちゃん。次行こ次」

 

「お、おぉう」

 

気を取り直して次のメールを見る。

 

【件名:ひゃっはろ〜】

 

ピッ

 

この人のは恐ろしくて見るのをやめた。

大方からかいのメールだろう、多分。

というか何でこの人俺のメアド知ってんの。

 

ユーガッタメール

 

【件名:ちゃんと見ないとダメだよ?】

 

本文:-空白-

 

…………。

 

「小町……お兄ちゃんもう死ぬかもしれない」

 

「ドンマイ♪」

 

畜生、神も仏も小町もないじゃねぇか。

仕方ない……見るか。

 

【件名:ひゃっはろ〜】

 

本文:

雪乃ちゃんに聞いたんだけどアクアリウムSOBUのカップルチケットを持ってるんだって〜?

お姉さん常日頃から行きたいな〜って思ってたんだよね〜。

まぁ雪乃ちゃんと行ってもそれはそれでおもしろそうだけど。

とにかく返信よろしくね〜

 

PS:賢い君ならどっちを選べばいいかわかるよね?

 

「メールなのに圧が凄い……」

 

「お兄ちゃん強く生きてね♪」

 

小町がちょっとうざいので無視して次のメールを開く。

 

【件名:水族館】

 

本文:

川崎だ。

暇なら水族館いかないか?

けーちゃんがお前と一緒に遊びたいんだとさ。

 

「このメールは川なんとかさんのか」

 

今までのメールで一番短いかつ理由が分かりやすい。

 

「沙希さんか〜お兄ちゃんモテモテですなぁ。小町はちょっと寂しいぞ〜⭐︎」

 

「アホか。文面から見て妹の為だろ」

 

「はあぁぁぁぁ………ほんとごみぃちゃんだね」

 

「ひでぇ」

 

【件名:せ〜んぱいっ⭐︎】

本文:

こんばんは〜可愛い後輩ちゃんです(*´꒳`*)

いや〜この間大きな案件が終わったんで何かご褒美が欲しいんですよね(о´∀`о)。

というわけで先輩、アクアリウムSOBUに行きましょう?

優しい先輩はぁ……私を選んでくれますよね?(*'▽'*)

楽しみにしてますよ(๑˃̵ᴗ˂̵)

 

「あ、あざとい……」

 

何この見た事ない顔文字の数々。

普通の奴だったら勘違いしてる所だ。

 

「さて、これでメールは全てな訳だが……」

 

殆ど強制みたいなメールばっかりだったな。

 

「で、お兄ちゃん誰にするの?」

 

「…………妥当なのは川なんとかさんと一色辺りだな。ちゃんとした理由もあるし」

 

雪ノ下は行っても罵声され続ける展開しか見えない。

 

由比ヶ浜は話が脱線しすぎて何かよく分からん。

 

平塚先生は……うん、頑張れ。

 

雪ノ下さんのは…………ぜっっったい無しだ。何されるか分かったもんじゃない。

 

となると残るのは一色か川なんとかさんにかる。

 

「とりあえずだが……」

 

全員に少し考えさせて欲しいと一斉メールを送った。

 

幸いこのチケットの有効期限はまだ先だから今すぐに決める必要はない。

 

「はぁ……」

 

どうしてこうなったんだ。

各終編ルートの順番

  • ゆきのん
  • ガハマちゃん
  • 平塚せんせー
  • はるのん
  • 川なんとかさん
  • いろはす
  • シークレット1
  • シークレット2
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。