もしキーストンがウマ娘に転生したら   作:H&K YAMATO

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もし有馬記念でシンザンとメイズイが両方出てきたらと想像する今日この頃。

俺はどっちを買えばいいんだ!?(購入ためらい)


第8話 練習3(トレーナー視点)

「ヤッホー、メイちゃんだよー。今日はよろしくね☆」

 

目の前にいるのは二冠馬のメイズイである。

 

三冠確実と期待された、才能があるやばいやつで、去年クラシック戦線で猛威を振るった。

 

昨年惜しくも菊花賞を逃し、今年は春の天皇賞を2着で駆け抜け休養中だ。

 

なのだが、本当にこいつ二冠馬なのだろうか?

 

なんかすごい軽いギャルみたいな感じなんだが。

 

シンザンも変わった奴だったが、どうして強いやつって変な奴が多いんだろな。

 

シンザンとの併走の日からまたトレーニングを重ね、今日はメイズイとの併走の日だ。

 

時節は6月の初めだ。

 

日差しが強くなってきたが、先日梅雨入りして雨もひどい。

 

ウマ娘たちのメイクデビューも近づき、トレーニングに熱が入っている。

 

だがこの時期はトレーニングに熱中しすぎて、怪我や体調不良が出やすい。

 

トレーナーとしてウマ娘の体調・精神ともにコンディションを気にかけなければいけない時期だ。

 

コンディションといえば、キースはこの前の併走の時、勝てなくてだいぶ落ち込んでいたな。

 

一生懸命慰めても、聞いていなかったようだから聞こえるように耳元で言ってやった。

 

そうしたら結構元気になっていたように見えたな。

 

落ち込んでいる時はこの方法を使おう。

 

ともかく今日はメイズイとの併走だ。

 

あいにくと今日は雨だが、トレーニングはいつものグラウンドでする。

 

レースの日が晴れだとは限らないから、不良バ場に慣れて置くためだ。

 

「キース!今日は可能な限り先輩から技や経験を盗め。長距離の走り方、特に後続との距離の開け方、後ろから詰めてくるウマ娘への対応とかだな。役に立つものを掴んでくれ!」

 

「はい!」

 

今日のトレーニング参加メンバーはカブトシロー・キース・シンザン・ダイコーター、そしてゲストにメイズイである。

 

「おっ、やる気十分だね☆じゃあ早速一本行ってみよ♪」

 

今回メイズイに併走を申し込むに当たってシンザンを使わせてもらった。

 

無名の新人とウマ娘では相手にされないので、シンザンがメイズイに併走を持ちかけるのに乗っかったのだ。

 

メイズイは普段トレーニングで忙しいので、シンザンでも受けてもらえない可能性があった。

 

だから、俺を通じてたずなさんに併走トレーニングを受けてもらえるよう口添えしてもらった。

 

代わりに自分たちもトレーニングに入れてもらったんだ。

 

やはり持つべきは権力がある友人だな。

 

非公式だが前年度二冠ウマ娘と現二冠ウマ娘のレース、俺は目の前で無料で見れる。

 

これもトレーナーの特権だ。

 

今回のレースは3000m。

 

菊花賞と同じ距離だ。

 

これはシンザン側からの要望で、もし菊花賞で大逃げをする娘が出たときにかわせるようにしたいんだそうだ。

 

さあそしてみんながゲートに入って、スタートした。

 

まず初めに飛び出したのはメイズイだ。

 

このスタートのうまさはさすがという他ない。

 

次にキースが続く。

 

その後ろにシンザン、ダイコーターそしてカブトシローと続く。

 

メイズイはこの不良バ場をものともしていない。

 

雨の日の芝は滑りやすく、通常よりも踏ん張りを強くしなければスピードが出ない。

 

だから晴れの日よりもスタミナを使うのだけれども、

 

メイズイは内ラチに張り付くようにして走り、最短距離を走ることで消耗を防いでいるようだ。

 

直線だけでなくコーナで曲がる時も、外に膨らまないし全く体幹がぶれていない。

 

シンザンのような派手さはないが、非常に安定した走りだ。

 

この彼女の走りはキースには参考になるだろう。

 

しかしダイコーターの走りも気になる。

 

彼女はシンザンと同じ先行で、同じようにシンザンを手本にして成長している。

 

今も、シンザンを風よけにしつつ足をためていた。

 

併走トレーニングにはキースの刺激になると思って同期も参加させてきた。

 

でも成長しすぎてるかもしれないな、きっとキースの強力なライバルになるだろう。

 

要注意だ。

 

そんなことを考えている間にレースは終盤、残り1000mまできていた。

 

キースの速度がだんだんと落ち始める。

 

やはり彼女の1番の課題はスタミナだろう。

 

彼女の現在のスタミナでは走り切れるのはマイルまで。

 

それ以上になるとスタミナが切れることが多い。

 

長距離を走りぬくスタミナをつけなければ、クラシック戦線では厳しいだろう。

 

今年の夏はプールでスタミナ特訓だな。

 

そして残り800mでシンザンが仕掛けた。

 

聞くもの全てを畏怖させる踏み込みの音が、レース場に響き渡る。

 

シンザンもキースが前にいなくなったので内ラチを最短で駆け抜けている

 

そしてメイズイの後ろにシンザンが迫る。

 

シンザンはおそらくこのまま外に出てメイズイを抜く気だろう。

 

そう思っていた。

 

その瞬間急にメイズイが減速した。

 

シンザンもびっくりしたのか、思わず減速してしまう。

 

そしてメイズイが再び加速。

 

シンザンも追い縋るがわずかに届かなかった。

 

ゴール板を駆け抜けたのはメイズイだった。

 

ハナ差2着でシンザン、3着でカブトシロー、4着ダイコーター、5着キース。

 

カブトシローはノーマークだった。

 

メイズイとシンザンの争いに着目してたら見逃してしまっていた。

 

くそう、もっとトレーナーとして視野を広く持たなければ。

 

シンザンはもう少し遅く仕掛ければ、一位だったかもしれない。

 

そうすれば、メイズイもスパートに入り妨害する余裕がなかったからだ。

 

多分、彼女のトレーナも同じことを言うだろう。

 

それよりも今は、

 

「キース、よく頑張ったな!」

 

「トレーナーさん、また私は・・・」

 

戻ってキースを褒めなければ。

 

案の定、キースが悔しがっている。

 

強敵でも、勝つ気で挑むところが彼女のいいところだ。

 

この闘志は絶対に本番で役に立つ。

 

だがそれは諸刃の剣だ。

 

「キース、先輩と勝負になるだけですごいんだからな。焦らないでいいんだ。」

 

キースは今の所こちらの支持に従ってトレーニングをしてくれているが、目を話すと自主トレで体を壊しそうで怖い。

 

最近は特にトレーニング量が不満そうだから、注意が必要だ。

 

「それよりも、2000m時点でのタイムはあの模擬レースを大幅に上回っていたぞ!ちゃんとトレーニングしたからだ。えらいぞ!」

 

濡れた彼女の髪をタオルでふいてあげる。

 

「私、えらいですか?」

 

「そうだぞ、ちゃんと成長してる。」

 

「あの、だったら前みたいに耳元で褒めてもらっていいですか?」

 

「え?」

 

「私に、自信をつけさせてください!お願いします!そうしたら私もっと頑張れる気がするんです!決して邪な思いを抱いてお願いしているわけではないです!ただちょっとその、やってもらうと元気が出るというか、滾るんです。間違えました、その日よく眠れるんですよ。もしその今のレースだけで足りないのでしたら、これからトレーニングでもなんでもしますからぜひお願いします!」

 

何が彼女をそんなに駆り立てるのだろうか。

 

まあ、ちょっとぐらいいいだろう。

 

彼女は自信が持てないタイプだから褒めたおすぐらいでちょうどいい。

 

「わかった、おいで。」

 

「はい♡」




テレレレン!

キーストンの

スキル「先行ためらい」のヒントLvが3上がった。

スキル「道悪」のヒントLvが3上がった。

状態異常:興奮気味 になった

ダイコーターの

スキル「鉈の切れ味」のヒントLvが3上がった。

シンザンの

スキル「抜け出し準備」のヒントLvが3上がった。

メイズイの

固有スキル「主役はあたしジャン☆」のレベルが上がった。
レベルは最大だ。



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