提督の成り上がり奮闘記   作:わんこ神

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前回、「少し長く」と言ったな、あれは嘘だ。
…さーせん、反省してます。



第四話

 食事後、艦娘達には今後の計画を伝える為に一旦執務室に集まってもらう事にした。私としては今日は休みにしたい物だが、そんな事をしようものならあの上官どもに目を付けられ、また嫌味を言われるに違いない。先ずは何らかの成果をしめし、提督としての地位を確立せねばならない…

 

コンコン、とノックが鳴る。

 

「入ってくれ。」

 

ノックと共に、漣達が入ってきた。どうやらもう集まってきたようだ。

 

「失礼します!全員、集合しました!」

 

「そうか、では早速だが今後の計画についてを伝えるぞ。今日君達には、ある任務を実行もらう。」

 

そう言いながら、私は鎮守府周辺の海域の海図を開いた。

 

「今日は、取り敢えずここ、鎮守府正面の海域を哨戒、索敵して欲しい。他の鎮守府によって、ひとまず敵を撃退させる事はできたが、未だに深海棲艦が残っていないとは確認出来ていない。そんな状況では、常に鎮守府は敵の攻撃に晒され、健常な艦隊運営など出来るはずがない。また、ここ周辺の街にも被害が及ぶ可能性もある。そんな状況を打破する為にも、諸君達には敵の勢力を確認してもらい、必要に応じて敵艦の撃破もしてもらいたい。以上が今日の作戦の内容だ。何か質問はあるか?」

 

そう言い終えると、少しの沈黙の後、叢雲が口を開いた。

 

「要するに、敵を探してぶっ飛ばしてやれば良いのね?それなら質問はないわ、いつでも大丈夫よ。私達はあんたの部下で艦娘なんだから、深海棲艦なんかすぐにぶっ飛ばしてやるわよ!」

 

叢雲がそう言うと、皆も後に続いた。

 

「漣もいつでも出れます!ご主人様の為に漣、頑張りますよ〜?」

 

「朝潮もです。提督、必ずや良い戦果を持ち帰ってきますね!」

 

「ぽいぽーい!夕立も頑張るっぽい!」

 

前の戦いの事がトラウマになってないか心配だったが…杞憂に終わって良かった。むしろ、逆に血気が盛んで心配になってくる。まあ何にせよ、やる気が有るのは良いことだ。

 

「皆からその言葉を聞けて嬉しく思う。だが、あくまでこれは哨戒任務だ。そこまで戦果を追い求めなくても、この海域の安全を確認出来るだけで充分だからな。そこまで気負わずに頑張ってくれたまえ。」

 

「「は!」」

 

そう言って敬礼をすると、彼女達は港へと向かった。

 

 

 

 漣は今、ものすごく緊張しています。だって、今回は初めての実戦。士官学校では演習などはしていましたが、命のやり取りと言うのはありませんでした。それに、ご主人様からは気負わないで良いと言われましたが、やはりそう言われても初めての任務で醜態を晒すわけには行きません。頑張らないと…

 

「漣、そんなに緊張しなくても大丈夫よ。ほら、肩の力を抜きなさい。」

 

「あっ、す、すみません!これから実戦をするって考えると、やはりどうしても緊張してしまって…」

 

「誰だって最初はそんなものよ。気にする事じゃ無いわ。むしろ、その気持ちは大事な事よ。ただの哨戒任務ってたかを括っていると、痛い目を見るわよ。」

 

「はい、わかりました。しっかり気合い入れていきます。」

 

「頼もしい限りだわ。一緒に頑張りましょう。…それと、敬語は使わなくても良いわ。なんだかこっちが気遣っちゃうわよ。」

 

「わかり…いや、OKです!漣も頑張っちゃいますね!」

 

「ふふ、そうね。」

 

叢雲さん、やっぱりなんだか頼れる先輩って感じがします。叢雲さんに励まされて、なんだか自信が湧いてきました。

 

「2人とも遅いっぽい〜、早く早く〜」

 

「夕立ちゃんが早すぎるだけな気がしますが…」

 

夕立さん達は早いですね。緊張のきの字も感じられません。漣も自分のペースで頑張るとしますか!

 

 

 

部屋から出ていく姿を見届けた後、急に漠然とした不安に駆られる。彼女たちはしっかりと帰ってきてくれるだろうか…本作戦はただの哨戒任務とはいえ、ここで起きた事を鑑みると、敵がいないという事は考えずらい。だから、戦闘は必ず起きるだろう。そうなると、駆逐艦四隻では戦力として足りるか心配だ。それに、朝潮達は前任の頃から居るとはいえ、あまり規模の大きい鎮守府では無かったことや、後方の拠点にいた事を考えると、練度については期待しない方がいいだろう。考えれば考えるほど不安が募っていく…

いや、提督の私がそんなんでは話にならないだろう。部下を信頼し、冷静になって指示を出さねばならない者が、部下を信頼出来ないで不安になっていて何が出来るか。いつも物事に対して悪く考えてしまうのは、私の昔からの悪い癖だな。そういう所では、あいつを見習いたいものだ。…いや、逆にあいつは楽観的すぎるか。

 

兎に角、上官たるもの、部下に醜態を晒してはならない。一旦心を整える為に一息つく。すると、出撃部隊から無線が来た。

 

「ご主人様、出撃準備が完了しました!出撃を開始します!」

 

「ああ、哨戒任務とはいえ油断はするなよ。気を引き締めていってくれ。」

 

「はい、駆逐艦漣、出る!」

 

そう言って、無線を切った。彼女達は頑張ってくれている。ならば私も、安心して作戦遂行出来るよう、指示していかねばな…

 

 

 

「こちら漣、敵影なし。引き続き、索敵を続けますね〜」

 

「こちら叢雲、索敵範囲には敵影なしね。ここら辺には居ないのかしら?」

 

「居ないのならそれに越した事は無いがな。引き続き索敵を続けてくれ。」

 

現在、任務開始から2時間経過。未だに敵艦どころか、鳥ひとつ見えません。しかし、ここまで静かだと、逆に何か起きそうで怖いです。

 

「っ!!!6時の方向、敵艦隊を発見!恐らく軽巡を旗艦とした水雷艦隊で、こちらにはまだ気づいていません!」

 

「敵の戦力は確認できるか?」

 

「恐らく、軽巡一隻、イ級駆逐艦三隻です!

「そうか。恐らく厳しい戦いになるだろうが、諸君ならきっと倒せると信じている。各艦、一層奮励努力せよ。」

 

「遂に敵のお出ましね。やってやろうじゃないの!」

 

「ぽーい!」

 

ああ、やっぱり敵が居ましたか。これが私の初めての実戦です。1番活躍して戦果を挙げてやります!

 

「漣の本気を魅せてやります!」

 




次回は戦闘回。頭がいたくなりますが、頑張ります。
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