提督の成り上がり奮闘記   作:わんこ神

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またもやほのぼの回。次こそは、話を進めたい…


第三話

…うーむ、状況は非常に良く無い。今はもう3時を過ぎたのだが、あの書類は後三分の一も残っている。しかもほぼ全てが今日の昼までに出さなきゃいけないのだから、こちらとしてはたまったもんじゃ無い。

もう少し、早めに渡すとかそんな風に気が利かないもんなのか?しかし、ガタガタ言っても書類は無くならない。両頬を叩き、気合を入れ直す。ただ、頭は依然として回らない、今私の眠気はピークに達している。ああ、今にも眠ってしまいそうだ。そんな眠気に耐えながら体を伸ばすと、ふと食堂の冷蔵庫にケーキを入れていた事を思い出す。取り敢えず業務は一時中断にして、休憩しよう。

 

あぁ〜、疲れた体に糖分が染み渡る!口に入れた瞬間にとろけるクリーム、フワフワのスポンジ!それに苺の酸味が私の目を覚まさせてくれる。少し甘ったるいケーキの味が、淹れたてのブラックコーヒーにとてもよく合う。やはり、疲れた時には甘い物が1番だな。…さて、業務に戻るか。

 

 その後の業務は、コーヒーのカフェインによって完全に目が覚め、頭に糖分が行き渡った事により、順調に進んだ。そして、4時半頃には、ほぼ全ての書類が終わっていた。

 

「ふー、やっと終わったか。」

 

思わず声に出す。独り言を言ってしまうとは相当疲れが溜まっているのだろうか。なんにせよ、業務は終わった。これで、やっと寝れる…と思った矢先、窓から光が差し込んでくる。これほど嬉しく無い夜明けは、中々人生の内で体験する事は無いだろう。結局私は眠る事ができなかった。私が一睡もせずに粉骨砕身して奮闘している中、私を飛ばした上官どもはふかふかのベッドで眠っていると考えると殺意が湧く。しかし、朝になってしまった事はもう仕方が無い。朝食でも作るか。

 

 

 

「ふぁ〜あ、よく寝た。」

 

漣、ただいま起きました。時計を見ると、現在は5時半。ご主人様はもう居ないようです。取り敢えず、みんな起こしますか。

 

「良い朝ね。」

 

「ぽいぽいぽーい!」

 

「相変わらず元気ですね、夕立ちゃん。」

 

みんな、ぐっすり眠れたようです。それにしてもこの布団、ご主人様の持参した物でしょうか、士官学校の布団よりやけに寝心地が良かったです。そうだとしたら、ご主人様には感謝しないといけないですね。

 

「それにしても、提督は何処に行ったのでしょうか…」

 

そういえば、ご主人様は何処に行ったのでしょうか。もしかしたら、朝食の準備でもしてるのでしょうかね。

 

「それよりも夕立は早くご飯食べたいっぽい〜、お腹すいたっぽい。」

 

「そうね、取り敢えず食堂に向かいましょうか。」

 

 

 

ふう、なんとか作れた。今日は取り敢えず、秋刀魚の塩焼きにアサリの味噌汁、漬物とご飯を作った。なんの変哲もない、朝食といえばこれというものを作っただけだが、頭が回っておらず、結構苦労した。

特に、秋刀魚の塩焼きに砂糖を入れそうになった時には本気で自分を心配した。

 

「お邪魔しまーす、ってご主人様。おはようございます。」

 

「おはようございます、提督さん。」

 

「おはよう。今日の朝食は随分と美味しそうだわね。」

 

「待ちきれないっぽい、夕立お腹減ったぽい!」

 

「あぁ、おはよう。」

 

丁度作り終えた頃に、起きた艦娘達がやって来た。もう着替えは済ませたようだ。私としては全然おはようと言いたい気分では無いが、何とか彼女たちに挨拶を返した。

 

「にしても提督、随分と暗い顔をしているけど、大丈夫かしら?」

 

「あぁ、心配しなくて大丈夫だ。それよりも早く朝食にしようか。若干一名、もう早く食べたくて仕方がない者もいるようだしな。」

 

「ぽ、ぽい?!」

 

そう言うと、秋刀魚をつまみ食いしようとしていた手を掴む。もう少し待てないものだろうか。

 

 

「「いただきまーす!」」

 

食事開始の合図の後、みんな一斉に食べ始めた。特に夕立は、目を輝かせながら秋刀魚を頬張っている。…本当に目を輝かせながら、楽しそうな表情をしているのを見ると、本当に死戦に身を投じた後だとは思えない。まぁ、立ち直ってくれたのなら何よりだ。

 

「提督さん、食べないんですか?」

 

「ああ、すまない、少し考え事をしていてな。」

 

「そうですか、なら良いんですが…にしても、この魚美味しいですね!」

 

「そうだな、この魚はここ付近で取れた物だ。こうして食べられるのも、漁師さん達が一生懸命魚を取ってきてくれるお陰だ。しっかり感謝せねばだ。」

 

朝潮にも心配されてしまった。やはり徹夜はする物じゃ無いな。頭が回らずに、ボーッとしてしまう。しかし、このアサリの味噌汁はなかなか美味い。今日の食事に使ったのはここ周辺で取れた魚。ここまで頑張ってきてくれた提督たちや漁師達の汗と涙の結晶だ。だからなのか、いつも食べているものよりも新鮮で、ダシがしっかり出ている。私も、困っている者に食事を届けられるようにせねば。

 

 

 

「ふぅー、美味しかった。」

 

「ほんと、メシウマ!でした」

 

皆、食べ終わったようだ。では、そろそろこれからの予定も考えて行かないとな…

 

「てーとくさん、こーじがおわりました。」

 

「うぉっ、妖精さんか、すまない。お仕事ご苦労だった。」

 

「へへー、またいつでもこまったらよんでくださいです。」

 

妖精さんがそう言うと、別の妖精さんが私の前にやってきて私に向かって言った。

 

「所で、てーとくさん、れいのぶつ、わすれてはいないのです」

 

「おお、そうだったな。ちょっと待っててくれ。」

 

そう言って私が食堂の棚の方へ向かって取りに行くと、妖精さん全員から期待の眼差しが向けられた。

 

「ほら、みんなで分けて食べてくれ。」

 

そう言って、私は金平糖を袋二つ渡した。すると妖精さん達は、金平糖に対して物凄い勢いで群がった。やはり彼等も私の同志の様だ。

 

「おおー!こんぺーいとうでーす!」

 

「てーとく、わかってるー♪」

 

「さすがてーとく、そこにしびれるあこがれるー!」

 

「皆食べるのは良いが、しっかりと分け合って食べてくれよ。」

 

「「「はーい。」」」

 

そのように私が呼びかけると、妖精さん達は金平糖を持って何処かへ行ってしまった。まぁ、金平糖だけでこの働きというのは、本当に安上がりで有難い。それに、これで艦娘寮も使えるようになったのだ。感謝しか無いな。それよりも、取り敢えずこれからの計画を決め無ければならないな…




ドイツではまだ昨日だから毎日投稿…じゃ無いですね。
今回は少し短かったので、次回は少し長めです。
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