もしキーストンがウマ娘に転生したら   作:H&K YAMATO

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ウマ娘プリティーダービーから馬のことを知って、キーストンを知りました。
気づいたら筆をとり書いていたのがこの作品です。現在は短編ですが、作者にネタが降りてくれば連載にします。

一応ガイドラインを読んで書いていますが、ウマ娘の作品は初めて描くので、至らない点があれば遠慮なくおっしゃってください。


第1話 出会い(ウマ娘視点)

小さい頃から同じ夢を何度も見る。

レース場で走る夢だが、ただ走るのではない。

その夢で私は、馬と呼ばれる存在しない四本足の動物になって、いつも男の人を乗せて走る。

ゲートが開いて出走し、私は彼の指示に従いながら誰よりも早く駆けていく。

第四コーナーをまわって最後の直線、ラストスパートをかけようとした時、私は体勢を崩し、前のめりに倒れる。

地面に転がった状態で振り返って後ろを見ると、彼は地面に転がっていて起き上がらない。

きっと私が体勢を崩した時に落ちてしまったに違いない。

私は前足の一本が変な方向にねじ曲がり、骨が皮膚を突き破り、足から血が出ていた。

だがそんなことよりも彼のことが心配だった。

私が体勢を崩したから、私がもっとうまく走れていれば、なんていう思いが頭をよぎる。

私は三本の足でヨタヨタと歩きながら彼に近づいていく。

顔を近づけるが、反応がない。

気絶しているのだろう。

手が使えなくなっている私は、顔を押し付けて一生懸命、彼を起こそうとする。

そして二、三度起こそうと挑戦しているうちに彼が目を覚ます。

そして私の顔にしがみつき、「いいよ、いいんだ。」と言うのだ。

まるで私は悪くないというかのように。

私が悪いのに、振り落としてしまったからあなたはそんなことになっているのに。

あなたが悪くないと伝えようとしても、出るのは奇妙な鳴き声だけ。

伝わらないのがもどかしくて仕方がない。

私が転んで心配したのか、観客席の方から人が集まってきた。

彼は「この子を頼む。」と集まってきた人たちに向けて絞り出すように言うと、また意識を失った。

そして私は別の人にどこかに連れて行かれる。

 

「待って!私はあなたと一緒にいたい!!!」

 

私は彼が心配で、離れたくなくて、三本の足で一生懸命抵抗する。

でも人がたくさん集まってきて、彼の姿がどんどん離れていく。

 

 

 

ジリリリリリリリリリリリリりリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ

 

 

 

目覚まし時計が鳴っている。

覚醒した私は、涙を拭って目覚まし時計を止めました。

彼に会いたい、会って謝りたい、また名前を読んで欲しい、彼に触れて欲しい。

いろんな思いが溢れ出てきて胸が張り裂けそうです。

この夢を見始めるようになったのは4歳ぐらいからです。

お母さんには泣いているところを見られて、全てを話しました。

お母さんが言うには、ウマ娘は知らない記憶を夢で見ることがよくあるそうです。

それは女神様が私たちに何かを伝えようとしているのだと、言われているらしいです。

私はそんなことはどうでもよくて、どうしたら彼に会えるのかを聞きました。

でもお母さんやお父さんでも、どうしたらいいのかは分からないみたいです。

だから自分で探そうと思いました。

まずは家の周りを散歩したいと親に言って、近所から探し始めました。

とりあえず彼は日本語を話していたので、日本を回れば会えると思ったからです。

私はウマ娘なので別に走りたいと言っても特に不自然に思われることはなく、毎日体力が尽きるまで彼を探しました。

今思えば、いくら彼を探すためとはいえヘロヘロになるまで走り続けていられたのは、走ることが好きだったからということもあったのでしょう。

しかし近所の知り合いが増えただけで、成果はありませんでした。

次に自分の足ではいけないところを探したいと考えました。

いくらウマ娘とはいえ体力に限界はあるし、門限もあったので親に頼ることにしました。

幸いにも父は鉄道が好きで、休日が来るたびにどこかに鉄道を撮りに出かけています。

 

私は「気分転換にね、違うところで走りたいの。だめ?」と強請って、父についていき彼を探しました。

 

そして父が鉄道を撮っている間に走り、彼を探しました。

何年経っても彼は見つからなかったけど、一つだけ進展がありました。

あのレース場が見つかったのです。

あれは8歳の頃でした。

父が阪急今津線を撮りに行くついでに、有名なG1レースである桜花賞を見に行かないかと誘ってくれたことがきっかけでした。

私は探すと決意してからずっと彼を探していたけど、見つからなくて諦めかけていました。

もしかしたら日本にいないんじゃないか、そもそも彼はあのまま死んじゃってこの世にいないんじゃないか、そもそもあの夢は自分の妄想なんじゃないかとか嫌な考えばかり浮かんできていて。

そうやって落ち込んでいるのを見かねた父は、私が元気になるきっかけになればと思って誘ってくれたんだと思います。

初めてみるレースは、「すごい!!」としか言いようがないぐらい衝撃的でした。

初めて生で聞く観衆の応援、ウマ娘が本気で走るドドドドドという音、オーロラビジョンで見た勝利者インタビューとかもうとにかく圧倒されました。

そうしてレースを見た後、私は場内のターフィーショップでお母さんに買っていくお土産を見ていて、昔の阪神競技場の写真を見つけたんです。

 

その写真を見た時、思わず大声をあげて泣いてしまいました。

その写真は紛れもなく、私が夢でみたレース場だったから。

彼がきちんとこの世にいるよって、私の妄想じゃないんだって、また会えるかもしれないっていう可能性がちゃんとあるんだってわかってすごくすごく嬉しかった。

急に手がかりが目の前に現れるなんて、やっぱり神様は意地悪だと思います。

あんまりにも激しく泣くので父さんから心配されましたが、レースに感動した嬉し涙だと言ってなんとかのりきりました。

 

 

 

この日からさらに力を入れて彼を探すようになりました。

そうして今まで通り、彼を探していると、今度は彼本人の手がかりを見つけたのです。

 




感想をくれると作者が喜びます。

一緒にウマ娘について語りましょう。
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